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住宅の基礎を守るために必要な水切り板金!役割と費用やメンテナンスを紹介

住宅に欠かせないのが水切り板金です。言葉だけ聞くと何のことか分からないという人もいるでしょう。この水切り板金があるとないのではメンテナンスにも大きな違いが生まれます。住宅の基礎を守るためにも重要な水切り板金ですが、その役割を知ると付けていなかったのが悔やまれるかもしれません。

そこで、水切り板金の役割や費用、メンテナンスを解説していきます。

水切り板金とは

住宅には土台となる基礎という部分があります。この基礎が雨水に濡れてしまうとさまざまなデメリットが生じてしまいがちです。水切り板金は基礎の上に配置することで、基礎が雨に濡れるのを防ぐ効果があります。

基本的にコンクリートで出来ている基礎は雨水を吸水しやすくなります。基礎に直接雨水が当たるというよりかは、外壁からの零れ落ちる水滴が基礎を濡らし続けていくものです。

長時間の雨や梅雨時期、台風、豪雨など、雨水が絶え間なく続くときなどは基礎が濡れてしまい、床下にも湿気がこもりっぱなしになってしまうでしょう。

こうなるとシロアリなどの被害が出始めるので注意が必要です。

水切り板金は雨水を基礎から離れた場所に排水し、基礎が直接濡れない効果が見られます。

水切りの役割

水切りの主な役割は3つあります。

1.住宅基礎の腐敗や雨漏りを防ぐ

2.シロアリの発生を防ぐ

3.雨だれによる外壁汚れを防ぐ

それぞれの特徴をみていきましょう。

住宅基礎の腐食や雨漏りを防ぐ

住宅の基礎はコンクリートで生成されており、丈夫なのですが、その反面に雨水を吸水しやすいものです。基礎は外壁よりも下部になりますので、直接雨水が当たらないものです。

ただ、屋根と違って太陽光が当たるものでもなく、濡れてしまうと乾きにくいものでもあります。

基礎は乾きにくいので、湿気がこもりやすくなりますし、住宅の腐食が進んでしまう恐れがあります。腐食から割れなども起きてしまい、雨漏りのリスクも出始めてしまうでしょう。

そこで、水切りを使用することで住宅の基礎を濡らさないようにできますし、腐食や雨漏りを未然に防ぐ効果があるのです。

シロアリの発生を防ぐ

基礎が雨水を吸水してしまうと湿気が上がりますが、怖いのはシロアリの発生です。シロアリは湿気を好み、外壁や基礎、床下などの隙間に大量発生してしまいます。

シロアリは住宅のあらゆる部分を食べてしまうので、住居の耐久度の低下だけでなく、視界に入るほど浸食してきます。放置するのは危険ですし、修繕費用も大幅に上がってしまうのでデメリットしかありません。

水切りを設置することで湿気を抑えてシロアリなどの害虫発生も防げます。

雨だれによる外壁汚れを防ぐ

住宅の外観を悪くするのが雨だれによる汚れです。水切りがないと雨水が切れなくなり、外壁の汚れが落ちづらくなってしまいます。

雨だれの汚れは特に落ちづらい場合があるので、掃除の時間も余計にかかるものですし、塗装費用もかかってしまいます。

水切り板金をメンテナンスする目安

水切り板金の重要性が分かったところで、今度は現在使用している水切り板金をメンテナンスする目安をみていきましょう。

錆や色褪せ

水切り板金に錆や色褪せができてくると、修理する目安となります。しっかりと汚れを落としてから塗装するようにしましょう。色褪せなどは塗装するだけでも十分効果が戻ります

ただ、錆などは残してしまうと余計に浸透してしまいがちです。錆を発見したらまずはやすりなどで錆をしっかりと除去しなければなりません。

錆も時間が経過している場合は浸食しているので穴が開いているケースがあります。そうなると除去できなくなるので、費用はかかりますが水切りの交換も検討するようにしましょう。

凹みなどの変形

水切り板金も経年劣化があり、凹みなども生じてしまいます。軽い凹み程度なら放置しても問題ないですが、明らかな変形になると雨水が排水できずに基礎を濡らしてしまう恐れがあります。

変形や凹みがある場合、キズが発生していることも多々あります。何かをぶつけてしまったり、モノを落としてしまった場合など、凹みと同時にキズもついてしまいがちです。

キズから水が伝い漏れすることもあるので、早急に業者に相談するようにしましょう。

破損

小さなキズではなく、明らかに破損してしまった場合は業者に修理依頼をかけます。水切りの素材にもよりますが、金属製になると錆も浮き出てしまいます。ヒビ割れの可能性もありますし、早めの点検修理が安心できます。

水切りは凸部分になりますので、車などにもぶつかる可能性がないとは言い切れません。破損個所から基礎に雨水が浸透してしまう恐れがありますので、早急な対策を講じるようにしましょう。

水切り板金のメンテナンス費用

水きり板金のメンテナンスには下記3点が主な方法です。

・塗装

・部分修繕

・交換

水きり板金のメンテナンスにかかる一般的な費用の相場をみていきましょう。

・塗装

塗装は比較的簡単にできますので、1mあたり300〜800円と安くなっており、他のメンテナンス方法に比べても安価です。

ただし、住宅は外周で長くなるので、一般的な住宅だと20m以上でしょうから6,000円 ̄20,000円前後にはなりそうです。

ここに人件費が加算されますので、総額は20,000円~50,000円くらいになるでしょう。

・部分修繕

水切りの一部交換や凹みなどの破損を補修する場合、一度綺麗に修理してからパテで埋めて補修します。凹みやキズを補修してから色合いを揃えて塗装し、艶もだしていきます。一部の修繕とはいえ、水切り板金は専門的な技術を擁するので、修繕費用は高くなるでしょう。

部分的な補修でも10,000円〜40,000円程度はかかります。

・交換

破損が激しい場合や凹みが大きいときなど、一部の修繕では対応できないので外壁の水切り全体を交換する必要があります。住宅の広さにもよりますが、水切り板金を全交換すると50,000円〜100,000円の費用がかかります。

メンテナンスの中でも金額が一番大きくなってしまいますので、部分補修か全交換かは業者に相談するようにしましょう。

メンテナンスは塗装がおすすめ

水切りのメンテナンスは費用も抑えられる塗装がおすすめです。塗装が剥がれると紫外線や錆による劣化を招いてしまいます。塗装メンテを行うことで、水切りの劣化を防ぐ効果が見込めます。

ただ、水切りに使用されている素材によっては塗装ができません。塗装ができない水切り素材には「ステンレス」「銅」「アルミニウム」があります。塗装が全くできない訳ではありませんが、これらの素材は塗装しても剥がれやすいので効果が見込めないのでやめておきましょう。

外壁塗装と合わせるとコスト削減

後述しますが、水切りには基礎の上部以外にもあります。屋根の軒先にも水切りがあり、こちらは外壁から雨漏りを防ぐ効果があります。そのため、足場を組まないと塗装ができない水切りの場合、まとめて塗装を行えば足場代や人件費を抑えられます

足場代だけでも数万円程度はしますので、まとめたほうがお得といえるでしょう。

また、外壁の色合いに合わせて塗装できます。

水切り板金をメンテナンスする際の注意点

水切り板金をメンテナンスする場合の注意点をみていきましょう。

水切りは住宅の中でも非常に重要な部分

自宅の修繕は自分で行いたいという人も珍しくありません。ホームセンターではさまざまな工具や部品が販売されており、AmazonなどのECサイトでもプロ仕様の商品が数多くラインナップされているものです。

業者に依頼するよりもはるかに安価で済みますし、時間と労力はかかりますがDIYで修理したほうがコスパにすぐれています。

ただし、水切りというのは基礎を守るためのものです。住宅の中でも非常に重要な部分であり、確かな技術で修理する必要があります。もしもDIYで失敗でもすれば余計に雨漏りがひどくなりますし、その部分を修理する際に削って除去する作業が入るのでコストも増えてしまいます。

水切り部分をメンテナンスする場合、まずは業者に見積もりを出すようにしていきましょう。

業者の選定は相見積もりが重要

水切り板金はどの工務店やリフォーム業者でも担当可能です。それだけにどの業者に依頼すればいいのか悩むものでしょう。コストだけを見ればホームページや広告で簡単に判断できるものです。

ただ、塗装などを掲載している場合だと、1mあたりの金額しか載せていないので、実際に見積もりをする際に余計な費用を取られたり、人件費が思った以上に上乗せされているなど、悪徳業者もいるものです。

そこで重要なのが口コミやSNSの評判、そして点検後の相見積もりです。点検時にこの程度の凹みなら修理は不要と連絡してくれる業者などは信頼感が持てます

点検するだけして、後から別の場所も修理が必要と訴えてくる業者もいるので、事前に相見積もりを出してもらって検討し、信頼できる業者を選定するようにしましょう。

基礎部分以外の水切り

水切りは基礎部分を守る以外にも住宅には存在しています。それが軒先水切りです。軒先は屋根から流れ落ちる雨水を内部に浸水しないようにするために重要な部分となります。

実際に屋根は雨水にさらされている部分なので、少量の雨でも流れてくるものです。軒先水切りの重要な要素をみていきましょう。

屋根からの雨水を防ぐ

軒先水切りの役割は屋根からの雨漏りを侵入させないように排水されることです。屋根には雨樋が設置されており、ここに流れ落ちた雨水が地面に排水されるようになっています。

軒先水切りがないと綺麗に流れ落ちず、雨水が屋根の内部に浸水してしまい、屋根材の劣化や住宅への雨漏りとなってしまいます。

一度雨漏りが始まると腐食の恐れがあるので、軒先水切りは非常に重要といえるでしょう。

強風時の煽りを防ぐ

屋根は台風などの強風時の影響で煽りを受けやすい部分です。強風時にはニュースで屋根が飛ばされている映像を見ることもありますが、軒先水切りは板金で固定しますから風による影響を抑えることが可能です。

軒先水切りは屋根が強風の煽りを受けて飛ばないための役割も担っています。

軒先水切りの費用

軒先水切りは1mあたり1,600円~3,000円程度になります。屋根にはその他にも板金があり、ケラバ板金や棟板金、谷板金などと合わせて修繕することがあるでしょう。また、足場が必要になりますので、足場代も必要です。

全体的なコストを削減するなら人件費や足場を抑えられるように、外壁の塗装や基礎部分の水切り塗装も含めて工事を依頼するほうがコストパフォーマンスに優れています。

業者に水切り板金の点検を依頼する際に、屋根部分も同時に点検してもらって見積もりを出してもらうようにしましょう。

まとめ

水切り板金は住宅の基礎を守るためにも重要な部分であり、雨水の侵入を防いでいます。水切り板金には「住宅基礎の腐敗や雨漏りを防ぐ」「シロアリの発生を防ぐ」「雨だれによる外壁汚れを防ぐ」といった効果がみられます。

水切り板金には色褪せ・錆や凹み、破損などの症状がみられたら修理し、塗装や交換などのメンテナンスを実施して住居を守るようにしましょう。

スレート屋根材の特徴や種類、塗装施工の流れを解説!

スレート屋根は多くの住宅で使用されている屋根材です。劣化しやすい屋根や外壁というのは住宅のリフォームでもしばしば取り上げられますし、心配になるものです。そこで、スレート屋根やスレートの種類、メンテナンスの施工方法など、気になる点を解説していきます。

スレート屋根とは

スレート屋根とは粘板岩(ねんばんがん)を使用した屋根材を指しています。スレート瓦や普及している商品名のカラーベストと呼ばれることもあります。広く屋根材として広まっているので、多くの人が見かけたことがあるでしょう。スレートは薄板形状で軽く、耐震性にも優れているので、屋根材として幅広く利用されています。

スレート屋根の特徴

スレート屋根は雨漏りに強いのが特徴です。これは2枚重ねという構造のおかげでもありますが、上側のスレートを伝ってくる雨水が下側のスレートに滑っていき、そのまま排出されていきます。

ただし、縁切りができていないと塗料の膜が雨水の逃げ道を塞いでしまい、排出されずに溜まってしまいますので、釘を伝って屋根裏に雨漏りを発生されてしまうのです。

スレート瓦が欠けたからといって安易にシーリング材を使って隙間を埋めてしまうと、雨漏りがひどくなってしまう恐れがあります。

スレートの隙間というのは雨水が入ってしまうものですが、逆に入り込んでも逃がす機能が備わっているのが特徴なのです。

スレートの種類

スレートの種類は主に「天然スレート」と「化粧スレート」の2種類から成り立っています。それぞれの違いを説明していきます。

天然スレート

天然スレートは天然石の粘板岩を薄く加工し、天然由来の自然な仕上がりで高級感を演出します。天然の素材を使って高級品のため、一般の住宅に使われることはほとんどありません。東京駅や海外の寺院や城といった付加価値が高いものに使われ、値段が高いのが特徴です。

化粧スレート

化粧スレートは広く一般的に使用されている屋根材となります。コスト面でも天然スレートよりも十分抑えられますし、品質も申し分ありません。カラーベストやコロニアルと呼ばれることも多くあります。これはケイミュー社のカラーベストが人気で、その商品名でもあるコロニアルを指しています。

