リフォームにも重要! トタン屋根の葺き替えの流れと費用を解説

トタン屋根はコストも安く施工しやすい為、昔から広く使用されている屋根材です。軽量で耐久性もあるトタン屋根ですが、メンテナンスを行わずに放置してしまうと、劣化症状が進みメンテナンス費用もかさんでしまいます。そこで今回は、トタン屋根の葺き替えの流れや費用、定期的なメンテナンス方法まで詳しく解説していきます。

トタン屋根とは

トタンとは、薄い金属製の板の表面に亜鉛をメッキした屋根材のことを指します。トタン屋根は瓦棒と呼ばれる突起物がある形状のものが多いため、瓦棒屋根とも呼ばれています。

金属製の屋根材にはさまざまな種類が存在しますが、その中でもトタン屋根は材料費、施工費が比較的安価なため、スレート屋根や瓦屋根が主流となる現在でも、リフォームで選ばれている屋根材の1つです。

トタン屋根の種類

トタン屋根は100年に及ぶ長い歴史があるので、だれでも一度は見たことある屋根といえます。そんなトタン屋根には大きく3種類に分けることができ、それぞれに特徴が異なります。トタン屋根はそれぞれ立平葺きトタン屋根、波板トタン屋根、折板トタン屋根と呼ばれており、ここからはそれぞれの特徴について紹介していきます。

立平葺き(縦ハゼ葺き)トタン屋根

桟を使わずにハゼと呼ばれる金属板同士を接続する部品を使ったものを縦ハゼ葺きと呼びます。逆のV字型に折り曲げられており、ここをハゼといいます。これまで施工されてきた瓦棒葺きは芯材の気を使用するため、どうしても腐食による劣化が起こる恐れがありました。

しかし、縦ハゼ葺きは木材を使用せず金属板同士を折り曲げて固定していくため、腐食する恐れがないことが特徴であり、大きなメリットとなります。

また縦ハゼ葺きはガルバリウム鋼板が使用されることがほとんどです。

波板トタン屋根(大波・小波)

一般的にトタン屋根と言えばこの波板トタン屋根を指します。波型に加工を施すことで平らな板よりも強度が増すため、耐久性も上がるのが特徴です。

波型には1波の大きさが76.2mmで高さ18mmの波板1号と、1波の大きさが31.8mmで高さ9mmの波板2号の2種類が存在するのですが、波板2号の方がよく使用されています。

また波板トタン材はホームセンターでも入手できるため、DIYに使用する人も多く、その際初めから塗装を施したカラートタン屋根材として販売されています。

折板トタン屋根

波板トタン屋根よりも鉄板を大きく折り曲げ、台形が規則正しく連なる形状である折板トタン屋根は、勾配のない屋根に施工することができるため、工場や体育館などの大きな建造物に使用されることが多いです。

また、水がしみ込むことがなく、波型よりもさらに強度が高いと言われています。

トタン屋根を使用するメリット

昔から金属性の屋根材の主流であるトタン屋根にはさまざまなメリットがあります。ここからはトタン屋根のメリットを3つに分けて詳しく説明していきます。

費用が安価

トタン屋根の最大のメリットはコストが安いことです。1㎡あたりの価格は4000~6000円と屋根材の中でも一番素材自体の費用が安いうえに施工も簡単なため、材料費、人件費共に抑えることができるコスパの良い屋根材です。

またトタン屋根はホームセンターなどで売られていることが多いため、修理などメンテナンスを行う場合でもDIYなどで費用が抑えられます

勾配がない屋根に取りつけ可能で雨漏りも抑えられる

トタン屋根はつなぎ目が少ないため、屋根の傾斜が少ない場合でも雨水が住宅に侵入することが少なく、ほかの屋根材に比べ雨漏りしにくいこともメリットの1つです。

また瓦やスレート屋根など一般的な屋根材は、ある程度の傾きがないと設置できませんが、トタン屋根の場合は勾配が無くても設置が可能なため、一般住宅だけでなく、体育館や商業施設など大きな建造物にも広く使用されています。

耐震性が高い

トタン屋根は日本で古くから使用されている瓦と比較しても非常に軽量であるという特徴を持っています。建物は重心が上になればなるほど、地震による揺れが激しくなります。しかしトタン屋根は非常に軽量なため、耐震性が高いのが特徴的です。

