2022年 11月 の投稿一覧

耐久度の高いラジカル制御型塗料の特徴やメリット、デメリットを解説!

自宅の外壁塗装を業者に依頼する場合、さまざまなタイプの塗料を紹介されるでしょう。外壁塗装に使用される塗料には種類が多く、機能や費用も様々です。塗料の1つであるラジカル制御型塗料は、近年よく取り上げられるようになった塗料ですが、まだまだ一般的には周知されていないことが塗料でもあります。

そこで今回は、最近注目されているラジカル制御型塗料の特徴やメリット、デメリットを詳しく解説していきます。

ラジカル制御型塗料とは

ラジカル制御型塗料は「ラジカル制御型の酸化チタンを使用した塗料」のことを指します。2012年に日本ペイント株式会社が世界で初めてラジカル制御型塗料を販売しました。

まだまだ比較的新しい塗料であるラジカル制御型塗料は、従来の塗料にはない優れた特徴を持っています。

ラジカル制御型塗料は主成分である樹脂の名前ではなく、アクリル樹脂系塗料やシリコン樹脂塗料などに特殊な成分を配合することで、ラジカル制御型塗料になるのです。

ラジカルってなんのこと?

ラジカルとは、塗料に含まれる顔料に紫外線や酸素、水などが当たることで発生するエネルギーのことを指し、ラジカルが発生すると塗料の劣化原因を引き起こしてしまいます。

したがってラジカル制御型塗料は、ラジカルが発生した場合でも、ラジカル制御酸化チタンと光安定剤の働きかけにより、ラジカルの発生を抑制してくれる効果が期待できるのです。

ラジカル制御型塗料の特徴

ラジカル制御型塗料には、高耐候酸化チタンと光安定剤の2つが配合されています。

高耐候酸化チタンは、ラジカルを発生させる酸化チタンを制御し、光安定剤は発生してしまったラジカルを発散させないように抑えてくれる働きをしてくれます。

この2つの働きにより、劣化しにくく耐久性のある塗膜を形成することが出来るので、長期的な使用も可能です。

ラジカル制御型塗料とシリコン塗料の違いとは

ここからは塗料の中で1番人気といえるシリコン塗料と、ラジカル制御型塗料の違いについて比較していきます。それぞれの特徴からラジカル制御型塗料が優れている点も挙げていきます。

ラジカル制御型塗料とシリコン塗料どちらを選ぶべき?

両者のコストはほぼ同程度であるうえに、お互いにデメリットが少ない塗料であるため、専門家であっても比較することが難しいのが本音です。しかし、水性でありながら、油性のシリコン塗料よりも機能性が充実しているのはラジカル制御型塗料の方になります。

ラジカル型塗料は水性特有である塗りやすさや、イヤな臭いが少ないといった良さがあるため、シリコン塗料よりも優れている面があります。もちろん、シリコン塗料もメリットがありますので、長期的なコスト面から見積もりをしっかりと見比べ、口コミも参考にしながら選択する必要があるでしょう。

ラジカル制御型塗料のメリット、デメリット

ラジカル制御型塗料は、塗膜の耐候性を非常に高くしてくれるので、シリコン塗料とともに近年人気の塗料ですが、メリットだけでなく、少なからずデメリットも存在します。

ここからはラジカル制御型塗料のメリットとデメリットについて詳しく紹介していきましょう。

メリット1 対候性に優れている

ラジカル制御型塗料を使用するうえで、1番のメリットは塗膜の劣化を防いでくれることです。耐久性はフッ素塗料の次に高いとされており、次世代の主流塗料として注目されています。

メリット2 汚れが付着しづらく防カビ性にも優れている

次にラジカル制御型塗料は光沢があるため、汚れが付着しにくいのも特徴です。ツヤも長持ちするので、チョーキング現象が起きづらいのも特徴の1つといえます。

ツヤの種類も「ツヤあり」「3分ツヤ」「5分ツヤ」「7分ツヤ」「ツヤ消し」などから選べることができ、ご自宅の外観に合わせて塗装できるのも魅力です。

また住宅の汚れに伴う代表的なカビや藻が付きにくいため、日当たりがよくない壁にも最適な塗料といえるでしょう。

メリット3 塗装する下地を選ばない

ラジカル制御型塗料は下地を選ばないため、ほとんどの住宅で使用できる塗料です。

サイディング、モルタル、木部、コンクリート、アルミなどの鉄系とさまざまな素材に対応できるので、住宅のみならず色々な建造物にも対応できます。

メリット4 コストパフォーマンスが高い

ラジカル制御型塗料は耐久性などフッ素塗料に次ぐほどの機能性でありながら、フッ素塗料よりも1㎡あたりの価格が1,000円ほど安いのも魅力です。シリコン塗料よりは若干価格は高くなりますが、耐用年数が長いため、費用対効果が高いとされています。

デメリット1 予想よりも耐用年数が短い場合がある

ラジカル制御型塗料は2012年に販売されており、耐用年数は10~15年ほどとされています。したがって2026年以降にならないと耐用年数が正しいのか判断ができないのです。

実際には数年程度の誤差があるともいわれているため、費用対効果が不明瞭である点がデメリットといえるでしょう。

デメリット2 選べる種類が少ない

ラジカル制御型塗料は比較的新しい塗料のため、販売されている種類が少ないことがデメリットといえます。選べる商品が限られてしまうことで、自分好みの色合いが見つからない場合があるためです。

 

おすすめのラジカル制御型塗料をご紹介

ここまでラジカル制御型塗料の特徴からメリット、デメリットを紹介してきましたが、ここからは信頼できるメーカーのおすすめラジカル制御型塗料を、外壁用、屋根用に分けて紹介していきます。

外壁用ラジカル制御型塗料

日本ペイント『ニッペパーフェクトセラミックトップG』

フッ素塗料と同量の対候性がある塗料です。日本ペイントのパーフェクトシリーズの中でも最高品質であり、サイディング、モルタル、ALCなどの外壁に適しています。

ツヤのタイプはツヤ消し、3分ツヤ、5分ツヤ、7分ツヤ、ツヤありの5種類となっています。

日本ペイント『ニッペファインパーフェクトトップ』

パーフェクトトップをベースにした光沢が美しい油性塗料です。サイディングやモルタル、鉄系や木系と幅広い外壁に塗装可能な商品です。

ツヤのタイプは3分ツヤ、5分ツヤ、7分ツヤ、ツヤありの4種類となっています。

エスケー化研『エスケープレミアムシリコン』

日本ペイントに次いで2014年に販売された本商品は、シリコン樹脂が配合されたラジカル制御型塗料です。サイディングやALCの他、コンクリートにも塗装可能となっています。