スレートの施工方法の流れと施工例

リフォームではスレートの施工方法の流れや施工例が気になる人も多いでしょう。まずは一番多い塗装のメンテナンス方法を紹介していきます。

塗装でメンテナンス

スレート屋根は劣化すると大規模な工事が必要になることがあります。そこまで深刻とならないように手軽なメンテナンスが塗装による施工方法です。屋根は紫外線や風雨の被害を受けやすく、油膜が剥がれたまま放置すると屋根材が劣化してしまうことにつながります。塗装が剥がれて屋根が劣化すると、美観を保つこともできません。

定期的な塗装工事をすることで劣化を防げますし、住宅の美観を保てるでしょう。

塗装の流れと施工例

次にスレート屋根で塗装の流れをみていきます。

足場→ネットの設置→高圧洗浄→タスペーサー→下塗り→上塗り

・足場を組む

まず屋根の塗装には足場を組む必要があります。素人がDIYで屋根に上って塗装するのは危険です。

・養生ネットを張る

養生ネットは塗装の飛散や洗浄時の泥などが、隣家に飛ばないようにしないといけません。思わぬトラブルにつながる恐れがあるでしょう。

・高圧洗浄で汚れ除去

高圧洗浄は砂埃などの汚れやコケを落とすだけでなく、塗料が屋根材にしっかり密着しやすい効果があります。

・タスペーサーの設置

タスペーサーを使用せずに塗料後の縁切りをすることもありますが、作業の手間を考えるとタスペーサーを使用するほうが断然早くなります。

・塗装

次に下塗りです。これは2回行うことで上塗りの効果を上げられます。下塗りを2回行うと密着性も上がるので艶にも違いがでます。上塗りも2回行うようにして完成です。

塗装に必要なタスペーサーや縁切り

スレート屋根は2枚が重ねるようになっており、塗装するときに隙間をあけておきます。スレートの隙間があると雨水が侵入しそうなイメージがあるものです。実際には逆で、隙間が塗料で埋まってしまうとそこに雨水が逃げ道をなくして溜まってしまい、釘を伝って雨漏りの要因となってしまいます。

また、塗料で隙間を埋めてしまうと、屋根の湿気がこもってしまうので内部結露が生じてしまい、こちらも雨漏りに要因となりがちです。

そこで、スレートの隙間を空けるのがタスペーサーや縁切りとなります。従来は縁切りで職人さんが手作業で隙間を空けていましたが、現在はタスペーサーを設置して人工的に隙間を作ります。これにより人の手作業によるバラつきがなくなり、均一に隙間を空けられるようになりました。

塗装のメリット

スレート屋根の施工で塗装工事をするメリットは、屋根材の劣化を防ぎ、住宅の美観と雨漏りの予防を維持できます。塗装が剥がれたまま放置してしまうと、先述したように大掛かりな工事が必要となってしまいます。葺き替え工事になるとリフォーム費用もかさみ、工期も長くなってしまいます。

定期的な塗装工事を入れることで、このような事態を未然に防げますし、スレート屋根を長持ちさせられますので、さまざまな面で効果を期待できるでしょう。

塗装のデメリット

基本的に塗装によるデメリットはほとんどありませんが、定期的なメンテナンスが必要と言うことは、それなりに費用もかかってしまいます。さらに、他のメンテナンスよりも耐用年数が短いのがデメリットに感じる場合もあります。

また、塗料は種類が多すぎて何を使用していいのか分からないという人もいるでしょう。業者に任せっぱなしだと不安と感じるものです。築年数や屋根材の種類、土地や周囲の環境によって塗料を選択しないといけません。タスペーサーを使用しないなど、信頼できる業者を探さないと、思った以上に出費がかさむケースがあります。

実際に築年数が長くて損傷が激しい場合は、塗装では対応できないこともあります。

損傷が激しいときはカバー工法と葺き替え工事

スレート屋根の損傷が激しい場合、カバー工法と葺き替え工事によるメンテナンスが必要です。

・「カバー工法」

カバー工法は現状付いてあるスレート屋根に、上から重ねるので「重ね葺き」や「重ね張り」などともいわれます。屋根材がそのまま2重になるので防音性も上がり、間に断熱材を敷けば断熱性の効果もさらに上がります。「カバールーフ工法」と呼ばれることもあり、上に重ねる材料にはカルバリウム鋼板が使用されます。

既存の屋根材を残したまま工事するので、屋根を撤去しないで済みます。また、工期も短くて済みますし、費用を抑えられるので屋根を撤去しないで済むならカバー工法で工事するのがおすすめです。

・「葺き替え工事」

スレート屋根の損傷が激しい場合は、葺き替え工事も視野にいれます。こちらはカバー工法とは違い、既存の屋根材を撤去します。大規模な工事となり、廃材も増えますので費用がかさみます

あまりに損傷が激しい場合、野地板まで葺き替える工事となりますので、費用も増えるだけでなく、一時的に退出しないとならないケースがあります。

葺き替え工事は大掛かりな工事となりますので、費用面でも厳しいというご家庭では、まずは塗装メンテナンスをしっかりと行うようにしましょう。

まずは点検から始める

スレート屋根の葺き替え工事になると高額の費用が心配という人もいるでしょう。まずは点検してもらうことから始めたほうが無難です。どのような住宅でも5年目くらいからは点検したほうがいいので、専門業者に依頼するようにしましょう。

10年目から点検するのもいいのですが、住まいの環境によってはすでに劣化が進んでいる可能性があります。早めのメンテナンスでしっかりと予防したほうがいいので、年1回ずつ点検してもらうようにし、塗装工事をしたほうが費用も安く済みます。

5年程度でコケや割れが発生している可能性もありますので、まずは点検から始めましょう。

そのためにも信頼できる業者を探さなくてはなりません。相見積もりを出してもらって判断するのもいいですし、評判や口コミなども考慮して信頼できる業者を選定しましょう。

まとめ

スレート屋根は平板が主流となっており、さまざまなカラーもある人気の屋根材です。2枚のスレートが雨水の逃げ道を作り、雨漏りに強くて軽量のため耐震効果が見られるのも特長です。

リフォームにおけるスレート屋根の施工は塗装工事が主流であり、早めのメンテナンスで大規模な工事を防ぐことが可能です。どうしてもスレートの損傷が激しい場合はカバー工法や葺き替え工事を検討するようにしましょう。

まずは信頼できる業者を選定して点検を依頼し、メンテナンス費用を抑えるのが得策です。

リフォームにも重要! トタン屋根の葺き替えの流れと費用を解説

トタン屋根はコストも安く施工しやすい為、昔から広く使用されている屋根材です。軽量で耐久性もあるトタン屋根ですが、メンテナンスを行わずに放置してしまうと、劣化症状が進みメンテナンス費用もかさんでしまいます。そこで今回は、トタン屋根の葺き替えの流れや費用、定期的なメンテナンス方法まで詳しく解説していきます。

トタン屋根とは

トタンとは、薄い金属製の板の表面に亜鉛をメッキした屋根材のことを指します。トタン屋根は瓦棒と呼ばれる突起物がある形状のものが多いため、瓦棒屋根とも呼ばれています。

金属製の屋根材にはさまざまな種類が存在しますが、その中でもトタン屋根は材料費、施工費が比較的安価なため、スレート屋根や瓦屋根が主流となる現在でも、リフォームで選ばれている屋根材の1つです。

トタン屋根の種類

トタン屋根は100年に及ぶ長い歴史があるので、だれでも一度は見たことある屋根といえます。そんなトタン屋根には大きく3種類に分けることができ、それぞれに特徴が異なります。トタン屋根はそれぞれ立平葺きトタン屋根、波板トタン屋根、折板トタン屋根と呼ばれており、ここからはそれぞれの特徴について紹介していきます。

立平葺き(縦ハゼ葺き)トタン屋根

桟を使わずにハゼと呼ばれる金属板同士を接続する部品を使ったものを縦ハゼ葺きと呼びます。逆のV字型に折り曲げられており、ここをハゼといいます。これまで施工されてきた瓦棒葺きは芯材の気を使用するため、どうしても腐食による劣化が起こる恐れがありました。

しかし、縦ハゼ葺きは木材を使用せず金属板同士を折り曲げて固定していくため、腐食する恐れがないことが特徴であり、大きなメリットとなります。

また縦ハゼ葺きはガルバリウム鋼板が使用されることがほとんどです。

波板トタン屋根(大波・小波)

一般的にトタン屋根と言えばこの波板トタン屋根を指します。波型に加工を施すことで平らな板よりも強度が増すため、耐久性も上がるのが特徴です。

波型には1波の大きさが76.2mmで高さ18mmの波板1号と、1波の大きさが31.8mmで高さ9mmの波板2号の2種類が存在するのですが、波板2号の方がよく使用されています。

また波板トタン材はホームセンターでも入手できるため、DIYに使用する人も多く、その際初めから塗装を施したカラートタン屋根材として販売されています。

折板トタン屋根

波板トタン屋根よりも鉄板を大きく折り曲げ、台形が規則正しく連なる形状である折板トタン屋根は、勾配のない屋根に施工することができるため、工場や体育館などの大きな建造物に使用されることが多いです。

また、水がしみ込むことがなく、波型よりもさらに強度が高いと言われています。

トタン屋根を使用するメリット

昔から金属性の屋根材の主流であるトタン屋根にはさまざまなメリットがあります。ここからはトタン屋根のメリットを3つに分けて詳しく説明していきます。

費用が安価

トタン屋根の最大のメリットはコストが安いことです。1㎡あたりの価格は4000~6000円と屋根材の中でも一番素材自体の費用が安いうえに施工も簡単なため、材料費、人件費共に抑えることができるコスパの良い屋根材です。

またトタン屋根はホームセンターなどで売られていることが多いため、修理などメンテナンスを行う場合でもDIYなどで費用が抑えられます

勾配がない屋根に取りつけ可能で雨漏りも抑えられる

トタン屋根はつなぎ目が少ないため、屋根の傾斜が少ない場合でも雨水が住宅に侵入することが少なく、ほかの屋根材に比べ雨漏りしにくいこともメリットの1つです。

また瓦やスレート屋根など一般的な屋根材は、ある程度の傾きがないと設置できませんが、トタン屋根の場合は勾配が無くても設置が可能なため、一般住宅だけでなく、体育館や商業施設など大きな建造物にも広く使用されています。

耐震性が高い

トタン屋根は日本で古くから使用されている瓦と比較しても非常に軽量であるという特徴を持っています。建物は重心が上になればなるほど、地震による揺れが激しくなります。しかしトタン屋根は非常に軽量なため、耐震性が高いのが特徴的です。

また屋根材が軽量であれば住宅などに負荷がかかりにくく、住宅の構造を選ばれず設置が可能です。

トタン屋根のデメリット

ここまでトタン屋根のメリットを詳しく紹介してきましたが、メリットと同じようにデメリットも存在します。ここからはトタン屋根のデメリットを4つに分けて説明していきます。

優位性が低い

トタン屋根は金属屋根材の中でも昔から使用されている主流の屋根材ですが、ガルバリウム鋼板など性能の高い金属屋根材の登場により、その優位性が失われつつあります。

現在でもほかの屋根材に比べ非常に安価ではあるものの、トタン屋根よりも性能の高いガルバリウム鋼板とはほぼ変わらないため、ガルバリウム鋼板を選ぶ人が多くなり、トタン屋根は選ばれにくくなってきています。

夏場は暑さへの対策が必要

トタン屋根には断熱効果がありませんので、夏場は厚さへの対策が必要となります。金属屋根材全般に言えることですが、金属系は熱伝導が非常によく断熱性が低いため、表面温度が高くなり、家の中に熱気がこもってしまうのです。ガルバリウム鋼板などは遮熱塗料で塗装された製品が存在しますが、トタン屋根の場合は施工時に遮熱機能をもった防水紙を使用することで、暑さ対策をすることができます。

錆に弱い

トタン屋根はガルバリウム鋼板に比べて錆びやすいこともデメリットの1つです。トタン屋根のメッキが剥がれてくると、錆びることで穴が開くといった劣化症状が出てきてしまうため注意が必要です。

雨漏りの原因となるほどの穴が開いてしまう場合があります。劣化症状が進んでしまった場合は、新しい途端に張り替えたり、カバー工法で上から新たな屋根材を敷くなど大掛かりな工事が必要になることもあるため、定期的なメンテナンスは必須となります。

雨音が響いて外観が安っぽく見える

トタン屋根は薄く軽量であることが耐震上のメリットではありますが、反対に素材が薄いことで雨音が室内に響きやすいです。遮音効果がないことで大雨の時などは室内の会話が聞こえにくくなるほどの雨音が響いてしまいます。

またトタン屋根は見た目が安っぽく見えてしまうこともデメリットに挙げられます。

トタン屋根はメンテナンスで張替え

トタン屋根は一般的な他の屋根材と比べて耐用年数が短い傾向にあります。金属系の屋根材全般に言えることですが、一度錆ができて広がってしまうとそこに穴が開き、雨漏りが起こってしまいます。またトタン屋根の下地は軒先が腐ってしまうことが多いため、下地の交換するために張替えが必要となってきます。

張り替えは10年が基本

トタン屋根の耐用年数は10年ほどとなっていますが、定期的に錆止めなどの塗装を行うことで、耐用年数を延ばすことは可能です。しかし錆が広い範囲で発生している場合などは、ケレンと呼ばれる作業が必要になるためメンテナンス費用が高くなってしまう可能性があります。そのためトタン屋根に広く錆が発生した場合には、費用の面からも屋根の葺き替えを行った方が良いケースもあります。

