外壁塗装の必要性とは? 塗装を怠った場合のトラブルや必要ない建物も

「外壁塗装の必要性って?」
「外壁塗装しないとどんなトラブルが起きるの?」
など外壁塗装をしなければならない理由がよく分からない方も多いかと思います。

今回は、外壁塗装の必要性や外壁塗装をしなかった場合に起きるトラブルの例を解説します。外壁塗装の必要性を知ることで納得して依頼でき、結果的に建物を守ることにつながりますので、ぜひ最後までご覧ください。

外壁塗装の必要性を解説

目に見える不調がなくとも、定期的に外壁塗装をすることをおすすめします。外壁塗装の必要性が高い理由について、3つに分けて具体的に解説します。

1. 防水機能を維持する

外壁塗装は外壁の防水機能を高め、雨水の侵入を防ぎます。屋根のみならず外壁から雨水が入り込むことで、雨漏りを引き起こすことがあるのです。塗料の表面に作られる塗膜の層により防水性が保たれます。

ただ、塗料にはおおよその耐用年数があり、これを超えると防水を含めた様々な機能が落ちてしまいます。塗料の種類によりますが、10年前後を目処に塗り替えが必要です。

2. 美しい外観を維持する

外壁塗装をすることで、築年数が経過した家も、まるで新築のように美しくなります。一方で外壁塗装が剥がれた建物は見るたびに劣化が気にかかってしまったり、周囲の景観を損ねてしまったりするのです。

また外壁塗装をする際には、これまでと違った色を選ぶこともできます。好みや近所の建物とのバランスなどを考慮しながら、新たな色に挑戦してみるのも良いでしょう。外壁塗装は建物の雰囲気を一新できるという楽しみを秘めているのです。

3. 建物の劣化を防ぐ

外壁塗装は建物の経年劣化を防ぐ働きをしているため、定期的な塗り替えが欠かせません。塗料の塗膜が剥がれてしまうと、外壁材に直接ダメージが入ります。具体的には、湿気に弱い断熱材が腐食したり、土台や基礎部分にヒビが入ったりします。

建物自体を守るためには、見た目に関わらず、塗料の耐用年数によって定期的に塗り替えることが大切です。

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外壁塗装の必要性が低い家もある

外壁塗装の必要性が低い家もあります。まれに悪徳業者が「外壁塗装をするべきです」などと必要以上にあおってくるケースもあるため、あらかじめ知識を身につけておくと安心です。

1. タイルの外壁

外壁がタイルでできている家は外壁塗装の必要が低いです。タイル自体が耐久性に優れており劣化しにくい素材です。また変色しにくいため、美観保持の視点からも安心感ある素材といえます。一方、タイルを保護したり艶を出したりするために、クリア塗装を施すこともできます。

ただし、中には「タイルにも必ず塗装が必要」と営業してくる業者もあるので注意してください。万が一色の付いた塗装をしてしまうと、メンテナンスの手間がかかってしまうため避けましょう。

2. レンガの外壁

外壁がレンガでできている場合には、外壁塗装は必要ありません。レンガは経年劣化による色合いの変化を楽しめる優れた素材です。味わい深いだけではなく耐久性に優れており、長ければ50年くらいは保ちます。

ただ、レンガは定期的なメンテナンスの手間がかからない反面、外壁の雰囲気を変えにくいという難点があります。また基本的にメンテナンスフリーではありますが、地震などにより破損した場合には修繕しなくてはなりません。

3. おおよそ10年以内のサイディング

サイディングは新築してから10年前後の間はメンテナンス不要です。業者からもメンテナンスが要らない旨を伝えられ、保証がつくケースもあります。塗膜が維持されている間は防水性が保たれるので、雨風にさらされても安心です。

ただし、サイディング外壁の防水機能を保つためには、10年に1度くらいのメンテナンスが欠かせません。よく使われている窯業系のサイディングは吸水性が高いため、建物自体の劣化を引き起こしかねません。次に利用される頻度の高い金属系のサイディングも錆びやすいため、メンテナンスが重要になります。

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必要な外壁塗装をしなかった場合のトラブル

外壁塗装をしなかった場合には、想像以上にさまざまなトラブルを招きます。外壁塗装以外の工事費用が発生したり、健康被害を招いたりする危険性があるのです。ここでは定期的な外壁塗装をしなかった場合に発生するトラブルを具体的に解説します。 

雨漏り

雨漏りというと天井からのイメージがあるかもしれませんが、外壁からも起こり得るのです。外壁塗装が年月の経過とともに剥がれて防水機能を失うと、外壁材の劣化した箇所から雨漏りしてしまいます。

また屋根も塗装が必要であり、必要な塗装をしていない場合には、屋根材が劣化して雨漏りを引き起こしかねません。屋根材の交換工事になると費用が100〜200万円と高額になってしまう恐れもあるため、外壁と併せて定期的に塗り替えるのがおすすめです。

断熱材の劣化

外壁のみならず建物の内部にまで雨水が入り込んでしまうと、断熱材の交換が必要になる場合もあります。周囲の解体工事の費用も併せて60〜200万円程度かかると考えておきましょう。

また雨水の染み込んだ断熱材を放置しておくと、人体への健康被害、たとえばアトピーやぜんそくなどのアレルギー症状を引き起こす恐れがあります。断熱材に吸収された水分を流し出すことは難しいため、工事が必要になります。

構造体の劣化

構造体は建物を支えている土台であり、雨漏りによって劣化します。構造体によく使われるコンクリートは吸水性があるため、防水機能を高めるため塗装が施されており、この塗装のメンテナンスが必要です。

もし構造体の劣化を放置すると、建物自体が傾いたり倒壊したりする恐れがあります。修繕工事の費用は劣化の程度によります。

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外壁塗装の必要性を理解して、定期的なメンテナンスを心がけよう

