人気のガルバリウム鋼板の特徴から、気になるメンテナンス費用を詳しく紹介!

外壁材や屋根材として昨今人気のガルバリウム鋼板について、新築やリフォームをお考えの人なら一度は聞いたことがあるものです。しかし、ガルバリウム鋼板がほかの外壁材や屋根材とどのように違うのかわからないことも多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ガルバリウム鋼板の特徴から気になるメリットやデメリット、メンテナンスにかかる費用までまとめて紹介していきます。

ガルバリウム鋼板とは

ガルバリウム鋼板は、アメリカのベスレヘムスチール社が1972年に開発した鋼板です。日本では1982年から販売されており、日本製鉄株式会社の登録商法となっています。当初は日本でも見向きされない素材でしたが、年々評価を上げていき、安全性の面でも十分信頼を勝ち取った建材です。

ガルバリウム鋼板は、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%の割合を原料としてメッキ加工した素材です。原料のアルミニウムは耐食性が、亜鉛は防食性が優れているため、亜鉛だけでメッキ加工されたトタン素材よりも耐久性のある素材となっています。

ガルバリウム鋼板は住宅にも優しく、リフォームでは独占ともいえる人気の建材といえるでしょう。

ガルバリウム鋼板を使用するメリット

メッキ加工されたガルバリウム鋼板は外観をおしゃれにしてくれるため、近年人気を博しで外壁や屋根材に多く使用されるようになってきました。ここからは外壁や屋根材として採用する場合に参考になるように、メリットを紹介していきます。

耐震性に優れている

地震大国である日本では、耐震性に強い素材であるかは非常に重要なポイントとなります。ガルバリウム鋼板は、1~3㎜と非常に薄く、重さも瓦の十分の一程度と軽量であるため、住宅への負担が少なくなることで、耐震性が向上し地震に強い住宅を作れます。

屋根や外壁のカバー工法など、リフォームでも活用されやすい建材といえます。ご存じのように、我が国ではガルバリウム鋼板が登場してからも、震度5を超えるような大きな地震は度々発生しました。それでもこの30年以上も信頼され続けているのは、高い耐震性が評価されているからといえるでしょう。

持がよく高い耐久性

一般的な外壁材や屋根材は10年ほどでメンテナンスが必要になってきますが、ガルバリウム鋼板の耐用年数は20年ほどと耐久性の高さもメリットの1つです。外壁や屋根といった場所は、住宅の中でも雨風に晒され劣化が進みやすく、耐久性に優れているかどうかはとても大切な条件です。

もちろん、住宅環境でも大きく変わりますが、耐用年数が長いほどコスパもいいので、トータル的に他の建材よりも優れていると実感できるでしょう。

また、雨風だけではなく雪にも強いガルバリウム鋼板は、積雪の多い地域でも力を発揮してくれるため、安心して冬場を過ごすことができます。

耐熱性が高い

ガルバリウム鋼板は原材料に熱に強いアルミニウムが多く含まれているため、耐熱性にも優れています。またメッキ加工するときにケイ素を配合しているため、およそ350度の熱に耐えることが可能です。

外壁や屋根を熱から守ることで劣化を防ぐとともに、住宅の中に熱がこもることを防ぐ役割もしてくれます。

軽量なうえに加工がしやすい

ガルバリウム鋼板は厚さ1~3㎜と薄く、瓦のおよそ十分の一の重さと非常に軽量であるため、住宅への負担が少なくなるメリットがあります。またメッキ層の柔らかいガルバリウム鋼板は、折り曲げが簡単にできるため、さまざまな形状の屋根に対応可能であり、非常に加工がしやすいこともポイントといえるでしょう。

錆に強い

金属といえば錆やすい一面を持っています。アルミやトタンなどの金属素材と比較しても錆にくい特長があります。錆は金属が酸化しようとする過程で発生し、劣化するともろくなってしまい、住宅にも影響が出てしまいます。

ガルバリウム鋼板を使用することで錆に強い住宅に変わっていくことでしょう。

メーカーごとにさまざまなカラーがある

ガルバリウム鋼板は取り扱うメーカーの製品によってカラーのバリエーションが豊富です。オシャレな外観を保つためにも、屋根に使用するカラーは非常に重要となります。落ち着いた雰囲気を演出することもできますし、上品さや穏やかさをイメージするカラーも人気となっています。

ガルバリウム鋼板を使用する際のデメリット

ガルバリウム鋼板はメリットばかりではありません。環境にもよりますが、人によってはデメリットに感じることもありますのでみていきましょう。

断熱性が低い

瓦やスレートといった屋根材は断熱性能が備わっているのですが、ガルバリウム鋼板には断熱性能が備わっていません。そのため屋根材の下に断熱材を敷いたり、断熱塗料で塗装するなどの断熱に対する対策が必要となります。

アルカリ性に弱く傷が付きやすい

ガルバリウム鋼板はアルカリ性との相性が良くないため、枯葉などが長期間付着することで変色が起きてしまう場合があります。これは木材に含まれている木酢液という酢酸が原因のため、こまめな手入れが必要となるでしょう。

また金属素材には弾力性がないため、衝撃を受けたことで傷が付きやすいこともデメリットの1つです。飛来物が当たってキズが付いてしまうと、その場所から錆びてしまう恐れがあるため注意が必要となります。