ツヤのタイプは3分ツヤ、5分ツヤ、ツヤありの3種類です。

関西ペイント『アレスダイナミックTOP』

ダイナミック強化剤を使用しており、雨天時での施工もできるラジカル制御型塗料です。窯業サイディングやモルタルなどの外壁に適しており、黒に近いシックなカラーを選ぶことが出来る商品となっています。

ツヤのタイプは3分ツヤ、5分ツヤ、7分ツヤ、ツヤありの4種類があります。

屋根用ラジカル制御型塗料

 

日本ペイント『ニッペパーフェクトクーラーベスト』

高い遮熱性を発揮できる塗料として人気を博しています。夏の高温や日差しに悩まされているご家庭にお勧めできる商品です。

ツヤのタイプはツヤありの1種類ですが、しっとりと落ち着いたツヤとなっているため、どんな住宅にもマッチしてくれます。

日本ペイント『ニッペファインパーフェクトベスト』

住宅の中で1番紫外線の被害を受けやすい屋根のために作られた商品です。耐久性の非常に高いフッ素樹脂塗料を配合しているため、劣化しやすい屋根の耐久性を向上してくれます。

ツヤのタイプはツヤありのみとなっています。

エスケー化研『エスケープレミアムルーフSi』

スレート屋根材や金属屋根材の塗り替えに適した商品です。ラジカル制御型塗料には黒などの濃い色合いはほとんどないのですが、本商品は比較的濃い目の色合いを選ぶことができますので、深みのある色合いが好みの人に選ばれている塗料です。

ツヤのタイプはツヤ消し、3分ツヤ、ツヤありの3種類から選べます。

アステック『超低汚染リファイン500MF-IR』

無機成分を配合したラジカル制御型塗料である本商品は、非常に耐久性が高いです。国内で最も普及率の高いスレート屋根材を始め、アスファルトシングルやガリバニウム鋼板など幅広い素材に適用しています。

ツヤのタイプはツヤありのみとなっています。

 ラジカル制御型塗料とシリコン塗料の耐用年数と費用について

 高い対候性があるラジカル制御型塗料はシリコン塗料よりも耐用年数が長いとされています。ここからは、ラジカル制御型塗料とシリコン塗料の耐用年数と費用について比較してご紹介していきます。

ラジカル制御型塗料

ラジカル制御型塗料の耐用年数は10~15年といわれています。塗り替えの費用については1㎡あたり2,500円~3,000円が多いようです。

シリコン塗料

シリコン塗料の耐用年数は10~12年前後とされており、塗り替えの費用については、1㎡あたり1,800円~2,800円ほどとなっています。

ラジカル制御型塗料の方が、塗り替えの費用は高めとなっていますが、耐用年数が長いため、長期的にみるとコストパフォーマンスが高いのはラジカル制御型塗料なのではないでしょうか。

ラジカル制御型塗料は実績ある業者に依頼しよう

 ラジカル制御型塗料は登場したばかりの比較的新しい塗料ですので、実績のある業者に依頼することが大事です。高性能であるラジカル制御型塗料の特徴を発揮できる下地がないと、せっかく塗装をしてもらっても選んだ意味がない可能性があります。

業者依頼に失敗しないためにも、複数社に相見積もりを取り、口コミも参考にしながら、見積書と合わせて比較していき、最適なリフォームプランを決めるようにしましょう。

まとめ

昨今シリコン塗料に次いで人気となっているラジカル制御型塗料について解説してきましたがいかがでしたでしょうか。今後も普及が見込めるラジカル制御型塗料の特徴やメリットデメリットをしっかりと把握し、ご自宅の状態やコストに見合った塗装を実現していただけたらと幸いです。

屋根塗装の際に知っておきたい「縁切り」の具体的な内容と必要性を分かりやすく解説!

縁切りという言葉を聞くと、よくない言葉のように感じる人も多いのではないでしょうか?一般の人には聞きなれない縁切りという言葉ですが、建築業界にとっては、屋根材の寿命を維持するために欠かせない大事な作業工程の1つです。

そこで今回は、スレート屋根の塗装をする際の大事な作業工程である縁切りの、具体的な施工内容や必要性について分かりやすく解説していきます。

スレート屋根塗装での縁切りとは?

縁切り作業とは、国内で多く普及されているスレート瓦屋根には欠かせない作業の1つです。

スレート瓦屋根をローラーで塗装していくと、瓦と瓦の重ね目に塗料が入り込んでしまい、そのまま乾燥させることで、瓦の重ね目が塗料で塞がってしまう状態になってしまいます。瓦同士の重ね目が塞がったままだと雨水の通り道がなくなってしまい、さまざまな不具合が生じてしまいます。

そのような不具合を起きにくくするために、塗装乾燥後に手作業で塗膜を切っていく作業工程を縁切りというのです。

縁切りの必要性について

スレート瓦屋根には縁切り工程がどうして必要なのかを解説します。

スレート瓦屋根に降り注いだ雨水は、瓦の重なっている隙間を抜けることで屋根内部に雨水が溜まらないような作りなのですが、瓦の重ね目が塗膜で塞がれていると、隙間がないため雨水が屋根内部に溜まってしまいます。

瓦同士の隙間がないことで通気性も悪く、雨漏りや腐食の恐れも出てきてしまうため、縁切り作業は必要となるのです。

もちろん、だれでも簡単にできるものではありません。特に素人が屋根に登って作業するのは危険ですので、専門業者に依頼するようにしましょう。

縁切りしなかった場合のリスクについて

縁切りの必要性でも説明しましたが、縁切りをしないことでさまざまなリスクが生じてきてしまいます。ここからは、縁切りしなかった場合に起こり得る大きなリスク3点について紹介していきます。

雨漏りの原因となる

雨漏りを知らずに放置してしまうと住宅内部の木部のみならず、金属部分も錆びて腐食してしまうなどの二次災害も酷くなり、住宅の寿命を縮めてしまいます。

スレート瓦屋根の縁切りがされていない場合、雨水の逃げ道がなくなりどんどん雨水が溜まってしまいます。これを放置することで、住宅にとって厄介な不具合の1つである雨漏りが発生してしまうのです。