外壁塗装は外観を美しく維持するだけではなく、建物自体を保護する役割を果たしています。日々雨風や紫外線にさらされることで塗料の機能が衰えてくるため、少なくとも10年を目処に塗り替える必要があるのです。

もし定期的な外壁塗装を怠ってしまうと大規模な工事が必要になり、より負担が大きくなります。大切な建物を守るためにも、経済的な負荷をかけないためにも、ぜひ適切なタイミングでのメンテナンスを心がけていきましょう。

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破風板を塗装する時の注意点や色選びのポイントについて

破風板(はふいた)とは屋根の側面を覆う板で、正面から見ると全体が三角形のような形をしています。建物を雨風から守っており、機能を維持するためには定期的に塗装する必要があります。

しかし破風板の塗装と聞いても、

「破風板を塗装する際の注意点って何?」
「自分の家の破風板に合った塗装って?」

という疑問を抱く方も多いかと思います。

今回の記事では破風板を塗装する際にどの家にも共通する注意点から、破風板の素材ごとの特徴まで紹介します。

破風板のメンテナンスを検討している方はもちろん、必要性について知りたい方もぜひ最後までご覧くださいね。

破風板の塗装に関する注意点

破風板の塗装に関する注意点を4つ紹介します。

  1. 業者へ依頼する
  2. 破風板の色は基本的に屋根と合わせる
  3. 5〜10年に1度はメンテナンスする
  4. 相見積もりをとる

破風板の塗装を失敗しないための知識をまとめていますので、ぜひ参考にしてくださいね。

1. 業者へ依頼する

破風板の塗装が必要になったら必ず業者へ依頼しましょう。「ペンキさえ買ってくれば自分でもできそう」と思うかもしれませんが、破風板は素人が塗装するには難易度の高い場所で、作業では安定した足場を組む必要があります。万が一不十分な足場の上で作業した場合には、事故につながる恐れもあるのです。

破風板は屋根の横や下から入る雨風をしのぐ役割を果たしているため、完璧に塗装できていない場合は、屋根や建物の劣化を引き起こす危険性があります。屋根裏に雨風があたることを防ぎ、かつ安全に塗装するためには、DIYではなく知識と技術を保有する業者へ依頼しましょう。

2. 破風板の色は基本的に屋根と合わせる

破風板を塗装する際は、屋根の色に合わせるようにしましょう。色味に統一感が出て、全体的にすっきりとした印象になります。色選びで悩んでいる方はぜひ屋根と同じ色を選んでみてください。

一方で、あえて屋根や外壁とは異なる色でアクセントをつけるという方法もあるので、個性的な外観にしたい方は参考にしてくださいね。

屋根と同様に、破風板は雨風や土ぼこりを浴びるため汚れが付きやすいため、紺色や深い緑色などの濃い色がおすすめです。白やパステルカラーといった明るい色は立体感や明るさを出しますが、汚れが目立つため、より短い期間での塗り直しが必要になります。

破風板の塗装で色を選択する場合には、おしゃれさよりも汚れにくさを意識して、屋根と同じ濃いめの色がおすすめです。

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3. 5〜10年に1度はメンテナンスする

破風板は5〜10年に1度は業者にみてもらい、十分な防水性が保たれているかをチェックしましょう。万が一剥がれてきていた場合は、水が染み込んで破風板自体が痛んでしまい、より大規模な工事が必要になる恐れがあります。

もし5〜10年以内であっても以下のような状態であれば業者へ一度見てもらうようにしてください。

  • 塗装が剥げている
  • 塗装の色があせている
  • 破風板が割れている
  • 破風板の形が崩れている

上記の4つの状態を確認した場合には、早急に業者へみてもらってください。塗料の種類によって耐用年数が多少前後するため、正確なメンテナンス時期を知りたい場合は、塗装してもらった際に業者へ確認しておくのもおすすめです。

4. 相見積もりをとる

破風板のメンテナンスをする際には、必ず相見積もりをとるようにしましょう。複数の業者を検討することで費用の相場が分かり、誠実な対応をしている業者を選別できます。

費用を比較する場合には、安さよりも適正価格かを重視してください。高すぎると悪徳業者の恐れがありますが、安すぎる場合も手抜き工事をしようとしている可能性が高いです。

もし業者から「すぐに契約するなら、費用を安くしておきます」という勧誘を受けた場合は、慎重に対応してください。「他の業者の見積書が届いてから検討してお返事します」とお答えし、その場で契約しないように気をつけましょうね。

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破風板の素材ごとの注意点

破風板には主に3つの素材が使われています。

  • 木材
  • 金属
  • 窯業(ようぎょう)

それぞれの素材に合った塗料を選ばなければ、不具合を引き起こす原因になります。業者へ依頼する前に知識を身につけておくことで、見積書の内容をより深く理解できるようになります。

あなたの家にあった塗装を一緒に確認しておきましょう。

木材の破風板

少し前まではよく使われていたため、今も木材の破風板が残っている家は少なくありません。ただ、新築の家では他の素材が採用されているため、最近ではほとんど使われなくなりました。

木材の破風板は空気中の水分を吸収して形が変わるため、他の素材と比較すると塗装が剥がれやすいです。修理を頼む時は、伸縮を妨げずかつ浸透しやすい塗料が存在するため、業者へ相談しましょう。

また、木材の破風板は他の素材よりも耐久性が低いため、5年を目安に塗料を塗り直して保護するようにしましょうね。

金属の破風板

金属の破風板は、鉄にガルバリウム合金のメッキが塗られているものが一般的です。防水性や耐震性が高くて丈夫で、近年になり活用が広がっています。必ず錆止めを下塗りした後に、鉄材と相性の良い塗料を塗っていきます。

ガルバリウム合金の耐久性は約25年といわれていますが、耐用年数が経過する前にも定期的にメンテナンスしましょう。錆びて穴が空き、中の鉄までも錆びてしまうと早めに修繕しなければならず、結果的にコストがかかってしまいます。10年前後を目安にメンテナンスして機能を維持させるようにしましょう。

