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錆止め塗料の選び方とは?それぞれの特徴からメリット、デメリットを詳しく解説!

住宅にはシャッター、ベランダの手すり、配管、屋根など様々な金属部分があります。金属部分の錆というのは特に気になる部分です。ただ、劣化を恐れて錆止め塗料を塗りたいけれど、どの錆止め塗料を選べば良いかわからない人も少なくありません。

そこで、さび止め塗料の特徴からそれぞれの種類別の特徴やメリット、デメリットなど、まとめて解説していきます。

錆止め塗料とは?

錆止め塗料とは、住宅などの建造物の中で使用されている金属部分を錆や腐食から守る役割を持つ塗料のことを指します。錆は水や酸素に触れることで起こる劣化現象の1つですが、錆止め塗料を塗ることで金属の表面に塗膜を形成し、錆や腐食が起こるのを防いでくれます。

錆は風雨の影響によって屋外で起こる現象のように思えますが、空気に含まれている水蒸気でも錆やすくなります。このことからも屋内外に関わらず、住宅には錆の発生が多数潜んでいることになるでしょう。

特に日本では湿気が多い地域が多く、住宅も錆びやすくなっており、錆止め塗料はとても重要な役割を果たしてくれることになります。

錆を放置することのデメリット

住宅などの建築物の錆を放置してしまうと、さまざまな問題が生じてきます。住宅の価値にもつながりますので、知識を持っておくことは重要です。ここからは錆を放置することで起こりうるデメリットを、3つに分けて紹介します。

機能性が低下し建物の劣化が進む

錆を放置することで、発生箇所からさまざまな問題が生じてきます。

例えばシャッター部分に錆ができて腐食や変形が起こってしまうと、シャッターの開け閉めができにくくなり、本来の機能を十分に発揮できなくなります。開閉時に軋むような騒音が発生して耳が痛い経験をしたこともあるでしょう。無理に開閉を続けていると、終いには故障してシャッター自体が動かなくなってしまいます。

またベランダの手すり部分に錆や変形が起こると、布団や洗濯物を干していると錆の汚れが付着してしまいます。さらに錆で手を切ってしまうこともありますので、大変危険といえます。

雨漏りの原因になる

錆というのは発生すると、どんどん浸食していきます。表面上は分かりづらいですが、顕微鏡なので見ると、錆が浸透している部分は穴が開いているのが分かるものです。これは住宅に使用している場合にも同じことがいえます。

屋根に金属を使用している住宅の場合、気づかないうちに錆が進行してしまうと屋根に穴が開いてしまい、雨漏りの原因となる場合があります。雨水が建物内部に侵入してしまうと、住宅の劣化を早めてしまう恐れがあるでしょう。

美観を損ねてしまう

住宅の塗装が劣化して錆が発生してしまうと、金属部分が錆で赤茶色に変色してしまいます。そうなると住宅の美観を損ねてしまい、住宅の価値にも影響を及ぼしかねません。住宅を美しく保つためにも、定期的に錆止めメンテナンスを行う必要があります。

錆止め塗料の種類

錆止め塗料は大きく分けて油性系とエポキシ樹脂系があります。さらに油性タイプはJIS規格により油性系(1種油性系)と合成樹脂系(2種合成樹脂系)に分けられます。

ここかはそれぞれの特徴についてご紹介していきます。

油性系(1種油性系)

乾燥に時間がかかる1種油性系ですが、膜が厚いため防錆性に優れています。しかし夏場の施工で3~4時間、冬場の施工で6~8時間と乾燥時間がかかるため、作業効率も悪いうえに人件費もかさむなどのデメリットが大きく最近では使用されなくなってきました。

油性系(2種合成樹脂系)

紫外線に強く速乾性に優れているため乾燥が早く仕上がりも良いですが、1種油性系に比べて防錆性はやや怠るというデメリットを持っています。

エポキシ樹脂系

エポキシ樹脂系はエポキシ樹脂に錆止め顔料を入れたものです。水に強く耐久性に優れ、速乾性も高く付着性、防錆性も高いです。エポキシ樹脂は素地の内部に浸透し、脆弱な部分もしっかり補強してくれるため、昨今では塗り替えや新築工事で最も使用されている錆止め塗料となっています。