また錆から穴が開いてしまい雨漏りなどの症状がおこることで、屋根内部に腐食が進行している場合などは部分的な修理ではなく、張替えを行う場合もあります。

ガルバリウム鋼板への葺き替えが主流

実際にトタン屋根を張り替える場合、同じような価格帯でありながら性能が高いガルバリウム鋼板を使用して葺き替えることが多くなってきています。

ガルバリウム鋼板はトタン屋根と同じ金属系の屋根材ですが、耐久性や耐サビ性などの性能がトタン屋根よりも高いため、近年では選ぶ人が増えて居るのが現状です。

しかし、既存の屋根材がトタン屋根の場合、勾配の少ない住宅であることがあり、そのような場合にはガルバリウム鋼板を使用することができないため注意が必要です。

トタン屋根のリフォーム工法

トタン屋根のリフォームやメンテナンスは劣化症状の程度や目的に合わせて方法が違います。ここではリフォーム工法を3つにわけてそれぞれの特徴をみていきましょう。

軽度のリフォームなら屋根塗装

トタン屋根の錆びや色あせなどの経年劣化は見られるが、穴あきなどの損傷が起こっていないなど軽度の症状であれば塗装(塗り替え)作業を行います。

トタン屋根は錆が出てから塗装を行うのではなく、症状が起こる前に塗り替えることがトタン屋根を長持ちさせるポイントとなっています。

また錆が発生していない状態でも下塗りは錆止め塗料を使用するようにしましょう。

カバー工法

既存のトタン屋根の上に新しい金属屋根材をかぶせるカバー工法は、既存のトタン屋根の上に防水紙を敷いてから、新しい屋根材をかぶせていきます。防水紙には遮熱機能をもったものから、遮音性の高い機能をもったものがあります。

それらのシートを挟み込むことで、トタン屋根のデメリットである熱のこもりやすさや音が響くなどを軽減させることが可能です。

葺き替え

葺き替えは既存のトタン屋根をすべて剥がし、新しい金属屋根材に葺き替えることを指します。住宅の構造や設計により自由に屋根材を選ぶことができない場合があります。

トタン屋根を使用した住宅で築年数が長く劣化症状がみられる場合は、葺き替えとカバー工法のどちらかを選ぶことになりますので、それぞれのメリットとデメリットを比べ、ご自宅に合ったリフォーム方法を選ぶようにしましょう。

部分的な葺き替え工事もできますが、これまでの劣化によって葺き替えが不要な部分にも後ほど穴が開いてしまう恐れがあります。穴が開いたから葺き替えをするのではなく、まとめて全体的に葺き替え工事を行うようにしましょう。

葺き替えとカバー工法に悩む場合は業者に相談

先ほども伝えしましたが、トタン屋根を使用した住宅で築年数の経っている場合は、葺き替えかカバー工法のどちらかを選ぶ必要があります

それぞれのメリット、デメリットを調べてみても素人ではよくわからず、どちらを選ぶべきか悩まれることもあるかもしれません。そのような場合には素人で判断するのではなく、専門業者に調査してもらうことをおすすめします。その後、専門業者とよく話し合い、どちらの工法にするかを決めるようにしてください。

たとえば、築年数が20年以上と長い場合、下地にまで劣化が進行していることもあります。こうなるとカバー工法よりも葺き替え工事を検討したほうが雨漏りも抑えることができるでしょう。

このためにもリフォーム前に定期的なメンテナンスの点検を行ってもらい、診断してもらったほうがリフォーム費用も抑えられます。

トタン屋根をリフォームする費用

トタン屋根をリフォームする費用ですが、塗装の場合で約30~50万円、葺き替えやカバー工法の場合で約60~250万円となっています。そこに足場代や人件費、諸経費などがプラスにかかる場合もあります。

トタン屋根の修理費用

トタン屋根を修理する際の費用ですが、サビや穴が開いた箇所など補修する面積によって費用は異なりますが、1㎡あたり4,000ほどが相場となっています。

葺き替えとカバー工法に関わる費用

トタン屋根から葺き替え工事に入ると、1㎡あたり10,000円前後が相場といえます。ガルバリウム鋼板に変更すると若干高めになるでしょう。

カバー工法になるとトタンを重ね張りしますが、1㎥あたり7,000円前後が相場です。葺き替えと同じようにガルバリウム鋼板にすると、10,000円前後と若干費用がかさみます。ただ、耐久性なども踏まえるとガルバリウム鋼板のほうがお得に感じるかもしれません。

トタン屋根の塗装にかかる費用

トタン屋根の塗装にはシリコン塗料とフッ素塗料を使用します。シリコン塗料は100㎥あたり50万円前後であり、フッ素塗料は同65万円前後となります。塗装には足場代も含んでおり、屋根の劣化状態によってグレードや料金が変わることがあるでしょう。

適切なリフォームするなら優良な業者選定が大事

適切なリフォームをするならトタン屋根に実績のある優良な専門業者を選ぶことが大事です。優良な業者を見つけるために必要なことは、リフォームを受け持つ複数社に見積もりを出してもらい、見積書を比較検討できるようにしておくことです。

予算内で施工できるか不安に感じることもあるでしょうから、些細なことでも相談できる優良業者を選ばなくてはなりません。何件も現地調査を依頼するのが面倒だと思わず、複数社の見積もりを取り、工事プランの比較をしておきましょう。

まとめ

今回はトタン屋根の葺き替えの流れやかかる費用、トタン屋根のメリット、デメリットなど様々な角度からトタン屋根について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

トタン屋根は耐用年数が短く定期的なメンテナンスやリフォームは必要不可欠です。トタン屋根の葺き替えを行う場合は相見積もりを必ず取るようにし、信頼できる専門業者に依頼するようにしましょう。

ベランダの雨漏りの原因とは?火災保険の適用範囲もしっかりチェックしよう

ベランダやバルコニーでは雨漏りが発生しやすい場所でもあります。原因や対策をしっかりと講じることも大切です。ベランダの雨漏りが原因で室内にも影響が出てしまっては大事な住宅を劣化させてしまう恐れがあります。

雨漏りには火災保険が適用できるのか興味を持っている人もいるでしょう。そこで、ベランダの雨漏りの原因や対策、火災保険の適用範囲をしっかりと解説していきます。

ベランダの雨漏りの原因とは

どの住宅にもベランダが付いているものです。屋根がない場合はバルコニーといいますが、どちらも雨漏りに悩む人もいることでしょう。まずはベランダの雨漏りの原因をみていきます。

ベランダ床(防水層)の劣化

雨漏りが多い場所としてベランダ床(防水層)の劣化が挙げられます。もともとベランダというのは布団や洗濯物を干すことで人が行き来する場所でもあり、ガーデニングなどで水気をよく使用することもあります。

さらに雨水が浸透するので、住宅の中でも屋根についで水にさらされている時間が長い場所といえるものです。

ベランダ床はそのような事態に備えて、頑丈に防水層を敷いており、雨漏りを未然に防ぐ役割があります。

しかし、ベランダ床の劣化はなにも水気だけではありません。太陽光による紫外線の影響も受けやすく、ベランダを利用する機会が多い家庭ほど歩行による摩耗で劣化が早くなってしまいます。特にひび割れはよく見かけるものでしょう。

ただ、防水層にはトップコートというシートがあり、表面を保護しているのでこれを張り替えるだけで問題ありません。おおよそ10年程度で張り替え時期となります。

この劣化部分から雨漏りが始まるので、ひび割れを見かけたらメンテナンスを心がけておきましょう。

排水口の詰まり

ベランダの雨漏りの原因として、意外にも排水口の詰まりが多いものです。雨漏りというよりもベランダが水浸しで、むしろ水たまり状態になっていると排水できていない可能性が高いといえます。

排水口にはさまざまな枯葉やゴミなどが詰まりやすくなります。ベランダは風の影響を受けやすいので、外から飛んできた枯葉などはこまめに拾うようにしておきましょう。靴下などの小さな洗濯物が落ちてしまい、これが排水口に詰まって流れを悪くしているケースもあります。また、排水口も劣化してくるので雨漏りの原因となります。

笠木の劣化

笠木とは壁を雨水から守る防壁のようなものです。笠木では金属を使用しているとはいえ、内部が木材となっていることが多く、表面の破損部分から雨水が浸透して腐食を進めていきます

笠木からの雨漏りはコーキングで修理できることもあり、つなぎ目を補修していきます。それでも腐食が進んでいる場合には、コーキングをしても悪化するだけなので笠木を外して工事する必要があるでしょう。

掃き出し窓から浸水

ベランダやバルコニーは雨水が入り込みやすいので、掃き出し窓からの雨漏りも原因として挙げられます。窓枠や二枚窓の引き違い部、外壁のひび割れから伝って雨漏りが侵入することもあります。

窓枠のシールを張り替え、コーキングで補修などメンテナンスをすれば防ぐことも可能です。

壁の劣化

外壁は普段の雨水や強風、紫外線などで劣化が進み、ひびが入って雨漏りの原因を作ってしまいます。また、台風や地震といった災害も影響を受けやすく、窓枠とのつなぎ目が摩耗して雨漏りしてしまいます。

雨漏りが発生する前に外壁のひび割れはすぐにメンテナンスをするようにしましょう。そのほうがコストも抑えられますし、軽微なひび割れはコーキングで補修可能です。台風などの暴風やゲリラ豪雨などが予測される場合、被害を受けるとおおがかりな工事が必要となるので、事前に修理をするようにしましょう。

雨漏りを放置すると二次被害の恐れ

雨漏りを放置してしまうと住宅への二次被害が起きてしまいます。なるべく早く修理するようにしたほうがいいものです。次に雨漏りから発生する二次災害をみていきましょう。

シロアリが発生

住宅の天敵といえるのがシロアリです。現にシロアリで困っている家庭は多いものでしょう。湿気が多い日本の家屋はシロアリにとっても快適な住処となってしまいます。シロアリは木材を食べてしまうので、一度発生したら歯止めが効きません。

特に雨漏りはシロアリを発生させる要因となりますので注意が必要です。シロアリは普段から換気をするなど、木材を腐らせない努力がいりますが、一度発生すると住宅の見えない部分に潜んでしまうので、専門業者に依頼して駆除するのがおすすめです。

木材の腐食

雨水は木材も腐食させていき、住宅の耐久性が低下して、倒壊の恐れが生じます。住宅ではさまざまな場所に木材を使用していますので、雨漏りが原因で木材を腐らせていくと、当然耐震性が弱くなるので家の資産価値を下げてしまいます。

カビの発生

雨漏りすると当然ながら湿気も増えてしまいます。この影響でカビが発生することがあり、人体への影響も懸念されるでしょう。外部から入り込んだ雨水は屋根裏や室内に湿気を増やし、壁紙や断熱シートなどにも影響を及ぼしてしまいます。

電気系の故障や漏電

雨漏りが原因で電気系の故障が起きる可能性があります。特に部屋中に置いてあるコンセントが濡れると漏電の恐れがあり、感電だけでなく火災にもつながるので非常に危険です。

感電や火災がなかったとしても、電気系のトラブルはそのまま家電にも影響し、テレビや冷蔵庫、パソコンなどがショートして日常生活にも支障をきたしてしまうでしょう。

漏電することで家電が使えなくなると、買い替えが必要ですし、余計な出費と労力がかかります。

漏電が起きることがすでに二次災害なのですが、ここからさらに被害が拡大するのが電気系の怖いところでしょう。

雨漏りでは火災保険の適用範囲がどうなる?