塗料は黒や紺色などがベーシックですが、青や緑など豊富な色を展開しているメーカーもあります。自分の希望する色を扱っているかを業者選びの参考にするのも良いでしょう。

窯業の破風板

近年で最も使用されている素材です。これから新築したり破風板を取り替えたりする場合に第一候補となることが多いです。陶磁器やセラミック、セメントなどの複合材を窯で高熱処理することから「窯業」と呼ばれます。

窯業系の破風板は耐久性や耐火性に優れています。一方で、セメントが使われている場合には吸収率が良いため、水捌けの良い塗料を選択しましょう。剥がれてくると機能面の劣化はもちろんですが外観も損なうため、早めの塗り直しをおすすめします。

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破風板の塗装の注意点を守って大切な建物を守りましょう!

今回の記事では、破風板の塗装の注意点や素材ごとの特徴などをお伝えしました。

破風板は屋根や建物を雨風から守る役割を果たしていますが、あまり知られていないため、ついつい見過ごされてしまいがちです。状況を頻繁に確認する必要はありませんが、たまには劣化していないか目を配りましょう。

建築士

外壁塗装業者を選ぶ際に確認すべきポイントを徹底解説!

外壁塗装業者選びは、納得のいく外壁を仕上げるための重要な工程です。

自分で外壁塗装業者を選ぶ際には、
「外壁塗装業者を選ぶポイントって?」
「外壁塗装業者には種類があるの?」
などの疑問が湧くかと思います。

そこで、今回は外壁塗装業者の選び方を解説します。外壁塗装業者の種類による特徴も紹介しますので、目星をつけるための参考にしてみてくださいね。

外壁塗装業者の選び方

外壁塗装業者の選び方のポイントを3つ紹介します。

第三者の評価や保証を確認することでより安心して依頼できます。確認方法も記載していますので一緒にみていきましょう。

1. 専門資格を保有している職員がいるか

外壁塗装業者が資格を持っているか確認してみましょう。受験資格に実務経験が求められていることも多く、一定以上の知識と経験を有している証となります。

代表的な資格として以下のものがあります。

資格名内容受験資格
一級塗装技能士学科試験と実務試験あり。国家資格。実務経験7年以上
二級塗装技能士学科試験と実務試験あり。国家資格。実務経験2年以上
外壁診断士学科試験。一般社団法人 全国住宅外壁診断士協会が認定。住宅関連事営業、塗装業、左官業、板金業、建材販売業、不動産管理業、住宅リフォーム業、建設業など、協会が当該関連業に携わると認めた職業の実務経験5年以上
外装劣化診断士一般社団法人 住宅保全推進協会が認定。誰でも受験可能(目安、建築または不動産業界の実務経験3年以上)

上記のような資格を有していれば、ある程度の技術が保証されているので思わぬトラブルを防げる可能性が高いです。会社内に資格を保有している職人がいれば全体のスキルアップにもつながるので信頼できる会社といえるでしょう。

資格を持っているかは外壁塗装業者の絶対条件ではないため、保持している業者は仕事のレベルアップに積極的なことが分かり、より安心感があります。

2. 施工実績が豊富か

過去の施工実績から内容や数を参考にしましょう。これまでの実績やお客様の声から、どのような建物を担当してきたのか、どのような要望があったのかを参考にして依頼できるのかを確認します。

もしホームページがない場合には、会社に問い合わせてみてください。技術力が確かな企業であっても、年配の方が多かったり地元に密着したりしている会社はホームページを持っていない場合があります。訪問して会社で実績を見せてもらうのも良いでしょう。

3. 保証がついているか

塗装後に定期点検をしてくれたり、施工内容を保証してくれたりする業者を選びましょう。万が一手抜き工事や施工ミスがあった場合、塗装は寿命よりも早めに劣化します。外壁の障害を放置すれば、建物が紫外線や雨水にさらされてしまい重大な欠陥を招きかねません。

保証期間の目安は5〜10年です。保証期間が長すぎる場合、保証期間の長さを売りにしつつ実際には応じてくれない悪徳業者の可能性があるため避けた方が安全です。

また保証内容については塗装した範囲がすべて含まれているのかを確認します。特に重要なのは剥がれやすい木部や鉄部で、この部分が保証に含まれていなかったり期間が短く設定されていたりする場合は安心できません。

さらに、業者が保証団体や組合に加盟しているかも確認しておくと良いでしょう。保険料が安くなっていたり、業者が倒産しても保証が受けられたりします。

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外壁塗装業者の種類

外壁塗装業者にはいくつかの種類があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。自分の費用や要望に合った最適な業者を選ぶために特徴を確認していきましょう。

大手ハウスメーカー

知名度が高くて実績が多いため安心感のある大手のハウスメーカー。人員が多くさまざまな要望にも柔軟かつ迅速に対応してくれます。住宅を購入したメーカーであれば10年をめどにアフターフォローを提案されることもあり、自らが率先して動かなくとも良い場合があります。

ただ、大手ハウスメーカーは下請け会社に施工を依頼するため中間マージンが発生し、費用が高めになります。また塗装の質は実際に施工する業者によるので、どういった業者へ依頼するのかを確認しておくと良いです。

リフォーム業者

外壁塗装を含めたさまざまなリフォームを依頼できます。内装や屋根、水回りなどの複数の箇所を見てもらえるので、家全体のメンテナンスを一気に済ませることができます。リフォームを希望する箇所が多い方にとっては1つの窓口で済むのでおすすめです。

ただ、こちらも外壁塗装は下請けの業者へ依頼するため、費用が高くつきやすいです。またリフォーム業者を選ぶ場合には、もともと塗装を専門にしていた業者を選ぶことがポイントです。それぞれのリフォーム業者には得意としている分野があるので、外壁塗装に長く携わっていて実績のある会社を選ぶようにしましょうね。