防音性が低い

ガルバリウム鋼板は金属素材のため、防音性が他の屋根材と比べて劣ります。そのため雨音などが響いてしまうと、生活に支障が出てしまう恐れがありますので、屋根材の下に防音材を敷く必要があるでしょう。

ガルバリウム鋼板の耐用年数について

ガルバリウム鋼板の耐用年数は、20~30年ほどといわれています。一般的に多く使用されているスレート屋根に比べて耐用年数が長く、錆のメンテナンスをしっかり行っていれば、40年以上の耐久性も期待できるでしょう。

立地条件にもよりますので一概にはいえないものの、他の建材よりも長い目でみればコスパに優れています。

ガルバリウム鋼板の劣化症状について

ガルバリウム鋼板は比較的耐用年数の長い素材ですが、定期的なメンテナンスは必要になります。ここからはメンテナンスが必要になる劣化症状を、症状別に詳しく紹介していきます。

錆の症状

金属素材であるガルバリウム鋼板にとって、錆の症状は大敵といえます。もちろん、メリットでも紹介しましたが、ガルバリウム鋼板はアルミやトタンに比べると錆に強い面があるものです。

錆には赤錆、もらい錆、白錆と3種類の現れ方があります。

赤錆はトタン屋根にできるようなものと同じ、赤茶色の錆です。ガルバリウム鋼板はメッキ加工されているため錆にくいですが、メッキ加工された層よりも下の層が傷ついた場合は、その傷から錆が発生し広がってしまいます。

もらい錆はガルバリウム鋼板に錆びているほかの金属が触れている場合に、触れているか所からガルバリウム鋼板自体にも錆が広がる症状のことです。

白錆は住宅が沿岸地域の場合に、メッキ層の亜鉛が酸化することで白い斑点状の錆が出てくることを指します。錆は小さな穴から始まることも多く、気づかないうちに劣化が進む恐れがあるため、発見した場合は塗装メンテナンスを早急に行いましょう

チョーキング現象の発生

塗膜表面の樹脂がなくなり、表面上に粉状が現れることをチョーキングと呼びます。外壁や屋根を指で触るとチョークのような白い粉が付く現象であり、塗料の劣化を判断する基準となります。チョーキング現象が発生した場合は、塗料が寿命を迎えているということですので、塗り替えを行うようにしてください。

コケの発生

ガルバリウム鋼板の表面の塗装が劣化することで、表面に残った汚れからコケが発生してしまいます。コケは湿気を含んでいるのでそのまま放置するとどんどん腐食してしまいます。

コケは住宅の中でも日が当たりにくく目立たないか所に発生しやすいため、こまめにチェックを行い必要なメンテナンスを施すようにしましょう。

ガルバリウム鋼板のメンテナンス方法

気になるガルバリウム鋼板のメンテナンス方法ですが、劣化の度合いや痛み具合によって施工方法が変わります。ここからはそれぞれのメンテナンス方法を詳しく紹介します。

塗装を行う

ガルバリウム鋼板は約10年を目安に塗り替え塗装のメンテナンスを行います。ガルバリウム鋼板の表面の塗膜が剥がれてしまうと、劣化症状を引き起こしてしまう恐れがあるため、外壁材や屋根材の保護をするためにも、しっかりと塗装メンテナンスを行いましょう。

塗装メンテナンスを行う際、足場を組んで工事をする場合は、補修費、材料費以外に足場代が別途必要です。

葺き替え、張替え、カバー工法

塗装だけではガルバリウム鋼板本来の力を発揮できないと判断された場合は、葺き替え、張替え、カバー工法のいずれかの工事を行います。

雨漏りが発生している場合は、外壁や屋根を剥がして補修を行わないといけないため、葺き替えや張替えといった作業を行います。

カバー工法は、塗装ができない場合や住宅の断熱性能に不満がある場合に、現状の外壁材や屋根材の上にガルバリウム鋼板を貼ることです。現状の外壁材や屋根材を剥がすことなく、上から貼り付けることで外壁や屋根が二重となり、断熱性が向上するというメリットがあります。

リフォームに強いガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は新築にも使用されていますが、基本はリフォームで人気の建材です。特にリフォームでは屋根と外壁にカバー工法が用いられるので、メンテナンスしやすいガルバリウム鋼板は重宝されます。

ガルバリウム鋼板はリフォームだけでなく、近年は軽量で耐用性がある点が大きなメリットとなり、長い目でみてコスパとなるので新築の屋根にも多く使用されています。

ガルバリウム鋼板の費用

ガルバリウム鋼板自体はそれほど高価な素材ではありません。1㎡あたり1,000円前後です。ただ、リフォームなどではここから工事業者の費用が発生します。カバー工法を用いた場合、縦葺き・横葺き、屋根や外壁のメンテナンスで若干は変わりますが、1㎡あたりでおよそ10,000円~14,000円の工事費用になるでしょう。

まとめ

今回は昨今人気のガルバリウム鋼板についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?ガルバリウム鋼板は定期的なメンテナンスをきちんと行うことで、長期間に渡って使用することができるとても優秀な建材の1つです。

人気の高まりとともに施工できる専門業者も年々増えてきていますので、住宅の建材選びの選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

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