錆止め塗料のカラーバリエーションについて

以前の錆止め塗料には色の種類が少なく、鉛系やクロム系の原料が主流となっていました。しかし鉛系は海洋汚染などの公害問題への配慮もあり、クロム系は人体への悪影響が懸念されたため、鉛やクロムを含まない塗料が多く開発されるようになりました。近年さまざまな錆止め塗料が登場したことに伴い、錆止め塗料の色の種類も豊富になっています。

昨今ではホワイト、アイボリー、ブルー、グレー、グリーン、赤さび色、チョコレート、ブラックの8種類の色が一般的となっています。

錆止め塗料の使用方法

錆止め塗料はシンナーや水で薄めて使用していきます。その中でもシンナーで希釈したものを溶剤系、水で希釈したものを水性と呼び、溶剤系は強溶剤と弱溶剤の2つに分けられます。ここからは各タイプの使用方法について紹介していきます。

溶剤系(強溶剤)

溶剤系である強溶剤は強溶解度シンナーで希釈して使用していきます。密着性や対候性が高い反面、臭いや刺激が非常に強い特徴を持ちます。慣れが必要な塗料といえるでしょう。

溶剤系(弱溶剤)

弱溶解度シンナーで希釈して使用する弱溶剤の密着性や対候性は、強溶剤ほどではありませんが高めです。強溶剤ほど臭いや刺激は強くないため、使用しやすいのが特徴的です。

水性塗料

水で希釈して使用する水性塗料は、溶剤系塗料に比べて密着性や対候性はやや怠ります。しかし溶剤系塗料に比べて臭いや刺激が少なく、環境に優しいという特徴を持っています。一般的に使いやすい塗料といえるでしょう。

錆止め塗料の費用について

住宅の鉄製部分の錆や腐食を抑えるために、錆止めを使用したいと考えている場合、気になることの1つは費用がいくらかかるのかではないでしょうか。多くのメーカーからさまざまな種類の錆止め塗料が販売されているため、種類や機能によって違いはありますが、15~20kgの量で、10000~50000円ほどとなっています。

そこに工事項目別の金額が追加されます。また足場組立が必要な場合は、別途足場組立費用が追加されます。

業者によってまちまちになりますので、事前にしっかりと合い見積もりなどで確認しておきましょう。

錆止め塗料を塗るタイミングと施工手順

住宅の金属部分にどのような劣化症状が起これば、錆止め塗装を行なう必要があるのでしょうか。そこで、塗料を塗るタイミング時期と、実際に錆止め塗料を塗る場合の具体的な施工方法を手順別に詳しく紹介します。

錆止めを塗るタイミング時期

住宅の塗装に劣化がでてくると、さまざまなデメリットが生じてしまうため定期的なメンテナンスは大事です。

塗り替えのタイミングとしては、塗装部分の光沢がなくなることや、白い粉が発生するチョーキング現象が見られるようになったら塗り替えのタイミングとなります。

錆止め塗料の耐用年数は、屋外の場合で3~4年、屋内で5~6年ほどとなっています。

定期的なメンテナンスは必要不可欠ですので、時期が来たらきちんと塗り替えを行うようにしましょう。

塗装部分の洗浄

最初の手順としては、塗装を行う部分を高圧洗浄機で洗浄することです。金属部分の錆などの汚れやゴミを落とすことができるため、塗膜の密着を高めてくれます。高圧洗浄機で洗浄をした後は、しっかりと乾燥させることが大事です。

汚れやゴミが残ったままだと、その上から塗料を塗ることになるので、錆止めの効果が発揮できなくなります。

ケレン作業

高圧洗浄した後に行うのがケレン作業と呼ばれる下地処理となります。高圧洗浄で落とせなかった錆や汚れなどを、職人さんが電動ブラシややすりなどで削り落としていく作業となります。

またケレン作業は錆や汚れを落とすだけでなく、次に塗る錆止め塗料が密着しやすいように、あえて表面を凹凸にするといったことも兼ねており、錆止め塗装の中でも非常に大事な作業の1つとなっています。

