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屋根のリフォームで人気の立平葺の特徴やメリットを解説! 

住宅の購入やリフォームを考えている人にとって、屋根の立平葺きという言葉を聞いたことがあるものでしょう。立平葺はコスパに優れた屋根材で使用されているものです。ただ、住宅の購入やリフォームというのはそう何度もある経験するものでもありません。

いくらコスパに優れているとはいえ、知識がないと何かと不安になる人ものです。そこで、立平葺きの特徴やメリット、デメリットを解説していきます。

立平葺きの特徴

立平葺きとは金属屋根の中でも、縦に1枚の板を葺いている屋根を指します。金属なので重たいイメージを持つ人もいますが、瓦やスレートなどの他の屋根材に比べて軽量なのが特徴といえるでしょう。

立平葺きは金属の中でもガルバリウム鋼板が多用されており、屋根材の中ではかなり軽い方に入ります。工期も早くて作業性に優れており、立平葺きではガルバリウム鋼板を用いているのが主流です。

立平葺きは軽量なので住宅全体の負荷を軽減し、地震での倒壊するリスクを抑えられます。立平葺きはガルバリウム鋼板を縦に葺いているので水はけもよく、雨水を排水しやすい特徴も見られます。

ガルバリウム鋼板とは

立平葺きに使用されるガルバリウム鋼板とは、「55%アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板」のことで、アルミニウムと亜鉛、シリコンを含む鋼板です。厚みが薄くて、軽量なのが特徴といえます。

また、カラーバリエーションも選べるので、高級感のある黒やダークグレー、洋風なオレンジやレッド、ちょっと近未来的な要素もみえるシルバーなど、お好みで変えられます。

さらに、ガルバリウム鋼板は軽量なので耐震性に優れており、柔らかくて加工しやすい屋根材といえるでしょう。

ガルバリウム鋼板は縦葺きだけでなく、横葺きや折版葺きにも使用できます。瓦にこだわりたい人には瓦調葺きがあり、本物の瓦よりも軽量でデザイン性に優れた屋根を演出します。

立平葺きと瓦棒の違い

従来のリフォームではトタン屋根で使用される瓦棒葺きというやり方が主流でした。立平葺きとよく似た外観なので素人目にはほとんど違いが分からないものです。立平葺きと瓦棒葺きの違いをみていきましょう。

垂木に心木を打ち込んで固定

従来のトタン屋根には垂木に心木を打ち込んでおり、これで屋根を固定しています。立平葺きも同じように凸部がありますが、こちらは木材ではなくて金属を折り曲げています。

瓦棒葺きと立平葺きの大きな違いは屋根に木材を使用しているかいないかです。凸部に心木を打ち込んでいると強い接合部というイメージを抱きますが、金属屋根のガルバリウム鋼板では加工しやすくて折り曲げられますので、こちらも接合部は強くなります。

雨水が侵入しやすい

瓦棒葺きで使用する心木は釘を打って固定しますが、キャップの側面にも釘打ちが必要なため、どうしても雨水が侵入するリスクがありました。

しかも心木の腐食が進むと屋根材も損傷してしまい、台風などの突風が吹くと屋根がめくれてしまい、甚大な被害となるケースもあるものです。

瓦棒葺きはメンテナンスも塗装である程度維持可能であり、コストパフォーマンスにも優れています。ただ、防水効果という面では立平葺きの方が優れています。塗装だけではメンテンナンスできない場合、張り替えなどの処置も検討しないといけません。

そこで屋根の修繕が必要となった場合、瓦棒から立平葺きにリフォームすることも多くみられます。

折版屋根との違い

縦葺きの屋根には折版屋根があります。金属の屋根を折り曲げた加工をしており、工場や倉庫、自転車置き場の屋根などで見かけることもあるでしょう。

大型の屋根材で傾き方向にはつなぎ目もなく、重量もあって分厚いのが特徴です。一般の住居では軽量で薄めの金属屋根材が使用されますが、折版屋根は大型建築物に使用されます。

