木造住宅の外壁に適した塗料とは?ピッタリな塗料の選び方を徹底解説

木造の外壁は木の温かみが感じられ落ち着くとの理由から、ここ数年外壁に使用する人が多くなってきました。素朴で温かみがあり人気な面はありますが、それと同時に木の外壁は細かなところまでメンテナンスが必要なのでとても大変です。

また昔ながらの木造住宅ですと、長年にわたり大雨や強風に晒され、劣化が激しくなり見た目も悪くなってしまいます。今回はそんな人の悩みを解決できるよう、木造外壁に適した塗料の選び方から使用方法、外壁の劣化のサイン、信頼できる専門業者の選び方まで、詳しく解説していきます。

木造住宅の外壁の特徴とは

古くから日本では、木造住宅など多くの建物が木で作られてきました。柱や梁など住宅の基礎となる部分から、外壁までのすべてに木を使用している木造住宅ですが、耐震性が大丈夫なのか気になるところでもあります。

昨今の木造住宅の人気により耐震性能やシロアリ対策など、さまざまな対策をされ長期優良住宅に認定された木造住宅も登場してきており、100年以上耐用年数があるものも存在するほどです。しかし基礎部分だけではなく、外観も綺麗に保とうと思うと、木造外壁には細やかなメンテナンスが必須となります。

木造住宅の外壁の種類

木造住宅の木造外壁は主に、ヒノキやスギといった天然木を塗装した塗装羽目板、ウッドロングエコ、パーチクルボードなどがあります。最近では木造住宅の外壁材としてモルタル、窯業系、金属系、樹脂系、木質系の各種サイディングボード、ALCボードなどを使用することも多いのが特徴的です。

また、国内でポピュラーに使用されている木造住宅の外壁素材には、天然木以外にもさまざまな種類が使用されているので、それぞれの特徴を知っておくと便利です。

木造外壁の良い点悪い点

木造外壁の良い点は、やはり何といっても木の温かみが感じやすいことではないでしょうか。シンプルで素朴な色合いは落ち着きを与えてくれますし、木は年月をかけることで深みが増していき、年数がたっても飽きずに過ごせます。

また、木造外壁は太陽の光を遮ってくれるため、断熱性にも優れています。自然本来の温かみだけでなく、寒さを和らいてくれるので、木造外壁は日本古来の優れた技術や知恵を用いているのが分かります。

ただ、木造外壁の悪い点は、水には弱いことです。高温多湿によって腐食が起きやすいため、他の外壁よりも細かなメンテナンスが必要となります。シロアリやネズミといった害虫は兼ねてから悩みのタネともいえますし、日本家屋の天敵ともいえる存在で今日でも脅威となっています。

木造住宅に外壁塗装が必要になる理由と劣化のサインとは

木造外壁のメンテナンスが必要になるサインは、目に見えるものが多くてわかりやすいといえます。主な特徴としては、外壁にカビや苔が付着している場合や変色やふくらみがある場合です。

また、シロアリに侵食されている場合や外壁塗装が剥がれてひび割れている場合もメンテナンスが必要となっていきます。このよう箇所を見つけたら、後々劣化してきていますので早めの対応が求められます。外壁塗装は、家を長持ちさせるために大事な役割を果たしていますので、劣化のサインを見逃すことなく必要に応じて対応しましょう。

木造住宅に使用できる塗料の種類

木造外壁に使用できる塗料は、2種類に分けられています。浸透型塗料と造膜型塗料です。

浸透型塗料

浸透型塗料は素材の中に浸透していく塗料で、木材の表面のみならず、中まで深く浸透していくため、木材全体を保護することができます。

この塗料はステインと呼ばれ、複数回重ね塗りすることも可能です。浸透型塗料は木材の伸縮を妨げないので、木の持つ本来の良さをそのまま感じられるのが特徴的といえるでしょう。ただ、後述する造膜型塗料よりも、耐久性が劣ります。

造膜型塗料

造膜型塗料は、下塗り用と上塗り用がありそれぞれ役割が違います。下塗用塗料で素材への吸い込みを防ぎ、上塗り用塗料で木材や下塗り用塗料を保護するとともに、色を出すことも可能です。造膜型塗料は、木材を外から保護できるため耐久性は高くなりますが、ひび割れなどの不具合が起きる場合があるので注意が必要です。

外壁素材にあった塗料選ぶ

木造外壁を塗装するには、下塗り用と上塗り用のどちらにも共通なことですが、木材に使用できる塗料を選ばなくてはいけません。塗料は「木部用」や「鉄用」といったように種類分けされていますから、「木部用」と書いてあるものを選びましょう。

また塗装する場所によって「屋内用」と「屋外用」で製品が分かれています。両者は成分が異なる塗料ですので、塗装前にしっかり確認しておいてください。

木造外壁を守るポイント

木造外壁を塗装するうえで大切なことは、前回使用した塗料が何かを確認することが大事です。浸透タイプを使用していたならば、造膜タイプではなく浸透タイプを選ばなくてはいけませんので注意しましょう。

