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STOの特徴や費用、メンテナンスについて解説!メリットやデメリットも

STOはとても性能が高い塗料であり、世界中で多くの人々から愛されています。しかし、日本においてはそこまで多く使われていないため、

「STOってどんな塗料なの?費用はどのくらい?」

「STOのメリットやデメリットを知ってから検討したい」

などという疑問や要望をお持ちの方もいるかと思います。

今回の記事では、STOの特徴や予算、メンテナンス、メリット、デメリットについて、これからSTOを検討する方が納得して業者へ依頼できるよう、詳しく解説していきますのでぜひ最後までご覧ください。

STOとは

STOの特徴や費用、メンテナンスについて解説します。STOは日本以外の多くの国で使われており、さまざまな環境に適応する塗料です。まずはそんなSTOの基礎情報を知ることで、これから採用するかどうかを検討していきましょう。

STOの特徴

STOは95カ国もの間で使われている、世界シェアナンバー1の塗料です。日本では馴染みの少ない塗り壁の塗料であるため、耳にする機会はそう多くはありませんが世界的には高い知名度を誇るのです。

STOは1835年にドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州で、石灰セメントをつくる工場として創業したSto SE&Co.KGaAにより開発されました。水性のアクリル樹脂の入った漆喰であり、さまざまな環境下で使われています。

STOの施工、メンテナンス費用

STOの初期費用は約150万円程、サイディングが約100万円程であることを考慮すると、少し割高になります。

しかしSTOは定期的な塗り替えなどがほとんど不要という魅力があります。STOは耐用年数が20年を超えるといわれており、ほぼメンテナンスフリーな塗料なのです。トータルコストを考慮すると、経済的にも優れているといえます。

ただしもし汚れが付着してきたり、はっ水効果が落ちてきたりした場合には塗り替えが必要なこともあります。もし塗り替えをする場合には、現在とは異なる色を選択することで雰囲気を一新することも可能です。

建築士

STOのメリット

STOのメリットを3つお伝えします。STOは他の外壁塗料のデメリットをカバーしている優れものです。デザインと機能性のいずれも優れており、あらゆる需要を満たしてくれます。大切な家の美しい外観を維持し、安全に暮らしたい方へもってこいの塗料です。

見た目が美しい

塗り壁であるSTOはつなぎ目ができません。塗装した場所の全体を見渡しても、均一できれいな仕上がりになりやすいのです。

またSTOは調合しながら好みの色合いへ近づけられます。900色ものラインナップを展開していることもあるため、外観のデザインにこだわりたい方に持ってこいの塗料です。展開している色の数は業者によるため、希望の色があれば事前に相談をしておくと安心です。

はっ水効果がある

STOは水滴を弾き、水滴は汚れの粒子を弾きながら落下するため、外壁に付着したほこりなどを洗い流してくれるのです。雨が降るたびに外壁の汚れを落としてくれるので、きれいな外観を保ちやすいです。

注意点として、自然についてしまった雨だれはこすり取らないようにします。塗料に含まれる樹脂が隆起することで水分子を転がしているため、摩擦により樹脂が乱れるとはっ水効果が低下してしまうのです。付着した水滴は無理にこすり取らずに、自然としたたり落ちたり蒸発したりするのを待ちます。

ひび割れに強い

STOは塗装後に安定した状態を保ちやすく、ひび割れの心配が少ないです。壁全体を覆うメッシュが壁の歪もうとする力を押さえ込み、乾燥によるひび割れを抑える効果があるのです。

またSTO専用の下地用モルタルであるベースコートも、ひび割れを抑制するはたらきをします。密着度が高いため、建物を包帯のようにぴったりと包み込むことで、動きを大幅に抑えてくれるのです。より建物を頑丈にしてくれ、ひび割れから守ります。

マニュアル化された塗装方法により施工されていれば、経年劣化によりひび割れ件数が増えることが少ないとされています。そのためマニュアルに沿って施工してくれる業者選びが大切です。

STOのデメリット

日々進化を遂げ様々なニーズへ対応しているSTOですが、信頼できる業者へ依頼するには、事前にデメリットを知っておくことが大切です。

塗装ができる業者が少ない

STOを扱っている業者が少ないため、お住まいの地域で依頼できる業者を探しにくいという特徴があります。日本の新築の建物では、塗り壁の建物は約10%程度といわれているため、率先して施工する業者が少なくなってしまうのです。

また納得のいく仕上がりのためには、知識と経験のある業者へ依頼することが大切です。推奨されたマニュアル通りに施工しなければ、STOの強みの恩恵を受けることも難しくなってしまいます。STOのメリットを享受するためには、信頼できる業者探しが大切です。

初期費用が高い

STOはサイディングと比較するとトータルコストは安くなります。しかし初期費用が高いため、どうしても目先の出費が気になり、手を出しにくいというデメリットがあるのです。

ただし耐用年数が長い上にメンテナンスフリーであることが多いため、建物を長く使っていきたい方にはもってこいの塗料になります。

建築士

「ALCって?」特徴や予算、メリット、デメリットなどを徹底解説

ALCは優れた外壁材として知られています。機能的であるがゆえに幅広く利用されています。

しかし名前からはどのような建材なのかを想像しにくいため

疑問を解決すべく分かりやすく解説します。

外壁材としてALCを検討している方もぜひ後悔のない選択ができるように、一緒にみていきましょう。

ALCとは

ALCは他の外壁材と比較しても、とても魅力的な建材です。外装建材として昭和50年代ころより使われています。多くの建物で使われており、新しくビルや住宅を建てる際に検討される建材です。