折版屋根は工事が短期間で終わり、つなぎ目がないので雨漏りも起こりづらく、比較的工費も抑えられます。

 

立平葺きの種類

立平葺きは縦に屋根を葺いていくので、排水的な機能は瓦棒葺きよりも防水効果が高いのが特徴です。立平葺きにはハゼ葺きと嵌合式の2種類があるので、それぞれの違いをみていきましょう。

ハゼ葺き

板金を折り曲げてつないだ部分をハゼといいますが、板金を加工するので釘が不要です。屋根材の接合部からの雨漏りリスクが減少します。手ガチャという専用の工具を使ってハゼ部を折りたたんでいく作業になります。

手作業になるので施工に時間がかかるデメリットがあります。

嵌合式

ハゼ葺きは折り込んでいく作業が必要となるものの、嵌合式はひし形同士の板金の横端を重ねてはめ込んでいきます。屋根上で手作業となる工具も不要ですので、ハゼ葺きよりも工期が短縮できるメリットがあります。

立平葺きのメリット

立平葺きのメリットは下記になります。

・高い防水性

・メンテナンス性に優れている

・耐用年数の長さ

・短工期でコスパ抜群

・かまぼこ屋根にも使用可能

・軽量で耐震効果が高い

それぞれのメリットをみていきましょう。

高い防水性

立平葺きは一枚の屋根材を縦に葺いているので、雨水がそのまま流れ落ちて滞留しないメリットがあります。また、心木を使用していないことから腐食などのリスクも減り、同じ縦葺きの瓦棒葺きよりも防水効果が高くなります。

防水性に優れている屋根材は、屋根内部の湿気も抑えますし、雨漏りはおろか住宅の腐食や劣化を防ぐ効果があるでしょう。

メンテナンス性に優れている

瓦棒葺きだと心木を使用しているのでどうしても凸部に雨水が侵入してしまい、腐食などのリスクがあるので頻繁にメンテナンスや点検することもあるものです。

立平葺きになると屋根材は金属だけで使用されていますので、腐食の心配もありません。さらにガルバリウム鋼板は錆にくいのでメンテナンス性にも優れています。

耐用年数の長さと耐熱性

住宅の立地環境にもよりますが、立平葺きに使用されるガルバリウム鋼板は錆に強いので、高い耐久性をほこります。20年以上もの耐用年数も期待できるでしょう。

また、ガルバリウム鋼板は熱に強いアルミニウムが含まれていますので、高い耐熱性を誇ります。

短工期でコスパ抜群

立平葺きは瓦棒葺きよりも短工期で済みますし、ハゼ葺きから勘合式を使用するだけでも各段に工期を短縮できます。ガルバリウム鋼板は錆に強いだけでなく、単価も安いものですし、1枚の屋根材を使用するので瓦やスレート屋根よりも少なくて済みます。

そのため、人件費も抑えることができますので、工費も安くなるでしょう。また、軽量なガルバリウム鋼板はリフォームでも活躍できます。よほど損傷していない限りはカバー工法が使えるので、既存の屋根材を除去することなく張り替えが可能です。

かまぼこ屋根や緩やかな勾配にも使用可能

立平葺きの特徴としてかまぼこ形状の曲面な屋根にも使用できることが挙げられます。むしろ、かまぼこ屋根は立平葺きを使用していることが多く見られます。

一般的な屋根というのは勾配をつけて雨水のはけをよくしています。スレート屋根なら3寸、瓦屋根なら4寸以上の勾配が必要となりますが、立平葺きは2寸程度の緩やかな勾配でも使用可能で、雨漏りのリスクも心配ありません。

屋根の勾配が足りずに雨漏りしてしまう場合、立平葺きを採用することで雨漏りを対策することが可能となるでしょう。

軽量で耐震効果が高い

屋根は住宅の中でも一番上に配置されるものです。軽量であるほど住宅全体の負荷が軽減されます。金属屋根は一般的な瓦やスレート屋根と比較しても軽量であり、特にガルバリウム鋼板は優れています。