雨漏りの被害で気になるのが火災保険の適用範囲といえます。すべての雨漏りが対象というわけではないので注意が必要です。ただ、火災保険が適用なのに知らないでいるともったいないですし、保険料を支払っている意味がありません。

そこで火災保険の適用範囲をみていきましょう。

火災保険が適用されるケース

雨漏りで火災保険が適用されるケースは下記になります。

・台風などによる自然災害で雨漏りが起きた場合

・損害状況の写真と提出用の必要書類の用意

・災害発生から3年以内

・雹災・風災・雪災の補償があるか

大まかですが、これらの項目が条件としてあるので、一つでも満たしていないと火災保険が下りないことがあります。

自然災害であるかどうかがポイント

火災保険が適用されるかどうかは、自然災害であるかどうかがポイントです。台風などの被害でベランダやバルコニーに亀裂が入り、そこから雨漏りが発生する場合は修理に対して火災保険を適用できる可能性が高まります。

また、暴風によって瓦がずれて屋根にも影響を及ぼした場合や雹が降って天井や天窓に穴が開いたときなど、火災保険が適用されるケースとなります。

ただ、ベランダの雨漏りは自然災害なのかどうかが立証するのが難しいといえるでしょう。

火災保険が適用されないケース

火災保険が適用されないケースは下記が挙げられます。

 

・自然災害以外の雨漏り(人的被害・経年劣化・リフォームの影響)

・災害から3年以上経過

・補償内容に雹災や風災、雪災が入っていない

 

雨漏りの原因との因果関係を証明するのは難しいものですが、特にやっかいなのが自然災害の後でも修理や確認を放置してしまった場合です。本来は自然災害による影響があったのに、時間の経過とともに悪化してしまい、後ほど雨漏りが発生すると保険が下りないケースも考えられます。

そうならないためにも台風や地震の後は住宅を診断してもらうように注意していきましょう。

火災保険の申請方法

火災保険の申請方法はそれほど難しいものではありません。順に追ってみていきましょう。

①保険会社への連絡

まずは保険会、もしくは代理店に連絡を入れます。連絡先は保険証券に記載されている番号へかけるようにします。被害の内容を担当者に自然災害が原因である旨を伝えておき、今後のステップを確認します。調査もしていないのに、いきなり保険が適用されないとは言ってこないはずです。基本的には保険会社から書類が送られてきます。

②保険会社から届いた書類を記入

保険会社から届けられた書類を確認して記入していきます。保険の申請書になるので、詳しい状況を記入するようにしましょう。

これらの書類には損害状況の写真と見積書が入っており、これらは自分で行うよりも修理を依頼する業者に任せた方が無難です。基本的に写真撮影や書類作成を踏まえた修理料金になっているでしょうが、リフォーム業者や工務店もピンからキリといえますので、悪徳業者に騙されないように注意が必要といえます。

③保険会社の調査

実際に被害がどのようなものなのか、保険会社の調査が入ります。鑑定人が派遣されるので当日は立ち会うようにします。被害の有無をしっかりと意見し、相手の言うことばかりに納得しないようにしましょう。

④保険会社からの保険金支払い

火災保険が適用されるようになると、およそ1週間前後で保険会社から連絡が入ります。そこから保険金が振り込まれるまで1か月は想定しておくようにしましょう。

火災保険を申請するには業者に損害を見積もりしてもらう

火災保険を申請するために、業者に損害を見積もりしてもらう必要があります。先述しましたが、損害見積書と損害状況写真は修理業者に依頼したほうがスムーズに申請できるでしょう。

ただ、どのような業者が信頼できるのか分からないものです。そこで火災保険を申請するために気を付けたい悪徳業者の見分け方と信頼できる業者のポイントをみていきます。

早く直したいからと安易に悪徳業者に手を出さない

雨漏りの修理依頼をするのに気を付けたいのが悪徳業者です。火災保険の申請を代理で行うといっておきながら、実際には申請せずに料金だけをだまし取ることもあります。

また、修理の見積もり時に火災保険が通る前提で話を進めておき、実際に保険が通らなくてもそのまま追加代金を請求する業者もあります。

これらの業者は修理のデキも心配であり、信用して修理やリフォームを任すことができません。雨漏りは確かに早く直したいものですが、それだからといって安易に業者へ依頼するのは避けましょう。特に審査が通らないケースを想定しない業者は論外です。火災保険が確実に通るなんて誰にも分かりません。火災保険が通らなかった場合のリスクもきちんと説明するかチェックしましょう。

さらに、火災保険に通ったからといって料金を上乗せしてくる業者も信用なりません。火災保険に関係なく、修理が始まって追加代金を請求してくるのも悪徳業者ならではです。仮に火災保険が通った場合、後から追加工事の請求があったとしても、保険金は下りませんので注意しましょう。

良い業者の選び方のポイント

雨漏りの修理依頼をするのに、良い業者を見分けるポイントを解説していきます。基本的に顧客の立場に立って説明できる業者は信頼できます。雨漏りの調査をしっかりと行い、原因まで特定してくれる業者は安心できます。

火災保険の申請が通らない場合のリスクを事前に説明できる業者が基本です。ホームページでも雨漏りの修理実績が豊富な業者は技術があります。

また、良質の業者は修理後のアフターケアや保証制度が充実しており、自分たちの技術やスキルに確かな自信を持っているものです。火災保険を急かしてくる業者はすぐに見積もりを出して契約を急ごうとしています。これは契約して着工することを前提にしているのでおすすめできる業者とはいえないでしょう。

実際に顧客の立場に立っている業者なら納得いくまで説明しますし、相談にも乗ってもらえるものです。

まとめ

ベランダやバルコニーの雨漏りは避けては通れないものであり、さまざまな原因が挙げられます。多くはベランダ床や壁の劣化、排水口の詰まりなどがあり、事前に気付いて早めの対策を取ることで二次被害を防ぎ、大掛かりな工事を避けられます

自然災害が原因で雨漏りする場合、火災保険の適用範囲に入ります。ただ、素人目には災害が原因なのかどうかは判断できず、プロの目で診断してもらったほうが無難です。悪徳業者に騙されないようにここで挙げたポイントに注意しながら、いい業者に見積もりを依頼するようにしましょう。

 

 

 

 

瓦棒葺きの特徴とは?メリットとデメリット、メンテナンス方法を解説!

瓦棒葺きはトタン屋根に多く使用され、戦後の日本を支えた施工方法でもありますが、近年はめっきり見かけることも少なくなってきました。シンプルな施工なので工事しやすい点もメリットとしてあり、数多くの建築物で使用されています。

そんな瓦棒葺きの特徴やメリット、デメリットはもちろん、これに代わる新しい施工方法の縦ハゼ葺きも合わせて解説していきます。

瓦棒葺きとはどんなもの?

瓦棒葺きとは一定の間隔を空けて芯木が写血蹴られ、これに沿って金属版を設置していきます。一般的にトタン屋根といわれており、かねてから瓦棒葺きにはトタンが主流となっていたからです。

ただ、トタンは内側に木材を使用しているので、湿気に弱くなっており、サビやカビが発生するリスクもありました。そこで登場するのが金属製のガルバリウム鋼板です。トタンよりもサビが発生しにくい構造となっているので、湿度の高い日本の気候にも適しており、近年は瓦棒葺きでも主流の建材となっています。

瓦棒葺きはさまざまなメリットもある反面、先述したようにサビが発生しやすいデメリットもみられます。

住宅ではメリットよりもデメリットのほうが目立ってしまうので、トタンよりもガルバリウム鋼板のほうが扱いやすい印象を持たれています。

瓦棒葺きに使われる屋根材

瓦棒葺きに使用される屋根材をみていきましょう。代表的なのが「トタン屋根」と「ガルバリウム鋼板」の2種類となっています。

トタン屋根

トタンは亜鉛でメッキ処理している鉄の鋼板になります。亜鉛でメッキ処理をするメリットはサビを抑えるという点になります。トタン屋根が普及した背景には安価で施工できるのにサビに強いという点が強調されたからといえます。

実は戦前から広がっていたほどの歴史ある施工方法です。町工場では外壁にトタンが使われているのをよく見かけるものでしょう。屋根材としては軽量なので建物自体への負荷が軽減されるので、多くの建築物に使われました。

ただ、トタン表面に傷が入るとメッキにも腐食が進み、サビが浸透しやすくなってあっという間に広がります。わずか10年程度でメンテナンスが必要となりますので、長い目で見ればコスパに優れておらず、現在の屋根材としては使われなくなっています。

ガルバリウム銅板

ガルバリウム鋼板は木材を使用せず、すべて鉄でできた表面に対し、亜鉛やシリコンなどの合金メッキ処理をしています。合金の効果でガルバリウム鋼板はサビに強く、耐久性にも優れています。トタンよりも耐用年数が高いので、長い目で見ればコストパフォーマンスは上になりがちです。

屋根や外壁は一年中風雨にさらされていますので、トタン屋根よりも実用的な屋根材といえるでしょう。

瓦棒葺きのメリット3選

次に瓦棒葺きのメリットを3つみていきましょう。

軽量で建物への負担が軽減

瓦棒葺きで使用する屋根材はガルバリウム鋼板のように重量が軽いのが特徴です。当然のともいえますが、屋根材が軽いということはその分だけ住宅全体にかかる負担が軽減されます。

地震が起きると基本的に建物は重量が重いほど倒壊のリスクが高くなるものです。ガルバリウム鋼板は屋根材が軽いため耐震性にも優れているのが分かります。

また、ガルバリウム鋼板は耐熱性にも優れた金属製のため、300度の高温にも耐えられるだけでなく、耐用年数も20年以上にも及んで屋根材の中でも使い勝手のいいものといえるでしょう。

雨漏りしづらい

瓦棒葺きは雨漏りしづらいメリットがあります。勾配が少ない屋根になると水はけが悪くなり、雨漏りのリスクが高くなるものです。瓦棒葺きは屋根材のつなぎ目が少ないことから緩やかな勾配であっても水の流れが悪くなりません

勾配少ない屋根の場合は瓦棒葺きを使用することで雨漏りを減らすことにつながるでしょう。

雨漏りのリスクを軽減するのが瓦棒葺きの良さといえます。

コストパフォーマンスに優れている

瓦棒葺きは施工方法として簡単となっています。そのため、職人さんによる作業でも工期が短くなって、工事全体の費用を抑えることが可能です。瓦棒葺きは屋根材自体が大きいので取り付けが難しいイメージがあるものの、芯木に設置するだけで完了するので簡単です。瓦棒葺きはコストパフォーマンスに優れた施工方法といえるでしょう。

瓦棒葺きのデメリット

瓦棒葺きはメリットばかりが目立つものでもありません。デメリットも潜んでいるのでしっかりと把握しておきましょう。

瓦棒の腐食

瓦棒葺きは芯木が雨水に触れると腐食する恐れがあります。瓦棒葺きは表面が金属でも土台となっている芯木に雨水が浸透すると、その分だけ腐食が進んでしまいます。

屋根材を固定している瓦棒が腐食することは全体の強度も下がってしまいますので、強風時には注意が必要です。

瓦棒の腐食は屋根が劣化していく原因にもつながりますので、メンテナンスが重要といえます。

サビの発生

瓦棒に使用されるガルバリウム鋼板はトタン屋根と比べてもサビに強い特徴があります。それでも屋根は放置され続ける場所でもあるので、何かの拍子に風で飛んできたモノと衝突することで傷がつくと、ここからサビが発生する恐れがあります。

サビが進むと屋根材が劣化していき、強度も下がってしまうので倒壊のリスクが高くなります。また、雨漏りの原因にもなりますので、ガルバリウム鋼板を使用しているからといってサビが全く起きないとは考えないようにしておきましょう。

遮音性と断熱性が低い

瓦棒葺きは金属製なので遮音性が低いデメリットがあります。雨音を弾く音がうるさく感じられる人も多いでしょう。屋根材や外壁にもガルバリウム鋼板を使用している場合、外の音が気になるだけでなく、室内の騒音も外部へ響き渡ることが懸念されます。

また、金属製の屋根材ということで、断熱性が心配となる人も少なくありません。夏は外気の熱を通しやすいので室内が高くなりやすく、逆に冬は下がりやすくなってしまいます。

特に夏はエアコンなどのランニングコストがかかってしまいますので注意が必要となるでしょう。

現在は瓦棒葺きから縦ハゼ葺きへ替わるのが主流

瓦棒葺きは現在あまり浸透していません。これはデメリットの面が強調されているからといえます。そこで新しく考えられた施工方法が縦ハゼ葺き(立平葺き)というやり方です。

これは瓦棒葺きのような芯木を使用せずに金属を折り曲げて重ねていき、勾配がほとんどない屋根に仕上げることも可能です。土台に木材を一切使用しないので、腐食の心配もありません。

勾配がない屋根といっても水はきが悪くなるようなことはありませんので、デメリットよりもメリットが多くなる施工方法といえます。特にガルバリウム鋼板と組み合わせて使用する縦ハゼ葺きが主流となっています。

また、縦ハゼ葺きは緩い勾配での設置が可能ですので、さまざまな形状のデザインを作ることができます。デザイン性に富んだ形状を作れるのも特長の一つといえるでしょう。

瓦棒葺きが劣化するときの見分け方

瓦棒葺きが劣化するときの見分け方は、屋根だけになかなか分からないものといえます。基本的には屋根の塗装が変色してきたら劣化のサインです。塗装が色落ちしていくと劣化が進んでサビが発生してしまうでしょう。

また、屋根部に手で触れると白い粉状が手に付着するケースがあります。これはチョーキング現象といって塗装が完全にはがれていることを指しています。これらの現象をそのまま放置してしまうとサビから雨漏りにつながるので、早急なメンテナンスが必要です。

ちなみにチョーキングとは文字通り黒板に使用するチョークのことになります。学生時代にチョークを触ると手指に白い粉が付着することがあったものです。チョーキング現象とはまさにその現象と同じ白い粉を指しています。

瓦棒葺きのメンテナンス方法とは

瓦棒葺きの劣化や不具合などがあれば、早めの対策が必要です。瓦棒葺きのメンテナンス方法を4つみていきましょう。

水撒き

意外に思われるかもしれませんが、定期的な水撒きも効果的です。これはサビの原因となる鳥の糞尿を洗い流す効果があります。またほこりなどの付着物も除去できます。表面上の汚れを取る程度で大丈夫です。

塗装

塗装がはがれることで屋根材の劣化につながります。屋根の塗料を塗り替えてはがれた塗装を修復していきます。塗装は外観を良くするだけでなく、防水加工の効果が見られるので雨漏りを防いでくれます。

塗装自体は業者が足場を組んでいきますが、それほど大掛かりな工事とはなりません。工期も短く工事費用を抑えられるメリットがあります。また、塗装時にサビを発見できるだけでなく、他の不具合も早期に発見・対策が可能です。