ここではしっかりと汚れを落とすことが大切です。

下塗り

塗装の工程には、下塗り、中塗り、上塗りの3つにわけられ、最初に行うのが錆止め塗料を塗っていく下塗りになります。油性系とエポキシ樹脂系のどちらかを使用し、塗膜の密着を高めるように丁寧に作業していきます。錆の目立つ箇所は2度塗りすると効果的です。

中塗り・上塗り

錆止め塗料を塗り終わりしっかりと乾燥したら、仕上げの塗料を塗っていきます。一般的に仕上げ塗料を塗る際は、中塗り、上塗りの2回に分けて作業を行っていきます。この時中塗り、上塗り共に同じ仕上げ塗料を使用しても構いません。

錆止め塗料の上に何回も塗装する理由ですが、エポキシ樹脂系は錆に関しては高性能ですが、紫外線に弱いといったデメリットがあります。錆止め効果を高めるためにも対候性の高い塗料で上塗りすることで、錆止め以外の効果を高めてくれるので非常に大事な作業となります。また仕上げ塗料には錆止め塗料との相性が良くないものもありますので、組み合わせをよく確認するようにしてください。

まとめ

今回は錆止め塗料の特徴から、メリット、デメリット、塗装費用などについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか?錆止め塗料は住宅の金属部分が劣化した場合のメンテナンスに非常に有効な作業です。

錆などの劣化の進行を遅らせることで、住宅や建造物の外観を守り、雨漏りなどの大きな劣化に繋がる可能性も低くなりますので、錆止め塗料をうまく活用して大切な住宅を守りましょう。

瓦屋根の施工の流れと施工例など、知っておきたい瓦屋根について詳しく解説!

瓦屋根は昔から広く日本で使われており、国内で一番の馴染みのある屋根材です。昔ながらの和風の住宅はもちろん、洋風の住宅にも使用される瓦屋根は海外でも使用されることの多い人気の屋根材となっています。

そこで今回はそんな人気の屋根材である瓦屋根を実際に施工する場合の流れや施工例など、知っておきたい瓦屋根について詳しく解説していきます。

瓦屋根の種類

瓦屋根にはさまざまな種類が存在するのですが、その中でも国内で良く使用されている『粘土瓦』『セメント瓦』『コンクリート瓦』の特徴などをご紹介します。

粘土瓦

粘土瓦は天然の粘土を原材料とした瓦です。日本瓦、和瓦、陶器瓦、いぶし瓦とも呼ばれている粘土瓦は、非常に耐久性があり塗装の必要がないメンテナンス要らずの瓦屋根です。

耐久性以外にも遮熱性、防水性、耐火性防音性共に高いことも特徴の1つです。

セメント瓦

セメント瓦はセメントと砂利、水を混ぜたものを瓦型に成形し塗装した瓦です。セメント瓦は初期費用が安く形や色のバリエーションが豊富なのが特徴です。ご自宅の雰囲気に合わせた形や色を選ぶことができるため、個性的な色合いが好みな人にも最適です。

しかし重さがあるため、住宅に負荷がかかりやすい面もあります。

コンクリート瓦

コンクリート瓦はセメントと水、骨材を混ぜ合わせ成形したのちに表面に塗装を施して仕上げられた瓦です。防音性、断熱性、耐火性など様々な機能に優れているコンクリート瓦ですが、塗膜が剥がれるとメンテナンスが必要になってきます。

屋根瓦の固定方法

屋根に取り付ける瓦は建築基準法やガイドライン法によって決められた施工方法に従って行われています。安全がしっかり考慮されている屋根瓦は固定方法もさまざまです。

ここからは3種類の固定方法をそれぞれ詳しく解説していきます。

土葺き固定

住宅の屋根に取り付けられた野地板に土をのせ、瓦を重ね合わせていくのが土葺きです。湿式工法である土葺きは耐震性に問題があるため、昨今では土葺きが用いられた屋根瓦は早期に改修するように呼びかけられています。土葺き固定はガイドライン工法ができる前に広く行われていた張り方です。

釘・ビスでの固定

瓦に小さな穴を開けて、釘やビスを使用して固定する方法です。この工法は瓦1枚ごとにすべての瓦を止めていく場合と、瓦2枚に対して1枚の瓦を止めていく場合があります。この2つの違いですが、ご自身がお住まいの地域が定めている基準風速によって異なっています

