およそ10年に1度のペースでやってくる外壁や屋根の塗装の際に、どのような色にしたらよいのか悩む人も多いのではないでしょうか。また外壁と屋根の塗装は色の組み合わせがとても重要になってきます。そこで今回は基本的な色の選び方や、人気のある色の組み合わせをサンプルも交えて紹介していきます。
色の組み合わせの基礎知識を知っておこう
外壁や屋根の塗料にはさまざまなカラーバリエーションが存在するため、あれもこれも使いたいと思う方も多いものです。しかし、色の組み合わせを失敗してしまうと次の塗装メンテナンスまで我慢して過ごすことになってしまい、やり直しのための費用が余分にかかってしまう恐れがあります。失敗しないためには色の組み合わせの基礎知識を知っておくことが大事となるでしょう。ここでは配色の基礎知識を詳しくご紹介します。
グラデーションについて
グラデーションとは色の色相、彩度、明度が連続的に徐々に変化していくことをいいます。グラデーションを取り入れることで立体感を生み出せるため、視線を誘導する効果があります。グラデーションがあるとイメージチェンジにもなりますし、張り替え不要で外観のデザインを変化できるのはグラデーションのメリットといえるでしょう。
セパレーション
色と色の間に違う色を入れることをセパレーションといいます。弱めの配色にメリハリをつけることや、強めの配色の間に入れれば配色を和らげ、すっきりとした印象と見やすさを与えてくれます。あまり多くの色を取り入れるとかえって不調和になりやすいので、2色から3色程度が無難といえるでしょう。
ドミナント
ドミナントは支配するという意味を持ち、同じトーンでまとめることで配色全体を統一することを指します。配色のトーンを揃えることでまとまりのある配色を実現できます。雪化粧の風景などはまさに白が支配したカラーといえるでしょう。少し浮いた印象にならないように、周囲の外景にマッチしたカラーをするような人も多く見られます。
外壁や屋根の色選びのポイントについて
外壁や屋根の配色は住宅の外観の雰囲気を決める重要な役割です。ここからは納得のいく色選びができるポイントを、5つに分けてご紹介していきます。
近隣住宅との調和
近隣住宅や街並みとの調和は色選びの重要なポイントの1つです。外壁には落ち着いた色合いを塗装するのが一般的といえます。白などの落ち着いた色合いが多い街並みにビビットカラーといった派手な色合いにしてしまうと、近隣の雰囲気と調和がとれません。付近の街並みに馴染むような色合いを選び、バランスが取れるよう心がけましょう。
屋根の形状別に選ぶ
外壁や屋根の色合いに迷った場合は、屋根の形状によって色の組み合わせを考えるとスムーズに決めやすいです。例えば屋根が大きく地上からよく見える場合は、外壁をベースカラー、屋根をメインカラーにし、屋根の傾斜が少ない場合は、外壁をベースカラーとメインカラーのツートンカラーで合わせるとまとまりやすくなりおすすめです。
外壁は薄めの色を選ぶ
住宅の外壁は落ち着いた色合いにするのが一般的です。明るい色合いが好みでビビットカラーを使用したいと考える人もいるでしょうが、あまりに明るい色合いですと、屋根の塗装の際に合わせるのが難しくなりますし、周辺の街並みに馴染まないことがありますので、注意して選ぶようにしてください。
屋根は濃い色を選ぶ
屋根は外壁よりも濃いめの色にするのが一般的です。屋根は住宅の中で一番雨や紫外線の影響を受けやすく劣化が早い場所です。したがって黒やグレーといった濃いめの色を選ぶことで色落ちや劣化を目立たせなくする効果が期待できるのです。明るい配色にしてしまうと、劣化が目立ってしまいますので、注意が必要です。
ベランダだけ違う色にする
ベランダ部分だけ別の色合いにすることもポイントの1つです。外壁や屋根よりもベランダ部分だけを濃い配色にすることで、住宅のデザインが単調になるのを避けられます。
一方で住宅全体に占めるベランダ部分の大きさやベランダの数によっては住宅全体のバランスが悪くなってしまう場合がありますので、事前に専門業者と確認しておくようにしましょう。