雨漏りするとまた補修が必要になります。それだけでなく、家電や室内備品、生活用品にも支障をきたすケースがありますので、余分な出費と労力がかかってしまいがちです。

通気性が失われてカビが発生

スレート瓦の屋根を塗装した際に縁切りしないでいると、瓦同士に隙間がないことで雨水が溜まったままとなります。そうなると屋根内部に湿気が発生してしまい、屋根材の劣化が進んでしまいます。屋根内部が腐食することに加え、湿気によるカビが発生してしまう恐れも出てきてしまいます。

カビの発生は住宅にダメージを負うだけでなく、胞子が子どもの体内に入り込むリスクも生じるので注意が必要です。

屋根材の寿命が縮む

雨漏りや湿気のリスクでも説明しましたが、縁切りされていないスレート瓦屋根の場合、雨水が屋根内部まで入り込み屋根の下地板までも腐食が進んでしまうことがあります。

一般的には屋根の下地には防水シートを敷いてしますので、少量の雨水程度では大きな被害にはなりにくいものです。

ただ、長期間で雨水の逃げ道がなく屋根内部に侵入してしまうと、屋根自体の防水性も失われ、住宅自体の寿命を縮めてしまう可能性があるため注意が必要です。

さまざまなコストが増える

上記のリスクはすべて補修が必要となります。住宅の寿命が縮むと資産価値が下がりますし、補修には当然ながら出費がかさみます。

余計なコストが増えるばかりですので、縁切りをしないというのはリスク管理の点でも危険となります。

縁切りが不要な屋根も存在する

ここまでスレート瓦屋根における縁切りの必要性について説明してきましたが、すべての屋根材に縁切りが必要なわけではありません。

ここからは屋根塗装を行った場合でも縁切りが不要になる条件について紹介していきます。

塗り替えが不要な屋根材の場合

無機質素材である日本瓦の屋根であれば、塗装自体を行う必要がないため縁切りの必要がありません。

日本で古くから使用されている日本瓦は、瓦同士にしっかりと隙間があるため雨水や結露といったものをスムーズに輩出してくれる屋根材なのです。

ただし、日本瓦の中でもセメントを使用しているセメント瓦の場合は塗装して色付けする必要があるため、縁切りが必要となってきますので、注意が必要です。

吹き付けによる塗装の場合

屋根の塗装にはローラーを使用する「ローラー塗装」と、スプレーガンを使用する「吹き付け塗装」があります。

吹き付け塗装はスプレーガンを使用して霧状になった専用塗料を吹き付けて塗装していくので、塗料が飛散しやすいデメリットはあるものの、施工が早く瓦の隙間に塗料が入り込まないため縁切りが不要となります。

新築で初めて屋根塗装をする場合

新築で住宅を購入後に、初めて屋根塗装を行う場合も縁切りは必要ありません。

新築住宅ですとスレート瓦の重ね目に隙間が十分確保されていることから、塗装を行っても隙間が塗料によって詰まってしまう心配が少ないためです。

2回目以降の屋根塗装の場合には、前回の塗料が残っている可能性もありますので、基本的には2回目以降の屋根塗装の場合から縁切りが必要となってくるということを、覚えておくようにしましょう。

急こう配な屋根と経年劣化が進んでいる屋根の場合

急こう配な屋根ですと、屋根塗装を行っても塗料が隙間に止まりにくく、瓦同士の隙間を確保できるため、縁切りする必要はありません。

一般的に急こう配なやねとは「5寸こう配以上」と言われています。素人にはどれくらいの傾きなのか分かりづらいですので、専門業者に点検してもらい、ご自宅が急こう配かどうかを確認しておくと良いでしょう。

また、経年劣化が進んでいる屋根の場合も縁切りは不要です。スレート瓦は約10年で劣化し始め、先端が反り返ってしまうので、自然と瓦の重ね目に隙間が出来てくるためです。

縁切りの施工内容と費用について

ここまで縁切りの必要性や、縁切りをしないことで起こり得るリスクについて詳しく説明してきましたが、ここからは気になる縁切りの施工内容と費用について紹介していきたいと思います。

縁切りの方法

屋根の縁切りには、「カッター」や「皮スキ」で行うのが一般的です。

これらの道具を使用して、職人さんが1つ1つ丁寧に隙間を作っていく作業を行っていきます。屋根の大きさにもよりますが、一般的な一戸建てで1~2日ほどかかってしまうこともある施工過程となりますので、縁切りは手間のかかる作業の1つといわれています。

縁切りの必需品「タスペーサー」とは

先述しましたが、縁切り作業は手間のかかる工程といえます。タスペーターというアイテムが登場したことで、効率がグッと上がり作業時間の短縮も可能となりました。

便利アイテムであるタスペーターは、株式会社セイムが製造販売している商品で、下地調整や、下塗りが済んだ段階で使用される道具です。

塗装前にあらかじめタスペーターを入れておくことで、十分な隙間を確保できるため塗装しても塗膜で塞がる心配がないのです。

便利なタスペーターですが、こう配が緩やかな屋根、屋根材同士の隙間が4mm以上空いている屋根、アスベスト入りのスレート屋根には使用できない場合もあります。

タスペーターを使用することで従来よりも少しばかり費用がかかる場合もありますが、大切な屋根材に傷を付けずに破損から守るためにも必要性は高いものといえます。

ご自宅の屋根材がタスペーター使用可能かどうかは、専門業者にチェックしてもらっておくことをおすすめします。

縁切りの施工費用

屋根塗装での縁切り費用ですが、一般的な大きさである30坪ほどの住宅1件当たり、平均で5~6万円前後となっています。

また施工期間は職人さんが手作業で1枚1枚塗膜を剥がしていくため、1~2日程度かかってしまうことが多いようです。

縁切りに関わる業者選び

住宅にとって大事な工程である縁切り作業ですから、専門業者選びも慎重に行いたいものです。そこでここからは、縁切り作業をきちんと行ってくれる業者かどうかを見極めるポイントを紹介していきます。

屋根塗装後に縁切りしてくれない業者は要注意

住宅や屋根にとって非常に重要な作業である縁切りを、屋根塗装後でもありながら行わない業者が存在します。縁切りは職人さんの手間暇がかかる作業ですが、素人目には縁切りが行われたかどうか判断できないことを逆手に取り、縁切り作業を省略してくる場合があるのです。