釘やビスで固定する方法のメリットとデメリットとしては、安全面を高めるのに効果的な反面、瓦に穴を開けて固定するため瓦にひびが入る恐れがあるでしょう。

鉄線・銅線・ステンレス線での留め付け固定

鉄線、銅線、ステンレス線などを使用して瓦同士をつなぎ固定していく方法です。野地板などの下地を張った後に、桟木を使用する瓦の寸法に合わせて流し、瓦と桟木を鉄線、銅線、ステンレス線のいずれかを使用して固定していきます。

瓦の落下防止としては非常に効果的な方法ですが、使用する素材によって耐用年数が違いますので、劣化等の不具合が生じる前に定期的なメンテナンスをしておくことが大事です。

屋根瓦は定期的なメンテナンスが必須

日頃から雨風などの影響を最も受ける屋根瓦は、他の屋根材に比べると耐用年数は長く、安心して使用することのできる屋根材です。しかし地震や台風などの自然災害が起きた場合には、その都度メンテナンスが必要になってくるでしょう。

また瓦自体は耐用年数が50年以上ありますが、野地板や防水シート、桟木など使用している素材によって劣化速度が違います。各部分に使用されている材料の劣化状況を確認して定期的にメンテナンスを行うようにしましょう。

屋根瓦の施工の流れについて

ここまで瓦の種類や固定方法について解説してきました。ここからは実際に屋根瓦を施工する場合の流れを、各工程に分けてご紹介していきます。

足場工事

足場を組み立てず高所で作業することは、安全確保の面で義務違反に当たるため法律で禁止されています。作業員が安心安全に作業を行うためはもちろん、作業の効率アップを保つためにも、足場を組み立てることは大事な工程の1つです。

既存の屋根瓦の撤去

足場を組み立てたら屋根に上り、既存の瓦の撤去に取り掛かります。ガイドライン法ができる前の住宅ですと土葺き固定が多いため、瓦の下には多くの土が出てきます。多い時で1坪200kg以上の土が出てくる場合もあるほどです。

瓦や土と同時に引っ掛けるのに使用されている桟木も一緒に取り外していきます。取り除かれた土や瓦などは専門の廃棄処分場に持っていき業者側で廃棄します。

下地

下地とは瓦を葺く土台となる面のことを指しており、垂木の上に野地板を隙間なく打ち付けていくことで下地が出来上がります。この下地は瓦や土などの重さに長期間耐えてきたため、痛みや劣化が起きている場合が多く見られがちです。

劣化がある場合は、下地を張り変えていく作業が追加されていきます。

下葺き(防水シートなど)

下地を綺麗に張り替えたら防水性、断熱性に優れた下地材(防水シートなど)を敷いていきます。下地材にはさまざまな種類があるのですが、一般的に広く使われているのはアスファルトルーフィングと呼ばれる防水紙です。こちらは耐用年数が10年ほどとあまり高くなく、定期的に交換する必要があります

下葺き素材の特徴

下葺き素材にはそれぞれ特徴があるのでみていきましょう。

・アスファルトルーフィング

アスファルトフェルトにアスファルトを両面塗布しておき、しみ込ませていきます。耐用年数はそれほどでもありませんが、新築でも多用されています。

・改質ゴムアスファルトルーフィング

気温によって状態変化が起きやすいアスファルトルーフィングを改良し、ゴムや合成樹脂などを加えて耐用性を向上しています。

・粘着層ルーフィング

片面が粘着シールになっている素材で、カッターや釘を使わずに設置できます。カッターや釘は劣化する恐れがあり、ここから雨漏りにもつながりますので、密着しやすい粘着層ルーフィングは安心できる素材といえます。

・透湿防水紙ルーフィング

室内に籠りやすい水蒸気などの湿気を屋外へ放出します。湿気は住宅にとって天敵ともいえるものですので、通気性にも優れています。

・高分子系ルーフィング

軽量でポリエチレンなどの合成樹脂を主成分にした素材です。屋根に使用するので軽量は大きなポイントとなり、耐用性も高めています。

地割・桟木の取付け

葺き上りが隙間なくきっちりと納まるように、屋根面の寸法を割り出していきます。この作業は地割と呼ばれ、少しずつ敷いていく瓦のサイズから重なる部分の寸法を基準として計算していきます。

