2021年 5月 の投稿一覧

「SGLとは?」特徴や、メリット、デメリットなどを徹底解説

ガルバリウム剛板を進化させたSGL(スーパーガルバリウム剛板)。その性能の高さから徐々に世の中へ浸透しつつあり、採用しているメーカーや業者も増えています。名前を聞いたことがあっても、疑問をお持ちの方も多いかと思います。

そこで今回は、特徴や、メリットとデメリットも詳しく解説します。SGLでの施工を検討している方も、知識を身につけていきたい方もぜひ最後までご覧ください。

SGLの特徴

SGLは外壁材や屋根材としてとても重宝されています。高い耐久性から需要が増しており、今後の新築やリフォームの際にはぜひ意識していただきたい素材です。

SGLは「GL(ガルバリウム剛板)」に、ガルバリウム剛板のめっき部分にマグネシウムを加えることで防錆効果を高めた素材です。

SGLは耐用年数が30〜50年といわれており永く使い続けられます。それに伴いメーカーの保証期間も伸びているため安心です。メーカーや業者によりますが、例えば塗膜は15年、穴あきは20年の保証が付いていることがあります。

SGLのメリット

耐食性がある

ガルバリウム剛板が亜鉛+アルミでできていたのに対し、SGLではさらに2%のマグネシムが含まれています。水に溶けにくく保護効果が高い上に、腐食電流を抑制する効果も期待されています。そのため耐食性に優れた素材として重宝されているのです。

特にガルバリウム剛板の弱点であった傷や切断部分からの腐食を防ぎ、耐食性は高くなっています。亜鉛よりもイオン化しやすいとされるマグネシウムの働きにより、犠牲防食作用が働き腐食から守ります。また保護皮膜の安定性を向上させる働きもあるため、より耐食性が期待できるのです。

塩害に強い

ガルバリウム剛板は塩害に弱かったため、沿岸地域では使われにくいというデメリットがありました。しかしSGLは重塩害地域以外の塩害地域では使えるように耐久性が増しています。

SGLになってからは保証対象が拡大し、海岸から500m以上であることもあります。ガルバリウム剛板では海岸から5000m以上が保証対象であったため10分の1の近さにまでなりました。従来は検討の余地がなかった住宅でも使用しやすいように進化したのです。

費用対効果が高い

ガルバリウム剛板よりも耐用年数が長い分、1年当たりのメンテナンス費用は数千円程度安くなります。足場を組むなどの工程はガルバリウム剛板もSGLも変わりませんが、SGLの方が耐用年数は長いため費用対効果がより高いのです。

もしSGLを塗装する場合は耐用年数の長さに合わせて、15年程度の耐用年数のある耐久性のあるフッ素を使用するのがおすすめです。耐用年数が長い分だけ他の塗料よりも値段が高めですが、安い塗料による定期的なメンテナンスは施工費用がかさむ上に手間がかかってしまいます。そのためSGLの塗装にはフッ素塗料など耐用年数が長いものが適しています。

建築士

SGLのデメリット

遮熱性や断熱性を高くする対策が必要

SGLはガルバリウム剛板と同様に遮熱性や断熱性が弱いです。そのため地域の気候や気温などに応じて塗料を工夫したり、リフォームを施したりすることが必要になります。

例えばリフォームなどの際に遮熱性が高い塗料を使うことで、2〜3℃程度室温を下げられます。

一方で断熱性を高めたい場合には、屋根の下地板の裏側に断熱材を仕込む屋根裏断熱という方法があります。また天井の裏側に断熱勢を施工する天井断熱もおすすめです。

定期的なメンテナンスが必要

SGLの劣化症状は錆びが主な原因です。ガルバリウム剛板よりも錆びにくいものの、けっして錆びないというものではありません。適切な時期にメンテナンスをしなければ、耐用年数が縮まってしまいます。

特殊なコーティングをすることで錆を防いでいるため、塗料の耐用年数に応じた時期に塗装の知識と経験が豊富な業者へ依頼しましょう。もしめっきにへこみや傷がある場合はそこから急速に劣化してしまう危険性があるため業者へ診てもらうと安心です。

建築士

「漆喰とは?」特徴やメリット、デメリットなどを徹底解説

漆喰は外壁材としても魅力な素材です。機能的な上に見た目が美しいため憧れを持つ方も多いです。

新たに住宅を建てる方からリフォームを検討している方まで、最適な選択ができるように一緒に確認していきましょう。

漆喰とは

漆喰の原料や特徴を解説します。漆喰にはいくつか種類がありますが、外壁材として使われることの多いものを深堀りします。

漆喰の特徴

漆喰とは石灰を主原料とした石灰系材料とされる自然由来の外壁材です。和風から洋風まで幅広い建物に適しており、世界の各国で使われています。

漆喰は種類が豊富ですが、外壁に使われるものは主に4種類です。

種類特徴
本漆喰・日本では古くから一般的に使われている・漆喰本来の高級感がある真っ白な色をしている・消化灰と海藻、麻繊維、のりを混ぜてつくられている
土佐漆喰・厚塗りであり防火性や耐久性が高い・降水量の多い高知県の気候に適している・施工後から色が変化する(クリーム色→少し黄味のある白)・消化灰とわら、水を混ぜてつくられている
琉球漆喰・断熱性や調湿機能が優れており、台風が多暑さの厳しい沖縄の気候に適している・わらの割合が土佐漆喰よりも多く、濃い黄色〜薄茶色をしている・生石灰とわら、水を混ぜてつくられている
西洋漆喰・耐用年数が100年を超える・消石灰、大理石、砂などを混ぜてつくられている