軽量であることは耐震性に効果がありますので、地震が多い日本でも安心できる屋根材といえるでしょう。屋根は重いほうが揺れも少なくなるイメージを持つ人もいますが、重量が増えてしまうと倒壊する恐れもありますので危険です。

住宅の負荷が少なくなるという点でも、軽量の屋根材である金属屋根材のガルバリウム鋼板を用いたほうが耐震効果も高くなります。

立平葺きのデメリット

メリットが多い立平葺きですが、デメリットになることもあります。

・複雑な形状の屋根には使用不可

・雨音が響く

・遮熱性が低い

・ある程度作業スペースが必要

それぞれの特徴をみていきましょう。

複雑な形状の屋根には使用不可

平葺きは基本的にはシンプルな形状の屋根に使用できますが、複雑な形状をしている屋根には使用できません。立平葺きで使用する屋根材は1枚の板になっていますので、複雑な形状の屋根になると、現場で切断するといった追加加工が必要になってきます。

余計な工費や工期もかかってしまいますので、平葺きに複雑な形状の屋根は向いていません。

屋根にこだわりがあるという人は、事前に立平葺きが可能かどうかリフォーム業者や工務店に確認するようにしましょう。

雨音が響く

金属屋根はもともと雨音が響きやすい特徴があります。その中でも平葺きは1枚の長い屋根材なので、余計に雨音が響きやすいのがデメリットに感じられます。

一方で瓦屋根は雨音を吸収するので室内も静かなものですが、平葺き屋根は雨音がうるさく感じてしまうでしょう。ただ、平葺きの弱点も断熱材や遮音シートを使用することで改善可能です。

断熱性・遮熱性が低い

アルミニウムを含んでいることから、耐熱性は優れていると先述しました。熱に強くて燃えづらいという反面、ガルバリウム鋼板は熱を伝えやすいという断熱性が低いデメリットがあります。

平葺きで使用する金属屋根は熱を吸収しやすいので、他の屋根材よりも室温が上がってしまいます。特に夏場はかなり暑くなってしまうので、エアコンなど光熱費が上がる恐れがあります。

ガルバリウム鋼板は薄い金属ですので、夏は暑いのに加えて冬は寒いといったデメリットが存在します。冷暖房などのコストがかさんでしまうのは手痛い出費といえるでしょう。

特に2023年からは電気料金が値上げのため、物価高に加えて多くの家庭では頭の痛い問題ともいえます。そこで対策となるのが断熱材や遮熱塗料でカバーする方法です。

またカバー工法をすることでも断熱性に優れた効果を発揮し、遮音性もあるので雨音も静かになるメリットが生まれます。

ある程度作業スペースが必要

平葺きで使用する金属屋根は長い1枚の板になりますので、作業スペースの確保も重要な課題となります。住宅が密集している地域やスペースが少ない立地などでは施工自体が非常に困難となるケースも見られます。

このような立地で屋根リフォームを平葺きで検討している場合、事前に作業スペースを確保できるように敷地外でも利用可能か調べないといけません。

まとめ

平葺き屋根は従来の縦葺きが主流だった瓦棒葺きよりも雨漏りのリスクが少ないのが特徴です。軽量で耐震効果が高いガルバリウム鋼板を使用しており、耐用年数も長くて緩やかな勾配の屋根にも適しています。

コスパ抜群の平葺きですが、複雑な形状の屋根に使用できず、雨音の響きや遮熱性などのデメリットも潜んでいます。ここで紹介した対策などを用いて屋根をリフォームしたい人は平葺き屋根を検討してみてはいかがでしょうか。

 

住宅の基礎を守るために必要な水切り板金!役割と費用やメンテナンスを紹介

住宅に欠かせないのが水切り板金です。言葉だけ聞くと何のことか分からないという人もいるでしょう。この水切り板金があるとないのではメンテナンスにも大きな違いが生まれます。住宅の基礎を守るためにも重要な水切り板金ですが、その役割を知ると付けていなかったのが悔やまれるかもしれません。