そのような悪徳業者の被害に遭わないためには、見積書の項目に縁切りがあるかどうかを確認するようにしてください。

複数社で相見積もりは必ず行う

専門業者に選ぶ際は、1社だけに見積もり書を出してもらうのではなく、複数社に相見積もりを出すようにしましょう。複数社に見積書を出しておけば、他社と比較できるため高額な請求や、手抜き工事などを未然に防ぐことが出来るためです。

リフォーム詐欺に注意

呼んでもいないのに自宅に訪問営業に来る業者にも注意が必要です。リフォーム詐欺という社会問題となるような悪質なものも多いため、訪問されてもその場で直接契約するのは止めましょう。資料や営業マンの名刺を貰い、インターネットで会社を調べ、他の業者の見積書の内容と比較するなど対策するようにしてください。

まとめ

高温多湿な気候なうえに、近年ではゲリラ豪雨などの大雨が多い日本の住宅において、雨漏りや湿気による屋根材の腐食を防ぐことはとても重要なことです。

スレート瓦の屋根には欠かせない作業である縁切りの特徴をしっかりと理解し、安心できる業者を選ぶことで、ご自宅の寿命を延ばすことは可能ですので、この記事を少しでも参考にしていただき、適切な屋根塗装をしていくように心がけていきましょう。

 

ガイナ塗料とはどんな塗料?特徴からメリットデメリットまでわかりやすく解説!

ガイナ塗料という言葉ですが、自宅の外壁リフォームを考えている人なら一度は聞いたことがあるかもしれません。しかし、どのような特徴があるのか詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。そこで今回は、外壁塗装で使用されるガイナ塗料の特徴から、メリット、デメリットまでわかりやすく解説していきます。

ガイナ塗料とは?

株式会社日新産業が開発したガイナ塗料は、特殊なセラミックビーズとアクリルシリコン樹脂を配合した新しい外壁塗料です。ガイナ塗料の主成分である特殊セラミックビーズという小さな球体の働きが重要で、塗料の中に配合されているビーズが断熱材の役割を果たしてくれるため、他の塗料よりも高い断熱機能を発揮してくれます。

このセラミックビーズは他の塗料にも含まれているものですが、せいぜい5~20%程度の含有率となります。一方でガイナ塗料には塗膜状態にもなると80%の含有率となり、非常に多くのセラミックビーズを含んでいることが分かります。

またガイナ塗料は元々ロケットに使用されていたものを、一般の建築塗料にも使用できるように改良したものであるため、遮熱性と耐熱性の効果が高いのが特徴です。

 

ガイナ塗料のメリット

ガイナ塗料はJAXA(宇宙航空研究開発機構)の技術を利用して開発された商品ですので、木材やコンクリートといった外壁だけでなく、瓦やスレート、金属系、ガラス系の各種屋根材など幅広い素材への塗布が可能です。

住宅のあらゆる部分を保護することが出来るガイナ塗料のメリットを、5つに分けて紹介します。

断熱性に優れている

ガイナ塗料の主成分である特殊セラミックビーズは断熱材と似たような働きをしてくれるため、外壁に塗装するだけで断熱効果を発揮できます。油膜表面の熱を放熱するので外気熱の侵入を防いでくれます。

外壁に使用するだけでなく天井や内壁といった建物内部に塗布すれば、冷暖房の効率が上がり、省エネ効果が期待できます。

例えば、冬季に室内で使用した暖房の熱がガイナ塗料を塗布した面の温度を瞬時に上昇させてくれるため、温かい室内環境を整えてくれます。また夏季は室内の冷房により塗装表面が冷やされることで、快適な室内温度を保ち、暑さ対策になるのです。

空調に効きがいいことは光熱費の削減にもつながり、エコ対策にもなるでしょう。環境に優しいのがガイナ塗料のメリットにも含まれています。

遮音効果と防音効果が高い

特殊セラミックビーズが含まれているガイナ塗料は、遮音と防音効果が高いこともメリットの1つです。

セラミック成分の含まれるガイナ塗料は、一般の塗料と比べて塗膜の表面積が大きくなることから、音を効率的に反射するとともに、振動を抑制することで音の侵入を防ぐ効果が期待できます。

ガイナ塗料を屋根材に塗布すれば、雨音はもちろん、電車や車の騒音の軽減も期待できます。線路や主要道路近くにお住いで、環境による騒音に日々悩まされている人にもお勧めです。

近隣との騒音は何かと悩みの種になるものですので、高い防音効果は快適な環境を提供してくれるでしょう。

耐久性が高い

ガイナ塗料は紫外線に最も強いとされるセラミックを多層化した塗料ですので、耐久性が高いことも魅力的な特徴の1つです。紫外線吸収率が非常に高いため、一般的な塗料よりも2倍以上の耐久性があると言われています。

耐用年数は15~20年と長いうえに、ガイナ塗料の1番のメリットである断熱性能の高さによって、暑さ寒さによる建物自体の膨張や収縮を抑えてくれますので、建物の寿命を延ばしてくれる効果も期待できます。

結露防止効果

ガイナ塗料は塗布した周辺の温度に瞬時に適応してくれる性質であることから、冬の厄介な悩みである結露を抑えてくれます。

結露は外気との温度差が激しいことで発生しますが、ガイナ塗料が塗られた天井や内壁は室温に近づくため、熱の移動が少なくなることで、温度差が小さくなり結露の発生を抑制してくれるのです。

結露がひどくなると掃除も大変です。結露がたまり過ぎると水滴によって家電の故障やカーテンの汚れなどさまざまな影響を及ぼしますので、ガイナ塗料の結露予防は快適な暮らしを支えることにつながります。

空気清浄効果

ガイナ塗料の主成分であるセラミックは、遠赤外線を放出する特徴も持っています。セラミックから放出される遠赤外線効果は、空気をマイナスイオン化してくれますので、天井や内壁といった内部にガイナ塗料を塗布すれば、空気中の臭いの原因物質の浮遊を抑え、空気清浄効果と消臭効果が得られます。

ペットを飼っている住宅はもちろん、この特徴を活かして、さまざまな人が利用する公衆トイレや、ホテルなどにも数多く使用されています。

ガイナ塗料のデメリット

 

