ガイナ塗料とはどんな塗料?特徴からメリットデメリットまでわかりやすく解説!

ガイナ塗料という言葉ですが、自宅の外壁リフォームを考えている人なら一度は聞いたことがあるかもしれません。しかし、どのような特徴があるのか詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。そこで今回は、外壁塗装で使用されるガイナ塗料の特徴から、メリット、デメリットまでわかりやすく解説していきます。

ガイナ塗料とは?

株式会社日新産業が開発したガイナ塗料は、特殊なセラミックビーズとアクリルシリコン樹脂を配合した新しい外壁塗料です。ガイナ塗料の主成分である特殊セラミックビーズという小さな球体の働きが重要で、塗料の中に配合されているビーズが断熱材の役割を果たしてくれるため、他の塗料よりも高い断熱機能を発揮してくれます。

このセラミックビーズは他の塗料にも含まれているものですが、せいぜい5~20%程度の含有率となります。一方でガイナ塗料には塗膜状態にもなると80%の含有率となり、非常に多くのセラミックビーズを含んでいることが分かります。

またガイナ塗料は元々ロケットに使用されていたものを、一般の建築塗料にも使用できるように改良したものであるため、遮熱性と耐熱性の効果が高いのが特徴です。

 

ガイナ塗料のメリット

ガイナ塗料はJAXA(宇宙航空研究開発機構)の技術を利用して開発された商品ですので、木材やコンクリートといった外壁だけでなく、瓦やスレート、金属系、ガラス系の各種屋根材など幅広い素材への塗布が可能です。

住宅のあらゆる部分を保護することが出来るガイナ塗料のメリットを、5つに分けて紹介します。

断熱性に優れている

ガイナ塗料の主成分である特殊セラミックビーズは断熱材と似たような働きをしてくれるため、外壁に塗装するだけで断熱効果を発揮できます。油膜表面の熱を放熱するので外気熱の侵入を防いでくれます。

外壁に使用するだけでなく天井や内壁といった建物内部に塗布すれば、冷暖房の効率が上がり、省エネ効果が期待できます。

例えば、冬季に室内で使用した暖房の熱がガイナ塗料を塗布した面の温度を瞬時に上昇させてくれるため、温かい室内環境を整えてくれます。また夏季は室内の冷房により塗装表面が冷やされることで、快適な室内温度を保ち、暑さ対策になるのです。

空調に効きがいいことは光熱費の削減にもつながり、エコ対策にもなるでしょう。環境に優しいのがガイナ塗料のメリットにも含まれています。

遮音効果と防音効果が高い

特殊セラミックビーズが含まれているガイナ塗料は、遮音と防音効果が高いこともメリットの1つです。

セラミック成分の含まれるガイナ塗料は、一般の塗料と比べて塗膜の表面積が大きくなることから、音を効率的に反射するとともに、振動を抑制することで音の侵入を防ぐ効果が期待できます。

ガイナ塗料を屋根材に塗布すれば、雨音はもちろん、電車や車の騒音の軽減も期待できます。線路や主要道路近くにお住いで、環境による騒音に日々悩まされている人にもお勧めです。

近隣との騒音は何かと悩みの種になるものですので、高い防音効果は快適な環境を提供してくれるでしょう。

耐久性が高い

ガイナ塗料は紫外線に最も強いとされるセラミックを多層化した塗料ですので、耐久性が高いことも魅力的な特徴の1つです。紫外線吸収率が非常に高いため、一般的な塗料よりも2倍以上の耐久性があると言われています。

耐用年数は15~20年と長いうえに、ガイナ塗料の1番のメリットである断熱性能の高さによって、暑さ寒さによる建物自体の膨張や収縮を抑えてくれますので、建物の寿命を延ばしてくれる効果も期待できます。

結露防止効果

ガイナ塗料は塗布した周辺の温度に瞬時に適応してくれる性質であることから、冬の厄介な悩みである結露を抑えてくれます。

結露は外気との温度差が激しいことで発生しますが、ガイナ塗料が塗られた天井や内壁は室温に近づくため、熱の移動が少なくなることで、温度差が小さくなり結露の発生を抑制してくれるのです。

結露がひどくなると掃除も大変です。結露がたまり過ぎると水滴によって家電の故障やカーテンの汚れなどさまざまな影響を及ぼしますので、ガイナ塗料の結露予防は快適な暮らしを支えることにつながります。

空気清浄効果

ガイナ塗料の主成分であるセラミックは、遠赤外線を放出する特徴も持っています。セラミックから放出される遠赤外線効果は、空気をマイナスイオン化してくれますので、天井や内壁といった内部にガイナ塗料を塗布すれば、空気中の臭いの原因物質の浮遊を抑え、空気清浄効果と消臭効果が得られます。

