太陽光パネルを設置する際の流れから注意点、設置費用を詳しくご紹介!

新築住宅を建てる際、太陽光パネルの設置を検討する人も多いのではないでしょうか。

しかし太陽光パネル設置にはメリット、デメリットが存在するため、設置する前に知っておくべきことがいくつかあります。そこで今回は太陽光パネルを設置する際の流れから気を付けるべき注意点、気になる設置費用など詳しく解説していきます。

太陽光パネルとは?

太陽光パネルとは、太陽の光で発電を行うパネル上の設備を指します。家庭用の小型なものから工場などで使用する産業用の大型なものまで、使用する用途によってさまざまな製品があります。

また太陽光パネルは素材別に3つの種類に分けられます。最もポピュラーな素材はシリコン系で、太陽光パネルの中で普及率の高い素材です。またシリコン系は単結晶タイプ、多結晶タイプ、アモルファスシリコン、HIT(ヘテロ接合型)の4つに分類することができ、国内の一般住宅で最も主流となっているのは単結晶シリコンとなっています。

太陽光パネルが発電する仕組み

太陽光パネルを構成する太陽電池は、一般的にシリコン(半導体)でできています。この半導体に太陽の光が当たることで電気が生まれ、光電効果という仕組みを利用して太陽光パネルを発電させています。

太陽電池はn型半導体とp型半導体という2種類の半導体を重ね合わせた構造となっています。太陽光が半導体にあたることで、n型半導体の方にマイナスの電子が、p型半導体の方にプラスの正孔に集まり、この2つの電極を銅線で繋ぐことで電気が流れる仕組みとなっています。

太陽光パネルを設置するタイミングについて

太陽光パネルを設置するには高額な費用が必要になるため、太陽光パネルの導入を新築時にするのか、後付けにするのかと設置のタイミングに悩まれている人も多いと思います。

そこでここからは2つの方法のメリットを詳しく紹介していきますので、それぞれを比較してみてください。

新築時に設置する場合

太陽光パネルを新築時に一緒に取り付ける場合は、住宅ローンに設置費用をひとまとめにできるため、初期費用面でメリットといえます。新築時であれば太陽光パネルの設置を考えた設計ができますから、太陽光パネルを効率的に使用でき発電効率を上げることができます。

既存の住宅に後付けする場合

太陽光パネルを既存の住宅に後付けする場合の最大の魅力は、固定資産税がかからないことです。新築時に一緒に設置する場合、屋根一体型の太陽光パネルを選ぶと住宅の一部とみなされ固定資産税がかかってしまいます。しかし既存の住宅に後付けする場合は、屋根に架台を設置して太陽光パネルを取り付けるため、既存の屋根とは別扱いとなり固定資産税はかかりません。

太陽光パネルのメリット、デメリット

太陽光発電にはメリットとデメリットも存在します。

メリットとしては太陽光で発電した電気は10kw以上の発電であれば、20年間固定価格で買取してくれるため、長期的に安定収入が見込めます。また定期的な点検や清掃を行うだけとメンテナンスもかからないため、維持費が安く済みます。

デメリットとしては太陽光パネルを設置する際に、既存の屋根に穴をあけて工事するのですが、設置業者の技術力によっては雨漏りのリスクが起きる場合があるため注意が必要です。

太陽光発電に必要な設備について

ここからは太陽光発電に必要な設備を5点紹介していきます。

太陽光パネル

光電効果により発電を促す太陽光パネルは、ソーラーパネルや太陽電池モジュールとも呼ばれています。ご自宅に太陽光パネルを設置したい場合は、屋根の面積や角度、屋根材の種類などを専門業者にしっかりと確認してもらい太陽光パネルの枚数などを決めるようにしましょう。

パワーコンディショナー

太陽光パネルで作られた電流をご自宅で使える交流電流に変換してくれるのが、パワーコンディショナーです。太陽光発電システムを利用するために必要不可欠であるパワーコンディショナーは、設置場所によって種類が変わりますので、屋外で使用するのか屋内で使用するのか確認しておくことが大事です。

架台

太陽光パネルを屋根に固定するための部品を架台と呼びます。素材としてはアルミやステンレスが多く、アルミ製は軽量で扱いが簡単ですが、軽いため十分な強度があるものを選びましょう。またステンレス製は重厚でしっかりと強度のあるものが多いですが、費用が高くなってしまう恐れがあります。施工実績のある信頼できる専門業者に架台の高さや角度を適切に調整してもらい、効率の良い発電がおこなえるようにしましょう。

発電量モニター・電力量計

日々の発電や売電の状況や電気使用量をモニターで確認できる装置のことを、発電量モニターと呼びます。

電力量計は電力会社に電力を売った電力量と、電力会社から電力を購入した買電量を計測してくれる装置です。計測誤差を防ぐためには専門業者としっかりと話し合い、設置場所を決定することが大事です。