地域密着型の外壁塗装業者

地域の外装専門の業者は中間マージンが発生しないため、料金が低めなことが多いです。また有資格者が多く、技術力の高い職人も少なくありません。地域の気候や土地の事情に詳しいこともあり、よりよいアドバイスが得られることも特有のメリットです。

ただ、地域密着型の外壁塗装業者はホームページを持っていなかったり、あったとしても探しづらかったりするケースも多いです。また人員が不足していて問い合わせにすぐに対応してもらえないこともあるので、知人に紹介してもらったり少しだけ根気強く探してみたりすることが大切です。

訪問販売業者

訪問販売業者は基本的にはおすすめしません。「危険な状態なのですぐに塗り替えた方が良いです」などと、不安をあおるような言い方をしている場合は特に要注意です。

また「今なら〇〇円安くします」「足場代はサービスしますよ」などと安さを売りにしてくる場合も契約は避けましょう。外壁塗装には塗料のほかにも必要経費がかかるため、極端に値引きしてくる場合には手抜き工事をされる危険性があります。

しかし中には良心的な訪問販売業者がいることもあります。インターネットを使う世代が少なく、なかなか依頼が来づらい地域などが該当します。もし「良心的な業者かも」と感じたら、他の業者の見積書と比較したり、過去の実績や評判を確認したりしてから検討してみてくださいね。

建築士

まとめ

今回は外壁塗装業者の選び方について記載しました。

最適な業者を選ぶには複数の選択肢から自分の条件を満たす業者を見極めることが大切です。納得のいく仕上がりのために、最初の業者選びは大切な工程になります。

資格を保有していたり実績があったりと第三者からの評価の高い業者を選ぶことで、より良い仕上がりが期待できます。また十分な保証がついているかどうかも一つの指標にしてください。

業者の種類により特徴が異なりますので、自分の基準を明確にして希望に沿った選択をしてくださいね。

建築士

外壁塗装の種類と特徴を紹介! メリットとデメリットも解説!

外見をより美しくし、建物の耐久性を維持するために必要な外壁塗装。

塗料にはいくつか種類があるため、
「外壁塗装にはどのくらいの種類があるの?」
「どの塗料が建物に最適なのか迷う!」
と悩む方も多いかと思います。

そこで、今回は外壁塗装に使われる塗料の種類や特徴を解説します。

それぞれの塗料のメリットとデメリットも解説していますので、予算や好み、これから建物をどのくらい使いたいかという計画などにより、お好みの塗料を選んでいきましょう。

 1. 外壁塗装の塗料の種類

外壁塗装の主な塗料の種類についてお伝えします。それぞれの塗料の耐用年数と費用相場を掲載していますので、目安にしてくださいね。

塗料の種類耐用年数費用相場
アクリル5〜8年1,000〜1,500円 /㎡
ウレタン8〜10年1,800〜2,500円/㎡
シリコン10〜15年2,500〜3,500円/㎡
ラジカル13〜18年2,500〜4,000円 /㎡
フッ素15〜20年3,500〜5,000円/㎡

表の下にいくほど費用が高くなりますが、耐用年数が伸びていきます。費用のほかにも、定期的に塗り直しをしたいのか、もしくはなるべく維持させたいのか、などによっても左右されますので、予算や好みによって目星をつけていきましょう。 

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2. 外壁塗装の塗料の特徴

外壁塗装の塗料は見栄えや建物との相性がそれぞれ異なります。それぞれの塗料の特徴を深堀りしますので最適なものを選びましょう。

1. アクリル塗料

昔から使われており、多くのメーカーで商品を販売しています。透湿性が高く軒天井などに利用されます。現在はより高性能な他の塗料が存在しますが、扱いやすさから頻繁に塗り直しをする塗装やちょっとしたDIYで選ばれます。

メリット

  • ツヤが綺麗に出る上に色が鮮やかで、バリエーションにも富んでいます。
  • 施工費用を抑えられます。

デメリット

  • 耐用年数が短くこまめに塗り直さなければなりません。
  • 浸透性が高く湿気を吸収しやすいので、降水量の多い地域には不向きです。

2. ウレタン塗料

そのまま使用できる1液タイプと、硬化剤と混ぜて使用する2液タイプがあります。2液タイプは価格が高いですが耐久性が増します。扱いが困難なため、熟練した業者へ任せるようにしましょう。

メリット

  • 弾力性があるため柔軟でひび割れしにくいです。木部の伸縮にも対応でき相性が良いです。
  • 密着性が高く凹凸のある外壁との相性が良いです。細部まで綺麗に塗装されます。
  • 光沢がきれいでツヤのある外観を希望する場合におすすめです。

デメリット

  • 耐用年数が目安10年以内と短いため、建物をある程度長く使っていきたい場合は塗り直しが必要です。

3. シリコン塗料

一般的には「悩んだらシリコン塗料がおすすめ」といわれる程、価格と機能のバランスに優れています。

シリコンの含有量が高いほど機能が高まりますが、業者によっては低いものを選んでいるにも関わらず高い費用を請求してくる場合もあり、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

ウレタン塗料と同じように1液型(そのまま使える)と2液型(硬化剤と混ぜる)の2種類があり、2液型の方が費用・耐久性のいずれも高いです。

メリット

  • 透湿性に優れているため、塗膜を維持しやすくカビやコケが発生しにくいです。湿気が発生しやすい立地条件での使用もおすすめです。
  • 断熱、遮熱効果が高く、より快適に過ごすことができる上に環境にも配慮されています。季節による寒暖差が激しい地域にも適した塗料です。
  • 人気が高いので製品数が多く、色や性能、予算によって好みの商品を選びやすいです。シリコン含有量が多いほど機能が高まります。