地割で出された寸法に基づき、下地材(防水シートなど)の上に瓦を引っかける桟木を釘打ちし固定していきます。桟木が取れると瓦の落下などにつながる恐れがありますので、腐ったり割れたりしない良質な木材で作られた桟木を使用します。また木材以外にもプラスチックやアルミ製の桟木が使用されることもあります。

瓦の取り付け

桟木のうえに瓦を敷いていく作業には、屋根の右側から敷いてある瓦の下へ順に差し込んでいく『差し葺き』と、屋根の左側から瓦の上に順にかぶせていく『かぶせ葺き』があります。葺き終わったら必要箇所に釘留めを施していきます。

実際の施工例

ここまで瓦の特徴から実際に瓦屋根に施工する場合の手順について解説してきましたが、ここからは実際に施工された住宅の施工例を2軒ご紹介していきます。

和瓦から防災瓦へ

一般的に和瓦は長い年月とともに下地が劣化し、雨漏りに悩まされているため、新しい瓦への葺き替えを実施しています。下地には杉皮が張られており、杉皮は残したまま瓦の葺き替えを行います。

また、防水性や耐風性を高めるために、既存の和瓦から防災瓦に葺き替え、棟部には耐震対策として棟補強金具で補強することで、地震対策にも繋がる瓦屋根が完成します。

セメント瓦から軽い瓦へ

築50年以上が経つ住宅では、重いセメント瓦を軽量の瓦に葺き替えを実施することがあります。セメント瓦を外してみると、長年の劣化により下地が割れていることや、腐っている部分が見つかると、その野地板も補強しなければなりません。

トステムのTルーフは特徴としては瓦調のデザインで、重厚感がありながらも軽量なために住宅への負荷が少なく、耐震性も向上した屋根瓦へと変貌します。

費用は瓦1枚単位

気になるメンテナンス費用ですが、工務店やリフォームを受け持つ店舗によって異なるものの、おおよそ一枚当たり1万円前後といった費用が発生します。また、現在使用している瓦をそのまま使用する場合だと値段も代わり、1平方メートル当たりで見積もりを出す場合もあるでしょう。

耐用性が高くて軽量のタイプになるほど費用も上がっていきます

まとめ

今回は瓦屋根の施工に関する情報を施工例も交えてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?

屋根瓦は住宅の中でも1番雨風に晒される場所であり、住宅を守ってくれる大切な箇所です。普段見えない場所であるからこそ、瓦の固定状況を確認してもらったり、雨漏りなどの劣化症状が起こる前に下地の交換が必要です。定期的なメンテナンスとともに耐用年数が経過した場合には、瓦の葺き替えも実施するようにしましょう。

現在屋根瓦にお住まいの方はもちろん、これから新築住宅を建てる予定があり屋根材を瓦にしたいと考えている人は、この記事を少しでも参考にしていただき瓦屋根の導入を検討していただけたらと幸いです。

天窓から雨漏りする原因って?予防法や対策法に加え、費用の相場まで徹底解説!

天窓があると見た目もオシャレで憧れる人も多いですが、雨漏りが起きやすい事がネックになり、天窓の設置が不安な人も多いものでしょう。そこで今回は、天窓の雨漏りに関する原因や予防法、実際に雨漏りが起きた場合の対処法について詳しく解説するとともに、専門業者に依頼した場合の費用の相場も詳しく紹介していきます。

天窓とは?

天窓とは天井に設置された窓のことを指します。天窓はトップライトやルーフウィンドウとも呼ばれ、主に彩光を目的に取り付けられています。設置する建物の大きさによって天窓の形状や数などは異なり、使用される素材もさまざまなものが出てきています。

室内に明るい陽射しが入ることで、気分的にも晴れやかな気持ちになりますし、外の天候がすぐに分かる特徴もあります。

天窓と窓壁の違い

天窓と引き違い窓、掃き出し窓といった窓壁との大きな違いは、採光の量です。窓壁に比べて天窓は約3倍ともいわれる採光効果があると言われ、部屋に光を取り入れられる量が圧倒的に多いメリットが天窓にはあるのです。