定期的な塗装工事を取り入れることが耐用年数を長く保つことにつながります。

塗装1㎡あたりの費用は5,000円前後が相場となっています。

カバー工法

カバー工法も比較的簡単な施工方法です。既存の屋根の上から新しい屋根材を重ねていきます。屋根を重ねていくことで防水性が高まるだけでなく、耐熱効果も発揮していきます。

屋根の間に防水シートや遮音シートを重ねることでより効果が増していくのも特長です。ただ、重量は増えていきますので、耐震性にも影響する恐れがあります。

古い屋根材がトタン屋根であっても、新しくガルバリウム鋼板を上乗せすることは可能です。ガルバリウム鋼板に変更することで、トタンから防水効果をアップすることにつながるでしょう。

カバー工法の1㎡あたりの費用は7,000円前後となります。

葺き替え

劣化が進んでしまった屋根材の場合、一度すべてはがして一から下地を張り替える必要があります。そのような場合は葺き替え工事となります。葺き替えはカバー工法では対処しきれない場合に必要な工事です。もちろん、費用や工期も上記2つの施工方法よりも大幅に増えてしまいます。また、既存の屋根材の撤去費用もかさみますので、コスト的にデメリットが生じます。

トタン屋根の場合、ガルバリウム鋼板に変更することで次のメンテナンス費用を抑えることにつながるので業者と検討するようにしてください。もともとトタン屋根で施工されている住宅は、設計上の重量が抑えられています。屋根材を変更することができませんが、軽量で頑丈なガルバリウム鋼板には変更可能です。

ただ、時間のかかる工事だけに、リフォーム業者や工務店の選定には十分気を付けるようにしましょう。複数の工事業者から相見積もりを取ることが重要です。

ちなみに既存の屋根材がトタン屋根の場合、ほとんどの住宅ではガルバリウム鋼板に変更しています。

葺き替え1㎡あたりの工事費用は7,000円前後となっています。

まとめ

瓦棒葺きは現在ではあまり見かけなくなった施工方法ですが、かつてはトタン屋根が主流だったので広く日本の建築物で使用されていました。瓦棒葺きは安価で軽量ながらサビにも強くて施工が簡単なのが特徴です。

トタンからガルバリウム鋼板が主流となり、施工方法も瓦棒葺きから芯木を使用しない縦ハゼ葺きに替わっていますが、まだまだ瓦棒葺きを使用している住宅は多く見られます。ここで紹介した劣化の見分け方やメンテナンス方法を参考にリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。

採光性とコスパに優れたガラス瓦! 天窓との違いや特徴、メリット、デメリットなどを解説

注文住宅やリフォームを検討するときに、自然の光を取り入れたいと考えている人も少なくありません。太陽光というのは思いのほか明るいもので、屋根に天窓やガラス瓦を使用している住宅は照明を点けるよりも気持ちのいい光を堪能することができます。

天窓とガラス瓦はそれぞれ特徴があって、お互いにメリットが存在しています。どちらがいいかというのは好みや住宅のタイプによって変わるものでしょう。ただ、ガラス瓦のほうがリフォームには向いているといえます。

そこで、ガラス瓦の特徴やメリットとデメリット、そして天窓との違いを解説していきます。

ガラス瓦とはどんなものなの?

ガラス瓦といっても、どのようなものなのかイメージしづらいものです。ガラス瓦は言葉通りのもので、瓦がガラスで作られています。ガラスだとすぐに割れそうと不安に駆られることもあるでしょうが、実際に耐久性は粘土瓦よりも優れています。

窓ガラスなどのイメージがあるでしょうが、もともとガラスには耐熱性があり、頑丈なものです。雨漏りのリスクもなく、防水性もあるので天候に左右されずに使用することができます。

瓦屋根があるタイプの住宅には新築やリフォームに関わらず、簡単な工事で設置可能です。下地ユニットを取り付けて施工するだけですので、工事費用を抑えられる特長があります。ガラス瓦は透過率が高く、天窓と同じように太陽光を室内に取り入れられるでしょう。

ガラス瓦のメリット

ガラス素材を使用しているガラス瓦ですが、使用する上でのメリットを6つ紹介していきます。

採光性能が高い

ガラス瓦は高い透過率を誇り、彩光性能に優れています。自然の光を取り込めますので、最初は室内の明るさに驚く人が多く見られがちです。住宅以外の屋内にいるときでも、窓から差し込む陽の光に、ポカポカと暖かさを感じて気持ち良さを感じた人も多いといえるでしょう。

ガラス瓦にすることで、この光をふんだんに取り込めますし、自然な明るさの中で生活できるのは余計なストレスを生みません。

オリジナルのレイアウトが可能

ガラス瓦では光のレイアウトを思い通りに決められます。ガラス瓦はそれほど高価なものではありませんので、複数枚設置しても天窓よりもはるかにコストを抑えられます。ガラス瓦をオリジナルの形に並べることで、独特の彩光レイアウトを演出してくれるでしょう。

たとえばL字形やコの字形、縦や横に並べることも可能ですし、斜めでも問題ありません。ブロック崩しのゲームのようなデザインも可能です。

また、天井に和紙模様の素材を設置することで和らいだ光を取り込めますし、和室にもぴったりの空間を演出できます。さらに、ステンドグラスを設置すれば海外の美術館のようなアートな雰囲気を醸し出せるでしょう。

ガラス瓦を使用することで、自由気ままにレイアウトを決められるのはオシャレな空間を演出する上でも大きなメリットといえます。

天窓と違って部屋の中が見えない

天窓を使用する場合、外の天候もハッキリと視認できますが、その分だけ外から見られることも懸念されます。たとえば周囲に高いマンションやビルがある場合、ベランダや窓からこちらの天窓の中を視認することも可能です。

もちろん、相手側に見る気持ちがなかったとしても、お互いにいい気はしません。特に見られても気にしない人もいるでしょうが、子どもや女性にとってプライバシーの領域に入ってこられるのは余分なストレスを生んでしまいます。

その点、ガラス瓦は外から部屋の中が見えません。これはガラスの裏側に凹凸があって光が屈折しているためであり、陽の光を取り入れながら部屋の中でも安心して生活できます。

天窓よりも工事が容易でコストを抑えられる

リフォームでの天窓は大規模工事になりがちです。取り付けにかかる工事は費用も高くなってしまいます。ところが、ガラス瓦は専用の下地ユニットを設置し、そこにガラス瓦を取り付けるだけで完了です。

天窓など大掛かりな工事の場合、どうしても天候に左右されがちといえます。雨天時には工期が遅れる心配もありますが、ガラス瓦は面積によってはわずか1日で工事が完了します。事前に天候を確認して工事に着手できますので、天窓に比べて大幅に工期短縮できますから、工事費用も抑えられるメリットが生じます。

天窓より雨漏りが少ない

屋根に穴をあけて工事するのが天窓ですので、雨漏りはまさに天敵といえます。どうしてもつなぎ目となる部分には雨水が差し込みますので、そこから伝い漏れが生じてしまいがちです。

それに対して瓦ガラスは屋根に取り付けるだけの工事になりますから、雨漏りの心配はありません。特に下地ユニットとガラス瓦が二段で防水機能を働いているので、屋根の劣化は別として、天窓よりも雨漏りが断然少なくなるでしょう。

結露の心配がなく、雨音も気にならない

窓ガラスには結露による住宅の劣化が懸念されるものです。ガラス瓦は外気に放置されて裏表の温湿度が同一になりますから結露を抑えられます。ガラス瓦は高い位置にあるので結露による掃除をする必要がありませんし、カビなどの心配もありません。

また、天窓は雨音が気になる人もいますが、ガラス瓦は天窓よりも厚みがあるので雨音が気にならないものといえます。

ガラス瓦のデメリット

ガラス瓦は使用してメリットばかりが目立つわけではありません。次にガラス瓦を使用する上で発生するデメリットとその対策を紹介していきます。

ガラスなので汚れが目立つ

ガラス瓦は外に設置されているので鳥のフンや飛ばされてきたゴミなどが室内から見えて気になる人もいるでしょう。透明度があるので一度気になると何度も見返してしまいます。

また、ゴミは雨や風に流されることもあるでしょうが、鳥のフンは着いてしまうとなかなか落ちません。さらに別の汚れが付着していきますので、定期的な清掃が必要となるでしょう。

夏場は暑くなり、冷房の効率が下がる

ガラス瓦は陽の光を取り込むので、夏場はどうしても日差しがあるので暑くなってしまいます。ガラス瓦の彩光面積や日差しの方角によって室内温度が変わってきます。冷房を付けてもいつもより体感的に冷えが悪いと感じてしまいます。

冷房代がかかるだけでなく、室内が暑くなって熱中症になる恐れがありますので注意が必要です。

対策としてブラインドやカーテンなど遮光できるタイプで遮熱し、室内温度を抑えるように気を付けましょう。

ガラス瓦がおすすめなタイプの人

ガラス瓦がおすすめなタイプの人を下記にまとめてみました。当てはまるなら天窓よりもガラス瓦がおすすめです。

大規模工事はしたくないが天窓がほしい

天窓には大掛かりな工事が必要です。コストを抑えて天窓を設置したい人はガラス瓦がおすすめです。

デザイン性に富んだ室内の明るさがほしい

ガラス瓦は室内も届く自然な光を自由にレイアウトできます。ただ明るいだけでなく、デザイン性を演出したい人にはガラス瓦が向いています。すべての部屋に設置しなくても、室内が暗い北側の部屋に取り付けるだけでも明るさが変わります。

天窓との大きな違い

ガラス瓦と天窓の大きな違いはどこにあるのかみていきましょう。

大規模工事

天窓は屋根に穴をあけなければなりませんし、工事が大がかりとなります。それに比べてガラス瓦は、下地ユニットを設置しておくだけで後はガラス瓦を取り付けて完了です。工期と工費で大きな違いが生まれます。

高いビルやマンションから室内が見える

天窓はガラス窓になるので、室内が丸見えになってしまいます。室内から視認性がいいのは開放的でメリットになりますが、外から見られるのはデメリットに感じるでしょう。特に高いビルやマンションが近隣にある住宅は注意が必要です。

レイアウトが固定で突出部が外観を損ね兼ねない

天窓は屋根の部分でそこだけ突出しています。外観を損ねる心配も出てきます。そのポイントがオシャレでいいという人もいれば、外から見ると目立ってしまうのが嫌だという人もいるでしょう。

ガラス瓦は既存の瓦と交換するだけなので、ほとんど外観を損ねません。むしろ、外から見てもオシャレに見える場合があります。

ガラス瓦の工費

ガラス瓦の工費をみていきましょう。ガラス瓦の費用は1枚当たり3,000~6,000となっており、同時に使用する下地ユニットと組み合わせた工事費になると、8枚程度で6~9万円程度といえます。

基本的に既存の瓦の多くをガラス瓦に変更することはありません。天窓のような高い工費を支払う恐れはないでしょう。また、リフォームの工賃が別途必要です。

野地板をカット

野地板は骨格となる部分に張る薄い板で、屋根の下地となる重要な部分です。屋根材を支えるだけでなく、ルーフィングといわれる防水シートにも関わります。野地板には3種類があります。

野地板には「バラ版」と呼ばれる杉板の野地板があり、従来の木造家屋では主流となっていました。乾燥しやすい上に防水機能に優れています。

また、「ベニヤ版」と呼ばれる野地合板では薄い板を重複して圧縮し、強度と防水性を高めています。現在では主流の野地板といえるでしょう。

さらに、耐火野地合板という耐火性に優れた野地板もあります。防火地域では使用が必須です。

野地板の種類によって別途工費が増すことがあるのでリフォーム業者に相談するようにしましょう。それに、止水処理では屋根の状態によってガラス瓦の工賃が変わってきます。

ガラス瓦の形状

ガラス瓦の形状には屋根に合わせた複数のタイプがあります。「和型」というタイプが3種類あり、関東地方や中部地方で使用される「53A型」、中国地方で使われる「53B型」、近畿地方で使用される「和56.60型」です。

さらに、たいらな形状をしている「平板HY型」、洋風粘土瓦の「洋S型」も使用されています。

ガラス瓦の形状は、規格やサイズで異なりますので、工務店やリフォーム業者に問い合わせるようにしましょう。

まとめ

ガラス瓦は彩光性能が高く、自然の光を室内に取り込める透過度のある瓦です。天窓と違って工事費を抑えられ、レイアウトも自由で外から室内を視認できないなど、多くのメリットを誇るのが特徴です。ガラス瓦には夏場に室内温度が高くなるデメリットもありますが、ブラインドやロールカーテンを設置するなどで対策が十分可能となっています。

住宅のリフォームで天窓を設置したい人にとって、コスト面でお悩みならガラス瓦を検討してみるのもおすすめです。

 

 

コスパに優れた平葺の特徴とは? メリットやデメリットを知ってリフォームで活用しよう!

屋根材には耐震性や耐久性で利点がある平葺きがあります。リフォームでも安価で短工期を実現する立平葺きは、建材にガルバリウム鋼板を使用するのが主流といえます。立平葺きには多くのメリットがあり、デメリットを上回る使いやすさがあるものです。

そこで、コスパに優れた平葺きの特徴やメリット、デメリットなどをここで解説していきます。

平葺とはどんなもの?