また屋根材が軽量であれば住宅などに負荷がかかりにくく、住宅の構造を選ばれず設置が可能です。

トタン屋根のデメリット

ここまでトタン屋根のメリットを詳しく紹介してきましたが、メリットと同じようにデメリットも存在します。ここからはトタン屋根のデメリットを4つに分けて説明していきます。

優位性が低い

トタン屋根は金属屋根材の中でも昔から使用されている主流の屋根材ですが、ガルバリウム鋼板など性能の高い金属屋根材の登場により、その優位性が失われつつあります。

現在でもほかの屋根材に比べ非常に安価ではあるものの、トタン屋根よりも性能の高いガルバリウム鋼板とはほぼ変わらないため、ガルバリウム鋼板を選ぶ人が多くなり、トタン屋根は選ばれにくくなってきています。

夏場は暑さへの対策が必要

トタン屋根には断熱効果がありませんので、夏場は厚さへの対策が必要となります。金属屋根材全般に言えることですが、金属系は熱伝導が非常によく断熱性が低いため、表面温度が高くなり、家の中に熱気がこもってしまうのです。ガルバリウム鋼板などは遮熱塗料で塗装された製品が存在しますが、トタン屋根の場合は施工時に遮熱機能をもった防水紙を使用することで、暑さ対策をすることができます。

錆に弱い

トタン屋根はガルバリウム鋼板に比べて錆びやすいこともデメリットの1つです。トタン屋根のメッキが剥がれてくると、錆びることで穴が開くといった劣化症状が出てきてしまうため注意が必要です。

雨漏りの原因となるほどの穴が開いてしまう場合があります。劣化症状が進んでしまった場合は、新しい途端に張り替えたり、カバー工法で上から新たな屋根材を敷くなど大掛かりな工事が必要になることもあるため、定期的なメンテナンスは必須となります。

雨音が響いて外観が安っぽく見える

トタン屋根は薄く軽量であることが耐震上のメリットではありますが、反対に素材が薄いことで雨音が室内に響きやすいです。遮音効果がないことで大雨の時などは室内の会話が聞こえにくくなるほどの雨音が響いてしまいます。

またトタン屋根は見た目が安っぽく見えてしまうこともデメリットに挙げられます。

トタン屋根はメンテナンスで張替え

トタン屋根は一般的な他の屋根材と比べて耐用年数が短い傾向にあります。金属系の屋根材全般に言えることですが、一度錆ができて広がってしまうとそこに穴が開き、雨漏りが起こってしまいます。またトタン屋根の下地は軒先が腐ってしまうことが多いため、下地の交換するために張替えが必要となってきます。

張り替えは10年が基本

トタン屋根の耐用年数は10年ほどとなっていますが、定期的に錆止めなどの塗装を行うことで、耐用年数を延ばすことは可能です。しかし錆が広い範囲で発生している場合などは、ケレンと呼ばれる作業が必要になるためメンテナンス費用が高くなってしまう可能性があります。そのためトタン屋根に広く錆が発生した場合には、費用の面からも屋根の葺き替えを行った方が良いケースもあります。

また錆から穴が開いてしまい雨漏りなどの症状がおこることで、屋根内部に腐食が進行している場合などは部分的な修理ではなく、張替えを行う場合もあります。

ガルバリウム鋼板への葺き替えが主流

実際にトタン屋根を張り替える場合、同じような価格帯でありながら性能が高いガルバリウム鋼板を使用して葺き替えることが多くなってきています。

ガルバリウム鋼板はトタン屋根と同じ金属系の屋根材ですが、耐久性や耐サビ性などの性能がトタン屋根よりも高いため、近年では選ぶ人が増えて居るのが現状です。

しかし、既存の屋根材がトタン屋根の場合、勾配の少ない住宅であることがあり、そのような場合にはガルバリウム鋼板を使用することができないため注意が必要です。

トタン屋根のリフォーム工法

トタン屋根のリフォームやメンテナンスは劣化症状の程度や目的に合わせて方法が違います。ここではリフォーム工法を3つにわけてそれぞれの特徴をみていきましょう。

軽度のリフォームなら屋根塗装

トタン屋根の錆びや色あせなどの経年劣化は見られるが、穴あきなどの損傷が起こっていないなど軽度の症状であれば塗装(塗り替え)作業を行います。

トタン屋根は錆が出てから塗装を行うのではなく、症状が起こる前に塗り替えることがトタン屋根を長持ちさせるポイントとなっています。

また錆が発生していない状態でも下塗りは錆止め塗料を使用するようにしましょう。

カバー工法

既存のトタン屋根の上に新しい金属屋根材をかぶせるカバー工法は、既存のトタン屋根の上に防水紙を敷いてから、新しい屋根材をかぶせていきます。防水紙には遮熱機能をもったものから、遮音性の高い機能をもったものがあります。