デメリット

  • 弾力性が低いため、建物のひび割れ防止はあまり期待できません。
  • 高い機能性を求めるほど、費用が高くなります。

4. ラジカル制御塗料

塗料の成分を破壊するラジカルの発生を制御できる、耐久性の高い塗料です。

メリット

  • 塗膜に含まれる酸化チタン(白色顔料)が粉上に浮き上がる「チョーキング現象」が起きにくいです。建物の劣化を防ぎやすく、雨漏りの心配も少ないです。
  • 変色しにくく、汚れもつきにくいため外見の綺麗な状態を維持できます。
  • 木造やコンクリート、サイディングなど多くの素材に使用できます。

デメリット

  • ラジカル制御塗料は光沢のある塗料ですが、ツヤ消しのために添加剤を追加すると耐久性が落ちることもあるため、業者と相談してバランスを決めると良いでしょう。
  • 2012年頃から使用され始めた新しい塗料のため、扱っている業者が限られています。使用経験がないことも考えられますので、ラジカル塗料を検討している場合には業者が経験者かどうかも確認しましょう。

5. フッ素樹脂系塗料

フッ素樹脂を使用して開発された、汚れに強く長持ちする塗料です。質の悪い低価格なフッ素樹脂塗料を使用されたり、下地を雑に塗られてしまったりすると期待通りの効果が得られないため、経験のある信頼できる業者へ依頼しましょう。

メリット

  • 15〜20年と耐用年数がとても長いです。塗装時の費用はかかりますが、塗装を長持ちさせたい場合に適した塗料です。
  • 耐候性が高く外壁塗装に向いています。紫外線や雨風の影響を受けにくく、色あせも起きにくいです。

デメリット

  • 費用がかかります。
  • フッ素樹脂系塗料はツヤ消し塗装ができません。親水性が高いため汚れに強いのですが、ツヤ消しにすると効果を発揮できなくなります。
建築士

まとめ:予算と求める機能から好みの塗料を選びましょう!

今回は、塗料の種類やそれぞれの特徴を紹介しました。どんな塗料にもメリットとデメリットがあるので、予算や建物の立地条件などによって選んでみてください。

施工を依頼する際には、塗料の機能を存分に発揮できるように経験豊富で信頼できる業者へ依頼することが大切なので慎重に選ぶようにしましょうね。

外壁塗装に適した時期はいつ? おすすめの季節や塗料の種類も解説!

建物の外観の印象を司る外壁塗装。

そんな外壁塗装は定期的な塗り直しの作業が必要になり、その時期をなるべく正確に見極めることが大切です。

必要以上に塗り直すと費用がかさみますが、もし怠ってしまうと建物の傷みが進行することもあり、将来的により大きな修繕が必要になる危険性もあるのです。

そこで、今回は外壁塗装をする最適な時期を判断するために、塗料の耐用年数やセルフチェックの方法について紹介します。

また、外壁塗装に最適な季節についても解説しますので参考にしてみてくださいね。

外壁塗装に適した時期

外壁塗装の時期を知るための目安が、塗料の耐用年数です。

塗料の種類ごとの年数や、塗り直しにおすすめの塗料について紹介します。

1. 塗料の耐用年数を目安にする

外壁塗装の塗り直しの目安時期は、一般的には10年だといわれていますが、実際には建物に使用した塗料の種類などによって異なります。

外壁塗装の塗料にはいくつか種類があり、費用もさまざまです。

塗装の種類耐用年数費用相場
アクリル塗装5〜8年1,000〜1,500円/㎡
ウレタン塗装8〜10年1,800〜2,500円/㎡
シリコン塗装10〜15年2,500〜3,500円/㎡
ラジカル塗料13〜18年2,500〜4,000円/㎡
フッ素塗料15〜20年3,500〜5,000円/㎡

耐用年数の長さに比例して、値段が高くなりますので、ご家庭のお財布事情も考慮すると「なるべく安く済ませたい」と思いますよね。

しかし安すぎると頻度が多くなってしまい、塗り直しのたびに足場代や人件費などの出費が増えるため余計にお金がかかる可能性があります。

一方で長期間放置していると、塗料が剥がれむき出しになった部分から建物が傷み始める危険があるため、耐用年数を参考に外壁塗装の時期を検討してみてください。

2. 塗り直しにおすすめの塗料は?

塗り直しの際には、シリコン塗料、もしくはラジカル塗料がおすすめです。

シリコン塗料は耐熱性や耐水性に優れているので、太陽光が強く降り注いだり、雨風が強かったりしても建物を守ってくれます。

また、湿気を逃しやすい塗料なので、カビやコケを防いでくれ、見栄えを保ってくれるのです。

ラジカル塗料は、汚れが付着しにくく、あらゆる素材の外壁を塗装することができます。

また、耐用年数が長いため長期的に見るとコストパフォーマンスに優れています。

これから外壁塗装をする方は、シリコン塗料、もしくはラジカル塗料をぜひ検討してみてくださいね。

建築士

外壁塗装の時期を知るために日々できるセルフチェックの仕方

素人でも簡単に外壁の状態を知ることのできる方法を紹介します。

今日からすぐに実践できるものばかりですので、いち早く異変を知るための手がかりとして活用してみてくださいね。

1. ひびが入っている・剥がれてきている

画像は写真ACより引用

外壁にひびが入っていたり、はがれていたりする場合は、早急に外壁塗装をするべきです。

経年劣化による塗装した面の劣化は、塗り直すことできれいになります。

また、外壁塗装は単に見た目をきれいにするだけではなく、建物を守ることにつながるような施工も行います。

例えば、外壁の汚れを落とすための高圧洗浄や、隙間を埋めるためのコーキングなどを施すことで、結果的に建物の劣化を防ぐのです。

ただし、もし塗面よりも深くひびが入っているなどした場合は建物の構造体に問題があり、補修が必要になることがあります。

もし不安な場合には、専門の業者に点検してもらい問題点を明らかにしましょう。

2. チョーキング現象が起きている

チョーキング現象とは、外壁を触った際にチョークの粉のようなものがつくことです。

チョーキング現象の起こる要因としては、外壁が紫外線や雨風にさらされることで塗料に含まれる合成樹脂や添加剤が劣化することが挙げられます。

外壁を保護する樹脂や添加物が劣化することで、色を付けるための顔料が粉の状態に戻ってしまいチョーキング現象が発生します。

万が一、塗料の耐用年数よりも早めにチョーキング現象が発生した場合には、施工手順の不備か、気候・環境的な要因が考えられますので、工事を依頼したところとは別の業者へ依頼し今後の対策について相談すると良いでしょう。

