瓦屋根の種類や特徴とは?マイホームを建てる前やリフォーム前に知っておきたいことを徹底解説!

一生に一度の大きな買い物であるマイホーム建築ですが、たくさんの素材や形状がある瓦屋根の違いが今一つよく分からず、どうしようかと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。また、現在瓦屋根に住んでいて、リフォーム時期が気になる人もいるでしょう。ここでは瓦屋根の種類や特徴の違いに加え、瓦別のメリット・デメリット、リフォーム時期まで詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

瓦屋根とは

瓦屋根とは古くから日本で使用されている歴史のある屋根素材です。歴史の教科書やテレビドラマ、映画、漫画などにもよく使われ、日本家屋といえば瓦屋根というイメージは令和の現在まで続いています。

また、粘土瓦は1000℃~1300℃という高温で焼かれるので耐火性に非常に優れています。自然災害の多い日本では、瓦が落ちてくるのが心配と思われるかもしれませんが、近年では震度が大きい地震であっても崩れない防炎瓦という施工方法が指定されているため安心です。

屋根瓦の特徴

日本の粘土を使用して作られた日本瓦は高温多湿な日本にもピッタリとマッチした機能を兼ねそろえています。お寺や神社には古くから瓦が使われており、日本の建物の象徴でもあります。初詣や参拝などの寺社巡りをする人や遠足などでも訪れた人が多く、むしろ屋根瓦を見たことがないという日本人はほとんどいないでしょう。それだけ生活の一部として目にしているものです。

また、瓦には日本で作られている日本瓦と、海外の建物で持ち入れられている洋瓦があります。日本瓦は趣のある色合いが主流ですが、洋瓦はカラフルな色合いの商品が多いのが特徴です。外国人の中にも日本独特の瓦を好む人は多いですが、一風オシャレで洋風なデザインの瓦も愛用されています。

近年では洋瓦も日本で製造されており、マイホーム以外のオシャレな建造物にも使用されるようになりました。ご自宅の日本瓦をカラーバリエーションの豊富な洋瓦にリフォームする人も増えてきており、屋根瓦は人気のアイテムとなっています。

瓦屋根の種類は素材別と形状別に分けられる

昔の瓦と言えば、粘土を焼いたものしかなかったのですが、最近ではさまざまな素材を使用して作られるようになりました。瓦は素材や製造方法によるものと、形状や使用する用途によるもので分類されています。

瓦屋根は日本家屋の顔といっても過言ではありません。その種類だけで歴史ある建物だと実感できますし、遠くから見ても圧倒的な重厚感の雰囲気を醸し出しています。

屋根瓦の種類ごとのメリット・デメリット

屋根瓦に使用されている素材はいくつかあり、各素材によってメリット・デメリットが存在します。瓦選びを失敗しないためにも、それぞれの性質を知り比較することで、ご自身の住まいに合った瓦を選ぶことができるでしょう。

粘土瓦

粘土を原料にして作られた粘土瓦は、日本では1番ポピュラーな瓦と言えます。時代劇にも登場するお馴染みの瓦です。粘土瓦は粘土をそれぞれの形に成形し、1000℃~1300℃ほどの高温で焼きあげるためとても頑丈で、耐久性や遮音性にも優れ、基本的には塗装のメンテナンスも必要ありません。昔から日本で使われており、日本の風土ともいえる高温多湿にも適していますが、重量が重いため建物全体に負荷がかかりやすく、他の瓦屋根に比べ耐震性は劣ります。

また粘土瓦には、粘土を成形して素焼きにする「無釉薬瓦」と、成形した粘土に釉薬をかけて焼き上げる「釉薬瓦」があります。釉薬瓦は釉薬で表面をガラス質にコーティングしているので光沢があり、カラーバリエーションも豊富なことから陶器瓦とも呼ばれています。

陶器瓦は耐用年数も長く、50年以上にも及ぶ耐久性を誇り、長年日本を支えてきた屋根瓦として今後も君臨していくでしょう。

セメント瓦・コンクリート瓦

セメントと砂を原料にして作られたセメント瓦は、コンクリート瓦とも呼ばれています。粘土瓦と見た目や性質は似ていますが、セメント瓦の方が粘土瓦よりも形が揃えっているため、施工のしやすさがあります。セメント瓦は粘土瓦より安く仕上げることができるため、一昔前には需要があったのですが、粘土瓦よりも耐久性が低いこともあり、最近では製造されなくなってきています。また苔などの発生も起きやすく塗装メンテナンスが欠かせないことも欠点の1つとなっています。

最近では軽量セメント瓦も登場しており、こちらはセメント特有の趣やデザインはそのままに耐震性を向上させたものです。金属よりも軽くて揺れ幅を抑える効果が見込め、錆びにくいという特徴も兼ね揃えています。また、防火・耐風・防水といった観点から耐候性にも優れ、雨音も気にしない防音性もあります。それだけに軽量セメント瓦は様々な点から、需要も高まってきています。

プラスチック瓦

プラスチック瓦は、繊維強化プラスチックなどの樹脂系の素材を瓦型に成形した屋根材となっています。従来の粘土瓦よりも重量が大幅に軽量化されたことで、住宅の屋根への負担が軽減されます。また、軽量化により地震などの災害に対しても耐震性も高くなりましたので、地震大国である日本においても安心の製品といえます。

