ドローンによる屋根点検の内容からメリット、デメリットまで詳しく解説します!

テレビ業界の撮影などで使用されているドローンですが、近年では点検分野でも実用化されてきており、住宅の屋根点検に用いられることも多くなりました。

しかし実際にドローンでご自宅の屋根が点検できるのか不安を抱える人も少なくありません。そこで今回は、最近話題のドローンによる屋根点検の具体的な内容から、メリット、デメリットなどを詳しく解説していきますので参考にしてみてください。

屋根点検には2つの方法がある

住宅の屋根の検査を行う方法は、一般的に2種類の方法があります。ここでは2種類の検査方法を詳しく紹介していきます。

作業員による目視と触診検査

もっとも一般的な検査方法とされているのが、作業員が実際に屋根に上って行う目視・触診検査です。足場を組む必要が出る場合もありますが、屋根に上り屋根材の劣化等を近くで見ることができ、痛みの箇所を実際に触って把握できます。現場のプロが直接確認するので、住人側も安心して任せることができるでしょう。

また、ひどい劣化が見つかった場合などは、その場で応急処置が行えるため、多くの専門業者がこの点検方法を採用しています。

ドローン操作による遠隔検査

屋根点検の検査方法として最近注目されているのが、ドローンによる検査です。東京オリンピックの開会式でドローン技術の素晴らしさをテレビ画面から目の当たりにした人も多いことでしょう。ドローンはさまざまな場面で用いられており、人が踏み込めない場所の点検にも役立っています。

住宅の屋根では、ドローンを飛ばして行う検査ですので足場を組む必要もありません。さらに、作業員が高所で作業しなくても良いため、安全面からも注目されている検査方法となっています。

ドローン検査のメリットとは

ドローンにおける屋根点検には、ドローンを使用することで一般的な目視検査と違う多くのメリットが見られます。ここからはドローンを使用した際の屋根検査におけるメリットを4つに分けて紹介していきます。

作業員の安全を確保できる

ドローンを使用して屋根の点検を行う場合、作業員は地上からドローンを操縦して映像を確認するものです。屋根に上るような高所での作業が必要ないため、作業員の安全を確保することができます。屋根に上る点検では落下等による怪我のリスクが伴いますが、そのような怪我のリスクを大きく回避でき、危険性を下げることが可能となるでしょう。

足場を組む必要がないため短期間で点検が行える

作業員が屋根に上って点検を行う場合、はしごや足場を組む必要があります。足場を組むことで作業時間がかかりますし、足場代が余分にかかってしまう場合があります。作業の騒音も気になる隣人もいることでしょう。

一方でドローン検査の場合はドローンを起動するだけですので、作業開始までに時間を要しませんので、短時間で点検が行えるというメリットがあるものです。

既存の屋根材を傷めずに済む

ドローンを使用して点検を行う場合、劣化してきた屋根材に直接接触する必要がありませんので、屋根材を傷めるリスクがありません。作業員による目視、触診検査ですと屋根に上って検査を行うため、劣化した屋根の上を歩くことで屋根材が割れたり抜けてしまう恐れがあり、異常がなかった箇所を破損させてしまう恐れもでてきてしまいます。

さらに、気を抜くと崩れた箇所に足を踏み入れてしまい、作業員のケガにもつながります。バランスを崩して落下する恐れもありますし、大変危険です。しかし、ドローンによる検査の場合、屋根材を傷める危険性がないため安心して点検することができます。

ドローンの映像を一緒に確認できる

ドローンを使用した屋根点検の場合、手元の端末やタブレットでリアルタイムの映像を作業員と一緒に確認することができます。屋根に上って点検する場合になると、屋根の状況は作業員しか確認できません。本当に修繕が必要なのか分かりませんし、何より修繕が不要な箇所まで請求されてしまうといった悪徳業者に騙されるようなことも考えられます。

その点、ドローン検査では両者が一緒に確認しながら対話できるので、不正を抑止することができます。屋根の修繕について、今は不要でも今後の対応策をその場で検討することができるでしょう。

ドローン検査のデメリットとは

ここまでドローンを使用した屋根検査のメリットを紹介してきましたが、一方でデメリットも存在します。ここからはデメリットを4つにわけて紹介していきますので、デメリットもしっかり把握しておくようにしましょう。

天候に左右される

ドローンは雨や風が強い日などは飛行することができません。雨風が強い中で無理にドローンを飛ばして作業してしまうと、ドローンの故障や発火の原因になりかねません。しかも、隣の住宅に追突する恐れが生じますし、最悪の場合周囲の人に衝突する危険もあります。

制御できない恐れがありますので、無理な飛行は避けるようにするべきです。中止すべき風速など詳しいことは、国土交通省航空局に無人航空機飛行マニュアルに記載されていますので確認しておきましょう。