3. カビ・コケが生えている

外壁にカビやコケが発生している場合、塗り替えが必要な時期の目印になります。

外壁に発生したカビやコケはアレルギーの原因になりうるので、住んでいる人にも悪影響を及ぼす危険性が潜んでいます。また放置すると建物の劣化が加速する恐れがあるため、早めに外壁塗装をするようにしましょう。

例えば、海や川が近い、建物が低い場所にあり霧が発生しやすい、雨が多く降るなど湿気が多い場所はカビやコケがより発生しやすいです。

建物と建物の間が狭く、通気性が良くない場合にも湿気がこもりやすく、外壁が劣化しやすいといえるでしょう。

カビやコケが発生した場合には、外壁塗装の相談をしながら建物の状態を見てもらうことをおすすめします。

建築士

外壁塗装の工事に適した時期

画像は写真ACより引用

外壁塗装には最適な季節がありますので、その時期に備えて早めに準備を整えていきましょう。

1. 春と秋が良い

塗料をしっかり乾燥させることができ、見栄えはもちろん塗料が持つ機能も落とさずに乾かすことができます。

依頼したい人が殺到する時期でもあるため、少なくとも2ヵ月以上前から動き出すようにしましょう。

乾燥させやすさを考えると夏も良さそうですが、外壁塗装の工程によってはエアコンが使えなくなり、窓も開けられない場合があるため暑い日に過ごしにくくなります。

もし夏に作業する場合には、気温が上がる日中は作業を中断してもらえるなど融通がきく場合もあるため、事前に確認するようにしましょう。

2. 梅雨と冬は外壁塗装ができない恐れも

梅雨と冬は塗料を乾燥させるのが難しく 、外壁塗装が困難なので注意しましょう。

12月ごろまでは、年内に施工を終わらせたい人々の注文で忙しくしていることもあります。

この時期には、やがて来るベストシーズンである春や秋に向けて計画を立てる時期に充てるようにしましょう。

外壁塗装のタイミングは塗料の耐用年数を目安に! ベストシーズンは春と秋!

今回は、外壁塗装の時期の目安についてお伝えしました。

外壁塗装の時期をなるべく正確に見極めることで、見栄えがよくなる他に、塗料の機能を損なわないため建物を守ることにもなります。

また、塗料の種類により耐用年数が異なるので、塗り直しの時期を知るための目安にしてみてください。

ただし立地条件や天候により一概に判断できない場合もあるため、ある程度の年数が経過している場合まずはセルフチェックをしてみることをおすすめします。

見た目や触った感触によりその場で判断できるので、セルフチェックもそこまで難しくありません。また、日頃からなるべく外壁の様子に目を配り、適切な時期に施工をできるように準備してみてくださいね。

建築士

外壁塗装の費用の相場を知り、安心できる外壁塗装業者を選ぼう!

「外壁塗装の費用相場を知りたい!」
「外壁塗装をなるべく安くしたい」

外壁塗装の費用は地域や塗料の種類により左右されますが、おおよその相場が存在します。

費用を知ることは、事前に貯金して備えたり、時期を検討したり、業者を選んだりするために役立ちます。

そこで、今回は外壁塗装の費用や安く契約するための制度・業者選びについて深掘りしますので、外壁塗装を検討している方はぜひご覧ください。

外壁塗装の費用の相場について

早速、外壁塗装の費用の目安や内訳を解説します。

悪徳業者にひっかからないためにも、相場の費用を確認しておくと安心です。

1. 外壁塗装の費用相場はいくら?

30坪前後の自宅の場合、外壁塗装の費用は60〜120万円になります。

もしこの金額よりも極端に外れている場合には、悪徳業者の可能性があるため注意が必要です。

高い場合には正規の値段よりもつり上げている可能性があり、低い場合には必要な工程を省いた上で安さをアピールにしていることが考えられます。

外壁塗装は正規の値段で請け負ってくれる業者を選ぶことで、安全に工事を任せられますので、目安の金額を参考にしてください。

2. 塗料ごとの費用の違い

外壁塗装の費用は塗料の種類にも左右されます。

以下、塗料による違いをまとめました。

なお、中塗りと上塗りの2回分の費用を算出しています。

塗料の種類耐用年数費用相場30坪前後の費用
アクリル5〜8年1,000〜1,500/㎡20万円前後
ウレタン8〜10年1,800〜2,500円/㎡25万円前後
シリコン10〜15年2,500〜3,500円/㎡30万円前後
ラジカル13〜18年2,500〜4,000/㎡35万円前後
フッ素15〜20年3,500〜5,000円/㎡40万円前後

塗料の耐用年数や機能性が優れるにつれて、費用が高くなっています。

アクリルであれば、20万円と一番安くすみますが、万が一5年後に塗装し直さなくてはならなくなる場合、改めて20万円出費することになります。

高い塗料は一時的に出費がかさみますが塗り直しの期間が長く、メンテナンスの手間もかかりません。

それぞれの塗料のメリット・デメリットを知った上で、最適な塗料を選んでいきましょう。

3.外壁塗装の費用の内訳とは?