天窓のメリットについて

住宅に天窓を設置することでさまざまな役割を果たしてくれます。ここからは天窓を取り付けることでどのようなメリットがあるのかをご紹介していきます。

風通しが良くなる

窓が天井にあることで部屋から部屋へ風が流れ、風通しの良い環境を作ることができます。理由としては、天窓を開けることで通風量が窓壁の2倍以上も向上するためです。

また天窓を開けることで室内の換気がしやすくなり、カビの発生や梅雨時期の嫌な湿気も抑制することができます。

省エネ効果が期待できる

天窓を設置することで部屋の奥まで日光を届けることができるため、日中の室内での照明器具の使用が抑えられるほか、風通しが良くなることで室内の温度を下げることができ、エアコンの使用を節約することができます。電気使用を日頃から抑えられることで省エネ効果が期待できます。

光熱費の高騰にも効果が見られるので年間を通して家計を助けてくれるでしょう。

開放感ある室内を体感できる

天窓から差し込む自然な明るさは、通常の室内にいてはなかなか体感できないものです。彩光のおかげで、室内にいても気持ちが暗くならずに開放感を堪能できるでしょう。たとえ雨雲で天候が悪くても、天窓があれば日中は明るい室内を体感できますし、気持ちもリフレッシュするものでしょう。

天窓のデメリット

ここまで天窓を設置することで得られるメリットをご紹介してきましたが、メリットだけでなくデメリットも存在します。ここからは天窓を設置することで起こり得るデメリットを紹介します。

雨漏りや結露の発生

天窓は屋根をくりぬいて設置するため、他の部屋に比べて雨漏りすることが多くみられます。また、雨漏りにプラスして結露が発生することで、室内に湿気が溜まり室内側の壁を腐らせてしまう恐れがあります。万が一にも住宅を支える柱などに影響を及ぼしかねませんので、雨漏りや結露が発生したら放置してはいけません。

雨音が気になる

台風などの激しい雨の場合、天窓に雨が当たり大きな雨音になってしまいます。音に敏感な方では通常の雨でも雨音が気になる場合もありますので、寝室に天窓を設置するのは控えた方が良いでしょう。また、天窓から見える雷光などが怖く感じるお子さんもいるものですので、設置には場所を検討するようにしたほうが無難です。

天窓から雨漏りする原因とは?

ご自宅に天窓を設置するうえで起こりえるトラブルはきちんと把握しておくことがとても大切です。そこで、ここからは天窓で起こりやすいトラブルを3つに分けて紹介していきます。

ゴムパッキンの劣化

天窓の窓枠周りについているゴムパッキンの劣化で雨漏りが発生してしまう場合があります。通常ゴムパッキンは窓枠から雨などの侵入を防ぐものですが、劣化があると損傷箇所の隙間から雨水が入り、室内側に雨漏りが起きてしまいがちです。

天窓のガラスが割れている

天窓のガラスがひび割れることで、雨漏りの原因になることがあります。窓ガラスがひび割れてしまう原因はさまざまありますが、ひび割れを放置してしまうと、その箇所から雨水が侵入し雨漏りが発生してしまいます。

雨漏りは窓以外の箇所にも広がって住宅の劣化を早めてしまう恐れもありますので、早急な対策が必要といえるでしょう。

天窓周辺が汚れている

天窓周辺に落ち葉やゴミなどが溜まってしまうと、流れるはずの雨水が上手く流れることができなくなってしまいます。本来流れるはずの雨水が溜まってしまうことで、目に見えない隙間から雨水が漏れてしまう恐れがあるため注意が必要です。

天窓の雨漏り予防法

上記でご紹介した通りさまざまな要因で雨漏りは発生します。しかし必要なメンテナンスを行えば、予防することは可能です。ここではご自身で出来るメンテナンスを3つに分けて紹介します。

窓ガラスの清掃と確認

天窓ガラスは定期的に清掃することが大事です。ガラスに傷が付くとそこに汚れが付着しやすく結露や雨染みを残す原因にもなりかねないで、定期的な清掃は欠かせません。

また普段から強い雨風にさらされている天窓は、飛んでくるゴミなどが当たって、ひび割れが起こる場合があります。ガラスのひび割れを確認するためにも、掃除のタイミングで天窓のガラスの状態を確認しておくようにしましょう。