また、木造外壁はどうしても風雨にさらされるのでカビや腐食が発生してしまいがちです。そこで、腐食を防ぐ防腐塗料、紫外線による変色を防ぐ紫外線吸収剤を含む塗料、シロアリなど虫の被害を防ぐ防蟻成分が配合された塗料なども販売されています。

ご自宅の立地や気候に合わせて選ぶことで、メンテナンスの多い木材外壁でも長持ちさせやすくなるので、ポイントをしっかり押さえておくようにしましょう。

DIYでも可能?木造住宅の外壁塗装の手順と注意点

外壁塗装を行う手順としては、外壁の劣化場所を確認するとともに雨漏りなどの二次被害がないか確認します。2階以上の建物の場合、足場を組む必要がありますし、養生テープや養生シートで建物を覆う作業も必要となってきます。外壁の洗浄や古い塗料の除去など、塗装以外にも多くの工程があります。

木造外壁は一般的な外壁よりも短いスパンでメンテナンスが必要になるため、コストがかかります。そのような時にはご自分でDIYしようと考えている人もいるでしょうが、ただペンキを塗るだけではなく、上記で説明した工程にプラスして、ご自宅に合った塗料のタイプを選んでおき、道具も揃えなくてならないことを覚えておいてください。

ご自身でDIYする場合

時間をかけて作業をするのが好きな人にとってはDIYも1つの選択肢となりますが、上記でも紹介した通り、塗装するためにはただペンキを塗るだけではなく、さまざまな工程があります。小さなキズなどの細かい補修でしたらそこまで時間はかからないので、DIYでメンテナンスすることでコスト面カットとなりおすすめです。

ご自身でメンテナンスをするメリットとしては、天候に左右されない点です。雨が降りそうで風も強い日を避けることは容易といえます。ただ、本業のお仕事が休めないからといって無理にスケジュールを決めて敢行するのは止めておきましょう。焦るあまりにせっかくの塗装が仕上がり悪いと、メンテナンスをしても余計に悪化してしまう恐れがあります。

こうならないように、次週に予定をずらすことや有休を消化しておくことも心がけておくのが大切です。

足場を組む必要がある場合は専門業者に依頼

細かな補修やウッドデッキなどでしたらDIYで作業できますが、2階以上の建物で足場を組まなくてはいけないなど大きな塗装工事が必要な場合もあるでしょう。慣れていない素人では大変危険を伴いますので、専門業者にお任せするのが最善です。

手の届かない外壁などは、足場を組んで行います。ただ、このような作業は高所作業にもなるので、プロでも慎重な作業を心がけています。基本的に自宅で作業する場合は脚立に乗る程度でしょうが、それでも十分危険な姿勢を継続しなければなりません。

しかも、脚立でも届かない2階以上の外壁では、足場を素人で組むのは難しいので、窓やベランダの手すりから乗り出して作業しようとする人もいるでしょう。大変危険ですので絶対に止めてください。

さらにDIYの場合、コストカットできるので安く抑えたい時にはおすすめですが、忙しい人では工期が長くなったり、慣れない塗装では色むらができたりとデメリットもあります。その点、実績ある専門業者ならば短期間で工事が完了しますし、素材に合った塗料を使ってムラなく施工してくれるので、心配がありません。費用が高いことをデメリットと捉えるかもしれませんが、万が一保証期間に塗装が剥げてしまった場合など、塗り直ししてもらえる場合もあり、自分でやるよりも安心感が違います。

木造住宅の外壁塗装にかかる費用

木造外壁の塗り替えにかかる大まかな費用ですが、DIYで塗装をする場合、目安としては15~50万円ほどはかかるといわれています。またDIYですと塗装が甘くなってしまい、短いスパンでの塗り直しが必要になるケースもあるためさらに費用が掛かる場合もあります。

専門の業者に依頼した場合の金額は、坪数や塗装面積によって変わり、20坪で40~100万円ほどかかります。その他に雨漏りなどの劣化が見つかればその費用もプラスされますし、足場を組んで作業する場合にも、別途足場を組む代金を請求されます。

普通に考えても高い出費ですので、気を付けておきたいポイントとしては、1社だけでなく複数の業者に相見積もりを依頼することです。業者との打ち合わせは念入りに行い、あまりに安すぎる業者には注意しましょう。

業者サイトを利用した口コミなども参考にしながら、他の業者との金額を比較してあまりにかけ離れた数字の場合、高くても低くても信用できないケースがあります。

まとめ

今回は木造住宅における木造の外壁を塗装する際に抑えておきたいポイントを、さまざまな角度から掘り下げてお伝えしました。一生に一度のマイホームですから、しっかりとメンテナンスをしたいものです。

この記事でも紹介したように、DIYで自身がメンテナンスをやるのもいいですが、ムラが出て塗装が剥がれる恐れもあれば、高い場所は危険が伴います。高額の出費となる木造住宅の外壁塗装ですから、後々に後悔しないためにも信頼できる専門業者に依頼しておき、長く快適なライフスタイルを実現していきましょう。

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