そこで、水切り板金の役割や費用、メンテナンスを解説していきます。

水切り板金とは

住宅には土台となる基礎という部分があります。この基礎が雨水に濡れてしまうとさまざまなデメリットが生じてしまいがちです。水切り板金は基礎の上に配置することで、基礎が雨に濡れるのを防ぐ効果があります。

基本的にコンクリートで出来ている基礎は雨水を吸水しやすくなります。基礎に直接雨水が当たるというよりかは、外壁からの零れ落ちる水滴が基礎を濡らし続けていくものです。

長時間の雨や梅雨時期、台風、豪雨など、雨水が絶え間なく続くときなどは基礎が濡れてしまい、床下にも湿気がこもりっぱなしになってしまうでしょう。

こうなるとシロアリなどの被害が出始めるので注意が必要です。

水切り板金は雨水を基礎から離れた場所に排水し、基礎が直接濡れない効果が見られます。

水切りの役割

水切りの主な役割は3つあります。

1.住宅基礎の腐敗や雨漏りを防ぐ

2.シロアリの発生を防ぐ

3.雨だれによる外壁汚れを防ぐ

それぞれの特徴をみていきましょう。

住宅基礎の腐食や雨漏りを防ぐ

住宅の基礎はコンクリートで生成されており、丈夫なのですが、その反面に雨水を吸水しやすいものです。基礎は外壁よりも下部になりますので、直接雨水が当たらないものです。

ただ、屋根と違って太陽光が当たるものでもなく、濡れてしまうと乾きにくいものでもあります。

基礎は乾きにくいので、湿気がこもりやすくなりますし、住宅の腐食が進んでしまう恐れがあります。腐食から割れなども起きてしまい、雨漏りのリスクも出始めてしまうでしょう。

そこで、水切りを使用することで住宅の基礎を濡らさないようにできますし、腐食や雨漏りを未然に防ぐ効果があるのです。

シロアリの発生を防ぐ

基礎が雨水を吸水してしまうと湿気が上がりますが、怖いのはシロアリの発生です。シロアリは湿気を好み、外壁や基礎、床下などの隙間に大量発生してしまいます。

シロアリは住宅のあらゆる部分を食べてしまうので、住居の耐久度の低下だけでなく、視界に入るほど浸食してきます。放置するのは危険ですし、修繕費用も大幅に上がってしまうのでデメリットしかありません。

水切りを設置することで湿気を抑えてシロアリなどの害虫発生も防げます。

雨だれによる外壁汚れを防ぐ

住宅の外観を悪くするのが雨だれによる汚れです。水切りがないと雨水が切れなくなり、外壁の汚れが落ちづらくなってしまいます。

雨だれの汚れは特に落ちづらい場合があるので、掃除の時間も余計にかかるものですし、塗装費用もかかってしまいます。

水切り板金をメンテナンスする目安

水切り板金の重要性が分かったところで、今度は現在使用している水切り板金をメンテナンスする目安をみていきましょう。

錆や色褪せ

水切り板金に錆や色褪せができてくると、修理する目安となります。しっかりと汚れを落としてから塗装するようにしましょう。色褪せなどは塗装するだけでも十分効果が戻ります

ただ、錆などは残してしまうと余計に浸透してしまいがちです。錆を発見したらまずはやすりなどで錆をしっかりと除去しなければなりません。

錆も時間が経過している場合は浸食しているので穴が開いているケースがあります。そうなると除去できなくなるので、費用はかかりますが水切りの交換も検討するようにしましょう。

凹みなどの変形

水切り板金も経年劣化があり、凹みなども生じてしまいます。軽い凹み程度なら放置しても問題ないですが、明らかな変形になると雨水が排水できずに基礎を濡らしてしまう恐れがあります。