ペットを飼っている住宅はもちろん、この特徴を活かして、さまざまな人が利用する公衆トイレや、ホテルなどにも数多く使用されています。

ガイナ塗料のデメリット

 

ここまではガイナ塗料のさまざまなメリットをご紹介してきましたが、デメリットも存在します。デメリットもきちんと把握すれば、ガイナ塗料を使用した際に失敗してしまうリスクも減りますので、ここからはガイナ塗料のデメリットについても紹介していきます。

施工経験がないと扱いにくい

断熱性や防音効果、耐久性、結露防止や空気清浄効果など、さまざまなメリットのあるガイナ塗料ですから、その特徴である高い機能や性能を十分に発揮させる必要があります。

そのためには適切な施工が必要になってきますが、ガイナ塗料は一般の塗料よりも特殊なセラミックビーズを多く含んでいるため塗布が難しく、施工業者の技術力が必要となります。ガイナ塗料の知識を持っているだけでなく、施工実績が豊富でガイナ塗料の扱いになれている専門業者を探さなくてはいけません。

ガイナ塗料の経験がほとんどない業者の口車に乗らないように気を付ける必要があるでしょう。

カラーバリエーションが少ない

ガイナ塗料には52種類のカラーバリエーションがありますが、一般的な塗料と比べると、色の種類が少ないのもデメリットの1つです。

ダークな色合いはありますが、赤や黄色などの原色系や黒のような濃色系といったバリエーションはないため、そのような色合いが好みの人には向かないでしょう。

外観で細目に注文をしたい人にとっては満足いかないかもしれません。

また、ガイナ塗料の仕上がりはマットで落ち着いた仕上がりになるため、光沢感がある仕上がりを期待する人にも向いていない塗料といえます。

防カビ効果がなく、汚れも目立ちやすい

一般的な塗料には防カビ機能が備わっていますが、ガイナ塗料には防カビ効果がありません。防カビ機能を持たせカビや藻を防ぎたい場合には、ガイナ塗料専用の防カビ材を別途使用しなくてはいけません。

また、ガイナ塗料を塗った壁はざらついた表面に仕上がるため、雨風による汚れが付着しやすいこともデメリットの1つです。汚れた外壁は建物の美観を損なううえに、放置してしまうとカビや藻といった外壁材や屋根材にダメージを及ぼす危険性も出てきてしまいます。

他の塗料より施工費用が高額

一般的なシリコン塗料に比べて1.5倍ほどの価格であるガイナ塗料は価格の高さがネックになることも。初期費用が他の塗料に比べてかかりますので、少ない費用で抑えたい人には不向きといえます。

ただ、ガイナ塗料は耐久性が高く耐用年数が長いため、塗り替えのメンテナンスが少なく済みますから、トータルコストで考えればお得になる場合もあります。

気になるガイナ塗料の施工費用

 

外壁塗料の中で国内最も人気の高いシリコン塗料とガイナ塗料を比較してみると、1㎡あたりの施工価格は、ガイナ塗料の方が1500円ほど高くなっています。日本の平均的な戸建て住宅の30坪で計算すると、シリコン塗料は100万円以下で施工できるのに対し、ガイナ塗料の場合は150万円を超えてしまうこともあるのです。

しかしガイナ塗料は耐用年数が長いため初期費用は掛かりますが、トータルコストで考えればお得になる場合もありますので、ご自身の予算や住んでいる地域の気候などを専門業者と話し合いながら、ガイナ塗料を取り入れるか検討するとよいでしょう。

プロの専門業者に相談

ガイナ塗料を使用するかどうかはプロの専門業者に相談するのがベストです。素人目にはガイナ塗料といっても他の塗料との違いが今一つ分かりにくいものです。今後の居住年数をトータルで考えると、他の塗料よりもコスト面で大きく割安になる可能性もあります。

ガイナ塗料も使用するかは実績もあって評判の良いプロの塗装業者に相談するといいでしょう。

まとめ

ここまで新しい外壁塗料の1種であるガイナ塗料の特徴やメリット、デメリットを解説してきましたが、知りたい情報は得られましたでしょうか?

ガイナ塗料は宇宙技術を取り入れた優秀な塗料ですのでメリットがたくさんありますが、いくつかのデメリットも存在しますので、両方の特徴を把握しておくことはとても大事です。

またガイナ塗料は特殊な塗料ですから、技術を持った信頼できる専門業者に依頼しなくてはいけません。ガイナ塗料の性能を活かす施工ができる業者であれば安心して任せられますので、今後ガイナ塗料でリフォームを考えている人は、この記事も参考にしながら、専門業者とよく話し合ったうえで、理想の塗装リフォームを実現していきましょう。

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