立平葺きは金属屋根の1種で、縦方向に屋根材を葺く縦葺きと、横方向に屋根材を葺く横葺きがあり、耐震性や耐久性が非常に優れているのが特徴です。

立平葺きは1枚で出来た屋根材を葺いていく工法のため、他の屋根材よりも継ぎ目がないため、雨などが侵入しにくい構造となっています。立平葺きに使用される素材は、ガルバリウム鋼板が主流となっています。

ガルバリウム鋼板は金属製の屋根材の中でも特に軽量で、瓦やスレートといったほかの種類の屋根材よりも住宅に負荷をかけにくいため、耐震性の高い屋根を作ることができます。地震の際には揺れによって住宅が倒壊しやすくなりますが、立平葺きのガルバリウム鋼板はこの影響を受けにくいのが魅力的でしょう。

瓦棒葺き(かわらぼうぶき)との違い

立平葺きの特徴について解説しましたが、立平葺きとよく似たものに瓦棒葺き(かわらぼうぶき)というものがあります。名前だけ見ると瓦屋根の1種と勘違いしてしまいそうですが、立平葺きと同じ金属屋根の仲間です。

ただ、同じ種類といっても構造が全く違うため、ここからは立平葺きと瓦棒葺きの違いについて説明していきます。

瓦棒とは金属屋根同士を下地に固定していくために、一定間隔で敷かれた角材のことを指します。瓦棒屋根は昔から広く使われており、トタン屋根とも呼ばれています。瓦棒葺きはとても軽量な屋根ですので、耐震性に優れているうえにコストがかからないというメリットがあります。

しかし、瓦棒は木材ですので侵入してきた雨水によって腐食してしまったり、瓦棒を固定している釘が劣化してしまうとその都度メンテナンスが必要になるため、継ぎ目のできない立平葺きが最近では主流となっています。

立平葺きの種類

立平葺きの特徴でも伝えしましたが、立平葺きには縦方向に金属製の屋根材を葺く『縦葺き』と、金属製の屋根材を横方向に葺く『横葺き』があります。

また立平葺きは勘合式立平、縦ハゼ葺きとも呼ばれており、使用される金属は軽量で耐久性があるうえに、錆びにくいとされるガルバリウム鋼板が主流となっています。

立平葺きの場合、金属同士を結合させるにはハゼ式と嵌合式(かんごうしき)の方法があります。

昔からの方法であるハゼ式は結合させたい金属を組み合わせ、折り曲げながら結合していきます。一方の嵌合式は、屋根材に凹凸部をあらかじめ作っておき、凸部に凹部を上からはめ込んでいく方法となります。金属同士を折り込んでいくハゼ式よりも、はめ込んでいくだけの嵌合式のほうが、職人の手間も省け施工の期間も削減できるため、昨今ではハゼ式よりも嵌合式の需要が高まっています。

 

立平葺きのメリット

ここまで立平葺きの特徴や種類について説明してきました。ここからは実際に施工するにあたり、縦平葺きにどのようなメリットがあるのかについて、6つに分けて詳しく解説していきます。

 

低コストの実現性

立平葺きは瓦やスレートなどの屋根材に比べると比較的屋根材の素材が安く、安価で工事ができます。また立平葺きはガルバリウム鋼板など長尺の金属素材を一気に張っていくため、瓦やスレートよりも短い工期で施工を完了することが可能なため、工事にかかる諸経費等も安くなり、低コストが実現できます。

コストを抑えてリフォームを検討している人にはおすすめです。

短い工期で施工可能

瓦やスレートのような屋根材は職人が一枚一枚を固定して、貼り付けていく必要があります。そこで、立平葺きに使用されるガルバリウム鋼板のような屋根材は、長尺物が多いため現場での作業量が少なく済み、少人数の職人で工事を行えるメリットがあります。

また、ガルバリウム鋼板は現場で加工を行う必要がありませんので、施工性が良く工期を短くすることが可能です。

かまぼこ屋根にも適用

かまぼこ屋根は体育館などの広い建物に採用されていることが多く、立平葺きで施工されています。半円形のかまぼこ屋根に使用されるガルバリウム鋼板は、工場で円形に加工され、現場でルーフィングの上に貼って仕上げていきます。

半円形であるかまぼこ屋根のような場合、頂点部は勾配がない状態になるため雨漏りにつながる恐れがありますが、縦型の立平葺きを採用することで雨水の侵入を防ぎ、雨漏りリスクの軽減が期待できます。

思いのほか軽いので住宅の負担も減り、高い耐震性

一般的な瓦屋根と比べて、ガルバリウム鋼板といった金属屋根は薄く軽量であることが多いものです。屋根材が軽量であると住宅への負担が少なくなり、耐震性が高まります

瓦のような重量がある屋根材の場合、地震が発生したことで建物の倒壊リスクが高まるのですが、金属系の屋根にしておくことで重量を減らすことができ、リスク回避ができ安心です。

防水性に優れて雨漏りに強い

立平葺きは勘合式で貼り合わせているため、つなぎ目がない構造となっています。そのため隙間から雨水が入りこむリスクが低くなり、雨漏りも起きにくいとされています。排水性が高いのも大きな特徴といえるでしょう。

カバー工法でさらにコスト減

立平葺きは金属系の屋根材の中でもガルバリウム鋼板を採用することが多いため、住宅への負担が軽減できるので、カバー工法も可能です。カバー工法とは、現状設置してある屋根の上から新しい屋根材を張る工法のため、既存の屋根材の撤去が不要となり工期も短く費用を抑えられるメリットにも繋がります。

カバー工法にはリフォームに最適です。

優れたメンテナンス性

立平葺きは垂木と呼ばれる木材を使用しないため、雨水等による腐食が起こりにくく、メンテナンスの頻度が少なく済むこともメリットの1つです。

またガルバリウム鋼板は錆びの広がりを防ぐ効果を持っているため、金属屋根特有の弱点である錆びに対して強く、定期的なメンテナンスにより20年以上の耐用年数が期待できます。

立平葺きのデメリット

ここまで立平葺きのメリットについて紹介してきましたが、デメリットも同じように存在します。リフォームなどではしっかりとデメリットも踏まえた上で検討することが大切です。ここからは立平葺きのデメリットについて詳しく紹介していきます。

雨音がどうしても響いてうるさく感じてしまう

立平葺きは瓦やスレートといったほかの屋根材に比べて、雨音や風音を大きく感じやすいものです。その理由ですが、立平葺きに使用されるガルバリウム鋼板の薄さに関係しているからといえます。ガルバリウム鋼板の薄さは重量軽減等のメリットの1つでもありますが、薄いがゆえに雨音などが非常に響きやすくなってしまうのです。

どうしても雨音が気になるような場合には、ガルバリウム鋼板を使用する際に遮音性の高い塗料を塗装することで、雨音を緩和することも検討するようにしましょう。

断熱性が低く室温の調整が難しい

立平葺きに使用されるガルバリウム鋼板のような金属屋根に共通する弱点の1つに、太陽光の光を多く吸収してしまうということがあります。太陽光の光をたくさん吸収することで住宅全体の断熱性が劣るため、室温を上手く調節できなくなってしまう恐れが出てきてしまいます。解決法としては、遮熱性の高い塗料やシートを利用して遮熱性を高めることで、熱の発生を抑制することが可能です。

複雑な形状の屋根にはコスト増大も

メリットでも紹介しましたが、かまぼこ屋根などの半円形の屋根にも採用できる立平葺きですが、あまりに複雑な形状の屋根には向いていない場合もあります。

屋根にこだわりがある場合など、ご自身のイメージ通りに仕上げたい場合は、現場での加工が必要になってきます。その場合、費用が通常よりもかかってしまいますので、追加工事費用の上乗せで、コスト増大も視野に入れるようにしておくとよいでしょう。

基本的に使用するのはシンプルな屋根がベストであること考えておいたほうが無難です。

ある程度の作業スペースが必要

立平葺きで使用されることの多いガルバリウム鋼板は、工場で加工されて現場に運ばれるのです。ガルバリウム鋼板は長い一枚の金属屋根材であるために、現場での作業スペースが他の屋根材よりも必要になってきます。

施工する住宅が密集地帯の場合ですと、作業スペースが確保できず施工が困難になってしまう場合もあり得ます。そのため、作業スペースが確保できない場合は、事前に屋根材を保管して置ける敷地外の場所があるかどうかを調べておくようにしましょう。

立平葺きのリフォームで注意すること

立平葺きは体育館や工場などの大きな建物で採用されることが多かったものですが、ガルバリウム鋼板などの金属系屋根の有効性が知れ渡るとともに、一般住宅でも立平葺きによるリフォームが取り入れられています。

しかし一般住宅に立平葺きの工事を採用するには、いくつかの注意するポイントがあります。ここからは立平葺きで注意すべきことを紹介していきます。

住宅リフォームの歴史は浅い

先ほども述べましたが、立平葺きは昔から大型建造物の屋根施工に広く採用されてきました。しかし金属系屋根の普及により一般住宅にも採用されるようになってきたものの、立平葺き工事を行える専門業者は少ないのが現状です。

立平葺きのリフォーム工事には事前準備が非常に大切で、施工予定の住宅を入念に下調べする必要があります。ガルバリウム鋼板などの金属系屋根材は長い一枚板のようになっているため、採寸や必要な量、屋根材の保管場所の確保などどれか一つでも間違えてしまうと、施工が行えなくなってしまうのです。

このように立平葺きを取り扱うには、経験豊富な専門業者に入念な下調べをしてもらう必要があります。

相見積もりを取って業者を選定

無料診断などを行っている専門業者もありますので、一社だけで決めるのではなく数社に相見積もりを取るようにしましょう。リフォームを検討している場合は特に見積もりを複数社にとってもらうことが大切です。見積もりが極端に高額になる会社も問題ですが、あまりに低い金額の場合も怪しいものです。後戻りできない状態に持っていき、追加費用が発生する旨を告げられる悪徳業者に引っ掛からないように注意しましょう。

まとめ

今回は立平葺きについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。立平葺きは歴史のある屋根施工の1つで大型建造物に広く使用されてきましたが、最近では一般住宅にも用いられるようになった屋根施工の1つです。

軽量で耐震性が高いうえに、他の屋根材に比べ施工費用安価な立平葺きは、金属系屋根の中でも  需要が高まっています。

 

人気のガルバリウム鋼板の特徴から、気になるメンテナンス費用を詳しく紹介!

外壁材や屋根材として昨今人気のガルバリウム鋼板について、新築やリフォームをお考えの人なら一度は聞いたことがあるものです。しかし、ガルバリウム鋼板がほかの外壁材や屋根材とどのように違うのかわからないことも多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ガルバリウム鋼板の特徴から気になるメリットやデメリット、メンテナンスにかかる費用までまとめて紹介していきます。

ガルバリウム鋼板とは

ガルバリウム鋼板は、アメリカのベスレヘムスチール社が1972年に開発した鋼板です。日本では1982年から販売されており、日本製鉄株式会社の登録商法となっています。当初は日本でも見向きされない素材でしたが、年々評価を上げていき、安全性の面でも十分信頼を勝ち取った建材です。

ガルバリウム鋼板は、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%の割合を原料としてメッキ加工した素材です。原料のアルミニウムは耐食性が、亜鉛は防食性が優れているため、亜鉛だけでメッキ加工されたトタン素材よりも耐久性のある素材となっています。

ガルバリウム鋼板は住宅にも優しく、リフォームでは独占ともいえる人気の建材といえるでしょう。

ガルバリウム鋼板を使用するメリット

メッキ加工されたガルバリウム鋼板は外観をおしゃれにしてくれるため、近年人気を博しで外壁や屋根材に多く使用されるようになってきました。ここからは外壁や屋根材として採用する場合に参考になるように、メリットを紹介していきます。

耐震性に優れている

地震大国である日本では、耐震性に強い素材であるかは非常に重要なポイントとなります。ガルバリウム鋼板は、1~3㎜と非常に薄く、重さも瓦の十分の一程度と軽量であるため、住宅への負担が少なくなることで、耐震性が向上し地震に強い住宅を作れます。

屋根や外壁のカバー工法など、リフォームでも活用されやすい建材といえます。ご存じのように、我が国ではガルバリウム鋼板が登場してからも、震度5を超えるような大きな地震は度々発生しました。それでもこの30年以上も信頼され続けているのは、高い耐震性が評価されているからといえるでしょう。

持がよく高い耐久性

一般的な外壁材や屋根材は10年ほどでメンテナンスが必要になってきますが、ガルバリウム鋼板の耐用年数は20年ほどと耐久性の高さもメリットの1つです。外壁や屋根といった場所は、住宅の中でも雨風に晒され劣化が進みやすく、耐久性に優れているかどうかはとても大切な条件です。

もちろん、住宅環境でも大きく変わりますが、耐用年数が長いほどコスパもいいので、トータル的に他の建材よりも優れていると実感できるでしょう。

また、雨風だけではなく雪にも強いガルバリウム鋼板は、積雪の多い地域でも力を発揮してくれるため、安心して冬場を過ごすことができます。

耐熱性が高い

ガルバリウム鋼板は原材料に熱に強いアルミニウムが多く含まれているため、耐熱性にも優れています。またメッキ加工するときにケイ素を配合しているため、およそ350度の熱に耐えることが可能です。