外壁塗装にかかる諸経費を確認します。

塗料以外にも外壁塗装には経費がかかるため内訳をご覧ください。

外壁塗装の費用の内訳費用相場30坪前後の費用
足場代700円〜1,000円/㎡150,000〜200,000円
高圧洗浄高圧洗浄にかかる費用は200円/㎡バイオ高圧洗浄は250円/㎡が費用相場です。 25,000〜30,000円
養生、飛散防止ネット400〜600円/㎡40,000〜60,000円
シーリング(ひび割れなどの補修)50,000〜150,000円
廃棄物処理20,000円
合計400,000〜500,000円

業者の中には「費用の一部を無料にしますので、安く済みますよ」などと勧誘する悪徳業者もいますので、それぞれの相場を知っておき正しく値引かれているのかを確認しましょう。

しかし、そもそも必要経費を無料にする業者は手抜き工事をされる危険性が高いので選ばない方が安心です。

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外壁塗装の費用を安くすませる方法

外壁塗装の費用を少しでも安く済ませたい方に、保険や自治体の制度、業者の選び方を紹介します。

知っているかどうかで費用が数十万円単位で変わることもあるので、ぜひ最後までご覧くださいね。

1.火災保険・地震保険を使う

外壁塗装は火災保険で塗装費用を賄うことができる場合があります。

火災保険には大きく分けると以下の3種類あり、それぞれ補償範囲が異なります。

  1. 住宅火災保険は、火災に加えて風災や雪災などの自然災害によって外壁塗装が必要になった場合、費用が補償される可能性があります。
  2. 住宅総合保険は、住宅火災保険の補償内容に加えて、飛来物や車の落下や衝突、水害や水漏れも含まれます。また、盗難の際の泥棒による外壁の破損にも適用される可能性があります。
  3. オールリスクタイプは比較的新しい種類の保険で、住宅総合保険よりもさらに広く補償します。

それぞれ補償範囲が異なるため自分がどの種類の保険に入っているのかを調べておき、必要な時に使えるようにしておくと安心ですね。

また、地震や津波によって生じた火災や損壊などの損害は、基本的に地震保険の補償範囲のケースが多いので注意しましょう。

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2.自治体のリフォーム支援の制度を活用する

外壁塗装は、各自治体の助成金や補助金などの支援制度を利用することができる場合があります。

金額おおよそ10万〜20万円助成される場合が多く、塗装費用の約10〜20%が補助されるお得な制度です。

以下、一部地域の助成制度を紹介します(令和2年12月時点)。

地域制度名上限金額
東京都世田谷区環境配慮型住宅リノベーション推進事業補助金20万円(住宅リノベーション工事を単独で行う場合)
東京都品川区住宅改善工事助成事業(エコ&バリアフリー住宅改修)20万円
東京都渋谷区住宅簡易改修工事費助成10万円
北海道札幌市札幌市住宅エコリフォーム補助制度10万円
栃木県宇都宮市令和2年度の住宅改修補助制度10万円

引用:

工事を始める前に申請する必要があり、抽選で適用できるかが決まる場合もあります。

断熱塗料や遮熱塗料など環境に配慮した塗料に限定されたり、住宅には適用されなかったりなど制度ごとに条件が異なるので、詳細は自治体の問い合わせ窓口で確認してみると安心です。

3.適正な価格の業者に依頼する

安ければ安いほど良いということではなく、適性価格で施工してくれる業者にお願いするようにしましょう。

手抜き工事をされると、後々不必要な塗り直しや修繕が必要になる場合があるためです。

また、費用を抑えるという点では、地域で活躍する外壁塗装業者がおすすめです。

業界に長くたずさわってきたベテランの方であれば技術的にも安心感があります。地域密着型の業者なら、仕入れから手配まで全て自分たちで行うため、中間マージンが発生せずにすみます。

大手業者は過去の施工数が多いため信頼性が高いといえますが、費用が高めにつくこともあります。

それぞれのメリットを理解した上で、適性価格で請け負ってくれる業者さんを選抜するようにしましょう。

外壁塗装の費用は相場を知り適正価格で契約しよう!

外壁塗装の費用について紹介してきました。

「なるべく安く済ませたい」という気持ちは大切にしながらも、通常は相場通りの費用で契約することになるかと思います。

保険や各自治体の助成制度を利用することで、補助金がもらえる場合もありますので、工事の契約前に確認しておくと安心ですね。

適正価格で請け負う優良業者さんにお願いして、大切な建物を守る外壁塗装をしていきましょう。

建築士

外壁塗装の流れや所要期間の目安を知って安全に契約しましょう

建物の印象を司る外壁は、約10年に1度メンテナンスが必要になります。

頻繁に行うものではないためどのような流れで進むのか分からず、「外壁工事をしたいけど、仕事やプライベートの都合上どんな日程で進むのかを知りたい」

という疑問をお持ちの方も多いかと思います。

それぞれの工程にかかる日数を知ることは、業者の説明をよりスムーズに理解できたり、工事の間の生活をイメージしやすかったりとたくさんのメリットがあります。

また、中には必要な工程を省く悪徳業者も存在するため、騙されないためにも目安となる期間について知っておくことが大切です。

外壁塗装の流れや期間に加えて、外壁工事を始めるまたにやるべきことについてもまとめましたので、失敗せずに外壁工事を進められるようにぜひ確認してみてください。

外壁塗装の流れ・所用期間は?