変形や凹みがある場合、キズが発生していることも多々あります。何かをぶつけてしまったり、モノを落としてしまった場合など、凹みと同時にキズもついてしまいがちです。

キズから水が伝い漏れすることもあるので、早急に業者に相談するようにしましょう。

破損

小さなキズではなく、明らかに破損してしまった場合は業者に修理依頼をかけます。水切りの素材にもよりますが、金属製になると錆も浮き出てしまいます。ヒビ割れの可能性もありますし、早めの点検修理が安心できます。

水切りは凸部分になりますので、車などにもぶつかる可能性がないとは言い切れません。破損個所から基礎に雨水が浸透してしまう恐れがありますので、早急な対策を講じるようにしましょう。

水切り板金のメンテナンス費用

水きり板金のメンテナンスには下記3点が主な方法です。

・塗装

・部分修繕

・交換

水きり板金のメンテナンスにかかる一般的な費用の相場をみていきましょう。

・塗装

塗装は比較的簡単にできますので、1mあたり300〜800円と安くなっており、他のメンテナンス方法に比べても安価です。

ただし、住宅は外周で長くなるので、一般的な住宅だと20m以上でしょうから6,000円 ̄20,000円前後にはなりそうです。

ここに人件費が加算されますので、総額は20,000円~50,000円くらいになるでしょう。

・部分修繕

水切りの一部交換や凹みなどの破損を補修する場合、一度綺麗に修理してからパテで埋めて補修します。凹みやキズを補修してから色合いを揃えて塗装し、艶もだしていきます。一部の修繕とはいえ、水切り板金は専門的な技術を擁するので、修繕費用は高くなるでしょう。

部分的な補修でも10,000円〜40,000円程度はかかります。

・交換

破損が激しい場合や凹みが大きいときなど、一部の修繕では対応できないので外壁の水切り全体を交換する必要があります。住宅の広さにもよりますが、水切り板金を全交換すると50,000円〜100,000円の費用がかかります。

メンテナンスの中でも金額が一番大きくなってしまいますので、部分補修か全交換かは業者に相談するようにしましょう。

メンテナンスは塗装がおすすめ

水切りのメンテナンスは費用も抑えられる塗装がおすすめです。塗装が剥がれると紫外線や錆による劣化を招いてしまいます。塗装メンテを行うことで、水切りの劣化を防ぐ効果が見込めます。

ただ、水切りに使用されている素材によっては塗装ができません。塗装ができない水切り素材には「ステンレス」「銅」「アルミニウム」があります。塗装が全くできない訳ではありませんが、これらの素材は塗装しても剥がれやすいので効果が見込めないのでやめておきましょう。

外壁塗装と合わせるとコスト削減

後述しますが、水切りには基礎の上部以外にもあります。屋根の軒先にも水切りがあり、こちらは外壁から雨漏りを防ぐ効果があります。そのため、足場を組まないと塗装ができない水切りの場合、まとめて塗装を行えば足場代や人件費を抑えられます

足場代だけでも数万円程度はしますので、まとめたほうがお得といえるでしょう。

また、外壁の色合いに合わせて塗装できます。

水切り板金をメンテナンスする際の注意点

水切り板金をメンテナンスする場合の注意点をみていきましょう。

水切りは住宅の中でも非常に重要な部分

自宅の修繕は自分で行いたいという人も珍しくありません。ホームセンターではさまざまな工具や部品が販売されており、AmazonなどのECサイトでもプロ仕様の商品が数多くラインナップされているものです。

業者に依頼するよりもはるかに安価で済みますし、時間と労力はかかりますがDIYで修理したほうがコスパにすぐれています。

ただし、水切りというのは基礎を守るためのものです。住宅の中でも非常に重要な部分であり、確かな技術で修理する必要があります。もしもDIYで失敗でもすれば余計に雨漏りがひどくなりますし、その部分を修理する際に削って除去する作業が入るのでコストも増えてしまいます。