外壁や屋根を熱から守ることで劣化を防ぐとともに、住宅の中に熱がこもることを防ぐ役割もしてくれます。

軽量なうえに加工がしやすい

ガルバリウム鋼板は厚さ1~3㎜と薄く、瓦のおよそ十分の一の重さと非常に軽量であるため、住宅への負担が少なくなるメリットがあります。またメッキ層の柔らかいガルバリウム鋼板は、折り曲げが簡単にできるため、さまざまな形状の屋根に対応可能であり、非常に加工がしやすいこともポイントといえるでしょう。

錆に強い

金属といえば錆やすい一面を持っています。アルミやトタンなどの金属素材と比較しても錆にくい特長があります。錆は金属が酸化しようとする過程で発生し、劣化するともろくなってしまい、住宅にも影響が出てしまいます。

ガルバリウム鋼板を使用することで錆に強い住宅に変わっていくことでしょう。

メーカーごとにさまざまなカラーがある

ガルバリウム鋼板は取り扱うメーカーの製品によってカラーのバリエーションが豊富です。オシャレな外観を保つためにも、屋根に使用するカラーは非常に重要となります。落ち着いた雰囲気を演出することもできますし、上品さや穏やかさをイメージするカラーも人気となっています。

ガルバリウム鋼板を使用する際のデメリット

ガルバリウム鋼板はメリットばかりではありません。環境にもよりますが、人によってはデメリットに感じることもありますのでみていきましょう。

断熱性が低い

瓦やスレートといった屋根材は断熱性能が備わっているのですが、ガルバリウム鋼板には断熱性能が備わっていません。そのため屋根材の下に断熱材を敷いたり、断熱塗料で塗装するなどの断熱に対する対策が必要となります。

アルカリ性に弱く傷が付きやすい

ガルバリウム鋼板はアルカリ性との相性が良くないため、枯葉などが長期間付着することで変色が起きてしまう場合があります。これは木材に含まれている木酢液という酢酸が原因のため、こまめな手入れが必要となるでしょう。

また金属素材には弾力性がないため、衝撃を受けたことで傷が付きやすいこともデメリットの1つです。飛来物が当たってキズが付いてしまうと、その場所から錆びてしまう恐れがあるため注意が必要となります。

防音性が低い

ガルバリウム鋼板は金属素材のため、防音性が他の屋根材と比べて劣ります。そのため雨音などが響いてしまうと、生活に支障が出てしまう恐れがありますので、屋根材の下に防音材を敷く必要があるでしょう。

ガルバリウム鋼板の耐用年数について

ガルバリウム鋼板の耐用年数は、20~30年ほどといわれています。一般的に多く使用されているスレート屋根に比べて耐用年数が長く、錆のメンテナンスをしっかり行っていれば、40年以上の耐久性も期待できるでしょう。

立地条件にもよりますので一概にはいえないものの、他の建材よりも長い目でみればコスパに優れています。

ガルバリウム鋼板の劣化症状について

ガルバリウム鋼板は比較的耐用年数の長い素材ですが、定期的なメンテナンスは必要になります。ここからはメンテナンスが必要になる劣化症状を、症状別に詳しく紹介していきます。

錆の症状

金属素材であるガルバリウム鋼板にとって、錆の症状は大敵といえます。もちろん、メリットでも紹介しましたが、ガルバリウム鋼板はアルミやトタンに比べると錆に強い面があるものです。

錆には赤錆、もらい錆、白錆と3種類の現れ方があります。

赤錆はトタン屋根にできるようなものと同じ、赤茶色の錆です。ガルバリウム鋼板はメッキ加工されているため錆にくいですが、メッキ加工された層よりも下の層が傷ついた場合は、その傷から錆が発生し広がってしまいます。

もらい錆はガルバリウム鋼板に錆びているほかの金属が触れている場合に、触れているか所からガルバリウム鋼板自体にも錆が広がる症状のことです。

白錆は住宅が沿岸地域の場合に、メッキ層の亜鉛が酸化することで白い斑点状の錆が出てくることを指します。錆は小さな穴から始まることも多く、気づかないうちに劣化が進む恐れがあるため、発見した場合は塗装メンテナンスを早急に行いましょう

チョーキング現象の発生

塗膜表面の樹脂がなくなり、表面上に粉状が現れることをチョーキングと呼びます。外壁や屋根を指で触るとチョークのような白い粉が付く現象であり、塗料の劣化を判断する基準となります。チョーキング現象が発生した場合は、塗料が寿命を迎えているということですので、塗り替えを行うようにしてください。

コケの発生

ガルバリウム鋼板の表面の塗装が劣化することで、表面に残った汚れからコケが発生してしまいます。コケは湿気を含んでいるのでそのまま放置するとどんどん腐食してしまいます。

コケは住宅の中でも日が当たりにくく目立たないか所に発生しやすいため、こまめにチェックを行い必要なメンテナンスを施すようにしましょう。

ガルバリウム鋼板のメンテナンス方法

気になるガルバリウム鋼板のメンテナンス方法ですが、劣化の度合いや痛み具合によって施工方法が変わります。ここからはそれぞれのメンテナンス方法を詳しく紹介します。

塗装を行う

ガルバリウム鋼板は約10年を目安に塗り替え塗装のメンテナンスを行います。ガルバリウム鋼板の表面の塗膜が剥がれてしまうと、劣化症状を引き起こしてしまう恐れがあるため、外壁材や屋根材の保護をするためにも、しっかりと塗装メンテナンスを行いましょう。

塗装メンテナンスを行う際、足場を組んで工事をする場合は、補修費、材料費以外に足場代が別途必要です。

葺き替え、張替え、カバー工法

塗装だけではガルバリウム鋼板本来の力を発揮できないと判断された場合は、葺き替え、張替え、カバー工法のいずれかの工事を行います。

雨漏りが発生している場合は、外壁や屋根を剥がして補修を行わないといけないため、葺き替えや張替えといった作業を行います。

カバー工法は、塗装ができない場合や住宅の断熱性能に不満がある場合に、現状の外壁材や屋根材の上にガルバリウム鋼板を貼ることです。現状の外壁材や屋根材を剥がすことなく、上から貼り付けることで外壁や屋根が二重となり、断熱性が向上するというメリットがあります。

リフォームに強いガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は新築にも使用されていますが、基本はリフォームで人気の建材です。特にリフォームでは屋根と外壁にカバー工法が用いられるので、メンテナンスしやすいガルバリウム鋼板は重宝されます。

ガルバリウム鋼板はリフォームだけでなく、近年は軽量で耐用性がある点が大きなメリットとなり、長い目でみてコスパとなるので新築の屋根にも多く使用されています。

ガルバリウム鋼板の費用

ガルバリウム鋼板自体はそれほど高価な素材ではありません。1㎡あたり1,000円前後です。ただ、リフォームなどではここから工事業者の費用が発生します。カバー工法を用いた場合、縦葺き・横葺き、屋根や外壁のメンテナンスで若干は変わりますが、1㎡あたりでおよそ10,000円~14,000円の工事費用になるでしょう。

まとめ

今回は昨今人気のガルバリウム鋼板についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?ガルバリウム鋼板は定期的なメンテナンスをきちんと行うことで、長期間に渡って使用することができるとても優秀な建材の1つです。

人気の高まりとともに施工できる専門業者も年々増えてきていますので、住宅の建材選びの選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

錆止め塗料の選び方とは?それぞれの特徴からメリット、デメリットを詳しく解説!

住宅にはシャッター、ベランダの手すり、配管、屋根など様々な金属部分があります。金属部分の錆というのは特に気になる部分です。ただ、劣化を恐れて錆止め塗料を塗りたいけれど、どの錆止め塗料を選べば良いかわからない人も少なくありません。

そこで、さび止め塗料の特徴からそれぞれの種類別の特徴やメリット、デメリットなど、まとめて解説していきます。

錆止め塗料とは?

錆止め塗料とは、住宅などの建造物の中で使用されている金属部分を錆や腐食から守る役割を持つ塗料のことを指します。錆は水や酸素に触れることで起こる劣化現象の1つですが、錆止め塗料を塗ることで金属の表面に塗膜を形成し、錆や腐食が起こるのを防いでくれます。

錆は風雨の影響によって屋外で起こる現象のように思えますが、空気に含まれている水蒸気でも錆やすくなります。このことからも屋内外に関わらず、住宅には錆の発生が多数潜んでいることになるでしょう。

特に日本では湿気が多い地域が多く、住宅も錆びやすくなっており、錆止め塗料はとても重要な役割を果たしてくれることになります。

錆を放置することのデメリット

住宅などの建築物の錆を放置してしまうと、さまざまな問題が生じてきます。住宅の価値にもつながりますので、知識を持っておくことは重要です。ここからは錆を放置することで起こりうるデメリットを、3つに分けて紹介します。

機能性が低下し建物の劣化が進む

錆を放置することで、発生箇所からさまざまな問題が生じてきます。

例えばシャッター部分に錆ができて腐食や変形が起こってしまうと、シャッターの開け閉めができにくくなり、本来の機能を十分に発揮できなくなります。開閉時に軋むような騒音が発生して耳が痛い経験をしたこともあるでしょう。無理に開閉を続けていると、終いには故障してシャッター自体が動かなくなってしまいます。

またベランダの手すり部分に錆や変形が起こると、布団や洗濯物を干していると錆の汚れが付着してしまいます。さらに錆で手を切ってしまうこともありますので、大変危険といえます。

雨漏りの原因になる

錆というのは発生すると、どんどん浸食していきます。表面上は分かりづらいですが、顕微鏡なので見ると、錆が浸透している部分は穴が開いているのが分かるものです。これは住宅に使用している場合にも同じことがいえます。

屋根に金属を使用している住宅の場合、気づかないうちに錆が進行してしまうと屋根に穴が開いてしまい、雨漏りの原因となる場合があります。雨水が建物内部に侵入してしまうと、住宅の劣化を早めてしまう恐れがあるでしょう。

美観を損ねてしまう

住宅の塗装が劣化して錆が発生してしまうと、金属部分が錆で赤茶色に変色してしまいます。そうなると住宅の美観を損ねてしまい、住宅の価値にも影響を及ぼしかねません。住宅を美しく保つためにも、定期的に錆止めメンテナンスを行う必要があります。

錆止め塗料の種類

錆止め塗料は大きく分けて油性系とエポキシ樹脂系があります。さらに油性タイプはJIS規格により油性系(1種油性系)と合成樹脂系(2種合成樹脂系)に分けられます。

ここかはそれぞれの特徴についてご紹介していきます。

油性系(1種油性系)

乾燥に時間がかかる1種油性系ですが、膜が厚いため防錆性に優れています。しかし夏場の施工で3~4時間、冬場の施工で6~8時間と乾燥時間がかかるため、作業効率も悪いうえに人件費もかさむなどのデメリットが大きく最近では使用されなくなってきました。

油性系(2種合成樹脂系)

紫外線に強く速乾性に優れているため乾燥が早く仕上がりも良いですが、1種油性系に比べて防錆性はやや怠るというデメリットを持っています。

エポキシ樹脂系

エポキシ樹脂系はエポキシ樹脂に錆止め顔料を入れたものです。水に強く耐久性に優れ、速乾性も高く付着性、防錆性も高いです。エポキシ樹脂は素地の内部に浸透し、脆弱な部分もしっかり補強してくれるため、昨今では塗り替えや新築工事で最も使用されている錆止め塗料となっています。

錆止め塗料のカラーバリエーションについて

以前の錆止め塗料には色の種類が少なく、鉛系やクロム系の原料が主流となっていました。しかし鉛系は海洋汚染などの公害問題への配慮もあり、クロム系は人体への悪影響が懸念されたため、鉛やクロムを含まない塗料が多く開発されるようになりました。近年さまざまな錆止め塗料が登場したことに伴い、錆止め塗料の色の種類も豊富になっています。

昨今ではホワイト、アイボリー、ブルー、グレー、グリーン、赤さび色、チョコレート、ブラックの8種類の色が一般的となっています。

錆止め塗料の使用方法

錆止め塗料はシンナーや水で薄めて使用していきます。その中でもシンナーで希釈したものを溶剤系、水で希釈したものを水性と呼び、溶剤系は強溶剤と弱溶剤の2つに分けられます。ここからは各タイプの使用方法について紹介していきます。

溶剤系(強溶剤)

溶剤系である強溶剤は強溶解度シンナーで希釈して使用していきます。密着性や対候性が高い反面、臭いや刺激が非常に強い特徴を持ちます。慣れが必要な塗料といえるでしょう。

溶剤系(弱溶剤)

弱溶解度シンナーで希釈して使用する弱溶剤の密着性や対候性は、強溶剤ほどではありませんが高めです。強溶剤ほど臭いや刺激は強くないため、使用しやすいのが特徴的です。

水性塗料

水で希釈して使用する水性塗料は、溶剤系塗料に比べて密着性や対候性はやや怠ります。しかし溶剤系塗料に比べて臭いや刺激が少なく、環境に優しいという特徴を持っています。一般的に使いやすい塗料といえるでしょう。

錆止め塗料の費用について

住宅の鉄製部分の錆や腐食を抑えるために、錆止めを使用したいと考えている場合、気になることの1つは費用がいくらかかるのかではないでしょうか。多くのメーカーからさまざまな種類の錆止め塗料が販売されているため、種類や機能によって違いはありますが、15~20kgの量で、10000~50000円ほどとなっています。

