大雨特別警報が発令されることが多くなった昨今、台風や局地的集中豪雨によって雨量が大幅に増え、従来の家屋では雨量のキャパを超えてしまい雨漏りが突如として発生してしまうことが多くなりました。
雨漏りが急に起きることでどう対処したらいいのか不安になり、ストレスを抱えてしまう方も多いでしょう。どのように対処したら良いかわからずそのまま放置することで、屋根や外壁の劣化が進みさらに症状が進むことで修理費用が多くなってしまう可能性もあります。そこで雨漏りが発生したときに焦らず対処できるポイントを詳しくまとめていきます。
雨漏りが発生しやすいポイント
雨漏りといっても発生する箇所によって応急処置するポイントはさまざまですので、「天井」「窓」「屋根」「外壁」「ベランダ・バルコニー」といった発生箇所ごとに詳しく解説していきます。
天井の雨漏り
天井から部分的に雨漏りが発生したときは、バケツや鍋の深さのある受け皿を雨が垂れてくる箇所に置き、雨水を受け止めます。複数箇所で雨漏りが発生している場合は、床にブルーシートなどを敷き、その上に防水シートを入れたバケツを置くことで吸水力も上がりますし、水はねから床を守って床への二次被害を防げます。
天井の雨漏りは目に見えて漏れる場所が判明しやすく、電化製品に直接水滴が落ちる懸念もあります。バラエティー番組のコントでもお馴染みで昔ながらの対処法ではありますが、実際に効果もありますのでまずは受け皿を用意して対応しましょう。
窓の雨漏り
雨が強風を伴う場合、横殴りの雨が窓から侵入してくる恐れがあります。その場合は、まず侵入箇所を雑巾や防水シートで塞ぎます。ゲリラ豪雨のような大雨が窓の隙間から侵入してしまうと部屋の広範囲に雨水が広がり、床もかなり濡れてしまいます。
そんな時に雑巾や防水シートで隙間を塞げば、雨水はサッシに落ち室内への侵入を最小限に抑えられます。また雨戸やシャッターが付いている窓の場合、閉めておくといいでしょう。ただ、台風などの暴風雨の場合は、事前に対応しておかないと、シャッターを閉めるときに猛烈な雨が室内を襲ってきます。天気が大きく崩れそうな予報がある場合、先にシャッターを閉めるように気を付けておきましょう。
屋根の雨漏り
台風などの強風による被害で屋根から雨漏りしている場合、急いでブルーシートを張らなければと気持ちが焦りがちですが、一人での作業は大変危険なのでやめましょう。暴風雨の場合は視界も悪く、とても屋根で作業はできませんし、プロでもまずは避難を最優先するものです。
台風の被害ですとまだ強風が吹いている可能性もありますし、屋根が雨の影響で滑りやすくなっています。そのため、一人でブルーシートや土嚢を持ってはしごに上ることは危険です。まずは室内天井にビニール袋を張り付けておくことで床を保護するなど室内で出来ることを行いましょう。それでもどうしても屋根にあがって修理がしたいという人は、風がなく天気のいい日に2人以上で行うことをおすすめします。
また、天気予報をこまめにチェックすることも大事ですが、台風や強風の予報がある場合、ブルーシートを事前に設置したとしても、ニュースなどではブルーシートごと吹き飛んでいることが見られます。
しっかりと土嚢などを乗せなければなりませんが、事前に行う場合でも必ず2人以上で作業を行うことを忘れないでください。
外壁の雨漏り
外壁からの雨漏りの場合、修理業者を呼ぶ前の応急処置として防水テープがあります。コーキング材や補修スプレーなどもありますが、防水テープで外壁のひび割れなどを塞ぐのが一時しのぎとしてはお勧めです。
コーキング材を使用すると業者を呼んで作業する際に、剥がす手間賃が余分にかかる可能性もありますし、剥がしたあとから雨漏りが酷くなる可能性もあるからです。なお防水テープを使用する際は、アクリル系を使用することで剥がしたあとも残りづらくなります。
ベランダやバルコニーの雨漏り
ベランダやバルコニーからの雨漏りは、素人の目ではどこが侵入口か見つけづらいことが多くあります。明らかな侵入口がわからないけれど、早急に応急処置しようとむやみにコーキング材や補修スプレーを使用するのはやめた方が無難です。なぜならその後の雨漏り業者の修理の邪魔になってしまう恐れがあるからです。
ベランダやバルコニーからの雨漏りの一時しのぎとしてお勧めなのが、ブルーシートで広範囲を覆ってしまうことです。全体を覆うことで手すりやつなぎ目が原因の場合にも対応しやすくなります。ブルーシートですと縛っておくだけですので、修理業者に頼む際もスムーズに片づけられて便利です。
雨漏りした際に用意したい便利グッズ
急な雨漏りにも対応できるよう倉庫や押し入れに準備しておくと便利なものは、バケツなど深さのある容器、雑巾、吸水シート、アクリル系の防水テープ、大きめのブルーシート、ごみ袋などです。