それらのシートを挟み込むことで、トタン屋根のデメリットである熱のこもりやすさや音が響くなどを軽減させることが可能です。

葺き替え

葺き替えは既存のトタン屋根をすべて剥がし、新しい金属屋根材に葺き替えることを指します。住宅の構造や設計により自由に屋根材を選ぶことができない場合があります。

トタン屋根を使用した住宅で築年数が長く劣化症状がみられる場合は、葺き替えとカバー工法のどちらかを選ぶことになりますので、それぞれのメリットとデメリットを比べ、ご自宅に合ったリフォーム方法を選ぶようにしましょう。

部分的な葺き替え工事もできますが、これまでの劣化によって葺き替えが不要な部分にも後ほど穴が開いてしまう恐れがあります。穴が開いたから葺き替えをするのではなく、まとめて全体的に葺き替え工事を行うようにしましょう。

葺き替えとカバー工法に悩む場合は業者に相談

先ほども伝えしましたが、トタン屋根を使用した住宅で築年数の経っている場合は、葺き替えかカバー工法のどちらかを選ぶ必要があります

それぞれのメリット、デメリットを調べてみても素人ではよくわからず、どちらを選ぶべきか悩まれることもあるかもしれません。そのような場合には素人で判断するのではなく、専門業者に調査してもらうことをおすすめします。その後、専門業者とよく話し合い、どちらの工法にするかを決めるようにしてください。

たとえば、築年数が20年以上と長い場合、下地にまで劣化が進行していることもあります。こうなるとカバー工法よりも葺き替え工事を検討したほうが雨漏りも抑えることができるでしょう。

このためにもリフォーム前に定期的なメンテナンスの点検を行ってもらい、診断してもらったほうがリフォーム費用も抑えられます。

トタン屋根をリフォームする費用

トタン屋根をリフォームする費用ですが、塗装の場合で約30~50万円、葺き替えやカバー工法の場合で約60~250万円となっています。そこに足場代や人件費、諸経費などがプラスにかかる場合もあります。

トタン屋根の修理費用

トタン屋根を修理する際の費用ですが、サビや穴が開いた箇所など補修する面積によって費用は異なりますが、1㎡あたり4,000ほどが相場となっています。

葺き替えとカバー工法に関わる費用

トタン屋根から葺き替え工事に入ると、1㎡あたり10,000円前後が相場といえます。ガルバリウム鋼板に変更すると若干高めになるでしょう。

カバー工法になるとトタンを重ね張りしますが、1㎥あたり7,000円前後が相場です。葺き替えと同じようにガルバリウム鋼板にすると、10,000円前後と若干費用がかさみます。ただ、耐久性なども踏まえるとガルバリウム鋼板のほうがお得に感じるかもしれません。

トタン屋根の塗装にかかる費用

トタン屋根の塗装にはシリコン塗料とフッ素塗料を使用します。シリコン塗料は100㎥あたり50万円前後であり、フッ素塗料は同65万円前後となります。塗装には足場代も含んでおり、屋根の劣化状態によってグレードや料金が変わることがあるでしょう。

適切なリフォームするなら優良な業者選定が大事

適切なリフォームをするならトタン屋根に実績のある優良な専門業者を選ぶことが大事です。優良な業者を見つけるために必要なことは、リフォームを受け持つ複数社に見積もりを出してもらい、見積書を比較検討できるようにしておくことです。

予算内で施工できるか不安に感じることもあるでしょうから、些細なことでも相談できる優良業者を選ばなくてはなりません。何件も現地調査を依頼するのが面倒だと思わず、複数社の見積もりを取り、工事プランの比較をしておきましょう。

まとめ

今回はトタン屋根の葺き替えの流れやかかる費用、トタン屋根のメリット、デメリットなど様々な角度からトタン屋根について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

トタン屋根は耐用年数が短く定期的なメンテナンスやリフォームは必要不可欠です。トタン屋根の葺き替えを行う場合は相見積もりを必ず取るようにし、信頼できる専門業者に依頼するようにしましょう。

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