ここまではガイナ塗料のさまざまなメリットをご紹介してきましたが、デメリットも存在します。デメリットもきちんと把握すれば、ガイナ塗料を使用した際に失敗してしまうリスクも減りますので、ここからはガイナ塗料のデメリットについても紹介していきます。

施工経験がないと扱いにくい

断熱性や防音効果、耐久性、結露防止や空気清浄効果など、さまざまなメリットのあるガイナ塗料ですから、その特徴である高い機能や性能を十分に発揮させる必要があります。

そのためには適切な施工が必要になってきますが、ガイナ塗料は一般の塗料よりも特殊なセラミックビーズを多く含んでいるため塗布が難しく、施工業者の技術力が必要となります。ガイナ塗料の知識を持っているだけでなく、施工実績が豊富でガイナ塗料の扱いになれている専門業者を探さなくてはいけません。

ガイナ塗料の経験がほとんどない業者の口車に乗らないように気を付ける必要があるでしょう。

カラーバリエーションが少ない

ガイナ塗料には52種類のカラーバリエーションがありますが、一般的な塗料と比べると、色の種類が少ないのもデメリットの1つです。

ダークな色合いはありますが、赤や黄色などの原色系や黒のような濃色系といったバリエーションはないため、そのような色合いが好みの人には向かないでしょう。

外観で細目に注文をしたい人にとっては満足いかないかもしれません。

また、ガイナ塗料の仕上がりはマットで落ち着いた仕上がりになるため、光沢感がある仕上がりを期待する人にも向いていない塗料といえます。

防カビ効果がなく、汚れも目立ちやすい

一般的な塗料には防カビ機能が備わっていますが、ガイナ塗料には防カビ効果がありません。防カビ機能を持たせカビや藻を防ぎたい場合には、ガイナ塗料専用の防カビ材を別途使用しなくてはいけません。

また、ガイナ塗料を塗った壁はざらついた表面に仕上がるため、雨風による汚れが付着しやすいこともデメリットの1つです。汚れた外壁は建物の美観を損なううえに、放置してしまうとカビや藻といった外壁材や屋根材にダメージを及ぼす危険性も出てきてしまいます。

他の塗料より施工費用が高額

一般的なシリコン塗料に比べて1.5倍ほどの価格であるガイナ塗料は価格の高さがネックになることも。初期費用が他の塗料に比べてかかりますので、少ない費用で抑えたい人には不向きといえます。

ただ、ガイナ塗料は耐久性が高く耐用年数が長いため、塗り替えのメンテナンスが少なく済みますから、トータルコストで考えればお得になる場合もあります。

気になるガイナ塗料の施工費用

 

外壁塗料の中で国内最も人気の高いシリコン塗料とガイナ塗料を比較してみると、1㎡あたりの施工価格は、ガイナ塗料の方が1500円ほど高くなっています。日本の平均的な戸建て住宅の30坪で計算すると、シリコン塗料は100万円以下で施工できるのに対し、ガイナ塗料の場合は150万円を超えてしまうこともあるのです。

しかしガイナ塗料は耐用年数が長いため初期費用は掛かりますが、トータルコストで考えればお得になる場合もありますので、ご自身の予算や住んでいる地域の気候などを専門業者と話し合いながら、ガイナ塗料を取り入れるか検討するとよいでしょう。

プロの専門業者に相談

ガイナ塗料を使用するかどうかはプロの専門業者に相談するのがベストです。素人目にはガイナ塗料といっても他の塗料との違いが今一つ分かりにくいものです。今後の居住年数をトータルで考えると、他の塗料よりもコスト面で大きく割安になる可能性もあります。

ガイナ塗料も使用するかは実績もあって評判の良いプロの塗装業者に相談するといいでしょう。

まとめ

ここまで新しい外壁塗料の1種であるガイナ塗料の特徴やメリット、デメリットを解説してきましたが、知りたい情報は得られましたでしょうか?

ガイナ塗料は宇宙技術を取り入れた優秀な塗料ですのでメリットがたくさんありますが、いくつかのデメリットも存在しますので、両方の特徴を把握しておくことはとても大事です。

またガイナ塗料は特殊な塗料ですから、技術を持った信頼できる専門業者に依頼しなくてはいけません。ガイナ塗料の性能を活かす施工ができる業者であれば安心して任せられますので、今後ガイナ塗料でリフォームを考えている人は、この記事も参考にしながら、専門業者とよく話し合ったうえで、理想の塗装リフォームを実現していきましょう。

屋根の葺き替え工事の流れから費用の相場、施工時期の目安など徹底解説

築何十年と過ぎたお宅にお住いですと、そろそろリフォームを検討している人もいるのではないでしょうか。住宅のリフォーム工事には屋根、外壁、内装、ベランダなど様々な箇所があるものです。今回は住宅の要ともいえる屋根の葺き替えリフォーム工事の流れや費用相場、リフォームするべき時期など、葺き替え工事にスポットを当ててご紹介していきます。

屋根のリフォーム工事は3種類

住宅屋根をリフォームする際に主な施工方法は、「葺き替え」、「重ね葺き」、「塗装工事」の3種類に分けられます。ここからは、3種類ある各施工方法について紹介していきます。

・葺き替え

葺き替えリフォームは住宅についている既存の屋根材をすべて撤去して、新しい屋根材を設置する工事です。古くなった屋根材をすべて撤去するため、下地である野地板や防水シートも取り換えるので、屋根の機能が新しくなり住宅の寿命が延びます。

・重ね葺き(カバー工法)

重ね葺き(カバー工法)リフォームは住宅の既存の屋根を撤去せずに、上から屋根材を二重に設置する工事です。既存の屋根材を撤去せずに施工できるため、葺き替えよりも施工期間が短いうえに、費用も安くなります。

・塗装工事

塗装リフォームは、葺き替えや重ね葺き(カバー工法)などのように大掛かりな工事が必要でない屋根に施工する工事です。塗装を施すだけで形状は変わりませんが、屋根の色を変えることで住宅の見た目を一新することが出来ます。

屋根の葺き替え工事におけるメリット・デメリット

3種類の屋根リフォーム工事について説明してきました。ここからは屋根の葺き替えリフォームのメリットとデメリットについて紹介していきますので、特徴をしっかり理解してリフォームを検討する目安にしてください。