動作を確認する

開閉ができる天窓の場合は定期的に動作確認をすることも大切な予防法の1つです。万が一動作不良や劣化部分があると、その部分から雨水が侵入し雨漏りが引き起こされる場合があるため、動作不良や接続部分の劣化が見られた場合は、早めの修理が大切です。

雨どいの点検

一見天窓と雨どいは関係ないように思えますが、雨どいにゴミなどが溜まり雨水の流れが悪くなることで、天窓周辺にも雨水が溜まりやすくなります。屋根から雨どいまで雨水がきちんと流れているかを定期的に確認し、流れが悪いようなら雨どいも一緒に掃除してください。

 

雨漏りが起きた場合の対処法

上記では雨漏りが起きないための予防法をお伝えしました。しかしきちんと定期的にメンテナンスをしていても雨漏りが発生してしまうことはありますので、ここからは実際に雨漏りが起きた場合の対処法を3つに分けて紹介します。

パッキンの補修

経年によるパッキンの劣化により雨漏りが発生した場合、天窓の専門業者に依頼しコーキング補修、またはパッキンの交換をしてもらいましょう。

天窓ガラスのひび割れの確認

天窓ガラスにひび割れが見つかったら、ガラスを新しいものに交換しましょう。ガラス交換だけでなく、経年劣化などガラス以外の部分の交換が必要となる場合もあるため、専門業者に天窓の状態を確認してもらうことが大事です。

天窓周辺の清掃

落ち葉やゴミが溜まりやすい天窓は定期的な清掃が大事です。しかし屋根に上ってご自身で掃除をするのは高所作業となり大変危険ですから、専門業者に依頼し安全に清掃してもらうようにしてください。

築浅で雨漏りがある場合は施工不良の疑いも

天窓の経年劣化は耐久性の良い素材を使用していても、設置してから10年ほどで起きてくると言われています。しかし築浅の物件なのに雨漏りが発生してしまうケースもあり、そのような場合は施工不良が疑われます。

業者の取り付けが悪かったり、接着剤が不良品だったりと理由はさまざまありますので、このような場合には住宅メーカーに連絡を入れ、対策してもらいましょう。

天窓の修理費用の相場

実際に天窓が劣化し修理を行う場合の一般的な費用相場を、修理内容に分けて紹介していきます。

パッキンの交換費用

パッキンの交換は天窓の大きさや個数また修理費用が追加でかかる場合があるため、どのような修理を行う場合でも、事前に見積もりを取っておくことが大事です。パッキンサイズや業者によって違いがありますが、約2~20万円が相場となっています。

パッキン自体は2~5万円ほどですが、屋根に上るための足場の組み立てを行う場合は足場代として10~15万円ほどかかります。また、パッキンにプラスしてコーキング補修を行う場合はプラスしてコーキング代が3~5万円かかります。

防水シートの交換

防水シートの交換は6~25万円が相場となっています。防水シートの交換は6~10万円ほどですが、パッキン交換同様に足場代がかかる場合は、防水シート代に加え足場代10~15万円がかかります。

天窓周辺の清掃

天窓の清掃は依頼する専門業者により違いはありますが、3~20万円ほどが相場となっています。清掃自体は3~5万円ほどですが、足場が必要な場合は足場代が10~15万円ほど必要です。

天窓全体の交換

設置から年数が経ち天窓の劣化や損傷がひどい場合には、天窓全体を交換する場合があります。天窓の大きさやグレードにより違いはありますが、天窓一か所あたり、15~25万円ほどが相場となっています。これに足場代がかかる場合は別途足場代が必要です。

また修理費用が追加でかかる場合があるため、どのような修理を行う場合でも、事前に見積もりを取っておくことが大事です。

まとめ

今回は天窓から雨漏りする原因を詳しく解説するとともに、予防法や対処法など紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。部屋を明るくしてくれたり、風通しを良くしてくれるなどメリットの多い天窓設置ですが、雨漏りなどのデメリットも存在します。

メリット、デメリットをよく理解し、定期的なメンテナンスを行うことで天窓のある快適な住まいを作れますので、劣化などが見つかったら早急に専門業者に相談することをおすすめします。