また漆喰と比較される珪藻土は軽装という植物プランクトンの化石が原料です。漆喰よりも調湿効果が高いですが、耐久性は漆喰の方が優れています。

建築士

漆喰のメリット

経年劣化しにくい

漆喰は耐久性が高い素材です。耐用年数は100年を超えるといわれています。また年数が経つほどより耐久性が増します。気硬化性という性質をもっている漆喰は、二酸化炭素を吸収することでより硬くなるのです。

漆喰は昔から日本にとどまらずあらゆる国の建築物に使われてきた素材の1つです。城や古蔵に使われてきた歴史的背景からも、その耐久性の高さが伺えます。

抗菌性がある

漆喰は水分や湿気を吸収して吐き出す性質を持っています。湿度を調整してくれる上に、ホルムアルデヒドなど体に外を与える物質を分解してくれます。

また漆喰の主原料である石灰石はアルカリ性であり、菌を死滅させる効果を持っています。また、人の体臭や排水口の臭いなどの酸性の臭いを中和し、消臭する効果も期待できます。

耐火性がある

漆喰は燃えない素材です。
漆喰は昔から城などにも使われ、防火性の高い安全な建物をつくる上で役立てられています。

建築士

漆喰のデメリット

施工時間と手間がかかる

養生後は下塗りと仕上げ塗りをしますが、十分な乾燥期間を設ける必要があるのです。例えば30坪の住宅であれば漆喰を乾燥させるだけでも2〜3週間必要です。

漆喰は工程も多い素材であり、現代は普及しているモルタルや窯業系サイディングと比較すると1.5〜3倍ほどの施工期間がかかります。ただし他の素材のように何度も張り替える必要はないため、なるべく長持ちする素材を希望する場合に適した素材といえます。

傷やひび割れが起きやすい

尖ったものでこすってしまうと傷が付いてしまいます。デリケートなため生活しながら気をつける必要があります。また、地震などの揺れによりひび割れする可能性もあります。

漆喰の施工ができる業者が少ない

漆喰塗りができる業者が少ないため、世の中に普及しにくいといわれています。漆喰は職人の技術力により仕上がりに差が出てしまうため、熟練した職人のいる業者へ依頼することが大切です。

建築士

「サイディングとは?」特徴や予算、メリット、デメリットなどを解説

サイディングは外壁や屋根に頻繁に使われる素材です。今回はサイディングの特徴やメリット、デメリット、施工費用、メンテナンスについてお伝えします。これから住宅を建てる方、リフォームを検討している方などサイディングが気になる方はぜひ最後までご覧ください。

サイディングの特徴

サイディングは日本でもメジャーな板状の素材です。素材の溝をコーキングで埋めて防水加工を施します。素材により耐用年数が異なりますが、一般的には20〜40年程度といわれています。

製品は工場で生産されるため品質が一定であり、取り扱いをしているメーカーの数も多いです。素材により見た目の雰囲気やメンテナンスの時期が異なるため、いくつかの選択肢の中から好みに合わせて選ぶことになります。

窯業系サイディングについて

窯業系のサイディングは80%がセメント、20%が繊維室や増量材で作られています。日本の住宅の多くを占めているといわれているほど需要の高い素材です。

窯業系サイディングのメリット

多くの人にとって使いやすい窯業系サイディングのメリットをお伝えします。

・バリエーションが豊富

窯業系のメリットは商品数が多くて種類も豊富なため、好きなデザインの素材を選びやすいことです。建物の外観の印象を左右する外壁材にこだわりたいという方も、窯業系サイディングは好みの素材を選びやすいです。

・施工費用が安い

窯業系サイディングはコストパフォーマンスが良く、他の外壁材よりも施工費用を含めて安いです。とにかくコストを抑えたいという方にもおすすめの素材です。

窯業系サイディングのデメリット

窯業系サイディングをいい状態で長く使うためにもデメリットを抑えていきましょう。

・吸水性が高い

防水機能がありません。そのため防水機能を高めるために塗装が必要になります。経年劣化や衝撃による傷、ひび割れなどから内部に水が入り込まないように定期的な塗装が必要不可欠です。

・蓄熱性が高い

窯業系サイディングボードに使われるセメントは熱をためてしまう性質を持っているので、暑い日は外気温に影響されやすいです。塗装の際に遮熱性や断熱性の高い塗料を選ぶのもおすすめです。