1.ALCの特徴

ALCは「Autoclaved Lightweight aerated Concrete(軽量気泡コンクリート)」の略称です。JIS規格(JIS A 5416)に適合しているものが商品化されているため、高い精度で品質が管理されています。

ALCには厚みが2種類存在します。薄型は35mm〜75mmで、主に木造や鉄骨造の建物に利用されています。厚型は75mm以上であり、鉄骨蔵や鉄筋コンクリート造に使用されているという違いがあるのです。

2.ALCの費用

ALCの費用は5,500〜7.200円/㎡です。足場代などを除いた材料費のみで計算すると、30平米の住宅であれば材料費で約150〜250万円かかることになります。

またALCには外壁塗装が必要不可欠ですので、塗装費用も紹介します。

塗料耐用年数費用相場
ウレタン8〜10年1,700〜2,200円/㎡
シリコン10〜15年2,300〜3,500円/㎡
フッ素15〜20年3,800〜4,800円/㎡
無機20〜25年4,300〜5,500円/㎡

耐用年数が長いほど費用相場は高くなります。1度の塗装の費用を安く抑えることも大切ですが、耐用年数が長いほどメンテナンスの手間が省ける上に、足場代などの塗装にかかる経費を節約できます。

建築士

ALCのメリット

1.耐久性が高い

ALCは耐用年数が50〜60年といわれています。パルプ材や木繊維などの有機物が含まれていないため、乾燥や熱に強いという特徴があるのです。ひび割れや反りなどのトラブルが少なく、長年使う建材としてもってこいです。

住宅はもちろんですが、大型の建物にも使われることが多いです。建て替えなどをせず、なるべく長く継続して建物を使っていきたい方におすすめの建材です。耐用年数の高いALCをなるべく長く持たせるためには、定期的なメンテナンスが大切です。

2.火に強い

ALCは耐火性が高いため住宅などの使用に向いています。珪石、生石灰、セメントなどの無機物からできているため燃えにくいのです。また有害物質が発生しないので、健康や環境への悪影響を防止できる点も魅力です。

ALCには気泡が含まれていることも、燃えにくくいといわれる理由になります。万が一火災が発生しても広がりにくいため、近隣の住宅なども含めた建物や命を守ってくれる強い味方なのです。

3.遮音性が高い

ALCは防音効果が高いというメリットもあります。防壁材として新幹線のホームや電車、自動車の騒音対策のために使われているほどです。ALC自体に無数の気泡が含まれている上に厚みがあるため、音を通しにくいのです。

近隣トラブルの原因をなるべく排除しつつ、プライバシーも守りながら快適に生活できます。もし小さい子供がいたり楽器を演奏したりなど、音が漏れやすい生活を送る場合におすすめの建材です。また道路沿いなど周辺の音が聞こえやすい立地条件の建物にも適しています。

ALCのデメリット

魅力の多いALCにもデメリットが存在するため、後悔しないためにも事前に確認しておきましょう。

1.他のコンクリートと比較すると強度が低い

建材の中で特に強度が弱いわけ訳ではありません。ただし同じ厚みの他のコンクリートと比較すると強度が劣ってしまいます。

仕上げに使う材料は基本的に鉄筋コンクリート建物に使用されるものと同じです。しかしALCは表面の付着力が弱くより弱いシーリング材を使用することになるため、耐久性が劣ってしまうのです。

2.防水性が低い

ALCは水に弱いという特徴があります。コンクリートは耐水性の高い健在として知られていますが、ALCは気泡が多く含まれているがゆえに水を吸収しやすいのです。長時間水に触れていることで内部まで浸透していきます。

もし水に直接触れてしまうとひび割れが発生して急速に劣化してしまうため、塗装などの定期的なメンテナンスが欠かせません。また寒冷地においてALCが水分を吸収してしまうと、やがて水分が凍って剥がれ落ちてしまう危険性があります。

3.建物のつなぎ目が多くなる

ALCは塗るのではなく貼り付けていくタイプの建材であるため、つなぎ目ができてしまいます。サイディングなども同じように貼り付けていくタイプですが、ALCはサイズが小さいためより多くの枚数が必要になり、つなぎ目も増えてしまうのです。

つなぎ目が多いということは、それだけ水が入り込んだり劣化したりするリスクがあります。つなぎ目へシーリングなどを施すことでコーティングすることで、防水対策を怠らないことが重要になります。

ALCのメンテナンス

定期的なメンテナンスを行うことで、ALCのデメリットを補うことができます。ALCを守るためのメンテナンス方法を2つ解説します。

1.シーリング

シーリングは経年劣化するため、適切な厚みが保たれているかどうかを定期的に確認し、メンテナンスしましょう。ALCパネルの目地をシーリング材で埋めることで、ALCパネルを長持ちさせることにつながります。

シーリングのメンテナンスの方法には2つあります。既存のシーリングの上に塗っていく「増し打ち」と、既存のシーリング材を剥がしてから新しくシーリング材を打ち直す「打ち替え」です。どちらが適切かは業者などに現地調査してもらった上で決めることになります。

2.外壁塗装

外壁塗装をすることでALCの劣化を防げます。塗装をすることでALC自体はもちろんですが、シーリング材も保護するのです。外壁塗装の際にはシーリングのメンテナンスを併せて行うことでより強度が増します。

ALCの外壁塗装の仕上げに使う塗料は、防水性や弾性の高いものがおすすめです。また基本的には3回塗りになりますが、特に1回目の塗装の際にはALCと合っている塗料を選ぶことで塗料の性能も発揮されやすくなります。

建築士