外壁のメンテナンスはとても大事です。住宅を長持ちさせるためにも定期的なメンテナンスは必要といえます。ただ、外注する場合にはどうしてもコストが発生しますので、何とか自分でやりたいという人もいるでしょう。
そこで、外壁のメンテナンスをDIYで行いたい人の為に、劣化しやすいポイントや注意点を解説していきます。
住宅を長持ちさせるために必要な外壁のメンテナンス
外壁は使用している種類や環境によって異なりますが、だいたい20年以上経過すると劣化が見られます。一般的な住宅ではサイディングやタイル、モルタルといった外壁材が使用されており、モルタルだと30年の耐用年数を誇ります。
ただし、耐用年数が長い外壁材も、あくまでメンテンスを定期的に行った場合の目安といえます。何もせずに放置した場合には風雨や紫外線などの自然環境、雨漏りなどで劣化の状況が異なるものです。
メンテナンスを怠ると、コーキング材の劣化やひび割れもそのままとなり、外壁から雨水が侵入して家屋にダメージを与えてしまいます。
外壁のメンテナンスを放置した場合に起こる心配な点
実際に外壁のメンテナンスを放置するとどのような点が心配になるのかみていきましょう。
雨漏りが起きやすい
外壁には塗装を施していますが、これが劣化してくると防水性も失われてしまいます。塗装も紫外線風雨によってダメージを受けますので、塗装が剥がれてくると雨水が侵入して雨漏りを発生させてしまいます。
外壁は屋根と違って目に付きやすく、塗装が劣化しているのも分かりやすいものです。目に見えて劣化している場合は早急にメンテナンスを実施するようにしましょう。
外観が悪く価値が下がる
外壁の塗装は経年劣化があるので剥がれ落ちてくると見た目が悪くなります。塗装が剥がれた外壁というのは周囲の印象も悪くなるものです。
メンテナンスをしていない住宅というのは、外壁や屋根の部分に劣化が浸透していることもあり、目で見えないほどに雨漏りやカビが浸食していることもあります。こうなると住宅の価値も下がってしまうので注意しましょう。
メンテナンス費用が高くなる
外壁のメンテナンスをしないまま放置していると、劣化はどんどん進行してしまいます。いざ修理しようとしても、思わぬ箇所から劣化や腐敗が浸透してしまい、修繕費用がかさんでしまう恐れがあります。
難しいのが外壁も素人目には劣化が分かりづらいこともあります。業者に依頼するとすでにかなりの劣化になっているケースもありますので、早めの対応が必要です。メンテナンスが遅くなるほど修理費用が高くなるでしょう。
外壁のメンテナンスをするタイミング
外壁のメンテナンスは劣化の状態をみて判断することが多いものです。ただ、新築の場合は使用している塗料の耐用年数が10年というものが多く、メンテナンスをするのは10年からというのが目安になっています。
ただ、環境にもよりますが、一般的に塗料の劣化はなかなか実感しづらいもので、子どもが生まれてから住宅を購入するケースが多いことから、将来的なお金の面でもメンテナンスは後回しにしようという人も見られます。
このような場合、実際に雨漏りによって劣化が目に見えて分かるようになりますが、その頃にはメンテナンス費用も高額になってしまい、子どもにお金がかかる時期に余分な出費がかさんでしまいます。
住宅で使われるサイディング外壁の種類
住宅で人気の外壁といえばサイディングです。パネル状になっており、この溝をコーキングで埋めることにより防水効果を生み出しています。軽くて丈夫ながらデザイン性にも優れているので、近年主流の外壁といえます。サイディングの種類をみていきましょう。
窯業系サイディング
新築で広く使われているのが窯業系サイディングです。陶器やセメントを主成分としており、金属以外を窯で焼いて加工されています。防火効果にも優れて工期も短くてコスト面でも人気の外壁です。
10年程度で劣化が始まることもあり、シーリングの量が多いとその分だけ耐久性も上がりますが、メンテナンス費用も上がってしまいます。
金属系サイディング
ガルバリウム鋼板などの金属素材を使用し、軽量で耐震性に優れています。金属なので高級感を演出させてくれますし、張り替え以外にもカバー工法に適したサイディングです。シーリングを打ち替える必要はあまりありません。
木質サイディング
天然の木を使用したサイディングで木の本来の温もりを体感できるのが魅力です。防火や雨漏りといった面では他の外壁に劣りますが、経年変化を味わえるので人気のサイディングといえます。
導入コストやメンテナンス費用もかかりやすく、腐食の恐れもあるのがデメリットです。
DIYで外壁のメンテナンスを行う方法と注意点
外壁のメンテナンスが重要であることが分かっても、いざ業者に毎回修理依頼する場合、コストの面で心配になってくるものです。すべてのメンテナンスをDIYで行うことはできませんが、ある程度は自分でもやれることがあります。
DIYで外壁のメンテナンスを行う方法と注意点をみていきましょう。
まずは劣化の確認から
メンテナンスをする際に大切なのは確認です。外壁の調査を自分でやるのはある程度見える範囲しかできません。それでも外壁が現状においてどのような劣化をしているのか分かることがあります。
どの程度の劣化状況を確認すればいいのか下記に挙げてみます。
・ひび割れが起きている
外壁にひび割れが起きているということは、塗料の乾燥によって生じるからです。ひび割れが起きていると、当然ながらそこから雨水が侵入しますので、劣化の進行を早めてしまうでしょう。
・塗装が剥がれている
外壁も風雨や紫外線にさらされることにより、塗装が剥がれやすくなっていきます。外壁を守るためにも塗装は大事ですので、これがなくなってくると雨水が侵入しやすくなって劣化を早めてしまいます。