外壁塗装の工程や、工事前に確認すべき内容についてまとめましたのでぜひご覧ください。

 1.外壁塗装の流れ・期間の目安

最低でも2週間は見ておくようにしましょう。

おおまかな流れは以下の通りです。

工程所要期間工事内容
1仮設足場、シート設置1日作業員が上に登って作業するための足場を作ります。また建設基準に基づき、防音かつ安全のためにメッシュシートをかけます。
2高圧洗浄、バイオ洗浄3日外壁塗装前の欠かせない工程です。ほこりやカビ、汚れに加えて剥がれかかった塗料をしっかり落とすことで、後に塗る塗料をより定着させます。洗浄は1日あれば完了しますが、乾燥させるために48時間程用[渡邉5] かかります
3下地処理1日〜土台となる外壁を調整する工程です。ひび割れやモルタルの補修、シーリングの打ち替え・打ち増しなど、建物の状態により必要な処置を施します。細かい作業ですが必要不可欠な工程なので軽視する業者は要注意です。どの程度の日数がかかるかはその建物の状態によりますので、見積もりの段階で確認しておくと良いでしょう。
4養生半日〜塗装をする際に、塗料が周辺に飛び散っても大丈夫なように周辺を保護する作業を養生、もしくはマスキングと呼びます。マスキングテープやビニールシートなどで、手すりや植物、周辺に置いてあるバイクや自転車などを包んだり覆ったりして、飛散した塗料から守ります。
5養生・下塗り3日〜通常、下塗り・中塗り・上塗りの合計3回塗装します。下塗りでは「シーラー」と呼ばれる接着剤のような役割を果たす塗料を塗ります。中塗りと上塗りで使う塗料が外壁に染み込まないようにしたり、より色みを鮮やかにしたりなどの効果があるといわれています。外壁の状態によっては、下塗りが2回必要なこともあります。
6中塗り1日2回目を中塗り、3回目を上塗りと呼びます。上塗り1回だけではどうしてもムラができるため、中塗り・上塗りの2回に分けることできれいに仕上げられるのです。色がより映えて、耐久性も増します。中塗りが終わり、しっかり乾燥させてから上塗りの作業に入るため1日ずつかかると計算します。
7上塗り1日上塗りは中塗りと同じ塗料を使います。一戸建ての場合は、基本的に中塗りと上塗りは同じ色・濃さの塗料を使います。大きな建物で複数人の職人が作業に取り掛かる場合には、仕上げに影響が出ない範囲で中塗りと上塗りの色を変えて、誰が見ても上塗りしていない部分が分かるように工夫することがあります。
8点検・足場の解体塗り残しや仕上がりなどについて確認が終わったら、養生で使用したテープ類を剥がし足場を解体します。足場がなくなると建物全体をくまなく見ることができるようになるため、塗り残しや周辺に塗料が飛び散っていないかなど、最終的に確認しておくと安心です。

2.外壁塗装の流れ・日数について確認すべきこと

外壁塗装に入る前の打ち合わせの段階で、上記のような流れや期間になっているのかを確認しましょう。

業者さんによっては工程表をくれる場合があります。

もし1週間程度で完了するといわれた場合には、必要な工程が省かれている可能性があるため全ての工程や使う塗料について確認してください。

下地処理をしなかったり、中塗り・上塗りの工程を踏まず1回で終わらせようとしたりしている可能性が考えられます。

業者の方の打ち合わせを受け身の姿勢で聞くだけではなく、一般的な基準から大きくそれていないかどうか確認するようにしましょう。

建築士

外壁塗装の前後でやるべきことは?

外壁塗装の工事に入る前にやるべきことについてまとめましたので、確認してください。

1.最初に外壁塗装の業者へ連絡する

業者に連絡をして建物の状態を見にきてもらうための約束を取り付けます。

業者の方が、調査した内容をもとに施工内容や見積もりをもらえますので、複数の業者へ連絡して相見積もりを取るのも良いでしょう。

ただし、極端に安い場合にも、値段にすぐに飛びつかず、なぜ安く済むのかを確認してください。

外壁塗装は正しい工程を踏めば10年は保ちますが、手抜きの施工をされると2〜3年で塗り直さなければならなくなり、結果的に高くついてしまいます。

目先の安さにとらわれずに、着実に工程を踏む業者を選定するようにしましょう。

2.外壁塗装前後の近所の挨拶周り

工事の1週間前になったら、ご近所へ挨拶に行くことをおすすめします。

親切な工事業者の場合は依頼主に代わって回ってくれることもありますが、事前に自分自身の口から話しておきましょう。

「二度手間なのでは?」と思うかもしれませんが、近所の方と良好な関係を築くためには直接話す方が良いですし、仮に工事業者の方が回る際も事前に依頼主が挨拶しておく方が話しやすいですよね。

近所の方へ具体的に伝える内容としては、工事の音による騒音、塗料の匂い、車や足場による場所取りなどが挙げられます。

ご近所の方が過ごし方を変えたり、心構えを準備したりすることができるでしょう。

事前に誠意を示すことで、万が一トラブルが発生した際にも少しは対応しやすくなるので、必ず工事へ入る前のご近所周りは怠らないようにしましょう。

3.外壁の周囲にあるものを片付ける

外壁塗装をする際には、家の周囲にある車やバイク、自転車、植物などは出来る限り片付けておくと安心です。

外壁塗装をする間は業者の方が何周も歩き回るため、気をつけていてもぶつけたり汚れたりする可能性があります。

もちろん塗装前には塗料がつかないように必ず養生しますが、もし移動できるものがあれば避難しておく方が良いです。

特に植物などの塗料がついたら取り返しのつかなくものについては、なるべく自宅の中に移動しておく方が良いでしょう。

また、足場を組む際にスペースを確保するため、車やバイクなどは別の駐車スペースを用意することになる場合もあります。

業者の方がより安全に作業できる環境をつくるためにも、外壁の周囲にはなるべくものを置かない方が良いということを念頭に置いておきましょう。

建築士

初心者の方も外壁工事の流れを知っておくと安心です!

今回は、外壁塗装の流れや期間の目安をお伝えしました。

外壁塗装は事前準備から工事中まで気遣うことがありますが、事前に知っておくことでより安全に作業が行われます。

基本的には業者の方に任せれば安心ですが、中には必要な工程を省いて作業する悪徳業者も存在しますので、今回の内容を業者選びの際の参考にしてみてください。

建築士