アスファルトシングルとは?施工の流れと施工例を解説!

全米で80%以上のシェアを誇るアスファルトシングルは、加工しやすく品質の良いものも多いため、近年日本でも人気となっています。しかしアスファルトシングルがどんな屋根材なのか特徴が分からず不安や疑問を感じている人も多いでしょう。そこで今回は近年国内でも普及してきた、アスファルトシングルの施工方法や施工事例を紹介していきます。

アスファルトシングルの特徴とは

アスファルトシングルはガラス繊維にアスファルトをしみ込ませ、表面に石粒を付着させシート状に形成した屋根材です。アスファルトシングルの表面に付着させる石粒は、細かく砕いた天然石や着色した人工石にすることで、さまざま色合いやグラデーションを楽しめます。

国内で多く使用されている瓦やカラーバストといった屋根材は、硬い素材の物が多いですが、アスファルトシングルは硬い素材でできていません。柔らかく折り曲げることのできるアスファルトシングルは、その特徴を活かし平らではない場所にも貼り付けられます。

アスファルトシングルの耐用年数

アスファルトシングルの耐用年数は、10~20年と言われてきました。しかし昨今では新製品の開発が進み、20~30年と耐用年数が延びています。

しかしながら、屋根材の下地にある防水シートは20年前後の耐用年数のため、葺き替えやカバー工法などのリフォームやメンテナンスは必要となってきます。

アスファルトシングルのメリット

アスファルトシングルには石粒にさまざまなカラーのバリエーションがあり、独自のデザイン性を楽しめます。また、軽量で負担がかからないだけでなく、耐震性が高いので日本向きの屋根材といえるでしょう。周囲の景観とマッチできる豊富なカラーはリフォームでも楽しめます。

さらに、アスファルトシングルは柔らくて加工しやすいので、勾配がある場合にもよりますが、基本的にどのような形状の屋根でも問題なく扱えるでしょう。

アスファルトシングルのデメリット

アスファルトシングルにもデメリットが存在しています。アスファルトシングルは湿気に弱いのでカビが発生しやすい面があります。コーティングされている石粒がパラパラと落ちてくることもあり、軽い素材なので強風時には飛んでしまう恐れもあるでしょう。

アスファルトシングルメンテナンス施工時の確認点

アスファルトシングルを施工できる屋根には、2面に構成された切妻屋根、国内で一番普及している寄棟屋根、屋根面が1面で構成されている片流屋根があります。

逆にアスファルトシングルの施工に向いていない屋根は、フラット型の屋根です。アスファルトシングルは雨水が溜まりやすいので、フラット型ですと雨水の排水が難しくなるためです。アスファルトシングルでリフォームを検討する場合には、まずはご自宅の屋根の形状がどのようなものか確認しておくようにしましょう。

勾配がある屋根でないと少し厳しいと言わざるを得ません。

アスファルトシングルを施工するための材料

アスファルトシングルを施工するときに必要な材料は、ホームセンターやネット通販で手軽に購入できるものが多いです。

必要な材料は、アスファルトシングル、シングルネイル(釘)、シングルセメント(接着剤)、アスファルトルーフィング(下地)となっています。

屋根の大きさにもよって枚数も異なりますが、シングルネイルは1枚に対して4本必ず必要となります。アスファルトルーフィングは雨漏り防止のためにも必要です。また、マスタールーフィングや粘着層ルーフィング、軽さがウリの高分子系ルーフィングといった種類があるので事前に確認するようにしておきましょう。

アスファルトシングル施工時の注意点

施工するときの注意点を2つに分けて説明していきます。

1つ目は悪天候の日には作業をしないことです。悪天候の日は足を滑らせてしまったり、視界が悪く思わぬミスを招いてしまう恐れが高いためです。

2つ目は屋根の端を歩かないことです。屋根材をリフォームする際は、屋根の劣化が進んでいることが多く耐久性が万能ではないため、リスクを減らすためにも屋根の端を歩くのは止めるようにしましょう。

アスファルトシングルの施工手順

ここからはアスファルトシングルの施工方法を大きく3つに分けて紹介してきますので、これからアスファルトシングルでリフォームを検討している人は参考にしてみてください。

