「SGLとは?」特徴や、メリット、デメリットなどを徹底解説

ガルバリウム剛板を進化させたSGL(スーパーガルバリウム剛板)。その性能の高さから徐々に世の中へ浸透しつつあり、採用しているメーカーや業者も増えています。名前を聞いたことがあっても、疑問をお持ちの方も多いかと思います。

そこで今回は、特徴や、メリットとデメリットも詳しく解説します。SGLでの施工を検討している方も、知識を身につけていきたい方もぜひ最後までご覧ください。

SGLの特徴

SGLは外壁材や屋根材としてとても重宝されています。高い耐久性から需要が増しており、今後の新築やリフォームの際にはぜひ意識していただきたい素材です。

SGLは「GL(ガルバリウム剛板)」に、ガルバリウム剛板のめっき部分にマグネシウムを加えることで防錆効果を高めた素材です。

SGLは耐用年数が30〜50年といわれており永く使い続けられます。それに伴いメーカーの保証期間も伸びているため安心です。メーカーや業者によりますが、例えば塗膜は15年、穴あきは20年の保証が付いていることがあります。

SGLのメリット

耐食性がある

ガルバリウム剛板が亜鉛+アルミでできていたのに対し、SGLではさらに2%のマグネシムが含まれています。水に溶けにくく保護効果が高い上に、腐食電流を抑制する効果も期待されています。そのため耐食性に優れた素材として重宝されているのです。

特にガルバリウム剛板の弱点であった傷や切断部分からの腐食を防ぎ、耐食性は高くなっています。亜鉛よりもイオン化しやすいとされるマグネシウムの働きにより、犠牲防食作用が働き腐食から守ります。また保護皮膜の安定性を向上させる働きもあるため、より耐食性が期待できるのです。

塩害に強い

ガルバリウム剛板は塩害に弱かったため、沿岸地域では使われにくいというデメリットがありました。しかしSGLは重塩害地域以外の塩害地域では使えるように耐久性が増しています。

SGLになってからは保証対象が拡大し、海岸から500m以上であることもあります。ガルバリウム剛板では海岸から5000m以上が保証対象であったため10分の1の近さにまでなりました。従来は検討の余地がなかった住宅でも使用しやすいように進化したのです。

費用対効果が高い

ガルバリウム剛板よりも耐用年数が長い分、1年当たりのメンテナンス費用は数千円程度安くなります。足場を組むなどの工程はガルバリウム剛板もSGLも変わりませんが、SGLの方が耐用年数は長いため費用対効果がより高いのです。

もしSGLを塗装する場合は耐用年数の長さに合わせて、15年程度の耐用年数のある耐久性のあるフッ素を使用するのがおすすめです。耐用年数が長い分だけ他の塗料よりも値段が高めですが、安い塗料による定期的なメンテナンスは施工費用がかさむ上に手間がかかってしまいます。そのためSGLの塗装にはフッ素塗料など耐用年数が長いものが適しています。

建築士

SGLのデメリット

遮熱性や断熱性を高くする対策が必要

SGLはガルバリウム剛板と同様に遮熱性や断熱性が弱いです。そのため地域の気候や気温などに応じて塗料を工夫したり、リフォームを施したりすることが必要になります。

例えばリフォームなどの際に遮熱性が高い塗料を使うことで、2〜3℃程度室温を下げられます。

一方で断熱性を高めたい場合には、屋根の下地板の裏側に断熱材を仕込む屋根裏断熱という方法があります。また天井の裏側に断熱勢を施工する天井断熱もおすすめです。

定期的なメンテナンスが必要

SGLの劣化症状は錆びが主な原因です。ガルバリウム剛板よりも錆びにくいものの、けっして錆びないというものではありません。適切な時期にメンテナンスをしなければ、耐用年数が縮まってしまいます。

特殊なコーティングをすることで錆を防いでいるため、塗料の耐用年数に応じた時期に塗装の知識と経験が豊富な業者へ依頼しましょう。もしめっきにへこみや傷がある場合はそこから急速に劣化してしまう危険性があるため業者へ診てもらうと安心です。

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