屋根の葺き替え工事のメリット

葺き替え工事の最大のメリットとしては、屋根材をすべて撤去するため、屋根材の下に敷かれた野地板や防水シートまで新しいものに交換できるという点です。下地まで新しくできることで、住宅自体の寿命を延ばせるため安心感があります。

また古い住宅ですと、屋根材によっては重量があるものもありますが、軽い屋根材に葺き替えを行うことで軽量化することが可能となり、住宅にかかる負荷を減らせます。

そのため耐震性が格段に上がり、地震に強い住宅に変えることが可能となります。

屋根の葺き替え工事のデメリット

重ね葺き(カバー工法)の施工であれば既存の屋根を撤去せずに使えますが、葺き替えリフォームの場合は全面撤去になります。既存の屋根材を撤去する費用と野地板や防水シートの交換に伴う費用が別途かかってしまうため、支払う金額が高くなりがちです。

また、屋根材すべてを撤去しなくてはならず、大掛かりな工事となってしまうために施工期間が長くなることもデメリットといえるでしょう。

葺き替え工事に使用される屋根材の種類

屋根に使用されている屋根材にはさまざまな種類と特徴があります。葺き替えリフォームをする際に、どの屋根材を使用すればいいか悩む人も多いでしょうから、ここからはメジャーな屋根材5種類の特徴について詳しく紹介していきます。

スレート屋根

スレート屋根に使用されるスレート瓦は一般的に「カラーベスト」と呼ばれるもので、昨今の日本の新築住宅において最も使用されている屋根材です。日本に古くからある和瓦に比べて軽量であることから、耐震性に優れた屋根材です。

種類も豊富で施工しやすい特徴がある反面、スレート屋根の主成分であるセメントに防水性がないため、他の屋根材よりも定期的にメンテナンスを行う必要があります。

また、凍害にも弱いので、北海道や東北といった寒冷地では使用できない場合があるため注意が必要です。

瓦屋根

瓦屋根は日本においては、古くから親しまれてきた屋根材です。昔から使用されてきた

和瓦は日本の気候に対応できるように作られているため、通気性が良く断熱効果も万全です。また他の屋根材よりも耐久性が非常に高いため、瓦自体のメンテナンスを必要としません。

一方で、他の屋根材よりも重量があるため耐震性はよいとはいえず、住宅に負荷がかかりやすいです。

また瓦自体の金額も高めですので葺き替えリフォーム工事の際は、費用が高くなる傾向にあります。

ガルバリウム屋根

ガルバリウム鋼板は、サビに強いアルミニウムが主成分となった金属板の屋根材です。

アルミニウムの特徴である、耐食性、耐熱性、熱反射性に加え、加工性も高いので、近年人気の屋根材となってきています。

金属系の屋根材の中では最も耐用年数が高いため、メンテナンス費用を抑えることできます。また、軽量なうえに安価で施工できることも人気の理由となっています。

一方で金属系であることから、防音性や断熱性については他の屋根材に比べ劣り、表面が傷つきやすいので注意が必要です。

ハイブリット屋根

災害の多い日本において、自然災害に強い屋根ということで作られたのがハイブリット屋根材です。ガルバリウム鋼板に石の粒を焼き付けるなどして作られたハイブリット屋根材は、軽量なうえに丈夫ですから、平均でも50年ほどの耐用年数を可能としています。

耐用年数が長いので、安心感はありますが、固定する部品は劣化しますから、細かい部分の定期的なメンテナンスは必要となります。

トタン屋根

一時期は非常に普及した金属屋根材であるトタン屋根ですが、最近では葺き替えで他の屋根材に変更されていることが多くなってきています。

耐用年数は10年ほどで他の屋根材より短いため、最近ではあまり使われなくなってきた屋根材ですが、塗装を定期的に行えば寿命を延ばすこともできます。しかし、定期的なメンテナンスを怠れば、葺き替えが必要になる時期が早まりますので注意が必要です。

屋根の葺き替え工事の費用の相場

屋根の葺き替えリフォーム工事を行う際に、最も気になるのが施工費用ではないでしょうか。

既存の屋根材をすべて撤去するため他の施工方法よりも高額になってしまう葺き替えリフォーム工事は、一般的に70~250万円ほどかかるといわれています。屋根材の葺き替え工事以外にも、足場の設置や不要になった屋根材の処理費用など多くの工程費用が必要となるでしょう。

古い住宅の場合、アスベスト入りの屋根材が使用されている場合もありますので、そのような時も追加で費用がかかります。

また、新しく使用する屋根材によって相場費用は異なります。メジャーな屋根材の相場費用はこちらを参照してください。

新しく使用する屋根材 かかる費用相場
瓦屋根材 約70~250万円
スレート屋根材 約70~200万円
ガルバリウム鋼板 約80~210万円

主な屋根材の耐用年数について

各屋根材の耐用年数については以下の通りとなります。

瓦屋根材(セメント瓦、粘土瓦、洋瓦) 20~70年
スレート屋根材 10~35年
ガルバリウム鋼板 20~40年

瓦屋根は非常に耐久性が高いことから耐用年数も他の屋根材に比べ長いです。劣化に応じてですが、10~20年周期で塗装工事などの細かなメンテナンスは必要になります。

現在使用されているスレート屋根材の耐用年数は10~35年ほどですが、2006年以前に使用されていたアスベストを含んだスレート屋根ですと、耐久性が高いため寿命も長めです。しかしアスベストを含んだ屋根材の場合、葺き替えにおける費用が高くなったり、そもそも葺き替えができない場合もあります。その場合は、重ね葺き(カバー工法)での施工となります。

ガルバリウム鋼板は金属屋根の1種で軽量であることが魅力で、耐用年数は20~40年となっています。軽量であることから既存の住宅の耐震性を向上させるリフォームとして、瓦屋根からガルバリウム鋼板に吹き替える人が増えています。

