屋上防水の種類別施工方法から、メンテナンス、気になる費用まで徹底解説!

屋上防水って聞いたことあるけど、どのような種類があるのか?メンテナンスは必要なのかと疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は屋上防水工事の種類別の施工方法から気になる施工費用、劣化のサインやメンテナンスを行う時期の目安など、詳しくご紹介していきます。

屋上防水とは

屋上防水とは、ビルなどの傾斜のない平面の陸屋根に防水加工を施す工事のことを指します。一般的な一軒屋の場合は屋根に傾斜があるため、雨が降った時に雨水が下に流れる仕組みとなっていますが、平らな屋根の場合ですと雨水が下に流れず溜まりやすいため、防水工事が必要となるのです。

ビルやマンションのオーナーの場合にも勾配が付いていないケースがあるでしょうから、屋上の防水工事は必要となるでしょう。

屋上防水の種類と特徴について

屋上防水を施したマンションなどは、定期的に防水工事の追加メンテナンスが必要になってきます。屋上防水工事に用いられるのは主に4種類に分けられますので、ここからはそれぞれの特徴について詳しく紹介していきます。

ウレタン防水の特徴

ウレタン防水は、防水性能のあるウレタン系樹脂を塗装する工事のことを指します。

液状の防水材を塗っていくウレタン防水工事は、さまざまな形状の床面や障害物の多いビルなどの屋上にも対応できる工法といえるでしょう。塗料を塗るだけと比較的簡単に施工できる反面、耐用年数は10~12年ほどと短めです。

日本でも多く取り入れられており、何度も塗り替えることで防水効果を維持することが可能といえます。

シート防水の特徴

シート防水は防水機能が備わったシートを張り付けていく工事のことを指し、工場で作られた塩化ビニールシートやゴム製のシートが使用されます。シートの裏側に直接接着剤を塗り張り付けていくだけと施工期間が短く済むことが特徴です。

ひび割れや亀裂が入っている場合でもそのまま貼り付けることができるため、ビルやマンションの屋上でよく使用されています。ただし段差や障害物がある場合は、施工が難しいうえに施工の際に隙間ができてしまうと防水性が低下してしまうため、シート防水工事に慣れた専門業者に依頼するようにしましょう。シート防水の耐用年数は10~15年とウレタン防水より少し長めとなっています。

アスファルト防水の特徴

アスファルト防水はアスファルトとシートを使用して形成していく工法です。アスファルト防水工事は使用するアスファルトの加工方法によって施工方法が3つに分けられています。

液状のアスファルトとルーフィングシートを交互に重ね合わせていく『熱工法』、ルーフィングシートの裏側を炙りながら貼り付けていく『トーチ工法』、裏側が粘着シートになっているルーフィングシートを張り付けていく『常温工法』があります。

『熱工法』と『トーチ工法』は熱を加えながら施工していくため、イヤな臭いが発生してしまう場合があるため注意が必要となります。アスファルト防水の耐用年数は15~25年と他の工法に比べ最も長いのも特徴の1つです。

FRP防水の特徴

FRP防水はガラス繊維製のシートと、ポリエステル製樹脂を使用した工法となっています。ポリエステル製樹脂とガラス繊維製シートを重ねるように施工していき、施工後は強化プラスチックのような仕上がりになるのが特徴です。軽量で耐水性に優れている反面、メンテナンスに手間がかかることがデメリットといえます。FRP防水の耐油御年数は10~12年ほどと、ウレタン防水と同じくらいとなっています。

施工方法別の費用相場について

屋上防水の各工法について説明してきましたが、屋上防水には定期的なメンテナンスが必要になってきます。また屋上防水工事を実施するには、高圧洗浄で防水面の汚れを落とす作業、防水面のでこぼこした部分を無くしていく下地処理作業、下地の破損箇所を修復する下地補修作業、塗装した防水層を保護するトップコート塗装作業も必要になってきます。ここからはそれぞれの工法を実際に施工する際の施工費用の相場について、詳しくご紹介していきます。

ウレタン防水

重ね塗りが可能でコストが低いウレタン防水工事の施工費用は、1㎡あたり4000~7000円となっており、80㎡の建物の場合65~100万円ほどとなっています。またウレタン防水工事は作業員が手作業で塗っていく作業となるため作業日数が増えてしまうことで、その分費用が多くかかってしまう場合もあるでしょう。

シート防水

下地を選ばず施工できるシート防水工事の施工費用は、1㎡あたり5000~10000円ほどとなっており、80㎡の建物の場合、75~110万円ほどとなっています。貼り付ける防水シートのグレートによって施工費用は変わってきますので、ご自身の予算に応じて専門業者とどのグレートのシートを使用するか相談して決めるようにしましょう。

アスファルト防水

屋上防水の中で耐久性に一番優れ長期間使用できるアスファルト防水工事の施工費用は、1㎡あたり5500~8000円となっており、80㎡の建物の場合65~100万円ほどとなっています。アスファルト防水工事には大きな道具を使用することがあり、その場合は面積の狭い屋上よりも広めの屋上の方が、1㎡あたりの費用が軽減される場合があります。

FRP防水

軽量で古い建物にも施工できるFRP防水工事の施工費用は、1㎡あたり5000~8000円となっており、80㎡の建物の場合60~100万円ほどとなっています。

FRP防水工事で仕上げた屋上防水は継ぎ目がなく平らな防水層になりますので、屋上全体を綺麗に仕上げたい人におすすめです。

気になる劣化のサインとは?

