ベランダの雨漏りの原因とは?火災保険の適用範囲もしっかりチェックしよう

ベランダやバルコニーでは雨漏りが発生しやすい場所でもあります。原因や対策をしっかりと講じることも大切です。ベランダの雨漏りが原因で室内にも影響が出てしまっては大事な住宅を劣化させてしまう恐れがあります。

雨漏りには火災保険が適用できるのか興味を持っている人もいるでしょう。そこで、ベランダの雨漏りの原因や対策、火災保険の適用範囲をしっかりと解説していきます。

ベランダの雨漏りの原因とは

どの住宅にもベランダが付いているものです。屋根がない場合はバルコニーといいますが、どちらも雨漏りに悩む人もいることでしょう。まずはベランダの雨漏りの原因をみていきます。

ベランダ床(防水層)の劣化

雨漏りが多い場所としてベランダ床(防水層)の劣化が挙げられます。もともとベランダというのは布団や洗濯物を干すことで人が行き来する場所でもあり、ガーデニングなどで水気をよく使用することもあります。

さらに雨水が浸透するので、住宅の中でも屋根についで水にさらされている時間が長い場所といえるものです。

ベランダ床はそのような事態に備えて、頑丈に防水層を敷いており、雨漏りを未然に防ぐ役割があります。

しかし、ベランダ床の劣化はなにも水気だけではありません。太陽光による紫外線の影響も受けやすく、ベランダを利用する機会が多い家庭ほど歩行による摩耗で劣化が早くなってしまいます。特にひび割れはよく見かけるものでしょう。

ただ、防水層にはトップコートというシートがあり、表面を保護しているのでこれを張り替えるだけで問題ありません。おおよそ10年程度で張り替え時期となります。

この劣化部分から雨漏りが始まるので、ひび割れを見かけたらメンテナンスを心がけておきましょう。

排水口の詰まり

ベランダの雨漏りの原因として、意外にも排水口の詰まりが多いものです。雨漏りというよりもベランダが水浸しで、むしろ水たまり状態になっていると排水できていない可能性が高いといえます。

排水口にはさまざまな枯葉やゴミなどが詰まりやすくなります。ベランダは風の影響を受けやすいので、外から飛んできた枯葉などはこまめに拾うようにしておきましょう。靴下などの小さな洗濯物が落ちてしまい、これが排水口に詰まって流れを悪くしているケースもあります。また、排水口も劣化してくるので雨漏りの原因となります。

笠木の劣化

笠木とは壁を雨水から守る防壁のようなものです。笠木では金属を使用しているとはいえ、内部が木材となっていることが多く、表面の破損部分から雨水が浸透して腐食を進めていきます

笠木からの雨漏りはコーキングで修理できることもあり、つなぎ目を補修していきます。それでも腐食が進んでいる場合には、コーキングをしても悪化するだけなので笠木を外して工事する必要があるでしょう。

掃き出し窓から浸水

ベランダやバルコニーは雨水が入り込みやすいので、掃き出し窓からの雨漏りも原因として挙げられます。窓枠や二枚窓の引き違い部、外壁のひび割れから伝って雨漏りが侵入することもあります。

窓枠のシールを張り替え、コーキングで補修などメンテナンスをすれば防ぐことも可能です。

壁の劣化

外壁は普段の雨水や強風、紫外線などで劣化が進み、ひびが入って雨漏りの原因を作ってしまいます。また、台風や地震といった災害も影響を受けやすく、窓枠とのつなぎ目が摩耗して雨漏りしてしまいます。

雨漏りが発生する前に外壁のひび割れはすぐにメンテナンスをするようにしましょう。そのほうがコストも抑えられますし、軽微なひび割れはコーキングで補修可能です。台風などの暴風やゲリラ豪雨などが予測される場合、被害を受けるとおおがかりな工事が必要となるので、事前に修理をするようにしましょう。