蓄電池

蓄電池はその名の通り、太陽光パネルで発電した電力を蓄えておくための設備です。昨今では太陽光発電システムの導入により蓄電池を設置しないご家庭もありますが、自家発電した電力を効率よく使用するためには蓄電池の導入がおすすめです。

太陽光パネルの設置の流れ

太陽光パネルを設置するには一連の流れがあります。専門業者に依頼したからといってすぐに設置工事をしてもらえるわけではありません。専門業者に依頼をすると、実際にパネルが設置できるのかの調査が行われます。調査の結果、太陽光パネルの設置が可能となれば、ご自宅の屋根の形状や屋根材の種類、日射量の予測などを踏まえて見積書が出されます。

提案された見積書にきちんと内訳が記載されているのか、チャックすることが大事です。機材費や工事費が別々に記載されているかなどを細かく確認し、納得できてから発注するようにしてください。

通常ですと、1~3日程度で設置完了となります。日取りが決まれば、それほど工期がかからない特徴もあります。

太陽光パネル設置に関わる費用について

太陽光パネルを設置するには、ソーラーパネルや架台、パワーコンディショナーの設置が必要となるでしょう。昨今では太陽光発電が広く普及されていくようになり、電気の買い取りが始まった2009年以降、年々初期費用は減少してきています。

国は2030年までに新築住宅のおよそ6割で太陽光発電が設置されることを目標としているため、設備費用も下がる傾向にありますし、設置に伴う補助金制度が利用できる可能性もあるため、お住まいの都道府県や自治体の補助金制度を確認しておくようにしましょう。

新築住宅と既存の住宅で設置費用は変わる

太陽光パネルは新築住宅に設置する方が、既存の住宅に後付けするよりも低コストで設置することが可能です。その理由としては、新築時は太陽光発電システムの導入ありきで設計できるため初期費用として抑えられますが、既存の住宅に後付けする場合、屋根の強度や状態によっては、強度を上げる工事を行わないといけない場合があるため、費用が高くなる恐れがあります。

太陽光パネルの価格について

 太陽光パネルの価格は販売する業者ごとに違いがあります。高い製品ですので比較的安価な製品を選んでしまいがちですが、ご自宅がある地域の気候に合ったパネル選ぶことが大事です。

太陽光パネルに費用が変動する理由

専門業者に見積もり依頼を出したものの、相場より費用が高額になり不安になる人もいるのではないでしょうか。そのような不安を解消するため、ここからは太陽光パネルの設置費用が変動する理由を3つに分けて詳しく紹介していきたいと思います。

設置面数が多くなる場合

太陽光パネルなどを設置する屋根面積が増えると、必然的に設置工事費用は高くなります。見積依頼を出す場合は、ご自宅の屋根に設置する面数を確認しておくようにしましょう。

足場の設置が必要になる場合

工事を行う際、足場設置が必要になる場合も設置費用が高くなってしまいます。施工業者によって価格差はありますが、足場を組む面数が増えれば足場代も高くなるので、覚えておくようにしてください。

設置工法が異なる場合

太陽光パネルを設置する工法によっても、見積価格は変わってきます。既存の屋根が瓦屋根の場合、『支持金具工法』『支持瓦工法』『アンカー工法』の3つの方法で工事を行いますが、それぞれの工法で金額は変わってきますので、事前に専門業者とよく話し合うようにしましょう。

太陽光パネルの効果はSDGsにもつながる

太陽光パネルの効果は様々な面で発揮されています。

まずは「光熱費の削減」です。太陽光パネルによって自家発電可能なので、節電効果が見込めます。先述したように電気は売ることも可能ですが、電気代の値上がりが止まらないことを受けて、自宅で利用したほうが節電効果にもなります。

そして「環境保護」です。太陽光パネルはCO2を排出しないので、クリーンなエネルギーとして地球の環境問題貢献できます。

この地球環境問題には現在耳にすることも多いSDGs(持続可能な開発目標)にもつながります。SDGsでは17個の目標がありますが、その中でも7番目にある「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」という目標は太陽光パネルと関連性があります。

CO2を発生させずにクリーンなエネルギーを供給できる太陽光パネルは、まさにSDGsに自然と取り組んでいるといえるでしょう。

まとめ

今回は、太陽光パネルを設置する際の流れや費用、注意点についてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。太陽光パネルの設置には、さまざまな工程があるほか、メリット、デメリットも存在します。

これから太陽光パネルの設置を検討している人は、この記事を少しでも参考にしてご家庭のニーズに合った導入プランを検討していただけたらと思います。

 

 

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