水切り部分をメンテナンスする場合、まずは業者に見積もりを出すようにしていきましょう。

業者の選定は相見積もりが重要

水切り板金はどの工務店やリフォーム業者でも担当可能です。それだけにどの業者に依頼すればいいのか悩むものでしょう。コストだけを見ればホームページや広告で簡単に判断できるものです。

ただ、塗装などを掲載している場合だと、1mあたりの金額しか載せていないので、実際に見積もりをする際に余計な費用を取られたり、人件費が思った以上に上乗せされているなど、悪徳業者もいるものです。

そこで重要なのが口コミやSNSの評判、そして点検後の相見積もりです。点検時にこの程度の凹みなら修理は不要と連絡してくれる業者などは信頼感が持てます

点検するだけして、後から別の場所も修理が必要と訴えてくる業者もいるので、事前に相見積もりを出してもらって検討し、信頼できる業者を選定するようにしましょう。

基礎部分以外の水切り

水切りは基礎部分を守る以外にも住宅には存在しています。それが軒先水切りです。軒先は屋根から流れ落ちる雨水を内部に浸水しないようにするために重要な部分となります。

実際に屋根は雨水にさらされている部分なので、少量の雨でも流れてくるものです。軒先水切りの重要な要素をみていきましょう。

屋根からの雨水を防ぐ

軒先水切りの役割は屋根からの雨漏りを侵入させないように排水されることです。屋根には雨樋が設置されており、ここに流れ落ちた雨水が地面に排水されるようになっています。

軒先水切りがないと綺麗に流れ落ちず、雨水が屋根の内部に浸水してしまい、屋根材の劣化や住宅への雨漏りとなってしまいます。

一度雨漏りが始まると腐食の恐れがあるので、軒先水切りは非常に重要といえるでしょう。

強風時の煽りを防ぐ

屋根は台風などの強風時の影響で煽りを受けやすい部分です。強風時にはニュースで屋根が飛ばされている映像を見ることもありますが、軒先水切りは板金で固定しますから風による影響を抑えることが可能です。

軒先水切りは屋根が強風の煽りを受けて飛ばないための役割も担っています。

軒先水切りの費用

軒先水切りは1mあたり1,600円~3,000円程度になります。屋根にはその他にも板金があり、ケラバ板金や棟板金、谷板金などと合わせて修繕することがあるでしょう。また、足場が必要になりますので、足場代も必要です。

全体的なコストを削減するなら人件費や足場を抑えられるように、外壁の塗装や基礎部分の水切り塗装も含めて工事を依頼するほうがコストパフォーマンスに優れています。

業者に水切り板金の点検を依頼する際に、屋根部分も同時に点検してもらって見積もりを出してもらうようにしましょう。

まとめ

水切り板金は住宅の基礎を守るためにも重要な部分であり、雨水の侵入を防いでいます。水切り板金には「住宅基礎の腐敗や雨漏りを防ぐ」「シロアリの発生を防ぐ」「雨だれによる外壁汚れを防ぐ」といった効果がみられます。

水切り板金には色褪せ・錆や凹み、破損などの症状がみられたら修理し、塗装や交換などのメンテナンスを実施して住居を守るようにしましょう。

スレート屋根材の特徴や種類、塗装施工の流れを解説!

スレート屋根は多くの住宅で使用されている屋根材です。劣化しやすい屋根や外壁というのは住宅のリフォームでもしばしば取り上げられますし、心配になるものです。そこで、スレート屋根やスレートの種類、メンテナンスの施工方法など、気になる点を解説していきます。

スレート屋根とは

スレート屋根とは粘板岩(ねんばんがん)を使用した屋根材を指しています。スレート瓦や普及している商品名のカラーベストと呼ばれることもあります。広く屋根材として広まっているので、多くの人が見かけたことがあるでしょう。スレートは薄板形状で軽く、耐震性にも優れているので、屋根材として幅広く利用されています。

スレート屋根の特徴

スレート屋根は雨漏りに強いのが特徴です。これは2枚重ねという構造のおかげでもありますが、上側のスレートを伝ってくる雨水が下側のスレートに滑っていき、そのまま排出されていきます。