アスファルトルーフィングの貼り付け

施工手順の最初は下葺き用のアスファルトルーフィングを貼っていきます。軒先側から順番に張っていくようにしましょう。ステープルを使ってたるみがないように注意しながら張るように気を付けていきます。

アスファルトルーフィングにラインを付けてカット

次の工程はアスファルトルーフィングにチョークなどでラインを引いていきます。ラインでしるしをつけておけば、アスファルトシングルを貼るときの目安になりますし、貼った後の見栄えも良くすることができるためです。そしてラインを付けたら適切な長さにカットしていきます。アスファルトシングルは薄い形状ですので、ハサミやカッターで簡単に切ることが可能です。

カットしたアスファルトシングルに接着剤を付けて貼りつける

必要な枚数をカットしたら、シングルセメントと呼ばれる接着剤を塗っていきます。接着剤をすべて塗り終えたら、軒先側から順番にアスファルトシングルを貼っていきましょう。貼り付けを行ったアスファルトシングル1枚につき、シングルネイルと呼ばれる釘を4本セットで打ち込んでいきます。この時釘を打ち込む位置が重ならないように注意しながら行うようにしてください。

アスファルトシングルのリフォーム方法

アスファルトシングル屋根のリフォーム方法には『カバー工法』『葺き替え』『塗装』があります。ここからはそれぞれのリフォーム方法を詳しく紹介していきます。

カバー工法

屋根材の下地部分に劣化が見られない場合は、下地を交換することなくリフォームすることができるカバー工法がおすすめです。カバー工法は劣化していない下地をそのまま活用するため、下地部分の施工費用は不要なうえに、工期も短く済みます。

葺き替え工事

アスファルトシングルだけでなく屋根材の下地にまで劣化が見られる場合は、葺き替えリフォームが最適です。葺き替えリフォームは既存の屋根材及び下地まですべて撤去し、新しい下地とアスファルトシングルを施工していきます。

葺き替えリフォームは既存の屋根材と下地を撤去した上で廃材処理も行いますので、工期が長く、費用がカバー工法よりも高額になります。

塗装

劣化は見られず汚れや色あせが気になる程度の場合は、アスファルトシングルに塗装を行うことで改善させることができます。

アスファルトシングルには耐久性はありますが、太陽光の強い紫外線を浴びることで、色あせてしまったり、苔や藻が生えて住宅の美観を損なってしまう恐れがあります。住宅の見た目を綺麗な状態に保ちたいとお悩みの人は、塗装を行うことをおすすめします。

アスファルトシングル屋根の施工例

ここからは実際のアスファルトシングルの施工事例を、3つに分けてご紹介していきます。

既存の屋根をアスファルトシングルに変更

既存の屋根の下地部分に劣化が見られない場合は、カバー工法でアスファルトシングルに施工することができます。屋根の傷みが見られる場合は雨漏り等の不具合が起こる前に施工することが望ましいです。

施工例としては、築年数26~30年の住宅で工期は2ヶ月、費用は約120万円での施工実績があります。

劣化が激しい屋根はアスファルトシングルに重ね葺き

既存の屋根材の傷みや劣化が激しい場合は、既存の屋根材はそのまま剥がさずカバーリング工法で重ね葺きがおすすめです。既存の屋根材を剥がさず施工でき工期も短くなりお客様にも喜ばれている施工方法です。

施工例としては、築年数20~25年の住宅で工期は10日、費用は約100万円での施工実績があります。

お好きな色合いにリフォーム

カラーバリエーションが豊富なアスファルトシングルは、和風、洋風のどちらの住宅にもマッチしやすいこともメリットの1つです。その特徴を活かし外壁の色合いと合わせて施工することができます。

施工例としては、築年数25~30年の住宅で工期は1か月、費用は約160万での施工実績があります。

まとめ

アスファルトシングルは加工しやすく優れた屋根材の1つとして、昨今では国内でも人気となってきました。

ご自宅の屋根のリフォームでお悩みの人は、選択肢の中にアスファルトシングルを入れてみてはいかがでしょうか。カラーバリエーションも豊富なアスファルトシングルならば、和風、洋風どちらの住宅にも対応できますし、見た目をがらりと変えることも可能なので、お勧めできる屋根材の1つです。

 

 

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