屋根の葺き替えリフォーム工事の施工の流れ

ここからは劣化が見受けられたり、耐用年数が近づいてきたなど、実際に葺き替えリフォーム工事を行う際の施工手順についてご紹介していきます。

① 瓦おろし作業

既存の屋根に使用されている瓦や屋根材を取り外す作業です。瓦を1枚ずつ手作業で取り外していきます。

② 野地板の張替え作業

既存の屋根材を取り外した後は、野地板のチェックをします。痛みや腐食が酷い場合には、野地板を新しいものに取り換える作業を行います。

③ 防水シート張り作業

野地板を交換したら、防水性を高めるための防水シートを屋根全体に張っていきます。隙間ができないように注意しながら丁寧に作業していきます。

④ 役物の貼り付け作業

屋根材のつなぎ目や軒先など、屋根の本体以外の役物を取り付ける作業を行います。

⑤ 新しい屋根材の取り付け作業

役物を取り付けたら屋根材本体を取り付けていきます。葺き替えリフォーム工事において重要な作業となります。

⑥ 棟の取り付け作業

屋根材を屋根前面に取り付けた後は、棟役物を取り付ける作業に入ります。棟の取り付け作業が終わったら、葺き替えリフォーム工事における全ての工程が終了となります。

施工業者を選ぶ際のポイント

屋根材の耐用年数が近づいて劣化が見られる場合に、業者から葺き替え工事を勧められることもあるでしょう。しかし本当に必要な施工なのかは素人目には判断がつかず、悩まれる人も少なくありません。

本当はまだ葺き替えが必要ではいのに業者にいわれるがまま不必要な工事をしてしまったり、工事品質が悪く数年で劣化症状がでてきてしまうなど、悪質な業者に騙されてしまう人も多いものです。

ここからは信頼できる業者選びのポイントを紹介します。

経験豊富な専門業者

屋根の葺き替えリフォームはしっかりとした専門知識を持ち、葺き替えリフォームを何度も経験している専門業者でないと、屋根材本来の力を発揮できなくなってしまいます。

今までのリフォーム事例を見せてもらい、経験豊富な業者を選ぶようにしましょう。

相見積もりで比較

見積書が費用の内訳までしっかり記載されているかは大事なポイントとなります。そのうえで複数社に相見積もりを取っておけば、見積書の比較ができますので、大幅な値下げと言いつつ工事がずさんだったなんて事に巻き込まれにくくなりますので、相見積もりは必ず取っておきましょう。

まとめ

今回は屋根材リフォームの1つである、葺き替えリフォーム工事について掘り下げて紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。

住宅の要部分ともいえる屋根の葺き替えリフォーム工事は、既存の屋根を一新できるうえに、住宅全体の寿命も伸ばすことができる大事なメンテナンスの1つです。

この記事をぜひ参考にして、屋根材の特徴をしっかりと理解し、納得できる屋根の葺き替えリフォーム工事を行うようにしていきましょう。

国内で使用されている屋根材のメリット、デメリットを徹底比較します!

住宅の屋根は日々の雨風や紫外線に1番晒される場所であるため、非常に劣化しやすく定期的なメンテナンスが必要となる場所です。しかし屋根材には種類がたくさんあるため、どの種類の屋根材が自宅の屋根に合うのかわからない人も多いものでしょう。そこで今回は、屋根材の比較やそれぞれのメリット、デメリット、リフォーム費用の目安まで詳しく解説していきます。

屋根材の種類について

屋根材の種類は、粘土瓦、セメント瓦、スレート瓦、金属系と大きく4つにわかれており、それぞれはさらにいくつかの種類に分類することができます。屋根のリフォームを検討中の方に、分かりやすいように各屋根材の特徴を紹介していきます。

粘土系

天然の粘土を原料にし、焼き固めたものを粘土瓦といいます。日本の家屋や建造物に古くから使用されてきた屋根材なだけに、日本の気候に適応しているので、現在でも人気の高い屋根材の1つとなっています。

粘土瓦という呼び方以外にも、日本瓦、和瓦、洋瓦、陶器瓦、いぶし瓦、など多くの呼び名が存在し、それぞれの種類で特徴が違います。

一般的に日本の屋根といえば、こちらの粘度瓦をイメージする人も多いでしょう。

セメント系

セメントと砂を原料としたセメント瓦は、コンクリート瓦とも呼ばれています。粘土瓦と同じような見た目をしていますが、セメント瓦の方が粘土瓦よりも形を揃えやすいため、施工しやすいと一昔前は人気がありました。

粘土瓦より耐久性が劣り定期的なメンテナンスも必要なため、最近では製造されなくなってきた屋根材です。

しかし近年、セメント瓦のデザインはそのままに軽量化され耐震性を向上させた軽量セメント瓦が登場し、需要が高まりつつあります。

スレート系

セメントを主成分とし、繊維質の材料を織り交ぜて薄く成形したものがスレート屋根材です。

カラーベストやコロニアルとも呼ばれています。厚さは5mm程度と非常に薄いため、他の屋根材よりも軽量となっています。

スレート系は価格が安定しているうえに、カラーバリエーションも豊富なため、昨今の新築住宅や屋根リフォームの際に1番使用されているタイプの屋根材です。

金属系

金属系の屋根材はガルバリウム鋼板、ジンカリウム鋼板、トタン、銅板、ステンレス、チタンなど大きく分けて6種類あります。

金属系の中でも1番メジャーなものが、ガルバリウム鋼板です。アルミニウム、シリコン、亜鉛からなるアルミ亜鉛合金めっき鋼板のことを指すガルバリウムは、粘土瓦よりもより軽量です。また金属屋根材の中では比較的安価となっています。

金属系6種類にそれぞれ違う特徴があるため、自宅屋根を金属系にしたい人は違いを知っておくようにしましょう。

各屋根材のメリット・デメリット

ここからは屋根材ごとのメリットとデメリットを、8種類にわけて詳しく紹介していきたいと思います。

化粧スレート

化粧スレート(人工スレート)の主原料はセメントと繊維素材のため、軽量で施工しやすいのが最大のメリットです。国内で多くの住宅に使用されている化粧スレートは、他の屋根材に比べて価格が安いので、新築住宅を建てる際も施工費用を抑えられます。

また、厚さ5mmほどと薄くて軽量な化粧スレートは、住宅にかかる負荷が少ないため、耐震性にも優れています。

デメリットは軽量であるために台風や暴風で飛ばされてしまったり、雨漏り等の劣化も起きやすいため、定期的なメンテナンスが必要となります。

天然スレート

天然スレートは、天然の鉱石である粘板岩を使用した屋根材です。天然鉱石を使用しているため、化粧スレートよりも高額になりますが、耐用年数が長く塗装のメンテナンスが不要であるため、トータルコストで考えればお得になる場合もあります。