金属系サイディングについて

鉄板やガルバリウム剛板などの金属の素材を使っています。金属系の中にもいくつか種類がありますが共通する特徴をお伝えします。

金属系サイディングのメリット

日々の平穏な生活を守ってくれる金属系サイディングに共通するメリットを2つお伝えします。

・頑丈なつくり

耐久性が高い上に、耐震性にも優れています。またひび割れにも強く、破損による修繕の費用もかかりにくいため、防音性も高いため生活音の漏れが気になる場合にも良いです。

・断熱性が高い

室内の温度を一定に保つため暖房や冷房効率を上げたい場合に適した素材です。凍害にも強いため寒冷地での使用もおすすめです。

金属系サイディングのデメリット

金属系サイディングにもデメリットが存在します。あらかじめ確認しておくことで素材を長持ちさせることにつながります。

・デザイン性が低い

デザインの幅が狭いため気に入ったものを選ぶのが難しい場合があります。またメタリックなデザインになるため好みが分かれます。

・傷がつきやすい

強度が高いですが傷などがつきやすいという特徴があります。金属系サイディングは錆びやすいため内側の素材が見えてきたら早めのメンテナンスが必要です。

木質系サイディングについて

木質系サイディングとは文字通り木材を使った外壁材です。自然な良さが感じられ安定した人気があります。

木質系サイディングのメリット

唯一自然界にある素材を使っており都会などで自然の温もりや癒しを求めている方などから人気があります。そんな木質系サイディングのメリットを紹介します。

・見た目がおしゃれ

人気の理由は自然の木を使った味のある見た目です。人工的に作られた木目調のサイディングとは異なる風合いが出ます。木目が唯一無二のデザインを表現し、経年劣化していく様子も愛着が感じられます。

・断熱性が高い

断熱性が高い上に熱がこもりにくいという良いとこ取りの素材です。高低差の激しい地域や、夏の暑さや冬の寒さの影響を小さくしたい方におすすめの素材です。

木質系サイディングのデメリット

耐久性などを追求して人工的に作られた他の素材と比較すると劣化しやすいというデメリットがあります。原因を2つに分けて解説します。

・水に弱い

水に弱いため定期的なメンテナンスを怠ると雨水が浸透してしまいます。防水性の高いウエスタンレッドシダーのシェアも増えていますが、湿気に弱いためあらかじめ水はけなどの確認が必要です。

・防火性が低い

木材なので火に弱いです。防火性を高めるために特殊加工を施した素材もありますが、費用が高くなります。ただし特殊加工を施した素材は準防火地域にも対応できるものもあります。

樹脂系サイディングについて

塩化ビニールを主原料としているサイディングです。日本では1996年ころから扱われており特に寒さに強い地域などに適した素材です。

樹脂系サイディングのメリット

樹脂系サイディングは高機能な素材です。耐久性にも優れており大切な建物を守るのに優れています。

・素材が軽い

樹脂系サイディングは素材自体が軽いため建物への負担が少ないです。そのため地震が起きた際の被害も抑えられます。リフォームの際も既存のものに重ねて施工でき費用を抑えられます。

・変色が少ない

素材自体に色がつけられているために色落ちなどの心配がありません。施工当時の状態をなるべく長持ちさせたい方にとって魅力的な素材です。

樹脂系サイディングのデメリット

機能性の高い樹脂系サイディングにもデメリットがあります。自分にあった素材なのかを見極めるためにもデメリットを確認しましょう。

・扱える業者が少ない

国内シェア1%程度と利用率が低いです。そのため扱っている業者が少ないというデメリットがあります。また気温の影響で素材が伸縮してしまうため、難易度の高い素材であることも取扱業者が少ない理由です。

・デザインや色展開が少ない

好みにぴったり合った商品を探しにくい場合があります。シンプルな外観が好みの方にはおすすめですが、こだわりたい方にとってはあまり適していない素材といえます。

サイディングの費用やメンテナンスについて

サイディングの費用は表の上から順番に安くなっています。そのため初期費用をなるべく安くしたい方はまず窯業系サイディングを検討すると良いです。

 材料費耐用年数メンテナンス
窯業系4,000〜5,000円/㎡20〜40年8〜15年
金属系3,000〜9,000円/㎡20〜30年10〜15年
木質系6,000〜10,000円/㎡15〜30年3〜10年
樹脂系8,000〜10,000円/㎡20〜50年20〜30年
※状況によりことなります。

耐用年数を記載していますがこれは適切にメンテナンスをした場合の長さです。長く使うためには定期的な塗装やコーキングなどにより防水機能を高めるためのメンテナンスは必須です。メンテナンスを怠ると雨水などが侵食して素材の劣化が早まってしまいます。

サイディングについて知り適切な素材を選びましょう

今回はサイディングの特徴や、素材ごとのメリットやデメリット、費用やメンテナンスについお伝えしました。素材によって性質が異なるため、お住まいの地域や好みによって選びましょう。

サイディングは基本的にメンテナンスが必要です。中には「メンテナンスは不要」などとうたって安心させようとする業者もいるため、業者選びには注意が必要です。知識と経験が豊富な業者を選ぶことで安心して施工を任せられます。