ただし、縁切りができていないと塗料の膜が雨水の逃げ道を塞いでしまい、排出されずに溜まってしまいますので、釘を伝って屋根裏に雨漏りを発生されてしまうのです。

スレート瓦が欠けたからといって安易にシーリング材を使って隙間を埋めてしまうと、雨漏りがひどくなってしまう恐れがあります。

スレートの隙間というのは雨水が入ってしまうものですが、逆に入り込んでも逃がす機能が備わっているのが特徴なのです。

スレートの種類

スレートの種類は主に「天然スレート」と「化粧スレート」の2種類から成り立っています。それぞれの違いを説明していきます。

天然スレート

天然スレートは天然石の粘板岩を薄く加工し、天然由来の自然な仕上がりで高級感を演出します。天然の素材を使って高級品のため、一般の住宅に使われることはほとんどありません。東京駅や海外の寺院や城といった付加価値が高いものに使われ、値段が高いのが特徴です。

化粧スレート

化粧スレートは広く一般的に使用されている屋根材となります。コスト面でも天然スレートよりも十分抑えられますし、品質も申し分ありません。カラーベストやコロニアルと呼ばれることも多くあります。これはケイミュー社のカラーベストが人気で、その商品名でもあるコロニアルを指しています。

スレートの施工方法の流れと施工例

リフォームではスレートの施工方法の流れや施工例が気になる人も多いでしょう。まずは一番多い塗装のメンテナンス方法を紹介していきます。

塗装でメンテナンス

スレート屋根は劣化すると大規模な工事が必要になることがあります。そこまで深刻とならないように手軽なメンテナンスが塗装による施工方法です。屋根は紫外線や風雨の被害を受けやすく、油膜が剥がれたまま放置すると屋根材が劣化してしまうことにつながります。塗装が剥がれて屋根が劣化すると、美観を保つこともできません。

定期的な塗装工事をすることで劣化を防げますし、住宅の美観を保てるでしょう。

塗装の流れと施工例

次にスレート屋根で塗装の流れをみていきます。

足場→ネットの設置→高圧洗浄→タスペーサー→下塗り→上塗り

・足場を組む

まず屋根の塗装には足場を組む必要があります。素人がDIYで屋根に上って塗装するのは危険です。

・養生ネットを張る

養生ネットは塗装の飛散や洗浄時の泥などが、隣家に飛ばないようにしないといけません。思わぬトラブルにつながる恐れがあるでしょう。

・高圧洗浄で汚れ除去

高圧洗浄は砂埃などの汚れやコケを落とすだけでなく、塗料が屋根材にしっかり密着しやすい効果があります。

・タスペーサーの設置

タスペーサーを使用せずに塗料後の縁切りをすることもありますが、作業の手間を考えるとタスペーサーを使用するほうが断然早くなります。

・塗装

次に下塗りです。これは2回行うことで上塗りの効果を上げられます。下塗りを2回行うと密着性も上がるので艶にも違いがでます。上塗りも2回行うようにして完成です。

塗装に必要なタスペーサーや縁切り

スレート屋根は2枚が重ねるようになっており、塗装するときに隙間をあけておきます。スレートの隙間があると雨水が侵入しそうなイメージがあるものです。実際には逆で、隙間が塗料で埋まってしまうとそこに雨水が逃げ道をなくして溜まってしまい、釘を伝って雨漏りの要因となってしまいます。

また、塗料で隙間を埋めてしまうと、屋根の湿気がこもってしまうので内部結露が生じてしまい、こちらも雨漏りに要因となりがちです。

そこで、スレートの隙間を空けるのがタスペーサーや縁切りとなります。従来は縁切りで職人さんが手作業で隙間を空けていましたが、現在はタスペーサーを設置して人工的に隙間を作ります。これにより人の手作業によるバラつきがなくなり、均一に隙間を空けられるようになりました。