雨漏りを放置すると二次被害の恐れ

雨漏りを放置してしまうと住宅への二次被害が起きてしまいます。なるべく早く修理するようにしたほうがいいものです。次に雨漏りから発生する二次災害をみていきましょう。

シロアリが発生

住宅の天敵といえるのがシロアリです。現にシロアリで困っている家庭は多いものでしょう。湿気が多い日本の家屋はシロアリにとっても快適な住処となってしまいます。シロアリは木材を食べてしまうので、一度発生したら歯止めが効きません。

特に雨漏りはシロアリを発生させる要因となりますので注意が必要です。シロアリは普段から換気をするなど、木材を腐らせない努力がいりますが、一度発生すると住宅の見えない部分に潜んでしまうので、専門業者に依頼して駆除するのがおすすめです。

木材の腐食

雨水は木材も腐食させていき、住宅の耐久性が低下して、倒壊の恐れが生じます。住宅ではさまざまな場所に木材を使用していますので、雨漏りが原因で木材を腐らせていくと、当然耐震性が弱くなるので家の資産価値を下げてしまいます。

カビの発生

雨漏りすると当然ながら湿気も増えてしまいます。この影響でカビが発生することがあり、人体への影響も懸念されるでしょう。外部から入り込んだ雨水は屋根裏や室内に湿気を増やし、壁紙や断熱シートなどにも影響を及ぼしてしまいます。

電気系の故障や漏電

雨漏りが原因で電気系の故障が起きる可能性があります。特に部屋中に置いてあるコンセントが濡れると漏電の恐れがあり、感電だけでなく火災にもつながるので非常に危険です。

感電や火災がなかったとしても、電気系のトラブルはそのまま家電にも影響し、テレビや冷蔵庫、パソコンなどがショートして日常生活にも支障をきたしてしまうでしょう。

漏電することで家電が使えなくなると、買い替えが必要ですし、余計な出費と労力がかかります。

漏電が起きることがすでに二次災害なのですが、ここからさらに被害が拡大するのが電気系の怖いところでしょう。

雨漏りでは火災保険の適用範囲がどうなる?

雨漏りの被害で気になるのが火災保険の適用範囲といえます。すべての雨漏りが対象というわけではないので注意が必要です。ただ、火災保険が適用なのに知らないでいるともったいないですし、保険料を支払っている意味がありません。

そこで火災保険の適用範囲をみていきましょう。

火災保険が適用されるケース

雨漏りで火災保険が適用されるケースは下記になります。

・台風などによる自然災害で雨漏りが起きた場合

・損害状況の写真と提出用の必要書類の用意

・災害発生から3年以内

・雹災・風災・雪災の補償があるか

大まかですが、これらの項目が条件としてあるので、一つでも満たしていないと火災保険が下りないことがあります。

自然災害であるかどうかがポイント

火災保険が適用されるかどうかは、自然災害であるかどうかがポイントです。台風などの被害でベランダやバルコニーに亀裂が入り、そこから雨漏りが発生する場合は修理に対して火災保険を適用できる可能性が高まります。

また、暴風によって瓦がずれて屋根にも影響を及ぼした場合や雹が降って天井や天窓に穴が開いたときなど、火災保険が適用されるケースとなります。

ただ、ベランダの雨漏りは自然災害なのかどうかが立証するのが難しいといえるでしょう。

火災保険が適用されないケース

火災保険が適用されないケースは下記が挙げられます。

 

・自然災害以外の雨漏り(人的被害・経年劣化・リフォームの影響)

・災害から3年以上経過

・補償内容に雹災や風災、雪災が入っていない

 

雨漏りの原因との因果関係を証明するのは難しいものですが、特にやっかいなのが自然災害の後でも修理や確認を放置してしまった場合です。本来は自然災害による影響があったのに、時間の経過とともに悪化してしまい、後ほど雨漏りが発生すると保険が下りないケースも考えられます。

そうならないためにも台風や地震の後は住宅を診断してもらうように注意していきましょう。

火災保険の申請方法

火災保険の申請方法はそれほど難しいものではありません。順に追ってみていきましょう。

①保険会社への連絡

まずは保険会、もしくは代理店に連絡を入れます。連絡先は保険証券に記載されている番号へかけるようにします。被害の内容を担当者に自然災害が原因である旨を伝えておき、今後のステップを確認します。調査もしていないのに、いきなり保険が適用されないとは言ってこないはずです。基本的には保険会社から書類が送られてきます。