屋上防水の劣化症状はさまざまありますが、7~10年ほどで劣化症状は見られてきます。

劣化がみられたら防水の追加メンテナンスが必要になってきますので、ここからは気になる劣化症状について紹介します。

ひび割れが起きている

防水の表面にひび割れが起きてしまう症状は7~10年ほどで発生することが多いです。ひび割れが起きると見た目も悪いうえに、小さながれきなどは排水溝(ドレン)に引っかかってしまい水はけが悪くなるなど二次災害的な症状も出てきかねません。

防水シートのゆがみや剥がれが起きている

シート防水工事をした屋上防水に見られる症状が、シートのゆがみや剥がれといったものです。シート防水のつなぎ目部分が劣化することで、剥がれやゆがみといった症状が現れ、こちらも7~10年ほどで発生してくる劣化症状の1つです。

水はけが悪く水たまりができ雨漏りが発生してしまう

平面であった屋上の床面がゆがんでしまうことで、水はけが悪くなると水たまりができてしまいます。水はけが悪く水たまりができてしまうと、防水層が劣化し雨漏りにもつながってしまう恐れがあるものです。雨漏りが発生してしまうと、どの場所から発生しているのか突き止めることが困難になり、部分補修ではなく屋上全体の防水工事が必要になってしまいます。

気になるメンテナンス方法とは?

屋上防水は定期的にメンテナンスをすることで長持ちさせることが可能です。メンテナンスを放置してしまうと劣化のスピードが上がり症状が悪化してしまいますので、メンテナンス方法をよく知り屋上防水を長持ちさせるようにしてください。

排水溝(ドレン)の清掃

排水溝(ドレン)にゴミが溜まっているのをそのまま放置していると、水が流れなくなってしまいます。そうなると防水層の劣化や水たまりによる雨漏れなど部分補修では治せない厄介な症状の原因になってしまう恐れが出てきてしまいます。そのような症状にならないためにも、3ヶ月に1度は排水溝(ドレン)の清掃を行い、水の流れを良くしておきましょう。

トップコートの塗り替え

屋上は雨風や紫外線に晒されるため劣化が起こりやすいです。トップコート塗装は、防水層を保護してくれるため一定の周期で塗りなおす必要があります。トップコート塗料にはアクリルウレタン系とポリエステル系があり、防水層の素材によって使用する塗料を選ぶようにしてください。またトップコート塗料にかかる費用は、塗料のグレートや施工面積によって変わってきます。

定期点検の実施

排水溝(ドレン)の清掃やトップコートの塗り替えを定期的に行っていても、10年に1度は定期点検を実施しましょう。定期的に部分メンテナンスを行っているからと定期点検を放置しておくと、細かなところの劣化を見逃してしまいます。そうすうと建物の耐久性が下がってしまう恐れがあるため、細かな劣化症状を見逃さないためにも、定期点検も欠かさず行うようにしてください。

防水工事はDIYできるのか?

費用を抑えるために屋上防水をDIYで行いたいと思う人もいるのではないでしょうか?しかし屋上防水工事の知識や施工経験がない中で工事を実施すれば、塗りむらが生じて、本来の防水効果を上手く発揮させられません。また、素人が高所で作業することは、転落等の事故に繋がりかねませんので、屋上防水工事は専門の業者に依頼するようにしましょう。

屋上防水は専門業者に依頼しよう

屋上防水を専門業者に依頼する場合は、ポイントをしっかり押さえておくことが大事です。

まず大事なポイントはその業者に国家検定である防水施工技士がいるかどうかです。防水施工技士は検定をクリアした確かな技術を持っていますから、防水施工技士が在籍している業者であれば安心して施工を頼むことができるでしょう。また屋上防水は定期的なメンテナンスが必要ですから、アフターフォローが充実しているかも専門業者を選ぶうえで大事なポイントになってきます。

まとめ 

 

今回は屋上防水の種類別の特徴から、施工費用の目安、メンテナンス方法などあらゆる角度からご紹介してきましたがいかがでしたか?屋上は日々の雨風や紫外線に晒され、ひび割れや雨漏りなどの劣化が発生しやすいです。劣化症状が深刻な状態になる前に、適切な防水対策ができるように、この記事を参考にしながら専門業者とよく話し合い、最適な屋上防水工事ができるよう対策してみてください。

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