人気の色の組み合わせについて
ここからは外壁と屋根塗装における色の組み合わせで人気となっている物をご紹介していきますので、参考にしてみてください。
外壁・屋根の人気な組み合わせ
外壁・屋根 | 人気の理由 |
ブラウン・ブラック | 濃いめの色で高級感を与えてくれる |
アイボリー・ブラック | 黒系と淡いアイボリーでメリハリがでる |
ベージュ・グレー | 見栄えが良いうえに劣化しにくい |
外壁と屋根にはアイボリー、ブラック、ブラウン、グレー、ベージュから組み合わせるのがおすすめです。高級感がありながらも落ち着いた雰囲気になりやすく、失敗の少ない組み合わせを作ることが可能です。
もちろん、家族の意見もあるでしょうから、サンプルを確認しながらよく相談しておき、他の家で使われているのを参考にしながら決定するようにしましょう。
外壁・外壁の人気な組み合わせ
外壁・外壁 | 人気の理由 |
アイボリー・グレー | 劣化が目立ちにくく外観を維持できる |
ブラウン・グレー | 落ち着いた雰囲気を出すことができる |
ブラウン・ベージュ | 近隣の景観にマッチできる組み合わせ |
外壁を2色で組み合わせたい人は、ブラウン、アイボリー、ベージュ、グレーの中で組み合わせるのがおすすめです。淡い色は近隣住宅の景観を邪魔しないため、どのような場所にも溶け込むことができる組み合わせといえるからです。
近年は近隣住民との付き合いも薄れているものですが、町内会や子ども会のイベントなど、目立つ人ほど敬遠されがちになるのはいつの時代も変わりません。なるべく波風を立てたくない人は景観にも気を配るようにしましょう。
失敗しやすい色の組み合わせとは?
およそ10年に1度塗装のメンテナンスを行わないといけない外壁や屋根ですから、失敗したくないものです。ここからは失敗しがちな色の組み合わせを紹介していきますので、事前に確認しておきましょう。
汚れが目立ちやすい色同士を選んでしまう
白や黒といったモノトーン系は汚れが目立ちやすいため、白や黒の単体で塗装するのはおすすめできません。どうしても白や黒を使用したい場合は、真っ白や真っ黒ではなく、アイボリーやグレーなどの淡い色を選ぶようにすると、汚れの付着が気になりづらいです。
劣化する期間が異なる色を選んでしまう
塗料には色によって劣化していく期間が異なります。劣化が早いのは赤や黄色、紫といったビビットカラーで、劣化が遅いのは白や黒、青となっています。
例えば赤色は色落ちなどの劣化が早い一方で、白色は色落ちしにくいためこの2色で外壁を塗ってしまうと、劣化していくスピードに差ができてしまうのです。
そのように劣化具合に差ができてしまわないように、劣化の仕方が同じ色味を選ぶようにしましょう。
業者としっかり相談しておくことが重要です。
悩んだらカラーシミュレーションがおすすめ
塗料にはさまざまな種類のカラーバリエーションがあるため、あれこれ悩んでしまうことも少なくありません。そんな時は外壁や屋根の色を確認できるカラーシミュレーションがおすすめです
パソコンやスマホで簡単に確認できるため、スムーズに色の雰囲気を掴むことができます。
エスケー化研「住まいの塗り替えシミュレーション」
外壁塗料の大手メーカーであるエスケー化研が提供しているのが、「住まいの塗り替えシミュレーション」です。
さまざまなシミュレーターの中でも色の種類が豊富なうえ、操作も簡単ですので、塗り替えリフォームを検討中の人におすすめのシミュレーターです。
まとめ
今回は外壁と屋根の塗装における色の組み合わせについて、色の組み合わせ方や、失敗しないためのポイントなどご紹介してきました。10年に1度のペースで塗装工事を行わないといけない外壁や屋根ですので、失敗したくないものです。お金をかけたのに次のメンテナンスまでの10年間を後悔して過ごさなくてもいいように、この記事を参考にしながらご自宅に最善な色の組み合わせを、実現していただけたらと思います。