塗装のメリット

スレート屋根の施工で塗装工事をするメリットは、屋根材の劣化を防ぎ、住宅の美観と雨漏りの予防を維持できます。塗装が剥がれたまま放置してしまうと、先述したように大掛かりな工事が必要となってしまいます。葺き替え工事になるとリフォーム費用もかさみ、工期も長くなってしまいます。

定期的な塗装工事を入れることで、このような事態を未然に防げますし、スレート屋根を長持ちさせられますので、さまざまな面で効果を期待できるでしょう。

塗装のデメリット

基本的に塗装によるデメリットはほとんどありませんが、定期的なメンテナンスが必要と言うことは、それなりに費用もかかってしまいます。さらに、他のメンテナンスよりも耐用年数が短いのがデメリットに感じる場合もあります。

また、塗料は種類が多すぎて何を使用していいのか分からないという人もいるでしょう。業者に任せっぱなしだと不安と感じるものです。築年数や屋根材の種類、土地や周囲の環境によって塗料を選択しないといけません。タスペーサーを使用しないなど、信頼できる業者を探さないと、思った以上に出費がかさむケースがあります。

実際に築年数が長くて損傷が激しい場合は、塗装では対応できないこともあります。

損傷が激しいときはカバー工法と葺き替え工事

スレート屋根の損傷が激しい場合、カバー工法と葺き替え工事によるメンテナンスが必要です。

・「カバー工法」

カバー工法は現状付いてあるスレート屋根に、上から重ねるので「重ね葺き」や「重ね張り」などともいわれます。屋根材がそのまま2重になるので防音性も上がり、間に断熱材を敷けば断熱性の効果もさらに上がります。「カバールーフ工法」と呼ばれることもあり、上に重ねる材料にはカルバリウム鋼板が使用されます。

既存の屋根材を残したまま工事するので、屋根を撤去しないで済みます。また、工期も短くて済みますし、費用を抑えられるので屋根を撤去しないで済むならカバー工法で工事するのがおすすめです。

・「葺き替え工事」

スレート屋根の損傷が激しい場合は、葺き替え工事も視野にいれます。こちらはカバー工法とは違い、既存の屋根材を撤去します。大規模な工事となり、廃材も増えますので費用がかさみます

あまりに損傷が激しい場合、野地板まで葺き替える工事となりますので、費用も増えるだけでなく、一時的に退出しないとならないケースがあります。

葺き替え工事は大掛かりな工事となりますので、費用面でも厳しいというご家庭では、まずは塗装メンテナンスをしっかりと行うようにしましょう。

まずは点検から始める

スレート屋根の葺き替え工事になると高額の費用が心配という人もいるでしょう。まずは点検してもらうことから始めたほうが無難です。どのような住宅でも5年目くらいからは点検したほうがいいので、専門業者に依頼するようにしましょう。

10年目から点検するのもいいのですが、住まいの環境によってはすでに劣化が進んでいる可能性があります。早めのメンテナンスでしっかりと予防したほうがいいので、年1回ずつ点検してもらうようにし、塗装工事をしたほうが費用も安く済みます。

5年程度でコケや割れが発生している可能性もありますので、まずは点検から始めましょう。

そのためにも信頼できる業者を探さなくてはなりません。相見積もりを出してもらって判断するのもいいですし、評判や口コミなども考慮して信頼できる業者を選定しましょう。

まとめ

スレート屋根は平板が主流となっており、さまざまなカラーもある人気の屋根材です。2枚のスレートが雨水の逃げ道を作り、雨漏りに強くて軽量のため耐震効果が見られるのも特長です。

リフォームにおけるスレート屋根の施工は塗装工事が主流であり、早めのメンテナンスで大規模な工事を防ぐことが可能です。どうしてもスレートの損傷が激しい場合はカバー工法や葺き替え工事を検討するようにしましょう。

まずは信頼できる業者を選定して点検を依頼し、メンテナンス費用を抑えるのが得策です。