また、天然鉱石ゆえの重厚感が感じられるので、高級感溢れる住宅を作ることができます。

しかし重量があるため耐震性の面で不安があるうえに、割れやすいこともデメリットといえます。

日本瓦

日本瓦は粘土を使用し焼き上げた屋根材で、仕上げの方法により釉薬瓦、いぶし瓦、無釉薬瓦などがあります。不燃材のため耐火性に優れているうえに、他の屋根材よりも厚みがあるため、遮音性や断熱性も高いのが魅力です。古くから日本で使用されている日本瓦は日本の気候にマッチしており、高温多湿の日本で安心して使用できる屋根材です。

デメリットとしては、厚みがあるため住宅に負荷がかかりやすく、地震の揺れで瓦がずれることがあります。また近年では、新しい屋根材が登場していることもあり、日本瓦を施工できる職人が減少傾向にあるのも不安要素の1つとなっています。

セメント瓦

セメントと砂を使用したセメント瓦は、同じ形に成形することができるため、商品のばらつきが少なく、日本瓦より安価で施工できます。不燃材料であることから、耐火性にも優れていますし、断熱性も高いことが魅力です。

デメリットとしては、セメントを主成分としているため水分を含みやすく、カビや藻が発生しやすく塗装メンテナンスは必須となります。

トタン

亜鉛で鉄をメッキ加工した鋼板であるトタンは、日本に古くからある屋根材の1つです。

施工が簡単なことで工期も短く済むため、価格が抑えられることが魅力です。カラーの種類も豊富ですので、自分好みの色合いを選ぶことができます。日本瓦と比較しても軽量なので、耐震性に関しても高い効果を発揮してくれます。

デメリットは、サビやすいため劣化が起きやすい面があります。日本瓦はメンテナンスが基本的には必要ないですが、トタンの場合は耐用年数も短く、定期的にメンテナンスが必要です。

ガルバリウム鋼板

従来のトタン屋根のデメリットであった、サビを起きにくくさせたのがガルバリウム鋼板です。日本瓦よりも非常に軽量であることから、耐震性の面でも安心できるとカバー工法のリフォームで選ぶ人も増えています。またカラーバリエーションが豊富なところも近年選ばれることが多くなった理由の1つです。

デメリットとしては、断熱性は劣るため夏場の断熱対策が必要になることと、防音性も弱いことです。断熱性と防音性の両方を向上させようとすると、費用が多くかかってしまう場合があります。

銅板

銅板の屋根は少し特殊な建築に使われており、銅の素材を屋根に張り付けて使用します。寺や仏像といった古くて大きな建築によく使われている素材です。耐用年数が長くて塗装が不要という大きなメリットがある反面、高価で取り扱う業者も少ないデメリットがあります。

アスファルトシングル

アスファルトシングルはガラスの素材にアスファルトをしみ込ませてから表面に石粒を付着させて使用します。軽量ながらも耐震性に優れて錆に強く、デザイン性も豊かな屋根材です。一方、デメリットとして風で石粒が飛び落ちやすく、カビやコケが発生しやすい面がみられます。

屋根のリフォーム費用について

住宅の屋根をリフォームする際の代表的な工事には「塗り替え塗装」「カバー工法」

「葺き替え」の3種類があります。ここからは、工事ごとの特徴や費用に関して詳しく見ていきたいと思います。

塗り替え塗装

「塗り替え塗装」の時期は屋根の種類により異なりますが、普及率の高いスレート屋根の場合で、10年目安で行う必要があります。選ぶ塗料により塗装費用は変わりますが、人気のシリコン塗料の場合では、耐久年数は5~7年で1缶当たり15,000~40,000円ほどとなっており、1番安いアクリル塗料の場合は耐久年数3年未満で1缶当たり5,000~10,000ほどとなっています。費用面だけで塗料を選ぶと初期費用は抑えられますが、塗り替える頻度は上がるため結果的に支払う価格が高くなる場合があります。

また、雨漏りなどの劣化が酷く大きな補修が必要な場合は、塗り替え塗装が出来ない場合があります。

カバー工法(重ね葺き)

「カバー工法」とは、既存の屋根はそのままで、上から新しい屋根材を二重に設置する工事です。既存の屋根材を撤去せずに施工できるため、アスベスト建材を使用した屋根材の住宅にも適した工事となっています。

葺き替えよりも施工期間が短く済み費用も抑えられますが、屋根材が二重になることで住宅への負荷がかかりやすいデメリットもあります。

費用は、新しく使用する屋根材が瓦屋根の場合70~250万円、スレート屋根の場合70~200万円、ガルバリウム鋼板の場合80~210万円が一般的となっています。

葺き替え

「葺き替え」は既存の屋根材をすべて撤去して、新しい屋根材に張り替える工事です。

野地板や防水シートも取り換えることが一般的ですので、屋根の機能が新しくなり、住宅の寿命を延ばすことができます。住宅の外観も一新することができますし、既存の屋根材よりも軽量の屋根材を選ぶことで住宅への負荷も軽減することが期待できます。

しかし既存の屋根材を全撤去することで、廃材の処分費用がかかるため費用が高くなり、施工期間も長くなります。

葺き替え工事にかかる費用は、70~300万円ほどと他のリフォーム工事より高額となっています。

屋根材は慎重に選んで自身でDIYはやらない

屋根材は「安ければおすすめ」「高いから良い」というものではありません。日の当たり具合や風の強さなどといった自宅の立地条件でも変わります。また、ご自身がどこに重点を置くのかでも屋根材は異なり、コストパフォーマンスやデザイン性、メンテンナンス回数を考慮した耐用年数など、屋根材は慎重に選ぶようにしましょう。

また、コストを抑えるために屋根のリフォームやメンテナンスを自身でDIYを行うのは危険です。屋根に脚立だけで登ろうとする人もいるでしょうが、基本的に足場を組んで作業しなければなりません。

ご自身で屋根塗装をしたい場合も危険です。間違った塗装方法でクラックを見逃すことがあると、雨水を侵入させてしまい、かえって雨漏れがひどくなるケースがあります。

まとめ

近年では屋根材の種類が増え、それぞれに違った特徴を持っています。それぞれの屋根材のメリット、デメリットをしっかりと把握したうえで、初期費用やデザイン性、耐用年数、重視したい機能などを十分に考慮し選ぶことが大切です。

住宅の屋根リフォームをする際に、屋根材選びで迷う場合には、少しでもこの記事を参考にしていただけたら幸いです。