・外壁が破損している
何らかの拍子に外壁が損傷しているケースもあります。外壁が破損していると耐久性にも問題が起きてしまい、塗装だけではカバーしきれない恐れがあります。
・塗料のチョーキング現象
チョーキング現象とは外壁にチョークのような白い粉が付着していることを指しています。外壁を手で触ると分かりますが、これは防水効果が落ちていることを意味しています・
2階など高い場所は危険なので注意
2階の外壁など、高い場所の調査は自分でやるのは難しいものです。窓側の外壁程度なら手で触ってチョーキング現象も判断できますが、窓やベランダから身を乗り出すことや、大きい脚立を使用することは、かなり危険ですのでやらないほうがいいでしょう。
高い場所の作業というのは思った以上に危ないので注意しなければなりません。どうしても調査したい場合は業者に依頼するようにしましょう。
専門業者にメンテナンスを依頼
これらの調査が終わると、自分でメンテナンスをしたいところですが、劣化が進んでいる場合には専門業者に依頼したほうが無難です。後述しますが、外壁を洗浄してもひび割れ箇所から水が侵入し、さらに住宅を劣化させてしまいます。
劣化の状態が確認できたら、専門業者に相談しておき、修理の見積もりを作ってもらいましょう。
外壁の洗浄を定期的に行う
自分でできる外壁のDIYには洗浄があります。道路沿いだと排気ガスや土埃など外壁にはさまざまな汚れが付着しています。ひび割れなどの状態がないことを確認しておき、半年に1回や年1回などのタイミングで洗浄を行います。
DIYだけでの外壁洗浄だけでは、十分にメンテナンスを出来ているとはいえません。それでも汚れを落とすことが劣化を止める役割になりますし、メンテナンス頻度を抑える効果につながるでしょう。
住宅の立地条件や環境によっても汚れの度合いや種類が異なりますが、土埃・砂埃・排気ガス、藻やコケといった汚れは洗浄できます。軽い汚れならブラシなどで簡単に落ちますが、少し重い汚れだと外壁用洗剤の使用が好まれます。
さらに高圧洗浄機があれば、簡単に汚れも落ちるでしょう。
高圧洗浄機の注意点
高圧洗浄機は動画でも確認できますが、高い場所や手の届かないとことまで圧力をかけて洗浄できるのでとても便利です。購入するコストはかかりますが、外壁だけでなく車の洗車にも使えるので自宅に備えてあると役立ちます。
ただし、水の跳ね返りがあるので、道路沿いに水が飛び散って周囲の迷惑とならないように注意が必要です。さらに、外壁の劣化には目で見づらい小さな傷などがあるものです。高圧洗浄機をかけてしまうと、そこから水が侵入してしまい、メンテナンスをしながら水漏れを作っていることになるので注意が必要でしょう。
シーリングの劣化などは少し分かりづらいものですし、自宅の外壁というのは四方にまたがって意外に広いものです。ここをじっくりチェックするのは骨が折れますし、確認漏れがあっても仕方ありません。
高圧洗浄機は水圧が強いので、汚れが落ちているのは目に見えて分かりますが、中に浸透しているのは分かりづらく、水漏れが発生しては本末転倒といえます。
外壁塗装はDIYで行わない
外壁塗装をDIYで行うのは避けたほうが無難です。外壁の張り替えはもちろんですが、塗装程度なら自分でもできそうだと思う人もいるでしょう。しかし、外壁塗装は面積も広く、かなり高度な技術を擁するリフォーム工事です。
一概に素人が簡単にできるものではないので注意してください。塗装を行って却って雨漏りが発生したという可能性もあります。DIYで塗装をしたおかげでさらに劣化が進み、メンテナンス費用が増えてしまうこともあります。
外壁のメンテナンスは優良業者に依頼する
ある程度の洗浄なら問題ありませんが、住宅は2階もありますし、密集している地域などでは高圧洗浄機を使用できません。万一にも外壁に小さな損傷やひび割れが発生していたら劣化を早めてしまう恐れがあります。
そこで外壁のメンテナンスは優良業者に依頼するのが得策といえます。業者に依頼すると仕上がりも綺麗ですし、外壁の寿命も延びることにつながります。
もちろん、業者に依頼することはそれなりにコストも増えてしまいますが、長期的なスパンでみるとメンテナンス費用を抑える効果となるでしょう。
相見積もりで比較検討
どこの業者に依頼すればいいのか分からないこともありますし、飛び込みで営業してくる業者もあります。リフォーム工事の比較サイトや口コミなどを参考にしておき、1社に限定することなく、複数社に依頼して見積もりを比較検討するようにしましょう。
少なくても2~3社で相見積もりをすることが重要です。
これはすぐに契約を迫ってくる業者や明らかに安い業者などに焦って契約するのを防ぐためです。見積内容をしっかりと説明する担当者の業者が安心といえます。
DIYでは外壁のメンテナンスは難しい
実際に軽い洗浄程度は行えてもDIYでは外壁のメンテナンスは難しいものです。外壁のメンテナンスは専門的な知識を擁するので、インターネットで検索しても自分でできるどころか悪化する恐れがあるので注意してください。
特に新築でも10年を経過している住宅はすでに劣化が始まっている可能性があります。半年から1年で汚れを落とし、塗装やコーキングの補修はプロに任せておくようにしましょう。
まとめ
外壁のメンテナンスは住宅を長持ちさせるためにも重要です。まずはひび割れや塗装剥がれなどがないことを確認し、外壁の汚れを落とすことから始めるようにします。外壁の塗装は専門業者に依頼したほうがいいので、相見積もりを取って内容をしっかりと説明できる業者に依頼するようにしましょう。