万が一無茶な飛行をして被害を出してしまうと、保険も下りずに高額な損害賠償を請求される恐れがあるので注意が必要です。

飛行許可が必要な場合がある

ドローンで作業する場合、飛行する場所によっては飛行許可を取らなければならない場合があります。人口密集地でのドローン飛行は、航空法により事前の許可が必要になってきます。

専門業者に頼む場合は業者が許可を申請してくれますが、自分でドローンを飛ばして確認したいと思っている人は、国土交通省への許可の申請を忘れないように注意してください。

触診による点検ができない

作業員が屋根に上って検査する場合と違い、ドローン検査では触診を行えないため、目視だけではわからない屋根材のガタつきを判明することができません。屋根材のどこかにガタつきがあると、台風による強風で破損する恐れが出てきてしまいます。

これは逆に言うと触診のメリットにもなるのですが、ドローン検査の場合は目視検査しかできないため、屋根材のガタつきを調べることは不可能となります。

屋根内部の劣化状況はわからない

先ほど触診によるガタつきはドローンでは判明できないと伝えしましたが、屋根の表面だけでなく下地など屋根内部の劣化状況もドローンでは確認できません。

ドローンはあくまでも屋根の表面しか見ることができないので、屋根の細部までしっかりと調べたい人の場合、ドローン検査は向いていないでしょう。

ドローン検査では、屋根内部の劣化状況を発見することができないため、特に築年数の経っている住宅の場合は、専門業者とよく話し合うようにしましょう。

ドローンでの屋根点検を依頼する場合

 

ドローン検査のメリット、デメリットを詳しく紹介してきましたが、ここからは実際にドローンを使用して屋根点検を行いたい場合の手順を詳しく紹介していきます。

複数の専門業者の相見積もりを出す

ドローンを使用して屋根点検を業者に依頼したい場合には、専門業者を探し問い合わせしてみましょう。近年ドローンを使用した屋根点検を行う業者も増えてきたものです。とはいえ、まだまだ取り扱っている業者は少ないため、ドローン検査を行っている専門業者を探す必要があります。その時に比較検討ができるように、複数の業者に問い合わせして相見積もりをしておくことがおすすめです。

信頼できる専門業者を決定する

問い合わせした専門業者の中から、ご自分の予算や予定に合わせて業者を選んでいきます。見積書を比較しながら、費用やサービス内容、検査日程などご自分の希望に合う業者を選ぶようにしましょう。口コミなどの情報も参考にしておき、ホームページやパンフレットなどの修繕・施工事例も見ながら、信頼できそうな専門業者を決定するようにします。

ドローンの飛行許可の申請

ご自宅の立地がドローンの飛行許可が必要とする場合、依頼した専門業者にドローンの飛行許可の申請手続きをしてもらいましょう。飛行許可が下りるまではドローンを飛ばすことかできないため、ドローンの飛行許可が下りるまでは検査を待ちます。また、万が一許可が下りなかった場合はドローンによる検査は諦めることとなります。

点検日と点検費用を決める

ドローンの飛行許可が下りた場合、点検日や見積額など詳細な内容を業者と話し合って決めていきます。ドローン点検の場合、天候によって作業中止の場合もありますから、予備日等もきちんと取り決めておくようにしましょう。

梅雨時期や寒冷地の雪など、天候の悪化が続く場合には作業延期での追加費用の発生がないかしっかりと契約書を確認するようにしてください。

点検当日~点検内容の確認

ドローン点検当日は、依頼者は業者の点検作業に立ち会う必要があります。予定を入れないようにしておきましょう。点検内容ですが、ドローンの映像をリアルタイムで確認する場合や、画像として後日点検内容を報告してくれる業者など、それぞれ違いがあります。

点検内容を確認する方法は業者によって異なる場合が多いので、事前に確認しておくように心がけておきましょう。

専門業者に依頼した場合の費用相場

ドローンを使用した屋根点検の費用相場は、平均数万円ほどです。点検内容次第では火災保険の適用が受けられる場合があり、そのような時にはドローン点検費用が無料になることもあります。詳細な金額は専門業者によって違いますので、相見積もりを取り依頼前にきちんと確認しておくことが重要です。

また、必要に応じて触診も検討するようにします。せっかくドローンを取り入れているのに、それじゃ意味がないのでは?と思う人もいるでしょうが、結露による腐食など、細かい部分はやはり触診が必要となります。早い話が雨漏りの発生している屋根に対し、上から塗装を繰り返しても根本的な解決とならず、すでに被害を被っている雨漏りは防げません。

ドローンと触診を合わせた検査なども検討するようにしていきましょう。

まとめ

今回は屋根点検にドローンを使用した場合の内容やメリット、デメリットを解説してきましたがいかがでしたでしょうか。ドローンで作業することで作業員の安全面や作業効率が格段に上がる反面、触診できないことでのデメリットも存在します。メリット、デメリットをしっかり理解し、ご自宅の築年数や屋根の状態などに、ドローン検査が最適かどうか専門業者とよく話し合ったうえで、ドローン検査をうまく活用していただけたらと幸いです。

 

 

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