ただし素材が繊維強化プラスチックのような樹脂系ですので、メンテナンスの頻度としてはやや高くなる傾向にあります。

ガラス瓦

ガラス瓦は、透明なガラス素材を瓦型にして使用するものです。ガラス瓦は粘土瓦やセメント瓦のように、住宅の屋根全体に使用するというわけではなく、天窓の代わりのように部分的に使用するのが一般的となっています。

日光を直接室内に送り込むので、耐熱性に優れており、室内にいながら自然な陽の光を感じられます。

瓦屋根のメンテナンスやリフォーム時期

気になる瓦の耐用年数ですが、種類によりそれぞれ違いがあります。粘土瓦の耐用年数は、50~100年といわれています。粘土瓦の中にも種類があり、釉薬を使用した釉薬瓦はガラス質でコーティングされていることもあり、60~100年で他の瓦と比べても高耐久であることが分かります。メンテナンスが不要な粘土瓦ですが、棟瓦を支える漆喰の補修は随時必要となるでしょう。

セメント瓦の耐用年数は、20~30年といわれています。セメント瓦は粘土瓦より安価で入手できる反面、耐久性は怠りますので耐用年数も短くなっています。また塗装をして使用されるため、変色などがおきたらメンテナンスが必要となるでしょう。

プラスチック瓦の耐用年数は、20~30年といわれています。素材がプラスチックのためメンテナンスも高くなる傾向にあり、ヒビや欠けが見つかれば葺き替えが必要になる場合もあります。

これらの耐用年数はメンテナンスや土地や気候変動によって変わってきます。局地的なゲリラ豪雨が続いてしまった場合や台風が連続して訪れた地域、例年以上に豪雪の影響がでてしまった場合など、従来の風土と異なる気候になった場合には耐用年数も変化が出るといえます。

瓦屋根の施工方法

瓦屋根をリフォームするには主に2つの施工方法があります。

・葺き直し

1つ目は既存の瓦を再利用する「葺き直し」で、下地の板の劣化部分をメンテナンスし、ルーフィング(防水シート)を交換するだけで、既存の瓦は再利用する方法です。

全取り換えするよりも施工期間が短くなりますし、コストも削減できます。ただし古い瓦をそのまま使用するため、デザイン性で物足りなさを感じることがあります。また、築年数の古い瓦ですと、瓦自体の取り扱いがなく葺き直しできない場合もあるので注意が必要です。

・葺き替え

2つ目は下地の板を丸ごとまとめて交換する「葺き替え」で、屋根全体を補修して、屋根の劣化やゆがみが起きている場合に持ち入れられる方法です。葺き替えすれば、屋根の劣化は回復しますので、家の耐用年数を長持ちする効果も期待できます。

また瓦自体を新しくすることで機能性もあがりますから、耐震性も向上され安心感が違います。ただし屋根丸ごと葺き替えるので、施工期間は大幅に長くなり、コストも上がってしまうデメリットもあるでしょう。

気になるリフォーム費用は施工業者次第

気になるリフォーム費用は、使用する屋根材や住宅の形状によって異なりますが、葺き替え工事の平均相場は、60~250万円となっています。しかしあくまでも目安ですあり、施工業者によって違いがあることは把握しておきましょう。

リフォームの知識に疎い住人を相手取り、安い材料費で高額な費用を請求する悪徳業者も懸念されます。騙されないためにも施工業者はしっかりと選択しないといけません。

瓦屋根リフォームに実績のある専門業者を選ぶポイント

さまざまな種類のある瓦を自分だけで決めるのは簡単なことではありません。施工経験が豊富な専門業者に依頼することが最大のポイントとなります。

業者に依頼するときは1社だけで見積もりを出すのではなく、相見積もりは必ずするようにしましょう。屋根の状態を確認するのに短時間で終了するような業者は信頼できません。そこで複数の業者に現地調査を依頼すれば、入念にチェックしてくれる業者かわかります。

また、見積書に高額な費用を請求されたとしても、複数社の見積書があれば比較ができ安心です。

日本の文化の象徴ともいえる瓦屋根

瓦屋根は日本家屋に多く使われています。中でも歴史ある建築物には瓦屋根が使用されているのが特徴的です。古くから都として栄えてきた京都や奈良には由緒ある寺社がたくさんあり、屋根瓦が象徴的といえます。また、日本の象徴ともいえるのがお城です。姫路城や大阪城、熊本城など日本には数々の名城がまだまだ残されており、瓦屋根を堪能することができます。

日本の文化の象徴ともいえるのが瓦屋根であり、まだまだ需要は続くことは間違いありません。

まとめ

知っているようで知らなかった瓦について、解説してきましたがいかがでしたでしょうか?屋根は住宅の中で、とても大切な役割を果たしてくれている場所です。最新の機能を果たした瓦なら耐震性も上がるうえに、外観も一新できます。屋根工事は決して安いものではありませんので、後悔しないためにも瓦屋根の特徴を理解し、ポイントを抑えることで快適なマイホーム生活を実現してみてください。

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