ただ、バケツなどは他の用途にも用いるため、いざ雨漏りが発生したときに使えないこともあります。防水用にバケツや雑巾、吸水シートは一緒に保管しておき、雨漏り以外では使用しないように心がけておきましょう。これらの対策グッズはホームセンターで購入できますから、事前に準備しておけば急な雨漏りにも応急処置できるので安心です。
雨漏りを放置すると危険がいっぱい
雨漏りの発生個所によってさまざまな応急処置を紹介してきましたが、応急処置したことで雨漏りが治まったからとそのままにしておくことは厳禁です。雨漏りで浸水した場所は長期間放置することで、ご自宅の大事な基盤や柱が腐食する恐れがあり、サビやカビが発生してしまう可能性もあるでしょう。
基盤が腐食してしまっては大変な修理費用になりますし、カビが発生したまま放置してしまえば、カビの粒子を吸い込むと小さなお子様などはアレルギーなどで人体に悪影響を及ぼしてしまうかもしれません。
また、カビが発生するということは柱に湿気を含んでいる可能性があるため、シロアリの発生も心配です。一時的に雨漏りが治まっても継続的に雨水が侵入することで漏電を引き起こし、最悪の場合火災も発生しかねません。
応急対策の後は業者に頼んで恒久対策
一時的な応急処置で対策したあと放置してしまうことで、さまざまな危険が潜んでいます。修理費用が安く抑えられる初期の段階で、早急に業者に依頼することをお勧めします。
とにかく費用を安く抑えたい方や、1社だけでは金額が妥当かどうか不安だと思う方は、数社に相見積もりを出し、適正価格か確認することをお勧めします。
修理費用にも大まかな相場がありますので、明らかな高額費用はもちろん、安すぎる場合でも注意が必要となります。
雨漏りを業者に依頼するときのおおまかな費用
雨漏りの被害の幅にもよりますが、おおまかな費用はこちらになります。
屋根の雨漏り | 1~50万円 |
天井の雨漏り | 10~15万円 |
外壁の雨漏り | 5~150万円 |
ベランダ・バルコニー | 3~30万円 |
天窓・窓・サッシ | 3~30万円 |
屋根・外壁の張り替え | 100~300万円 |
幅がある場合は広範囲に及ぶケースです。また、一時しのぎで放置せずにすぐに業者に依頼した住宅は被害も最小限に抑えることが可能なので、費用を抑えることができます。逆に放置してしまった場合は、経年にもよりますが、高額な改修費用となるケースが見られます。
再発の危険性あるので信頼できる業者を選ぶ
雨漏りは業者に依頼しても再発してしまうことも少なくありません。それはなぜかと言いますと、雨漏りの発生原因をピッタリと見つけることはプロの目でも難しいからです。急な雨漏りで慌ててしまい、あまり業者を調べずに修理を依頼したことで、補修後も少しの雨でも雨漏りを繰り返してしまうなんてことも珍しいものではありません。
そのようなトラブルが起きないためにも、雨漏り診断士や外装劣化診断士のような専門資格を持っている業者を探し、業者のレベルも見極められ技術面でも安心です。また、補修実績も豊富な業者を選ぶことで、確実な原因箇所の突き止めにもつながります。
雨漏りでも火災保険が適用される
雨漏りでは火災保険が適用される場合があります。原則的に風災や雹災、雪災といった自然災害のみですが、火災保険だからといって火事だけに適用されるものではありません。雨漏りが発生した場合には、一度保険会社に相談することをおすすめします。
ただ、経年劣化などで屋根材などが老朽化した場合、そこから雨水が侵入したのなら、これは自然災害ではありませんので保険金が下りない可能性が高くなります。老朽化を防ぐためにも事前に点検しておき、メンテナンスを実施するように心がけておきましょう。
また、被害を被ってから3年以内に申請しないとならないので、常日頃からどのような補償内容だったかを忘れずに確認しておきましょう。
雨漏りは繰り返すと資産価値が下がる
雨漏りを対策せずに放置してしまうと、カビによる健康被害だけでなく、雨漏りの再発を促してしまいます。雨漏りが再発してしまうと、材質が腐り始め、シロアリも多数発生して手が付けられない状況に陥ってしまいがちです。
さらに、雨漏りを繰り返した場合、家の資産価値が下がってしまいます。いざ住宅を手放して売りたい場合、思った以上に価値が下がって売っても意味がない、極端な話で売れないというケースが発生してしまいます。
まとめ
大型台風や局地的大雨などが発生しやすくなった昨今、急な雨漏りでも落ち着いて行動できるようさまざまな対策をご紹介しました。一時しのぎの応急処置ができるよう、日頃から雨漏り対策グッズを準備することで、さまざまな対策を講じられます。
そして一時しのぎから放置せず、信頼できる業者を選ぶポイントを抑え、必要な補修工事をしてもらうことが重要です。実績豊富な業者に早急に診てもらうことで、再発しやすい雨漏りも、発生を抑えることが可能となりますので、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。