②保険会社から届いた書類を記入

保険会社から届けられた書類を確認して記入していきます。保険の申請書になるので、詳しい状況を記入するようにしましょう。

これらの書類には損害状況の写真と見積書が入っており、これらは自分で行うよりも修理を依頼する業者に任せた方が無難です。基本的に写真撮影や書類作成を踏まえた修理料金になっているでしょうが、リフォーム業者や工務店もピンからキリといえますので、悪徳業者に騙されないように注意が必要といえます。

③保険会社の調査

実際に被害がどのようなものなのか、保険会社の調査が入ります。鑑定人が派遣されるので当日は立ち会うようにします。被害の有無をしっかりと意見し、相手の言うことばかりに納得しないようにしましょう。

④保険会社からの保険金支払い

火災保険が適用されるようになると、およそ1週間前後で保険会社から連絡が入ります。そこから保険金が振り込まれるまで1か月は想定しておくようにしましょう。

火災保険を申請するには業者に損害を見積もりしてもらう

火災保険を申請するために、業者に損害を見積もりしてもらう必要があります。先述しましたが、損害見積書と損害状況写真は修理業者に依頼したほうがスムーズに申請できるでしょう。

ただ、どのような業者が信頼できるのか分からないものです。そこで火災保険を申請するために気を付けたい悪徳業者の見分け方と信頼できる業者のポイントをみていきます。

早く直したいからと安易に悪徳業者に手を出さない

雨漏りの修理依頼をするのに気を付けたいのが悪徳業者です。火災保険の申請を代理で行うといっておきながら、実際には申請せずに料金だけをだまし取ることもあります。

また、修理の見積もり時に火災保険が通る前提で話を進めておき、実際に保険が通らなくてもそのまま追加代金を請求する業者もあります。

これらの業者は修理のデキも心配であり、信用して修理やリフォームを任すことができません。雨漏りは確かに早く直したいものですが、それだからといって安易に業者へ依頼するのは避けましょう。特に審査が通らないケースを想定しない業者は論外です。火災保険が確実に通るなんて誰にも分かりません。火災保険が通らなかった場合のリスクもきちんと説明するかチェックしましょう。

さらに、火災保険に通ったからといって料金を上乗せしてくる業者も信用なりません。火災保険に関係なく、修理が始まって追加代金を請求してくるのも悪徳業者ならではです。仮に火災保険が通った場合、後から追加工事の請求があったとしても、保険金は下りませんので注意しましょう。

良い業者の選び方のポイント

雨漏りの修理依頼をするのに、良い業者を見分けるポイントを解説していきます。基本的に顧客の立場に立って説明できる業者は信頼できます。雨漏りの調査をしっかりと行い、原因まで特定してくれる業者は安心できます。

火災保険の申請が通らない場合のリスクを事前に説明できる業者が基本です。ホームページでも雨漏りの修理実績が豊富な業者は技術があります。

また、良質の業者は修理後のアフターケアや保証制度が充実しており、自分たちの技術やスキルに確かな自信を持っているものです。火災保険を急かしてくる業者はすぐに見積もりを出して契約を急ごうとしています。これは契約して着工することを前提にしているのでおすすめできる業者とはいえないでしょう。

実際に顧客の立場に立っている業者なら納得いくまで説明しますし、相談にも乗ってもらえるものです。

まとめ

ベランダやバルコニーの雨漏りは避けては通れないものであり、さまざまな原因が挙げられます。多くはベランダ床や壁の劣化、排水口の詰まりなどがあり、事前に気付いて早めの対策を取ることで二次被害を防ぎ、大掛かりな工事を避けられます

自然災害が原因で雨漏りする場合、火災保険の適用範囲に入ります。ただ、素人目には災害が原因なのかどうかは判断できず、プロの目で診断してもらったほうが無難です。悪徳業者に騙されないようにここで挙げたポイントに注意しながら、いい業者に見積もりを依頼するようにしましょう。

 

 

 

 

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