太陽光発電を自宅に取り入れたいという人も多いのではないでしょうか。電気を売買できるというメリットもありますし、自然エネルギーを取り入れる太陽光パネルは人気です。
ただ、デメリットも多くあるので、よく理解した上で取り付けることが大切といえます。そこで、太陽光パネルを設置したい人に向けてメリットやデメリットを解説していきます。
太陽光パネルを設置するメリット
まずは太陽光パネルを設置するメリットからみていきましょう。
電気代を節約
最もポピュラーなメリットが電気代の節約です。太陽光発電によって自宅の電気を賄うことが可能となります。一般的に電気を使いたい場合、電力会社から電気を購入しなければなりません。
部屋の照明や冷蔵庫、洗濯機はもちろん、スマホの充電にいたるまで、電気は生活する上で必要なエネルギーですから、電気を購入せずに節約できるのは大きなメリットといえます。
電気料金が値上げになっても影響がない
電気料金は値上げが続いており、今後も家計を直撃するほど高騰となるケースが考えられます。太陽光発電をしている場合、電力会社から直接購入しているわけではありませんから、値上げ幅の影響を受けません。
先述のように、電力会社から購入している家庭と比べても、電気代を節約していることになります。
電気を買い取ってもらえる
太陽光パネルで発電した電気は電力会社で買い取ってもらえます。これは政府主導の再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)によって定められており、一定の単価で買い取りが約定されています。しかも10年間は約束されているので、太陽光パネルを設置するのにも安心感があるものです。
災害時の停電で使える
台風や落雷、地震などの自然災害が起こると停電が起きやすくなります。特に長期停電になった場合には、生活環境にも影響が出てしまうものです。太陽光発電は停電時にも自立運転機能に切り替えることで使用できますから、災害時にも活躍できるありがたいシステムといえるでしょう。
環境に配慮
太陽光発電は環境に配慮した自然エネルギーです。火力発電所などは燃焼効果で発電しており、CO2排出量が多くなります。地球温暖化問題に拍車をかけてしまいますが、その点太陽光発電はクリーンなエネルギーになるので、環境にも配慮した社会的メリットの大きいものといえるでしょう。
SDGsへの個人取り組みとしても最適です。少しでも地球温暖化に貢献できているというのは嬉しいものでしょう。
自治体の補助金を活用
太陽光発電における補助金制度では、国はすでに廃止しており、あとは自治体で補助金制度を実施しています。再生可能エネルギーの利用を促進している自治体がほとんどですので、対象者の項目をクリアできていれば申請可能です。
自治体は予算が決められていますので、早めの申請を心がけておきましょう。
遮熱性と放射冷却で夏は涼しく冬は暖かい
屋根に太陽光パネルを設置することで、陽射しの厳しい夏でも遮熱効果が得られます。屋根からの熱を防ぐ効果があるので、夏場における室内温度の上昇を抑えられます。特に2階は屋根の熱がこもりやすくなり、1階よりも室温が高くなりがちです。
反対に陽射しの弱い冬場だと寒くなりそうですが、今度は放射冷却という熱を逃がす作用を防ぐので、室温を高める効果がみられます。
そのため、夏は涼しくなって冬は暖かいという効果があり、冷房や暖房の消費電力も抑えられますから、太陽光発電によって節電効果が高くなるのが分かります。
蓄電池や電気自動車との相性が良い
太陽光発電に加えて蓄電池を設置すると節電効果が高まります。たとえば、太陽光発電は余剰した電気を電力会社に売電することができますが、これを蓄電池に貯めておくことが可能です。
また、電力会社との契約内容によって夜間の電気料金が安くなりますので、これを蓄電池に貯めておき、翌日消費して太陽光発電を売電することもできます。太陽光発電と蓄電池を活用することで経済的なエコ活動も担えます。
さらに、電気自動車との相性も抜群なのが太陽光発電のメリットといえます。電気自動車はもともとガソリン車よりも燃料代が安くなるものです。電気自動車を自宅で充電するときに、電力を消費しますが、太陽光発電を利用することでさらなるコスト削減を実現できます。
電気自動車は家庭用の蓄電池にも活用できますし、環境保全としても太陽光発電と組み合わせると社会貢献は高まるでしょう。
太陽光パネルを設置するデメリットと対策方法
メリットの多い太陽光発電ですが、逆に太陽光パネルを設置するデメリットもあります。そこで導入のデメリットと対策方法をみていきましょう。
設置導入費用が高い
太陽光パネルの設置で一番懸念されるのが初期費用です。パネルの枚数や設置する屋根の形状にもよりますが、ほとんどの場合100万円を超えます。後々回収できるとはいえ、やはり先行投資になるので不安になる人も多いものでしょう。
パネルを増やすほど蓄える電気も増えますが、その分初期費用もかさみます。とはいえ、パネルの枚数を減らしてしまうと、そもそもの恩恵を受けられなくなります。
対策① 補助金を活用する
先述しましたが、再生可能エネルギーの補助金を申請することが可能です。自治体ごとに違いはありますが、太陽光発電などの再生可能エネルギーはどの自治体も取り組んでいますので、補助金を活用するようにしましょう。
また、設置業者によっては申請書を代行してくれるサービスもあります。
対策② 価格が安い海外メーカーを選ぶ
太陽光発電はメーカーによって価格に違いがあります。国内メーカーよりも海外メーカーのほうが安く、補償内容に違いはあるものの、低コストを優先するなら海外メーカーを選択する手があります。