そこに工事項目別の金額が追加されます。また足場組立が必要な場合は、別途足場組立費用が追加されます。

業者によってまちまちになりますので、事前にしっかりと合い見積もりなどで確認しておきましょう。

錆止め塗料を塗るタイミングと施工手順

住宅の金属部分にどのような劣化症状が起これば、錆止め塗装を行なう必要があるのでしょうか。そこで、塗料を塗るタイミング時期と、実際に錆止め塗料を塗る場合の具体的な施工方法を手順別に詳しく紹介します。

錆止めを塗るタイミング時期

住宅の塗装に劣化がでてくると、さまざまなデメリットが生じてしまうため定期的なメンテナンスは大事です。

塗り替えのタイミングとしては、塗装部分の光沢がなくなることや、白い粉が発生するチョーキング現象が見られるようになったら塗り替えのタイミングとなります。

錆止め塗料の耐用年数は、屋外の場合で3~4年、屋内で5~6年ほどとなっています。

定期的なメンテナンスは必要不可欠ですので、時期が来たらきちんと塗り替えを行うようにしましょう。

塗装部分の洗浄

最初の手順としては、塗装を行う部分を高圧洗浄機で洗浄することです。金属部分の錆などの汚れやゴミを落とすことができるため、塗膜の密着を高めてくれます。高圧洗浄機で洗浄をした後は、しっかりと乾燥させることが大事です。

汚れやゴミが残ったままだと、その上から塗料を塗ることになるので、錆止めの効果が発揮できなくなります。

ケレン作業

高圧洗浄した後に行うのがケレン作業と呼ばれる下地処理となります。高圧洗浄で落とせなかった錆や汚れなどを、職人さんが電動ブラシややすりなどで削り落としていく作業となります。

またケレン作業は錆や汚れを落とすだけでなく、次に塗る錆止め塗料が密着しやすいように、あえて表面を凹凸にするといったことも兼ねており、錆止め塗装の中でも非常に大事な作業の1つとなっています。

ここではしっかりと汚れを落とすことが大切です。

下塗り

塗装の工程には、下塗り、中塗り、上塗りの3つにわけられ、最初に行うのが錆止め塗料を塗っていく下塗りになります。油性系とエポキシ樹脂系のどちらかを使用し、塗膜の密着を高めるように丁寧に作業していきます。錆の目立つ箇所は2度塗りすると効果的です。

中塗り・上塗り

錆止め塗料を塗り終わりしっかりと乾燥したら、仕上げの塗料を塗っていきます。一般的に仕上げ塗料を塗る際は、中塗り、上塗りの2回に分けて作業を行っていきます。この時中塗り、上塗り共に同じ仕上げ塗料を使用しても構いません。

錆止め塗料の上に何回も塗装する理由ですが、エポキシ樹脂系は錆に関しては高性能ですが、紫外線に弱いといったデメリットがあります。錆止め効果を高めるためにも対候性の高い塗料で上塗りすることで、錆止め以外の効果を高めてくれるので非常に大事な作業となります。また仕上げ塗料には錆止め塗料との相性が良くないものもありますので、組み合わせをよく確認するようにしてください。

まとめ

今回は錆止め塗料の特徴から、メリット、デメリット、塗装費用などについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか?錆止め塗料は住宅の金属部分が劣化した場合のメンテナンスに非常に有効な作業です。

錆などの劣化の進行を遅らせることで、住宅や建造物の外観を守り、雨漏りなどの大きな劣化に繋がる可能性も低くなりますので、錆止め塗料をうまく活用して大切な住宅を守りましょう。

瓦屋根の施工の流れと施工例など、知っておきたい瓦屋根について詳しく解説!

瓦屋根は昔から広く日本で使われており、国内で一番の馴染みのある屋根材です。昔ながらの和風の住宅はもちろん、洋風の住宅にも使用される瓦屋根は海外でも使用されることの多い人気の屋根材となっています。

そこで今回はそんな人気の屋根材である瓦屋根を実際に施工する場合の流れや施工例など、知っておきたい瓦屋根について詳しく解説していきます。

瓦屋根の種類

瓦屋根にはさまざまな種類が存在するのですが、その中でも国内で良く使用されている『粘土瓦』『セメント瓦』『コンクリート瓦』の特徴などをご紹介します。

粘土瓦

粘土瓦は天然の粘土を原材料とした瓦です。日本瓦、和瓦、陶器瓦、いぶし瓦とも呼ばれている粘土瓦は、非常に耐久性があり塗装の必要がないメンテナンス要らずの瓦屋根です。

耐久性以外にも遮熱性、防水性、耐火性防音性共に高いことも特徴の1つです。

セメント瓦

セメント瓦はセメントと砂利、水を混ぜたものを瓦型に成形し塗装した瓦です。セメント瓦は初期費用が安く形や色のバリエーションが豊富なのが特徴です。ご自宅の雰囲気に合わせた形や色を選ぶことができるため、個性的な色合いが好みな人にも最適です。

しかし重さがあるため、住宅に負荷がかかりやすい面もあります。

コンクリート瓦

コンクリート瓦はセメントと水、骨材を混ぜ合わせ成形したのちに表面に塗装を施して仕上げられた瓦です。防音性、断熱性、耐火性など様々な機能に優れているコンクリート瓦ですが、塗膜が剥がれるとメンテナンスが必要になってきます。

屋根瓦の固定方法

屋根に取り付ける瓦は建築基準法やガイドライン法によって決められた施工方法に従って行われています。安全がしっかり考慮されている屋根瓦は固定方法もさまざまです。

ここからは3種類の固定方法をそれぞれ詳しく解説していきます。

土葺き固定

住宅の屋根に取り付けられた野地板に土をのせ、瓦を重ね合わせていくのが土葺きです。湿式工法である土葺きは耐震性に問題があるため、昨今では土葺きが用いられた屋根瓦は早期に改修するように呼びかけられています。土葺き固定はガイドライン工法ができる前に広く行われていた張り方です。

釘・ビスでの固定

瓦に小さな穴を開けて、釘やビスを使用して固定する方法です。この工法は瓦1枚ごとにすべての瓦を止めていく場合と、瓦2枚に対して1枚の瓦を止めていく場合があります。この2つの違いですが、ご自身がお住まいの地域が定めている基準風速によって異なっています

釘やビスで固定する方法のメリットとデメリットとしては、安全面を高めるのに効果的な反面、瓦に穴を開けて固定するため瓦にひびが入る恐れがあるでしょう。

鉄線・銅線・ステンレス線での留め付け固定

鉄線、銅線、ステンレス線などを使用して瓦同士をつなぎ固定していく方法です。野地板などの下地を張った後に、桟木を使用する瓦の寸法に合わせて流し、瓦と桟木を鉄線、銅線、ステンレス線のいずれかを使用して固定していきます。

瓦の落下防止としては非常に効果的な方法ですが、使用する素材によって耐用年数が違いますので、劣化等の不具合が生じる前に定期的なメンテナンスをしておくことが大事です。

屋根瓦は定期的なメンテナンスが必須

日頃から雨風などの影響を最も受ける屋根瓦は、他の屋根材に比べると耐用年数は長く、安心して使用することのできる屋根材です。しかし地震や台風などの自然災害が起きた場合には、その都度メンテナンスが必要になってくるでしょう。

また瓦自体は耐用年数が50年以上ありますが、野地板や防水シート、桟木など使用している素材によって劣化速度が違います。各部分に使用されている材料の劣化状況を確認して定期的にメンテナンスを行うようにしましょう。

屋根瓦の施工の流れについて

ここまで瓦の種類や固定方法について解説してきました。ここからは実際に屋根瓦を施工する場合の流れを、各工程に分けてご紹介していきます。

足場工事

足場を組み立てず高所で作業することは、安全確保の面で義務違反に当たるため法律で禁止されています。作業員が安心安全に作業を行うためはもちろん、作業の効率アップを保つためにも、足場を組み立てることは大事な工程の1つです。

既存の屋根瓦の撤去

足場を組み立てたら屋根に上り、既存の瓦の撤去に取り掛かります。ガイドライン法ができる前の住宅ですと土葺き固定が多いため、瓦の下には多くの土が出てきます。多い時で1坪200kg以上の土が出てくる場合もあるほどです。

瓦や土と同時に引っ掛けるのに使用されている桟木も一緒に取り外していきます。取り除かれた土や瓦などは専門の廃棄処分場に持っていき業者側で廃棄します。

下地

下地とは瓦を葺く土台となる面のことを指しており、垂木の上に野地板を隙間なく打ち付けていくことで下地が出来上がります。この下地は瓦や土などの重さに長期間耐えてきたため、痛みや劣化が起きている場合が多く見られがちです。

劣化がある場合は、下地を張り変えていく作業が追加されていきます。

下葺き(防水シートなど)

下地を綺麗に張り替えたら防水性、断熱性に優れた下地材(防水シートなど)を敷いていきます。下地材にはさまざまな種類があるのですが、一般的に広く使われているのはアスファルトルーフィングと呼ばれる防水紙です。こちらは耐用年数が10年ほどとあまり高くなく、定期的に交換する必要があります

下葺き素材の特徴

下葺き素材にはそれぞれ特徴があるのでみていきましょう。

・アスファルトルーフィング

アスファルトフェルトにアスファルトを両面塗布しておき、しみ込ませていきます。耐用年数はそれほどでもありませんが、新築でも多用されています。

・改質ゴムアスファルトルーフィング

気温によって状態変化が起きやすいアスファルトルーフィングを改良し、ゴムや合成樹脂などを加えて耐用性を向上しています。

・粘着層ルーフィング

片面が粘着シールになっている素材で、カッターや釘を使わずに設置できます。カッターや釘は劣化する恐れがあり、ここから雨漏りにもつながりますので、密着しやすい粘着層ルーフィングは安心できる素材といえます。

・透湿防水紙ルーフィング

室内に籠りやすい水蒸気などの湿気を屋外へ放出します。湿気は住宅にとって天敵ともいえるものですので、通気性にも優れています。

・高分子系ルーフィング

軽量でポリエチレンなどの合成樹脂を主成分にした素材です。屋根に使用するので軽量は大きなポイントとなり、耐用性も高めています。

地割・桟木の取付け

葺き上りが隙間なくきっちりと納まるように、屋根面の寸法を割り出していきます。この作業は地割と呼ばれ、少しずつ敷いていく瓦のサイズから重なる部分の寸法を基準として計算していきます。

地割で出された寸法に基づき、下地材(防水シートなど)の上に瓦を引っかける桟木を釘打ちし固定していきます。桟木が取れると瓦の落下などにつながる恐れがありますので、腐ったり割れたりしない良質な木材で作られた桟木を使用します。また木材以外にもプラスチックやアルミ製の桟木が使用されることもあります。

瓦の取り付け

桟木のうえに瓦を敷いていく作業には、屋根の右側から敷いてある瓦の下へ順に差し込んでいく『差し葺き』と、屋根の左側から瓦の上に順にかぶせていく『かぶせ葺き』があります。葺き終わったら必要箇所に釘留めを施していきます。

実際の施工例

ここまで瓦の特徴から実際に瓦屋根に施工する場合の手順について解説してきましたが、ここからは実際に施工された住宅の施工例を2軒ご紹介していきます。

和瓦から防災瓦へ

一般的に和瓦は長い年月とともに下地が劣化し、雨漏りに悩まされているため、新しい瓦への葺き替えを実施しています。下地には杉皮が張られており、杉皮は残したまま瓦の葺き替えを行います。

また、防水性や耐風性を高めるために、既存の和瓦から防災瓦に葺き替え、棟部には耐震対策として棟補強金具で補強することで、地震対策にも繋がる瓦屋根が完成します。

セメント瓦から軽い瓦へ

築50年以上が経つ住宅では、重いセメント瓦を軽量の瓦に葺き替えを実施することがあります。セメント瓦を外してみると、長年の劣化により下地が割れていることや、腐っている部分が見つかると、その野地板も補強しなければなりません。

トステムのTルーフは特徴としては瓦調のデザインで、重厚感がありながらも軽量なために住宅への負荷が少なく、耐震性も向上した屋根瓦へと変貌します。

費用は瓦1枚単位

気になるメンテナンス費用ですが、工務店やリフォームを受け持つ店舗によって異なるものの、おおよそ一枚当たり1万円前後といった費用が発生します。また、現在使用している瓦をそのまま使用する場合だと値段も代わり、1平方メートル当たりで見積もりを出す場合もあるでしょう。

耐用性が高くて軽量のタイプになるほど費用も上がっていきます

まとめ

今回は瓦屋根の施工に関する情報を施工例も交えてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?

屋根瓦は住宅の中でも1番雨風に晒される場所であり、住宅を守ってくれる大切な箇所です。普段見えない場所であるからこそ、瓦の固定状況を確認してもらったり、雨漏りなどの劣化症状が起こる前に下地の交換が必要です。定期的なメンテナンスとともに耐用年数が経過した場合には、瓦の葺き替えも実施するようにしましょう。

現在屋根瓦にお住まいの方はもちろん、これから新築住宅を建てる予定があり屋根材を瓦にしたいと考えている人は、この記事を少しでも参考にしていただき瓦屋根の導入を検討していただけたらと幸いです。