対策③ リースやソーラーローン、PPAで導入する
太陽光発電は初期費用が高額です。そこで初期費用がかからない方法で太陽光発電を利用することができます。「リース契約」「ソーラーローン」「PPA」がそれにあたります。
リース契約は月々の支払いはあるものの、自分で消費できますから売電も可能です。リース後の所有権もあるのでお得なシステムといえます。
ソーラーローンは太陽光発電専用のローンがあります。初期投資を抑えられますし、月々の支払いがあるとはいえ、売電や電気代の削減から得られる効果でペイ可能です。実質的に支払金額を減らせますので、ローン枠があるならおすすめです。
また、PPAモデルを導入する方法もあります。PPA事業者と契約し、太陽光パネルの設置や工事費が無料というだけでなく、維持費もかかりません。発電の所有は事業者になるので売電することはできませんが、契約期間が終了すれば譲渡してもらえます。
屋外にあるので定期的なメンテナンスが必要
太陽光発電のモジュールは屋外に設置しているので汚れやすく、風雨にさらされることから故障のリスクもあります。長く使い続けることが理想ですから、定期的に点検してメンテナンスを実施する必要があるでしょう。
ただ、電気が流れる装置であり、屋根にある設備は自分で点検するのは危険といえます。維持管理は専門業者に依頼するようにしましょう。
天候が悪いと発電量が低下
毎日晴れの日が続くとは限りません。日中は明るいとはいえ、どうしても曇りや雨が続くと発電量は低下してしまいます。また、日照時間が少ない冬季も発電効果は夏場よりも少なく感じてしまいがちです。
ただ、逆に夏季は日照時間が長くなり、年間通して晴れの日も多いことから、発電量は年間換算でいくとそれほど気にならないものといえます。
どうしても曇りや雨の日が続いて不安になる場合、蓄電池を導入するようにしましょう。晴れの日に余剰の電気を貯めておくことで曇りや雨の日でも活用できます。
設置に向いていない家もある
太陽光パネルの設置では、屋根の向きや大きさで向いていない家もあります。訪問業者は何かにつけて太陽光発電のメリットを説いてきますが、言われるがままに設置すると後々公開してしまう羽目になるでしょう。
築年数にも影響を受けますので、地域特有の環境によっても効果が満足できない場合もあります。
屋根がダメでも太陽光発電は敷地があれば設置可能です。信頼できる業者とじっくり相談するようにしましょう。デメリットをしっかりと解説してくれる業者は安心できます。逆に何かにつけてメリットばかりを述べてくる業者は信頼できません。
反射光トラブルが発生する場合がある
太陽光パネルの反射光がまぶしいと感じた人もいるでしょう。実際にまぶしくて暑いという近隣トラブルが発生しています。これは太陽光パネルが北側に設置されているからといえます。
太陽は南向きなので北向きの太陽光パネルは発電量も少なくなってしまいます。太陽光パネルは北向き以外に設置するようにしておきましょう。
ただ、屋根の形状などで北側に設置せざるを得ない場合もあるでしょう。そのような場合には、後々にトラブルとならないように周辺の環境をしっかりとリサーチするようにしたほうが無難です。
屋根に荷重がかかる
太陽光パネルは軽いものではありません。メーカーによって違いはあるものの、1枚平均だと15㎏前後になりますが、これが20枚程度設置すると300㎏になってしまいます。ただ、太陽光パネル自体は荷重が屋根の一点に集まるものでもなく、一般的に問題ない重さともいえます。
築年数が古い家の場合は屋根の荷重が心配になることもあるものです。メーカーによって重さの違いがありますから、比較的軽いパネルを設置するようにしましょう。
業者が信頼できない
太陽光パネルの設置を勧めてくる業者も多くあります。訪問営業を受けたことのある人も多いでしょう。敷地の住人が太陽光発電をしているかは屋根を見れば一目瞭然ですので、悪徳業者の訪問も受けやすくなりがちです。
施行不良のリスクもありますし、訪問営業の会社と工事業者は別であることがほとんどです。連携が取れていないこともあります。納期に追われて手抜き工事になる可能性も否定できません。
しかも、倒産する業者も多く見られるものです。帝国データバンクが2021年1月に発表した「太陽光関連業者の2020年倒産動向調査」によると、2006年1月から2020年12月までに541社の太陽光関連業者が倒産しています。
このような業者は契約を急かし、過度なメンテナンスサービスを行うような甘い言葉を並べてきます。業者が倒産してしまうとアフターフォローもありませんし、工事前になると支払った頭金が返還されないケースが起こってしまいます。
太陽光パネルの設置は信頼できる業者を選ぶ
太陽光発電は業者選びでトラブルになりやすいものです。どの業者がいいのか分からない人も多いものですが、まずは下請けに丸投げしない一貫体制を持っている業者を選びましょう。責任の所在が明確になっているので、安心して着工を迎えられます。
相見積もりを取ることも大事ですし、業者が実際に施工した太陽光発電システムの実績を知ることも大切です。
太陽光パネルの設置は金額も高く、自動車を購入できるほどです。慎重に信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
まとめ
太陽光パネルの設置は発電効果で経済的なメリットもあり、社会貢献できるのも魅力といえます。ただ、初期導入費用が高額になってしまいますし、定期的なメンテナンスも必要です。また、設置できない住宅もあります。
信頼できる業者選びも大切ですので、ここで解説した内容をもとに太陽光パネルの設置を検討してみてはいかがでしょうか。